ソードアートオンライン~過去からの転生者~   作:ヴトガルド

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シリカ視点での進みとなります。

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※10月2日修正済み


第九層
竜使いの誕生


私達がパーティを組んで2ヶ月がたちました。

流石に今はもう、ずっと皆一緒には行動しなくなってしまいましたが……。

理由は私が手に入れたスキルにあります。

 

《創始者の心得》

 

何でも通常のソードスキルとは違う、高性能なオリジナルソードスキルを作成出来るエキストラスキルらしく、元々このスキルの習得条件の確認がパーティを組んだ理由だったらしいです。

 

結果、私はアルゴさんから受け取った数万という大金の代わりに、せっかく出会えた気の置ける仲間とは別れてしまう事になりました。

 

もちろんずっと会わない訳じゃありません。ついこの間もここ、第八層での翡翠の秘鍵クエストをクリアするために皆集まりましたし……。

 

でも、それ以外は基本的には皆バラバラです。アルゴさんは情報屋として忙しく動いていますし、リズさんは一つ下の第七層で鍛冶屋を営んでいます。攻略組の方達の中にもわざわざ訪ねてくる方が居るほど忙しい様です。

クラインさん達、風林火山の皆さんは最前線で戦っています。

 

最初、私もクラインさん達と最前線で戦おうとはしました。

けれどここ、第八層到着時点ではレベルも技術も皆さんに遠く及ばず、クラインさん達の足を引っ張ってしまったんです……。

クラインさんは笑って許してくれましたが笑えるような事ではありませんでした。

 

モンスターの攻撃を上手く捌けなかったせいで後退して他のモンスターを呼び寄せてしまい、パニックを起こして周りのモンスターを集めてしまいました。

集まったモンスターは9体、私達よりも多くなったモンスター達を相手にしたことで撤退を余儀無くされたんです。

 

 

 

それ以降、私は最前線からは身を遠ざけて、その日その日の稼ぎを街のそばで稼いでいます。

 

今日もいつも通り稼ぎ終え、街に戻るときです。

目の前に急に湧出した小さな竜、確かアルゴさんの攻略本には確かとても珍しいモンスターとして書かれてる……確か名前はフェザーリドラ……だったと思うけど……?

 

危険性はあまりないし経験値も少ない、本当に珍しいだけのモンスターだったかな?

 

私が近付いても敵対にはならなかったその竜は餌を探しているように地面に鼻を押し付けています。

 

「……お腹空いてるのかな……?」

 

私はその姿にリアルで飼っている猫の姿を重ねて、ポケットの中に入れっぱなしにしてたピーナッツを手に乗せて差し出して見ました。

 

フェザーリドラは手の上にあるピーナッツの匂いを嗅いで舐めるようにそれを食べています。

 

「……可愛い、ホントにピナみたい。」

 

その様子は私が飼ってる猫のピナのように見えて追加でピーナッツを手のひらに乗せてあげました。

 

キュイキュイと鳴き声を出しながらそのピーナッツを食べる様子を見て、不意にリアルの事を思い出して悲しくなってきて……

 

「ピナ……どうしてるかな……お父さんやお母さんも元気かな……。……まぁ私が寝たまんまなんだからむしろ2人のが心配してるよね……。」

 

不意に流れる涙を羽根を広げて肩に乗ってきたフェザーリドラが舐めてくれて私の目の前にはウィンドウが表示されました。

 

《フェザーリドラのテイムに成功しました。フェザーリドラを仲間にしますか?》

 

びっくりしたけど私は迷わずYESのボタンを押し、次に表示された名前の設定には《ピナ》を設定しました。

恐る恐る私はフェザーリドラにピナ?と呼びかけるとピナはキュイーと鳴いて顔に頭を擦り付けてきます。

……竜なのにまるで猫みたい。私は1人で稼ぎに行くようになって始めて笑いました。

 

なんとなく気になり、ステータスウィンドウを開くとそこにはテイミングスキルとピナのステータス表示が……。

 

ピナはまるで私に足りないスキルを補強するようなスキル構成でした。

・広範囲の探索能力

・相手を一時的に幻惑状態にするブレス

・HPを二割回復するブレス

・爪、牙による攻撃

・飛行能力

の5つに空きスロットが5つあった。

 

きっとレベルが上がれば何か覚えるんだろうな。

私はウキウキしながら街に帰ると予想だにしない事態になりました。

数多くのプレイヤーが寄ってきてやたらと話を聞いてきたり、パーティに誘われたり……。

私はその場から用事があるからと言って急いで宿屋に入ってフレンドリストにいるアルゴさんにメッセージを飛ばしました。

 

 

アルゴさんはメッセージを送ってからものの10分足らずで到着しました。……何故か裏口から……。

 

「いやはや……参ったヨ。この宿屋、入り口にプレイヤーの人集りが出来てるナ。シーちゃん普通に宿屋とったロ?」

 

「は、はい。と言うかどこに行っても皆さんが押し掛けて来ちゃって……どうしよう……。」

 

「ふむふむ……へぇ~……この子可愛いネ。毛並みもフサフサじゃないカ。それで?どうやってペット化したんダ?」

 

アルゴさんはピナの背中をなでながらほっこりとした笑顔でそう言ってきました。

 

「森を歩いてたら急にピナが現れたんです。そしたらノンアクティブ状態でピーナッツをあげたら懐かれて……あ、そうだ、こんなスキルがありましたよ。」

 

私はメニューウィンドウを開き、スキル一覧を出してアルゴさんの方にウィンドウを投げました。

 

「へぇ……テイミングなんて始めて見るネ。さっきの話だと偶然の可能性が高そうだし……暫くはこんな感じになりそうだネ。」

 

「そ、そんな……。だってあの人達……その……。」

 

私はその先は声に出して言いたくなかった。だって……目が……まるで獲物を見つけた動物みたいに……。

 

アルゴさんも言いたいことは分かっているようでメニューを開いてなにやらメッセージを打っていました。

 

「安心しなヨ。困った時に便利な奴が居るからサ。」

 

アルゴさんはそう言うと私の手をつかみ手に青い結晶を渡してきました。

確か、この層で存在が確認されたレアドロップ品《転移結晶》買うと確か三万コル位……

 

「転移、フロイト!」

 

 

 

 

青い光に包まれた私達2人と一匹は第九層主従区フロイトの街に着いていました。

転移結晶は高級なだけあって、フィールドだろうがボス部屋だろうが宿屋だろうが転移門と同じ効果を発動できるとは聞いていましたけど……。

 

「うん、撒けたナ。この街ならさっきみたいに目立たないヨ。なにせ……」

 

辺りには色々なぬいぐるみや動物、架空の生物までありとあらゆるものが動いていますね……。

……なんだこれ?

 

「えっと……私、この街来たことないんですけど……なんなんですか?この街……。」

 

「多分GMの遊び心って奴じゃないかニャ?フロイトの街ってくらいだしネ。」

 

???フロイトの街だと何でこうなるんだろう???

 

「シーちゃんにはまだ分からないかナ。フロイトって言うのは精神医学や精神分析学なんかを研究していた人でネ、夢の意味なんかを考えたとかで有名なんダ。つまり、ここは……」

 

「夢の街って事ですか。確かにここならピナも目立ちませんね。……でも、ここにずっと居ないといけないって事ですか??」

 

「まさカ!!もうすぐ来るヨ。シーちゃんの事を鍛えてくれる人がネ。」

 

鍛え……それは、まさか……。

いやな予感……うん。まさかね。あの人は忙しいもんね。来るわけが……。

 

やがて見えてきたのは黒の装束に長刀、そして灰色のロングコートを来た長身の少年とそのとなりを歩くまるでブレザーのような服を着て槍を背負った少女、それにツンツン頭の私くらいの少年が歩いて来ていました。

 

……また……始まるの……。

 

 

短剣を手に持った私は短剣ソードスキル“ラピッド・バイト”を発動させる。

 

狙いは……

 

「テメェいきなりなにすんだよ!?わざわざこの俺様がアオシと出向いてやってんだぞ!?このチビ!」

 

「はぁ!?キミのが子供でしょ!?大体あんなにすごい人と四六時中一緒に居る癖にこの程度の挨拶位で慌ててるようじゃまだまだだよ!?弱虫は帰れー!!」

 

「誰が弱虫だと!?んなこと言って俺様に負けてんのはお前だろ!!」

 

「子供の癖にボケでも始まってるんじゃないの?勝率は五分でしょ!5勝5敗なんだから!」

 

「ハッ!!レベルが3も上の癖に五分の勝率なんだからお前のが俺様より弱いんだよ!」

 

「アオシさんのおかげで装備の強化しまくってる癖に!そんなだから弱虫なんでしょ!」

 

「何を!?」

 

「何よ!?」

 

 

そう、この少年のプレイヤーは以前アオシさんが私達に戦闘訓練をしてくれた時に出会い、その訓練の途中から事ある毎に私に絡んできたんです。

 

元々は私も気にしていませんでしたがアオシさんが筋が良いと褒めてくれた辺りから絡み方が酷くなり、今では本当に犬猿の仲になっています。

 

訓練が終わった後も彼はアオシさんに着いていくと言っていたので、もしかしたら来るんじゃないかと思ったけど……この子が居なければ良かったのに……

 

「そろそろ止めなさい。ヤヒコ君、君は君で事ある毎にシリカちゃんに絡みすぎですよ。」

 

「シリカ、お前も圏内だからと言っていきなり斬りかかるのは感心しない。やるならば正々堂々とデュエルを仕掛けるのだな。」

 

 

「よ~し!なら決着着けてやろうじゃねぇか!おい、シリカ!」

 

「望むところよ!」

 

私は目の前に現れたデュエル申請のウィンドウの初撃決着モードを選び、デュエルを受けた。

 

ヤヒコは背中につってある片手直剣を構えると私を見据え、私も短剣を構えた。

するとピナが私の頭に止まり、羽根を広げて威嚇を始める。

 

「は、遂に決着着けられるぜ!覚悟しやがれよ!」

 

ヤヒコは更に前傾の構えに変わる。多分狙いは……

 

カウントが残り1秒になった瞬間、彼はソードスキル“ソニック・リープ”を発動させる。

そう、彼はレベル差を自覚している。いくら装備が充実していても、筋力、敏捷といった能力値は私のが高い。

だから初撃は何時も意表を突いてきていました。

 

……予測されてちゃ意味ないけどね。

私は彼との距離を考えて、彼がソードスキルを発動させた瞬間に後ろへ跳び、ぎりぎりの所で彼のソードスキルを回避し、反撃を試みてみます。

 

反撃は創始者の心得が入り、アオシさんに助言してもらいながら作ったOSS、“キャット・スラッシュ”ほんの2連撃程度ではありますけど瞬間的に最大速度で最長4メートルを詰め、斬り下ろしを二回する技です。

 

……名前の由来はリアルのピナがスズメを捕っているところに似てる気がしたからです。

 

発動した私のOSSは彼の身体をかすりはしましたがギリギリで直撃判定にはなりませんでした。

 

その先は何度も何度も剣と剣の応酬が続きましたがお互い何度も戦ってることもあってなかなかヒットしない。

私達2人は渾身の一撃をお互いに放って弾かれ、一時的に距離が出来ました。

 

お互いにらみ合っていましたがヤヒコ君の頭上後方にピナが…………。

 

「ピナ、バブルブレス!」

 

私が声をかけるとピナは口からシャボン玉を無数に発生させてヤヒコ君に向かって勢いよく発射しました。

ヤヒコ君も初撃のブレスはかわしていましたが地面に当たり、辺りに勢いよく拡散したシャボン玉をいくつか受けました。

私はそれを確認したかしないかでOSS、“キャット・スラッシュ”を放つと彼は私が放った技とは逆向きに剣を構えて防御姿勢をとり、その結果、完全に私の技はヤヒコ君に直撃し、デュエル決着のウィンドウが表示されました。

 

「やったぁ~~!ピナ、良い子だね!」

 

「ずりぃぞ!シリカ!1対1の勝負だろ!?」

 

私じゃなくアオシさんの方向を向いて彼は叫んでいたのでスルーする事にします。

負け犬の遠吠えなんて聞こえないもん。

 

 

「ふむ……今のがアルゴの言っていた使い魔使役スキルという奴か。なかなか使い勝手は良さそうだな。OSSの方も問題はない。……とはいえ、レベルは上がっていないようだな。」

 

「は、はい。すいません……。1人だとなかなか上手く立ち回れなくて……それで、その……。」

 

「シリカちゃん、クラインさん達と組んで起きたミスの事ならもう知っています。そんな事を毎回毎回するのは問題だけど一度や二度のミスを恐がっていたも仕方ないと思いますよ。」

 

「んだよ、そんな事気にしてんのか。そんなんじゃあ近いうちにこの俺にレベルすら抜かれちまうぜ?」

 

 

「……すらってなによ、すらって。私、ヤヒコ君に負けてるのは装備品だけだもん。」

 

「おま、あれは無効だ無効!男だったらちゃんと正々堂々闘いやがれ!」

 

「私、女の子だし。デュエルでカウント中に攻撃仕掛けるようなヤヒコ君に言われたくないかな。」

 

「あれはルール違反じゃねぇだろ!?結構テクニックが……」

 

「ヤ・ヒ・コ・君?シリカちゃんの使い魔スキルも実力の1つでしょう?悔しいなら負け惜しみじゃなく、あなたも実力で見返しなさい。」

 

ユキナさんには逆らわないのね。優しいのに……。

 

「それはそうとシリカちゃん、せっかくだから全員で総当たり戦でもしましょう。実践に勝る訓練は有りませんから。レベル上げはその後、最前線で……ね?」

 

私はユキナさんの提案に頷きました。確かにアオシさんやユキナさんの身体の使い方は見ているだけでも勉強になります。2人とも他の(クラインさん達以外知らないですけど)攻略組の方達よりも更に上の実力を持っていますし……。

 

結果から言いますと私の戦績は一勝二敗でした。

言うまでもなく負けたのはアオシさんとユキナさんにです。

最高戦績なのはアオシさん、次いでユキナさん、そして私、ヤヒコ君でした。

 

ヤヒコ君との勝負は最後だったのでさっきよりも接戦では有りましたけど結局の所ピナのバブルブレスを警戒しすぎて私の攻撃を喰らっちゃったって感じかな……? 

 

ちなみにアオシさんは二本の小太刀を持ったまま高速回転するOSS(確か技名は回転剣舞・円だったと思う。)を、刀の腹を使って行うことでバブルブレスを吹き飛すし、ユキナさんは拡散時に槍を使って棒高跳びの要領でかわしてしまいまい、2人ともピナを意にも入れずに私を倒しましたね。

どっちも動きが人間離れしてると思います。

 

ちなみに私にはアオシさんとユキナさん、どちらが強いか分からなかったんですけど、デュエルの決着はアオシさんの勝ちになっていました。

 

2人ともソードスキルは使わずに高速、高機動な戦闘でした。……私が見えたのはかろうじてユキナさんの最初の突きが三回だった事位です。

ヤヒコ君も2人の試合は始めて見たらしいけどやっぱり見えなかったみたい。

 

 

今のデュエルは時間的には3~40秒位しか戦闘時間無かったから多分70回くらい撃ち合ったんじゃないかなぁ……。

 

 

「アオシ、見えなかったから今のデュエル、スローで見せてくれ。」

 

……ス、ストレートだなぁ……まぁ何はともあれ観れるなら見たいよね。私も見に行こっと。

 

ヤヒコ君の隣に座って2人の動きを見ましたが、スローでも普通に早い2人の動きは、集中していないと分からないレベルでした。

 

何よりも攻撃と攻撃、防御やステップに至るまで無駄が無いんです。全ての動きが次に繋がる一連の動作の様でした。

応酬も50を越えているのにも関わらずです。

 

本来、ユキナさんの使ってる槍は両手槍に分類されるから、威力こそ高くても攻撃速度は遅いはずなのに……。

よく見ているとユキナさんの槍、《雪霞狼》には柄に当たる部分にも攻撃判定が有るみたい。

 

本来は確か攻撃判定は無くて武器防御能力が高いだけのはずなのに……。だからアオシさんの小太刀二刀流についていけてるんだ。

 

ユキナさんの槍術には無駄が無い(少なくとも私から見たらですけど……)から柄に攻撃判定が有るなら攻撃回数はアオシさんの小太刀二刀流に迫る勢いだもん。こんなの……攻略組でも全く着いていけないんじゃないかなぁ……?

 

どうやら2人のデュエルの最後は、連撃の組み合わせを仕損じたユキナさんの一瞬の隙に、アオシさんが小太刀で普通に斬りつけたのが幕だったみたい。

 

「ふむ、ユキナ、もう少し槍の横に着いている刃を有効活用すると良い。」

 

「ありがとうございます。……次は負けませんからね!」

 

2人……ううん。アオシさんにはまだ余裕が有るみたい。攻略組……遠いなぁ……。

 

「なぁアオシ、今見せてくれた動きに対応出来る攻略組は何人居るんだ?」

 

「……ほぼ全員だろうな。無論勝てるかどうかは別の話だがスローにしてからの動きならば攻略組にいるような連中ならば見極めるだろうさ。」

 

実際スローといっても決着までおよそ1分ちょい位だから!最初のなんて人が対応出来る速度じゃないよ!

 

「そうですね。最初の全力の勝負と同程度の動きと言うなら10人居るかどうかですよね?きっと。」

 

「俺の見立てでは同程度この仮想の肉体のスペックを引き出せているのは、キリト、アスナ位か。エギルやクライン、リンドやキバオウ等も近いレベルで使いこなしているがな。」

 

へぇ……?ん?クラインさん??クラインさんはそんな動きしたことないですけどね?

 

「クラインさんもですか??私、パーティー組んでてもあんな動き、見た事ありませんけど……。」

 

「多分気づいてないんだと思います。そうですね……例えるなら今まで自転車にしか乗っていなかった人がいきなりバイクに乗って小回りをきかせるようなものとでも言いましょうか……。」

 

「レベルが15を越えた辺りから超人と言うべき身体能力になっているからな。高速機動を維持するのは個人の資質や経験に依る部分が大きいのだ。そうだな……シリカ、お前は小さい岩が所狭しとある平原で全速力で走り続けられるか?」

 

「多分……途中で岩にぶつかるんじゃないかと思います。しようとした事もないですけど……。」

 

「そうだな。大多数のプレイヤーは自分で細かく制御出来る程度にしか肉体的なスペックを発揮していない。……今、俺とユキナの戦闘で発揮したのも95%程度だろう。」

 

「ってことはよ、もし、95%の力を出したら皆が皆今みたいな動きになるって言うのか?」

 

「勿論敏捷にどの程度振っているかとかはありますけど……理論上は誰もがそれが出来ることになります。最も鍛錬は不可欠ですが……。」

 

 

つまりは自分の身体を高速で動かす為には地道な反復練習が必要不可欠で、更にその上資質も無ければ90%越えのスペックを引き出すことは出来ない。

アオシさんの見立てでは私やヤヒコ君は資質は十分と言ってくれました。

ただ、鍛錬もレベルも攻略組の人間には足りてないみたいですけど……。

 

言うまでも無いでしょうが、レベルが10も違えばアオシさんやユキナさんと同等の動きができる人はかなりの数になるそうです。

 

特に細剣や短剣、刺突などのスピード重視の武器で攻撃速度だけならば秒間5発~8発攻撃するような人も出てくるだろうとのことでした。

 

私達はアオシさんやユキナさんに組み手の相手をしてもらい、自身の出せる最速での動きをやってはみましたが最長でも二秒程で転んだりつんのめったりと、散々な結果になり、地道にオブジェクト相手に練習するように言われました。

 

 

 

 

 

それから三週間後、最前線が遂に11層に到達したという知らせをアルゴさんの新聞で知ったのと同じ頃に私と同じ、ビーストテイマーにヤヒコ君がなったと知らせを聞き、そのころを境に私はフロイトの街以外をまともに歩けるようになりました。

 

……私も負けないよ。ヤヒコ君!

 

私は新聞に映る攻略組、御庭番衆のヤヒコの写真を見ながら、心の中で決意するのでした。

 

 




シリカ視点は難しいですね……。

そしてユキナの年下への口調が定まらない……。

今回はヤヒコを登場させました。もちろんモデルはるろうに剣心の明神弥彦です。
アオシのように前世の記憶は有りませんが無関係でも有りません。その辺は追々書いていきますのでよろしくお願い致します。


尚、今回出しました身体能力についてですが一応独自の設定となります。
正直自分もいきなり300キロや400キロでる車に乗っても操作し切れないと思いますし……。

尚、筋力については割合させていただきましたが、高威力で振り回す武器の反動をちゃんと制御出来るかどうかという意味合いでエギルの名前を出させていただきました。

指摘、矛盾等ありましたらお教えいただけるとうれしいです。

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