稲妻の王子   作:heavygear

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こんばんは、始めまして。
楽しんでいただければ幸いです。


第零話 始めに

 

第零話 始めに

 

 

 

 これはダエーワ国に生まれた王子のお話。

 

 ダエーワ国国王ディヤウス4世の子インドラの物語です。

 

 ディヤウス4世は大きな身体で立派な体格をした頼りがいのある王様で、後継者たる三人の息子達にも期待していました。

 

 長男ブラウマは賢く、仙術の才能もあり、将来は知的な王になるだろうと僧や学者達から期待されています。

 

 次男ヴァバナは力が強く、弓と棍棒の名手で、将来は強い王になるだろうと武士や兵士達から期待されています。

 

 さて、三男インドラはどうかというと、これがどうにも期待されていないようでした。

 

 ディヤウス4世のような頼りがいを感じさせず、ブラウマのような仙術の才もなく、ヴァバナのような武術の才もない。

 

 側室である母リティに似過ぎたのか、女の子に間違われる程華奢で、性格も優しいというより甘く、偉大な王の息子らしくないと周囲に不安を感じさせました。

 

 父ディヤウス4世はこう思いました。

 

「女の子に生まれていれば姫として可愛がられただろうに……やれやれ」

 

 と、ため息混じりです。

 

 側室との間に生まれた子であろうと平等に扱うと決めていたディヤウス4世は、インドラに上の兄弟達と同じく教師を付けましたが、結果はこうです。

 

 読み書きを覚えるのは早かったが、学術は人並み。

 

 その癖、突拍子もない質問をして周囲を困らせる。

 

 身体を動かす事が好きなようだが、武術は格闘術以外さっぱり。

 

 弓は兎も角、槍や棒が使えないのは致命的。

 

 仙術は、小さな灯かりを灯す程度しかできない。

 

 偶にぼんやりしていて考えが読めない。

 

 教師達からの評判も低いようで、唯一インドラを褒めた教師は舞踏を教えるシンバだけでした。

 

 しかし、その教師シンバの評価も辛口で、良くて二流止まりでした。

 

 さらにインドラの評判を貶めた事があります。

 

 アイラという白い子象を可愛がるのも問題でした。

 

 白象と言えば神の使いとして大事に扱うのが一般的ですが、アイラは普通の白象と違います。

 

 なんと、牙が四本もあり、小さい二つの角が生えているのです。

 

 魔物の類ではないかと周囲の人々はアイラを不気味に感じました。

 

 今の所問題を起こしていないのですが、インドラ共々周囲は不安です。

 

 四男タローマ様の方が幼い分まだ期待が持てますと言われる程、インドラの評価は低かったのです。

 

 

 

 周りから随分と言われるインドラですが、評判なんてどこ吹く風でした。

 

 一日の大半を習い事に追われても、時間が空けば必ずといってよい程アイラと遊んでいるのです。

 

 さてさて、インドラはこの先どう成長してゆくのでしょうか?




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