原作を放って置くとバッドエンドになるんですが、どうしたら良いですか?   作:月の光

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09_ミスト『元気を出して下さい』零冶『……ありがとう』

零冶 サイド

 

 俺は今、窮地に立たされている。買い物から帰り、家の門を潜ろうとしたときに俺の体に衝撃が走った。傭兵としていくつもの窮地を脱してきた俺だが、これは想定していなかった。まさかの不意打ち、こんな……こんなことになろうとは!!

 

 

家の門の前にジュエルシードが落ちていました。

 

『なんでやねん!』

 

『似非関西弁ですね。分かります。』

 

いや、ジュエルシードだけならどうってことは無い。一番の問題は……

 

『マスター、お気付きでしょうが、上空から見られています』

 

『分かっている』

 

 そう、俺は今監視されている。円を広げて相手を調べたが、その相手が問題だ。その整った容姿と天然から数々の大きい男をロリコンに落とし、将来その我侭ボディで多くの男を陥落させるツインテールのロングにレオタード状のバリアジャケットを纏い、手には杖を思わせるデバイスを持っる……

 

フェイト・テスタロッサですね。分かりたくありません。

 

(不味い。もし、このジュエルシードを拾いでもしたら……)

 

フェ「そのジュエルシードを渡して下さい」

 

 と言われるに決まっている。このシチュエーションは数多くある2次小説でもオリ主が遭遇するイベントだ。つまり、俺がそのイベントを起こせば、間違いなく原作に巻き込まれる。ライではなく、月無零冶がだ。それは避けなくては……

 

『普通にスルーすれば、良いのでは?』

 

『俺もそうしようと思ったが、そうしようとした途端虫の知らせ(シックスセンス)が発動した』

 

 つまり、拾わなければ俺にとって都合の悪い未来になるってことだ。原作に関わりたくは無いのに……どうする?どうするよ俺!

 

俺は頭をフル回転させ、今の状況を打開する方法を考える。

 

(あまり、時間も掛けられない。ん?時間?…………そうか!それなら!俺をなめるなよ!)

 

 俺は絶対停止(ギアス)を発動させる。絶対停止(ギアス)は俺が円を広げた範囲内にいる知能を持ったものの体内時間を最大5秒間停止させることができる。知能を持ったということはAIも例外ではない。つまり、デバイスや月村家の自動人形も例外ではないということだ。ただし、ミストも止まってしまうし、次に発動させるには使用した時間×3倍のインターバルが必要になるがな。

 

(更に影分身の術(かげぶんしんのじゅつ)!)

 

1体の影分身を作り、家の中に入るように指示する。

 

飛雷神の陣(ひらいしんのじん)!)

 

 飛雷神の陣でフェイトの傍に転移する。飛雷神の陣(ひらいしんのじん)は円で広げた範囲であれば、マーキング無しで転移することができる。俺はフェイトに触れ

 

未来漫画(フューチャリングコミック)発動)

 

 《フェイト物語》を作り、さらに飛雷神の陣でさっきいた所に戻る。そして、絶対停止(ギアス)を解く。すると家の玄関が開き

 

「零冶?何やっているの?早く家に入りなさい」

 

「ああ、分かったよ母さん」

 

 え?何で母親が居るかって?さっきの影分身体に変身魔法で変身してもらいました。態々こんな事をしたのには理由がある。俺はさっきまでジュエルシードを凝視してしまっていた。それをただスルーするだけでは、もしかしたらフェイトに魔導師だったのか疑われる可能性がある。だが、親の言葉に則されてスルーしたのであれば、不自然さはほぼ無くなる。

 

 俺は家に入り、玄関の扉を閉め、栄光の手袋(グロリアスハンド)を発動し、時間を掴み、時の支配者(クロックマスター)で時間を一時停止(ストップ)させる。

 

『マスター、もしかして絶対停止(ギアス)も使ったのですか?』

 

『ああ、影分身の術(かげぶんしんのじゅつ)飛雷神の陣(ひらいしんのじん)もな』

 

『レアスキルのオンパレードですね』

 

『ああ、その甲斐あって』

 

俺は隠で見えなくしていた《フェイト物語》をミストに見せる。

 

『この通り、うまく言った』

 

『流石です、マスター。そこにシビれる、あこがれます』

 

『(テンプレを避けるためなら)ふっこの零冶容赦せん!』

 

さて遊んでないで、《フェイト物語》を読むとするか

 

 

零冶 サイドアウト

 

 

《フェイト物語》 サイド

 

 

 私はフェイト・テスタロッサ。母であるプレシア・テスタロッサにジュエルシードを集めてくるように言われて、使い魔のアルフと共に第97管理外世界の海鳴市に来ている。

 

 そして、ジュエルシードらしきものを発見したが、同い年くらいの男の子が先にジュエルシードに接近してしまい、手を拱いていた。しかし

 

「零冶?何やっているの?早く家に入りなさい」

 

「ああ、分かったよ母さん」

 

家の玄関から声を掛けられた男の子はそのまま、ジュエルシードを無視し、家に入っていった。

 

「もしかしたら魔導師かと警戒したけど、ただ気になって見ていただけみたいだね」

 

[そのようですね。それにあの子からは魔力を感じませんでした。ただの一般人でしょう]

 

「うん、そうだね」

 

 私のバルディッシュも同じ考えのようだ。バルディッシュはリニスが作ってくれた大切な相棒(デバイス)だ。リニスは数か月前に消えてしまったけど、その時に残して行ってくれたバルディッシュがある。私は母さんのためにもジュエルシードを回収してみせる!

 

[辺りに誰もいません。今がチャンスです]

 

「うん、わかったよ」

 

バルディッシュから報告を受けた私はジュエルシードに近づき

 

「ジュエルシード、封印」

 

ジュエルシードを封印処理し、バルディッシュの中に収納する。無事に回収できてよかった。

 

「この調子で他のジュエル……シー……ドも……」

 

[サー!]

 

 私は気が遠くなるのを感じた。ここ最近眠ってなかったから1つ回収できたことで気が抜けてしまったのかもしれない。私はそのまま地面に倒れ、気を失ってしまった。

 

 

 

「んっ……ここは……?」

 

私は目が覚めると見覚えのない天井が目に入った。そして思い出した。

 

「そうか……私、気を失っちゃたんだ」

 

アルフが見つけて、部屋に運んでくれたのかな?私は起き上がろうと左腕を動かしたが、

 

ガキン

 

「え?」

 

左腕が何かに引っ張られた。私は左腕を見てみると

 

「え?何で手錠が?」

 

私は右腕で左手の手錠に触ろうとすると

 

ガキン

 

「え!?」

 

 右腕にも手錠がされていた。足も動かしてみたが、両腕と同じ状況だった。もう訳が分からなかった。

 

「私……なんでベットに括り付けられているの?」

 

すると、部屋の扉が開いた

 

「あ!アルフ!どうして私を…………貴方……誰?」

 

アルフかと思ったら、まったく知らない男の人が入ってきた。

 

「おや、目が覚めたんだね。ビックリしたよ。道を歩いていたら君が倒れていたんだから」

 

どうやら、この人が私を助けてくれたらしい。でも

 

「その……助けてくれてありがとうございます。でも何で手錠を……」

 

「ああ、気にしないで。僕としても良い拾い物をしたと思っているから」

 

良い拾い物?

 

「それはどういう……」

 

「分からないかい?君のような可愛い女の子があんな時間に一人で出歩いてちゃだめだよ……

 だから僕のような悪い人間に捕まっちゃうんだ……」

 

ニヤニヤと笑みを浮かべる男

 

「ひっ!」

 

「分かったかい?今の自分の状況が……大丈夫、全て僕に身を任せるんだ。痛いのは最初だけだよ」

 

「バ!バルディッシュ!」

 

私は相棒を呼んだ。しかし

 

「バルディッシュ?もしかしてそれはこれの事かい?」

 

男の手にある私の相棒

 

「バルディッシュ!それを返して!」

 

「大切なものなんだね……でもこの状況でそんなこと言っちゃダメじゃないか……

 これが壊されたくなかったら、大人しくしているだね」

 

男はバルディシュを床に置き、足で踏みつける

 

「やめて!お願い!」

 

「お願いします、だろ?」

 

「…………やめてください。お願いします」

 

「うんうん、素直なのは良いことだ。それじゃ、おじさんと良いことしようか……」

 

嫌だ!嫌だ!怖い!怖いよ!母さん!アルフ!助けて!助け……て

 

 それから私は男に良いように弄ばれた。痛いと言ってもやめて貰えなかった……抵抗したら、バルティッシュを壊すと脅された。私はもう……従うしかなかった。

 

 

《フェイト物語》 サイドアウト

 

 

零冶 サイド

 

 

「…………」

 

[…………]

 

言葉が出なかった。ミストも同じみたいだ。なにこれ?この小説はR指定じゃないんですけど?

 

[メタイです。マスター]

 

「ごめん、ちょっと動揺してた」

 

 何でこの子の人生はこんなに波乱万丈なの?何でこの町にはロリコンがいっぱいいるの?何で俺はこんなに原作に巻き込まれるの?訳がわからないよ

 

[マスター、現実逃避してても何も変わりませんよ?]

 

「ああ、分かってる」

 

 だめだ、俺の負けだよ。この子には何としても幸せになって貰いたいと思ってしまった。1秒でも早く

 

[仕方がありませんよ。マスター]

 

「何が?」

 

[さっきご自分で負けフラグを立てていたじゃありませんか……この零冶容赦せんって]

 

「やっちまったなあぁ!俺ぇぇ!」

 

 俺は転生人生初めての敗北感を味わった。これだけの能力がありながら負けるとは!だがこれだけは言わせて欲しい…………

 

「俺は悪くねぇ!」

 

[遊んでないで、行くぞ!劣化レプリカ]

 

 ミストの言葉が痛いです。さて、まじめにやりますかっと

 

「ミスト、セットアップと認識阻害魔法を」

 

[イエス、マスター。セットアップ…………認識阻害魔法展開しました]

 

「サンキュー」

 

 俺は時の支配者(クロックマスター)栄光の手袋(グロリアスハンド)を解除する。そして動き出す世界。俺は玄関のドアスコープから外の様子を伺う。

 

『フェイトが倒れたな、よし行くか』

 

俺は円を広げ飛雷神の陣(ひらいしんのじん)でフェイトの上空に転移する。

 

(周りに人はいないな……よし)

 

フェイトのそばに降り立つ

 

[貴方は誰ですか!]

 

「警戒するな……とは言わんが、安心しろ。少なくとも敵ではない。それよりお前のマスター

 はどうして倒れた?」

 

[……おそらく、最近睡眠を取られていなかったので、緊張の糸が切れたのかと……]

 

「睡眠を取っていなかった?まさかこの町にあるジュエルシードを回収するためか?」

 

[…………]

 

「だんまりか……まあいい。お前のマスターを連れて行くぞ」

 

[マスターをどうするつもりですか?]

 

「この子に……いやお前達に会わせたい人がいる。お前もよく知っているマイスターだよ」

 

[まさか!?]

 

飛雷神の術(ひらいしんのじゅつ)でその場から転移する。

 

 

~フェイトが気絶してからしばらく~

 

 

「んっ……ここは……」

 

「目が覚めたか?」

 

「!誰!?」

 

「落ち着け……俺は倒れたお前を部屋に運んだだけだ」

 

「倒れた?……あっ!」

 

「思い出したか?お前のデバイスに聞いたがろくに睡眠を取っていなかったそうだな」

 

「!?バルディッシュ!貴方!バルディッシュをどうしたの!」

 

「お前のデバイスは俺が預かっている。返して欲しければ……俺の質問に答えろ」

 

「……分かった」

 

「ではまず……」

 

「……」

 

「腹減ってないか?」

 

「へ?」

 

「腹減ってないかと聞いている」

 

「減ってませ《くぅ~》……///」

 

「減ってるんだな?」

 

「……はい///」

 

「なら、先に飯にしよう。ちょっと待ってろ」

 

俺は冷蔵庫から材料を取り出し、飯を作る。しばらくして。

 

「ほら、オムライスだ。食べな」

 

「……おいしそう」

 

「遠慮するな」

 

「……いりませ《くぅ~》わぁ!///」

 

「毒を盛られていないか警戒しているのかもしれないが、よく考えろ。

 今俺がそんなことをする意味はない。分かったらさっさと食え」

 

「……分かりました」

 

フェイトは恐る恐るオムライスを口にする。

 

「ッ! お、美味しい!」

 

「それはよかった。遠慮しないで食うといい」

 

「は、はい!」

 

そうして、黙々と食べ続けるフェイト。余っ程腹が減っていたらしく、あっという間に完食した。

 

「ご、ごちそう様でした……」

 

「お粗末様。片づけるから少し待ってろ」

 

俺は食器を流しに片づけ、フェイトのところに戻ると、余程美味かったのか頬が緩んでいる。

 

「さて、質問の続きだが……」

 

そう聞いてハッとなったフェイトがまじめな顔でこちらを見てくる。何この子可愛いんだけど

 

『マスターがロリコンだったとは……』

 

『いや、どっちかって言うと娘を見ているような感じだな』

 

『心拍数に乱れ無し……どうやらそのようですね。安心しました』

 

『マジで疑われていたとはそっちの方がビックリだよ』

 

「あの……」

 

「ああ、すまない。それで質問なんだが、君の名前はフェイト・テスタロッサで間違いないね」

 

「ッ!?……それにはお答えできません」

 

「それは答えを言っているようなものだよ。言うなら違うと言うべきだ」

 

「うっ!」

 

「ほらそれも」

 

「うぅぅ……」

 

 何この子可愛いんだけど。大事なことなので2回言いました。

 

「さて、なぜ君の名前を知っているかだが、リニスに君の特徴を聞いたからだ」

 

「リニス!ど、どうして貴方が!」

 

「リニスは契約が切られた後、この世界に転移したが、魔力切れで消えそうになったところを

 俺が助けた。そしてここはリニスに貸している部屋だ。さっきリニスに連絡を取ったから

 もうすぐこちらに着くだろう」

 

「本当にリニスが……良かったよ~」

 

「次の質問だ。君には使い魔がいると聞いたが、どこにいる?」

 

「えっと、一緒にこの世界に来ました。今は別行動を取っています」

 

 別行動ね~、行動するならツーマンセルが基本だろ。だからあんなロリコンに捕まるんだ。

 

「ならここに呼んでくれ。ここは―――というマンションだ」

 

「え?それって私達が借りたマンションと同じだ」

 

 え!マジ!嘘だといってよ、バーニィ!

 

「……なら好都合だ。部屋番号は1024だ」

 

「え?私達は1025なんだけど……」

 

 え?なにそれこわい。じゃあ何かこの拠点を使った日にゃフェイト(原作キャラ)とお隣さん同士だったってこと?

 

「そ、そうか。で、ではここに呼んでくれ」

 

「あの大丈夫ですか、声が震えてますよ?」

 

「大丈夫だ。問題ない」

 

『それダメなフラグですよ。余程動揺しているようですね』

 

『大丈夫だ。問題ない』

 

『マスター……貴方憑かれてるのよ』

 

『字がちがーーう!』

 

「あの……アルフに連絡取りました。直ぐ向かうそうです」

 

「そうか、では2人が着いたら話の続きをしよう」

 

 何とか気を持ち直し、平静を装うことができた。ミストに感謝だな。

 

 

そして

 

 

ピンポーン

 

「来たか【ガチャ】」

 

「フェイトぉ~、心配したんだよ~。大丈夫かい、怪我してないかい」

 

「ア、アルフ……大丈夫だよ」

 

「良かったよ~、って誰だいあんた!」

 

「今更か……俺は倒れたフェイトを助けた者だ」

 

「あんたが?……変な仮面付けたやつの言うことなんか信じられないね」

 

 アルフの(精神)攻撃、零冶は(心に)50のダメージを負った。

 

「ア、アルフ!ダメだよ。本当のこと言っちゃ!」

 

 フェイトの痛恨の一撃!零冶は(心に)250のダメージを負った。

 

『はぁはぁこれが天然の力か……』

 

『その文だけ見るとただの変態ですね』

 

『止めを刺すな!』

 

「……俺の言葉は信じなくてもいいが、これから来るやつの言葉は信じて欲しい」

 

ピンポーン

 

「来たk【ガチャ】」

 

「フェイト!アルフ!」

 

「「リニス!」」

 

 リニス、お前もか……そもそもお前はインターホン鳴らさなくていいだろ。何なんだよまったく。

 

『マスター……』

 

『何だ?』

 

『元気を出して下さい』

 

『……ありがとう』

 

 ミストの言葉が心に沁みた。泣いてなんかない……泣いてなんかないんだからね!

 

「リニス……」

 

「あっ!す、すみません、つい……」

 

「いやいい、感動の再会を邪魔して悪かった」

 

「その……すみません」

 

「あっあの!リニスのこと本当にありがとうございました」

 

「さっきはすまなかったね。あたしからも礼をいうよ」

 

「気にするな。それより話の続きをしよう」

 

「あっ、はい」

 

「全員揃ったことだ。改めて自己紹介しよう。俺はライ。魔導師で傭兵をやっている」

 

「あっ、私はフェイト・テスタロッサです」

 

「あたしはアルフ。フェイトの使い魔さ」

 

「私はリニs」

 

「お前のことは全員知っているだろ。次だが」

 

「最後まで言わせて下さいよ!」

 

「さて、次だが「無視!」フェイト、お前はここでジュエルシードを集めている。そうだな?」

 

「……」

 

「答えないか……おい、リニス」

 

「ふん!勝手にすればいいじゃないですか!?」

 

 しまった、リニスが拗ねた。

 

「はぁ~……すまなかった。お前からもフェイトに聞いてくれ」

 

 そう言ってリニスの頭をなでる

 

「ニャ!ニャにしているんですか!貴方は!///」

 

「ああ……すまんすまん、可愛かったからつい」

 

「かわっ!!」

 

「とにかく、さっきは悪かった。お前からもフェイトに聞いてくれ」

 

 リニスの頭から手を離し、お願いした

 

「あっ……」

 

「リニス?」

 

「いえ!何でもありません!……こほん……フェイト、彼は決して悪い人ではありません。

 話してくれませんか?」

 

「リニス……分かったよ。実は――」

 

 

 フェイトから事情を聞いた。

 

 

「やはり、プレシアが……」

 

「うん、実験に必要だから集めてくるようにって」

 

「フェイト、お願いがあります。私とライをプレシアに会わせてください」

 

「で、でも……」

 

 チラっと俺を見るフェイト。まだ信用はしていないってことだな。

 

「なら、一度戻ってこの手紙を渡して欲しい。その上でプレシアが俺に会う気がないなら諦める」

 

「……分かった」

 

「よろしくたのむ」

 

 

~しばらくして~

 

 

「母さんが会って話がしたいそうです」

 

「分かった。リニス行くぞ」

 

「分かりました」

 

 

~時の庭園にて~

 

 

「ここが時の庭園か……随分と趣味が悪い」

 

「お恥ずかしい限りです。私がいた時はもっと明るかったのですが……」

 

 すごいラスダン感満載だなおい。この雰囲気……嫌いじゃないわ!

 

『マスターも大概ですね』

 

『ゲーマーにはたまらんですっ』

 

「こっちです」

 

 俺達はフェイトに案内され、時の庭園内を歩いていく。て言うかリニスは知ってるんじゃないの?何で普通に案内されてるの?

 

『リニスさんも緊張しているのでは?』

 

『ああ、なるほどね……大丈夫かよ』

 

 そして、いかにもラスボスっぽい扉の前に着きました。やばい興奮してきた!

 

『緊張をして下さい』

 

『うん、それ無理!』

 

「フェイト、プレシアとは私とライだけで話をします。しばらく部屋に戻っていて下さい」

 

「で、でも」

 

「フェイト、お願いします」

 

 頭を下げるリニス。

 

「……分かった。終わったら呼んでね?」

 

「ええ、分かりました」

 

 その場から離れるフェイト

 

「では、行きましょうか?ライ」

 

「ああ」

 

 俺達は扉を開けた。明るい未来を信じて……俺達の戦いはこれからだ!

 

『勝手に終わらないで下さい。打ち切り漫画ですか?』

 

『ご愛読ありがとうございました!』

 

 

零冶 サイドアウト

 


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