原作を放って置くとバッドエンドになるんですが、どうしたら良いですか?   作:月の光

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12_ミスト『ださ~』零冶『ほっとけ~』

零冶 サイド

 

 

 巨大な子猫のジュエルシードを封印し、今回は街中のジュエルシードの話だ。原作ではレイジングハートとバルディッシュが破損して、フェイトが手掴みで封印した話だな。え? 温泉回は如何したって? 別に特別なことは無かったので省略で~す。

 まあ簡単に言うと

  高町一家・月村一家・バニングス+α・桜羽一家・オリ主の大所帯で温泉にGO!

   ↓

  旅館でテスタロッサ一家と遭遇

   ↓

  意気投合し、一緒に宴会

   ↓

  なのは・桜羽・オリ主はアリシアと友達に

  アリサ・すずかはフェイト・アリシアと友達になった

   ↓

  翠屋のリニスが本物のリニスだったことが転生者達に判明

   ↓

  夜のジュエルシードが発動し、皆がハッスル、無事封印(踏み台なんて要らなかったんや)

   

『夜のジュエルシード』ゴクリ

 

『別にやらしくないよね?』

 

『雰囲気は大切ですよ? 一線を越えるときは特にそのムードが大切で、

 人はその雰囲気に流されて間違いを』

 

『お前は何を言っておるのだ?』

 

 ミストは放っておいて、今は話も終盤。ジュエルシードの封印も終わったところだ。ただ今回踏み台はまだいません。どうやら暴走したジュエルシードを収めることで好感度アップを狙っているらしく、様子見している。

 

『そもそもそのイベントは発生するのですか? あれはなのはちゃんとフェイトちゃんが敵対

 していたから発生したんですよね?』

 

『さあな、ただ俺の勘では起きると思っている』

 

『マスターの勘は当たりますからね。嫌な方向には特に』

 

『嫌な才能だと自分でも思うよ』

 

「ジュエルシードも無事封印できたね」

 

「そうだね。この調子で他のも頑張ろう」

 

「やっぱりフェイトちゃんは凄いね」

 

「そんなこと無い。なのはも魔法を習ってから1ヶ月も経ってないなんてすごいよ。

 ちょっと自信なくしちゃうな」

 

「でも、私はフェイトちゃんみたいに上手く魔力制御できないし」

 

「私はリニスに教えて貰ったし、これは慣れてこないと身につかないんだ」

 

「でもフェイトちゃんは――」

 

「なのはは――」

 

 また二人の世界を展開している。よく飽きないな。仲が良いのは良いことだが、あまりそっちの世界に行かないで欲しいな。

 

「二人とも最近そればっかりよ。もう結婚しちゃいなさいよ」

 

「あ、葵ちゃん! 私達女の子同士だよ!(それに私には心に決めた人が)」

 

「そ、そうだよ! アオイ、私達そんなのじゃないから!(結婚か~、それならライと)」

 

「そんなことより、サッサと回収したらどうだい?」

 

「「あっそっか」」

 

 なのはとフェイトがジュエルシードにデバイスを向けた瞬間、二つのデバイスは衝突する。

 

 

ガキン

 

 

「「あ!」」

 

 そして二人のデバイスは破損した。更にそこから漏れたジュエルシードの魔力に当てられて暴走するジュエルシード。

 

 

ゴオオオオオオオオオ!

 

 

「「キャアアア」」

 

「くっ! なのは! フェイト!(ここは原作通りになるのね!)」

 

「葵! お前はなのはを! 俺はフェイトのところに行く!(くそ! 油断した!)」

 

「分かったわ!」

 

 桜羽とユーノがなのはの所へ、オリ主とアルフはフェイトの所へ行く

 

「なのは! 大丈夫!」

 

「フェイト! 無事か!」

 

「うん……でもレイジングハートが」

 

「大丈夫……バルディッシュ!」

 

「まずい! ジュエルシードが暴走している! このままじゃこの星が飲み込まれる!」

 

 やっぱり起きたか、ユーノは解説役に転職したらしいな。てゆうかフェイトは何でデバイスを出したの? 君は回収する必要なかったよね? 

 

『さっきのでかなり動揺してたからじゃないですか?』

 

『なるほど、照れ隠しか』

 

 なら仕方ない。さて皆どう動くかな?

 

「くっ! このままじゃ」

 

 おっ、最初にフェイトが動いた。どうやら原作通り手掴みで封印に掛かるらしい。

 

『放っておいていいのですか? あのままじゃ怪我しますよ? お父さん』

 

『可愛い子には旅をさせろって言うだろ? って誰がお父さんじゃい』

 

「ヒャッハーーーーー! この時を待ってたぜ! いくぞ! ギル!」

 

 次は踏み台が動いたか……きっと余計なことをするんだろうな~

 

『あれも放っておくのですか?』

 

『大丈夫だろ? 虫の知らせ(シックスセンス)も発動してないし』

 

「ハアアア! エクス! カリバーァァァ!」

 

「な、なんて魔力だ!」

 

 確かに魔力量だけを見ればたいしたものだな。でも中身がスッカスカだ。魔力結合がまったくなってない。たとえるなら風船かな、いくらでかくても中身は空気みたいな感じだ。

 

『あれはまずいのでは? ジュエルシードの暴走がより強力になりますよ?』

 

『あ~まずいな~このままじゃちきゅうが~』

 

『白々しいですよ?』

 

『まあ、もう少し見守ってよっか』

 

 踏み台の放った砲撃魔法はジュエルシードに衝突した瞬間弾け飛んだ。

 

「な、何! バカな! 我のエクスカリバーが!」

 

 そして散った魔力を吸収して更に強力になるジュエルシード。

 

「な、なら直接叩き込んでやる」

 

 ジュエルシードに突っ込む踏み台。しかし、ジュエルシードから放たれた魔力衝撃に吹き飛ばされる踏み台。

 

「ウボァーーー」

 

 どこぞの皇帝の断末魔のような悲鳴を上げ吹き飛ばされる踏み台。いや~予想通りの展開だ。

まったくブレがない踏み台に敬礼!

 

「くそ! 神宮寺のやつ余計なことしやがって! これじゃ近づくことも出来ない」

 

「まずいわよ! 私達の砲撃魔法じゃ! あれは鎮められない!」

 

「そ、そんな! 何か手は無いの!」

 

「くっ! 直接封印するしかない!」

 

「フェイト! ダメだよ! あんなの近づく前にやられちまうよ」

 

「ぼ、僕のせいだ……僕がジュエルシードを発掘したから」

 

「ユーノ! 最後まで諦めるな!」

 

 オリ主よ、そういうからには自分で何とかして見せろ。出来ないなら口にするべきじゃない。

 

「ゼファ! 肉体強化を全開にしたらいけるか?!」

 

[無理です! あれはそういうレベルじゃありません!]

 

 そうかな? 耐久はSあるし、かなり怪我はするが近づけると思うが?

 

「なら咸卦法(かんかほう)で!」

 

[それもダメです! マスターは気の扱いがまだ未熟です!]

 

 使えるけど使えない気(笑)

 

「くそ! 斬魔剣が使えれば!」

 

 使えないんか~い。あれか、使い方は知ってるけど体が覚えてないから使えないって感じか?まあ今は魔法の訓練をしてるようだからしょうがないな

 

『さて、そろそろ限界かな? ミスト、少し早いがあの計画を実行するぞ』

 

『了解、マスター。では、これから私のことは――――と』

 

 さあ、始めようか、()のストーリーを

 

 

零冶 サイドアウト

 

 

フェイト サイド

 

 

 どうしよう、このままじゃ皆……皆死んじゃう。私が……私が何とかしないと!

 

「フェイト! ダメだよ!」

 

 私はジュエルシードに向かって走り出していた。たとえこの体がどうなっても私が! 

そうしたらジュエルシードが鈍く光りこちらを見た……いや、見られた気がした。

 

「あ……」

 

 たぶんジュエルシードが攻撃してくる。私のバリアジャケットじゃ防ぎ切れない。きっと私は助からない。その時私の脳裏に浮かんだのは大好きな母さんでもなく姉さんやリニスやアルフでもなかった。私を……私達家族を救ってくれた仮面の人。

 

「最後に会いたかったな……ライ」

 

「デモンズランス」

 

「「「「「「え!」」」」」」

 

 いきなりジュエルシードの真上から黒い槍が出現し、その槍は消滅することなく、ジュエルシードに衝突した。ジュエルシードも負けじと黒い槍を押し返そうとしている。しかし、黒い槍はジュエルシードを貫き、そのまま地面に突き刺さり、勢いは衰えることなく地中深くまで飲み込まれていった。

 

「い、いったい何が……」

 

 ユーノが声を出したが、誰も答えることが出来なかった。あまりのことに私達が言葉を失っていたら

 

ヒューーーン

 

カツーン

 

 ジュエルシードが落ちてきた。それとほぼ同時に、黒いスーツのような服に体全体を覆うほどのマントを羽織った、()()()を隠す仮面を付けた男? が降りてきた。そしてジュエルシードを拾い

 

「これがジュエルシードか……」

 

 いったい何者だろう。さっきの黒い槍はあの仮面の人が放ったのだろうか?

 

「ふ」

 

「「「「「「?」」」」」」

 

「ふははははははははははははははは!」

 

「「「「「「!」」」」」」

 

「素晴らしい! これほどの魔力を内包し、あれほどの次元震を起こせるとは!」

 

 い、いきなり笑い出した。ちょっと怖い……

 

「お、お前何者だ! それを如何するつもりだ!」

 

「ん? おや、まだいたのか……これを如何するつもりだと? 何故貴様にそんなことを

 答えなくてはいけない?」

 

「それは危険なものなんだ! 僕はそれを管理局に届ける義務がある!」

 

「管理局か……管理局では宝の持ち腐れだ。これは私が有効的に活用させてもらおう」

 

「な! ロストロギアの不正所持は犯罪だぞ!」

 

「だからなんだ? そもそも何故私が管理局の法を受けなければならない」

 

 まさかあの人は次元犯罪者なのかな? だとしたら話し合いでは解決しない

 

「あ、あの~、それはユーノ君のものだから返して貰えませんか?」

 

 なのは! 不用意に近づいちゃダメ!

 

「ダメよ! なのは!」

 

「え?」

 

「くっ!」

 

 私はなのはに飛び掛り、押し倒す。そしてなのはのいた場所に魔力弾が通過する。

 

「いきなり何をする!」

 

「ん? 敵が近づいてきたから攻撃しただけだが? お前達は敵に今から攻撃すると

 宣言してから攻撃するのか?」

 

「だったら自分がやられても文句ないよな! 魔法の射手! 光の7矢!」

 

 ハルトが魔力弾を放つ

 

「ふん」

 

 腰の剣を抜き、魔力弾を一振りでかき消した仮面の人。今の剣まったく見えなかった。

この人強い!

 

「これで終わりか?」

 

「そんなわけ無いでしょ! スノーリボン!」

 

 今度はアオイが仮面の人にバインドをかける

 

「む」

 

「春兎! やるわよ!」

 

「了解! アーエル・ウル・エルド! 来れ雷精、風の精、雷を纏いて、吹きすさべ、

 南洋の嵐、雷の暴風!」

 

「サファイア! アイシクルバスター」

 

[アイシクルバスター]

 

 アオイとハルトの砲撃魔法が仮面の人を飲み込んだ。相変わらず凄い魔力だ

 

「やったか!」

 

 そして煙が晴れていくと、ピンク色のシールドを纏った仮面の人が立っていた。

 

「そんな!」

 

「この程度で我が絶対守護領域を破ることはできない。終わりだ、ハドロンブラスター!」

 

 仮面の人から赤黒い砲撃魔法が放たれ、アオイとハルトを襲った。

 

「うわああああ」

 

「きゃああああ」

 

「葵ちゃん! 春兎くん!」

 

 くっ! バルディッシュがあれば!

 

「さて、邪魔ものは消えた。まだやるつもりかな?」

 

「まだ!」

 

「あたしたちがいるだろ!」

 

 アルフとユーノが前に出る

 

「アルフ! ユーノ!」

 

「ここは僕達で時間を稼ぐ! なのはとフェイトは逃げて!」

 

「そういうこと! 行くよ! はあああ!」

 

 アルフが仮面の人に近づき、殴りかかる。それを素手で受け止める仮面の人

 

「な!」

 

「たいした腕力だ。しかし、殴り方が素人だな。殴るというのはこういう事だ」

 

 アルフの手を掴み、空中に浮かび上がらせ、腰を落として

 

「掌底破!」

 

「がっは!」

 

 アルフが吹き飛ばされ、ビルの壁に激突する。

 

「「アルフ《さん》!」」

 

「チェーンバインド!」

 

「ほう」

 

「なのは! フェイト! 今の内に!」

 

パリィィィン

 

「そんな!」

 

「なかなかのバインドだったが、所詮はこの程度だ」

 

「お前も眠れ、ハドロンスフィア」

 

「させるか! ラウンドシールド!」

 

 防御魔法で応戦するユーノ

 

 

ガガガガガガガ!

 

 

「くっ! ただの魔力弾がなんて威力だ!」

 

「なかなか頑張るじゃないか」

 

 そして……

 

パアァァァン

 

「ハァハァ」

 

「ほう、防ぎきったか」

 

「ユーノ君! 大丈夫!」

 

「なのは! 僕のことはいいから逃げるんだ!」

 

「出来ないよ! 皆を置いて逃げるなんて!」

 

「でもこのままじゃ全滅だ! あいつにジュエルシードを渡しちゃダメなんだ!」

 

「話は終わったかな?」

 

「「「な!」」」

 

 仮面の人の周りにさっきの魔力弾が無数に浮かんでいた。

 

「ハドロンスフィア・マルチショット」

 

「くっ! サークルプロテクション・フルパワー!」

 

 ユーノが半円のプロテクションを張った。しかし仮面の人は魔力弾を放たない。なぜ?

 

 

ピシッィ

 

 

「「「え?」」」

 

 

ドコォ

 

 

「かはっ!」

 

「「ユーノ《君》!」」

 

 まさか地面から魔力弾が出てくるなんて!

 

 

パリィーーーン

 

 

 ユーノの張ったプロテクションが音を立てて崩れた。

 

「さて、君達はどうする? まだ戦うかな?」

 

「あ……」

 

 なのはが力なく膝を突く。せめてなのはだけでも!

 

「フェイトちゃん!」

 

 私はなのはを庇うために前に立つ。私でも盾になるくらいは!

 

「ふむ、流石の私も未来ある若者の命を奪うのは本意ではない。猶予をやろう。

 次のジュエルシードが発動したときに再び現れる。その時までに私に渡すか否か、

 選ばせてやる」

 

「「え?」」

 

「だが、渡さないのなら次は容赦しない。覚えておくと良い。ブラック」

 

[イエス、マスター、空間転移を開始します]

 

「ま、待て! お前はいったい何者だ!」

 

「私か? 私は……ゼロ」

 

 そう言い残し、転移魔法で姿を消すゼロ。でも

 

「た、助かったの?」

 

「うん、でも次現れたら……」

 

 あれはたとえ万全の状態でも勝てるかどうか……

 

「そ、そうだ!皆は!」

 

 それから私達はやられてしまった皆の容態を見た。気絶はしていてもそれほど酷い怪我はしていなかった。でも今度はあれと戦わなくてはならない。私達はゼロに勝てるだろうか……

 

 

フェイト サイドアウト

 

 

零冶 サイド

 

 

 いや~強かったね~ゼロ! まさかあんな強敵が現れるとは思ってなかったな~。

あっはい、すみません。あれ俺です。

 

『マスター、ノリノリでしたね』

 

『いや~悪役って結構楽しいね! はまりそうだよ』

 

 何故こんな事したかって? 減ってしまった戦闘経験を積ませるためと今やっていることの危険性を再認識させるためだよ。

 

 戦闘については俺がテスタロッサ一家を救済したから仕方ないとしてもフェイト以外のやつらは最近緊張感に欠けていた。命懸けのことをやっているということを忘れていた。そのためには、強敵の出現は一石二鳥の作戦だ。名づけて「一つの石で二羽の鳥を撃ち落とす作戦」だ!

 

『ださ~』

 

『ほっとけ~』

 

 原作に関わりたくないのにこんなことをするのは本末転倒だが、ここで彼らを育てておく事は後々のためには良いことだ。特に転生者達の成長は将来俺が関わらなくても良い未来のために必須だ。オリ主が期待通りでない以上、強くなるまで育てるしかない。さあ~育てるぞ~

 

 まずは自分達が弱いって事を認識させて、心をへし折って、どうやったら強くなれるかのヒントを与えつつぼろぼろにして……やっベー! テンション上がってきた~

 

『マスター、やり過ぎないで下さいね』

 

『分かってる。分かってる』

 

『彼らはまだ子供なんですからね』

 

『分かってる。分かってる』

 

『……マスターはロリコンなんですからね』

 

『分かってる。分かってる』

 

『ダメだこりゃ』

 

 俺はこれからの育成の計画を固めていく。さあ「転生者育成計画」の始まりだ!

は~はっはっはっはっはっ!

 

『マスター、かなりウザイです』

 

『ごめんなさい』

 

 

零冶 サイドアウト


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