咲-Saki- 恋愛物語   作:ケイ22

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まずは最強のヒロイン、シロから始めます!

シロさんは俺にとってどストライクなので!!
他にも考えていますが、希望なども受け付けます

第一話は、少しつまらないです。
でも二話から面白みが増すので、できれば最後まで読んでいってください!


小瀬川白望
自己紹介


ガタン、ゴトン。ガタン、ゴトン。

今俺は来年度自分が行くであろう交換留学先の高校へ行くため、地元の静岡から岩手まで電車に乗り移動していた。なんども電車を乗り換え、次が最後の乗り換えをする駅なので俺は少ない荷物を片付け始めた。家を出た時にはまだ太陽は出ていなかったが、今では日が沈みかけている。俺はいったいどれだけの時間電車に乗っていたか正確にはわからない……いや怖くて目を背けていた。

俺は思う、長時間の移動の時の最大の敵はなんだと。ずっと座りっぱなしで尻が痛い?移動中眠ってしまって目的地を過ぎる?いや、確かに前の2つは強敵だが1番の強敵は『暇』であると。つまり今の俺は暇だ。暇つぶし道具は全て使いはたした。本は電車の中で2冊読み終わり、スマートフォンは充電がヤバくなったのでマナーモード、趣味のカメラのメモリーは空なので暇つぶし道具にならず、そしてついさっきまで寝ていて眠気は覚めた。

 

「……窓の外でも眺めてみるか」

 

電車の窓のカーテンを開け、外を眺めたら真っ白であった。

 

「すげ〜あんなに雪が積もってる!」

 

俺が住んでいる所では雪が珍しく、降ったとしても積もりはしないので。電車の窓からの景色が新鮮にみえた。雪もそんなに激しく降っていなためか美しくみえる。外を眺めていると次の駅に着き、乗り換えをし電車の中の人が誰もいなかった為俺は2対2で1つのグループで座る席に座り、また外の景色を眺めていた。

 

「やっぱり雪と言ったら白いだな……写真でもとっとくか」

 

今みている景色が珍しく、当分の間またこの景色を拝めないと思うので写真を撮る事にし俺はカメラの電源をつけた。次の瞬間人の足音に気づき、後ろを振り向いたら俺がこれから約1年間過ごす学校……宮守女子高校の制服を着てた女子がダルそうに歩いていた。現に「ダルい」とボソボソと言いながら歩いている。

身長は女子にしてはそこそこ高く、ふわっとした銀髪のショートだ。そして腕にはさっきまでの着てたであろう茶色のセーターと白いマフラーをうち抱えていた。一目見ればわかる、この人は『可愛い』より『美人』や『クール』の分類に属する女子だと。そんな、彼女いない歴=同い年の俺にとってはみただけでびっくりするのに、あろうことか彼女は俺に気づいているか、いないかは知らんが俺が座ってた席の反対側に座り外を眺め始めた。

 

「…………き、綺麗だ」

パシャ!

「……ん?」

(な、な、な……何俺は写真撮ってるんだよ!?)

 

俺は美人さんと外の雪の組み合わせが完璧すぎた為か反射的に持っていたカメラで写真を撮ってしまった。案の定、彼女はシャッター音で気づき俺の方を見始めた。そして目があってしまった。

 

「………あ、あの……その……」

「……」

 

俺は意味が自分でもわからない言葉を発し続けたが、彼女は超黒目がちな瞳でずっとみ続けている……現在進行形でだ。

 

「だる……」

 

そういい彼女は何も無かったかのように目閉じ、座ってた席で寝ようとした。

 

「いやいやいや!言うことあるだろ!」

「……ん?」

 

俺は、さっきまでの俺は本当に俺か?と思うほど大きな声で彼女に問いた。

 

「いや……ダルいし……」

「いや、いきなり見ず知らずの男子に写真撮られたんだぞ!?俺が言うのもなんだけど、気持ち悪くないか?」

「……まぁ気持ち悪い」

「だろ!気持ちわる…………なんで俺は自分自身を気持ち悪いと言わせてるんだよ」

「ねぇ、もう寝ていい?」

 

自分がした行動を後悔し落ち込んでた俺に、彼女は問いた。その問いを聞いた俺はさっきまでのやりとりがバカバカしくなり「どうぞ」と言ってしまった。そして彼女はまた何事も無かったのように目を閉じ、寝始めようとした。

 

「……まじで寝たの?」

 

さすがに寝たフリをしてるであろうと考え、これ以上墓穴を掘らないように俺は席を立ち、彼女が座ってる席から少し離れた席に座った。

 

(てか、めちゃくちゃ美人だった。……なんとか仲良くなれないかな?そしてできれば……へへへ)

 

俺はその後、彼女が俺の彼女設定での妄想を始めた。俺の地元では可愛い女子は少なくないが、美人な女子は少ない。だから俺みたいな美人がタイプの人は必ず喜ぶと確信があった。

 

(制服からして宮守の生徒だよな……同じクラスならいいな。いや!まてここはあえて1つ年上という線でも、いやその方がいい。年上のクール女子……アリだな、てかドストライク)

 

俺はまた彼女の顔を見たくなり、さっきまで俺が座ってた席……つまり彼女が現在進行形で座ってる席の方を見始めた。そして彼女が本当に寝ていることに気づいた。また、彼女と外の風景がいい工合に重なり俺は感動を覚えた。

 

パシャパシャパシャパシャパシャパシャ!

 

そしてまた俺は反射的に写真を撮ってしまった、連写で。そのまま慌て始め、みるのをやめカメラを隠し気づかれてるか確認をする為。隠れながら、寝ているであろう(そうであってほしい)彼女の方をまたみた。その次の瞬間、電車内に次の駅に着くとアナウンスされ、この次の駅が自分の目的地であると気づき彼女をみるのをやめ、荷物の最終確認をしあることに気づいた。

 

「……え?」

 

つい声が出てしまうほど俺は驚いてしまった。その理由はさっきまで左ポケットにあったはずの駅から学校までの地図が描かれたメモがない事に気づいたからだ。

 

(やば、まさかなくした?)

 

自分の鞄の荷物を全部だしたりして、メモを探したが……結論は無い。そして俺は一つの可能性をみつけた、いや鞄の中身をひっくり返してる途中に思いついたがあえて目をそらしていた。だがそれどころでは無い!あのメモなしじゃあ俺はなにもできなくなる!!

そして俺はさっきまで座ってた席……今彼女が寝ている席の方をみた。

 

(………………あった!)

 

メモはそこまで小さくないので、すぐにではないがメモらしい物を見つける事ができた。だがそれと同時に、神が俺に試練を与えたことに気づいた。なぜならメモは彼女の靴の裏にあるからである。正確に言うと、メモを踏んでいてそのメモが少しはみ出ている。

 

(……諦めるか)

 

彼女が寝ているところを起こし「すみません、足を上げてもらえませんか?」と聞く……うん、俺はどこの変態だ!って事になる。それは嫌だ、絶対やだ。だが諦める理由はもう一つある。それは……

 

「あの寝顔可愛いな〜」

 

クールな彼女の可愛い寝顔をみたらそんな問題なんてどうでもよくなる。てかぶっちゃけこのまま見ていたい、はい。だが神は俺が試練を背くいたことに怒ってしまったようだ。

 

『えー◯◯駅〜◯◯駅〜お下りのさいには、足元にご注意ください〜』

 

目的地に着いてしまった。彼女がこの駅に下りるなら彼女は起きるはずだが、案の定その気配すらなく俺は完成に諦め電車から下りた。

 

「……うん、考えるのやめるか」

 

駅の小さく休憩エリアで缶ジュース片手に考え、導きだした答えがこれだ。だが勘違いするなよ!ちゃんと考えはある。まず目的地の場所に俺が来なかったら、宮守の先生は心配し俺を探すだろう。

探すためまず何をするか、それは高確率に電話をするだ。相手は俺の携帯の電話番号を持っている。(俺が持っているが、あのメモに書いてあった為。今の俺はわからない)だからそのうち電話が来るだろう。そして不幸中の幸いとして今の俺の携帯の充電は……………うん、気づいてたよ、フラグが出てたの気づいてたよ!ある意味案の定俺の携帯の充電はきれてた。だがもう一つの可能性に賭け俺は駅で待つことにした。

何分たったのんだろうか、多分1時間はまだたってないと思いたい。暇でやることがない俺はひたすら、電車で撮ったクール系美人さんの写真を見ていた。だがそんな中変わった事が起きた。

さっきから駅を出入りをしていたのはおじいちゃんや、おばあちゃんがほとんどだが駅に慌てながら女子が入ってきた。それも宮守女子高生の制服を着ている。おかっぱにおだんごが乗った赤い髪が特徴で、身長はさっき電車でみた人より少し小さく程度。見るからにしっかり者で少しS気があると俺は思った。彼女に睨まれるだけで変な性癖が俺に付け加えられる気がするほどに……でもそんなS気溢れる彼女をいじり倒したい俺はすでに変な性癖があるのを悟った。

そんなことより彼女に宮守高校が何処にあるか聞けば俺は助かることに気づいた。よし!善は急げ、俺は彼女に話しかける為荷物を整理し電話で話してる彼女の元へ向かった。少し慌てながら電話してるのでやめようかと思ったが、俺にはそんな余裕はない。せめて電話が終わるまで待とう……

そして彼女はため息をこぼし電話をやめたのを確認した俺は、彼女に話し掛けた。

 

「あの、すみません」

「あ!は、はい」

 

彼女はいきなり知らない男に話しかけられ、少し焦った様子をしながら返事をしてくれた……多分この人いい人だ。

 

「いきなりすみません道に迷ってしまってしまい。宮守高校が何処にあるか教えてくれませんか?」

 

俺は彼女に危害を加える気がないと示すため、少し離れた状態で話した。

 

「……場所は知ってますけど……どういった要件ですか?宮高は女子高ですよ?」

 

へー宮守高校の正式な略し名は「宮高」か、無難だな。ってそんなことよりどうするか、前に宮高の先生に言われたが。俺の交換留学は前例が少なく、現在学校の生徒は12月に入る前は知らないと聞いていた。そして今は11月の下旬……彼女に交換留学の事を言っても、疑われるに決まってる。なら……

 

「熊倉トシ先生に御用がありまして」

「先生に?」

ビンゴ!先生の事を知ってるなら信用性はすげー上がった。俺がこれで今夜は野宿しなくて済むと安心してると、俺たちに近づく足音が一つあることに気づいた。

 

「あ、シロ!やっとみつけた!」

「さえ……あ、さっきの」

「あ!」

足音の正体は電車で出会ったクール系美人さんだった。

 

「……その……どうも」

「……」

 

俺は軽く数十分ぶりの彼女に挨拶したが、彼女は俺をジト目でみ続けるだけで挨拶を返さなかった。

 

「ん?なに、シロ。この人の知り合いなの?」

「……多分」

「多分って何よ?」

 

俺と彼女が黙りこんでると、先ほど駅に慌てながらきたおかっぱだんごの彼女は俺たちの関係を聞いてきた。……この文だけ読むとどこの昼ドラだよってなるな……

 

「……」

「……」

「……」

 

そして、そのまま誰も話さなくなり空気が自然と重くなったのを俺は感じた。だが顔には出していなかったが俺はとても焦っていた。

 

(ここをどう切り抜ける……もし電車でやったことを他の人にバレたら、俺は終わる)

「あら、みんな集まったのね」

 

空気が重くなり、少し気まずい状況をある人の一言で消した。

 

「あ、トシ先生」

「……」

「せ、先生」

 

気まずい空気を消したのは、熊倉トシ先生であった。まさにベストタイミング!俺は心の中で泣きながら先生に感謝してた。

 

「せ、先生〜ごめんなさい〜。俺先生に描いてもらった地図をなくしてしまい……」

「そんな事だと思ってたわ」

「あの……トシ先生。私たちを呼んだ理由を教えてもらってもいいですか?」

 

俺が先生に俺の現状報告を説明してると、やはりおかっぱだんごの子が言葉を発した。

 

「……」

 

その後ろで、ショートの子はダルそうな顔をして先生の説明を待っていた。

 

「それもそうね。でも此処だとなんだし、移動中に説明するわ」

 

先生はそう言うと直ぐに駅の出口へ向かった。その後を俺たち3人は追いかけて行った。外に出ると、少し雪は降っていたが雪は積もってはいなかった。駅から少し離れたところに車が駐車してあり、俺たちはトシ先生の車に乗りそのまま宮高へ向かった。ちなみに座席は前に先生とその横に俺、そして後ろの席に彼女たち2人が座っている。

「じゃぁまずは何から話そうかしら」

「俺は、後でもいいですよ」

「ならまず2人に来てもらった理由からかしら」

 

俺は紳士たがらな、レディーファーストだ。

 

「はい」

「……」

「2人にはこの子に学校と地域の雰囲気を教える手伝いをしてもらいたかったの」

「ですがトシ先生、なんで女子高である宮高もですか?」

「この子はね、私の前の学校の教え子なのよ。そして私の推薦でこの学校と前の学校の交換留学生にしたのよ」

「交換留学生?ですが男子……」

 

やはりおかっぱだんごの人、俺が男子って所が1番気に入らないらしいな。

 

「男子の交換留学は前例がなかったわけでは無いわ。何年か前にあったらしいわ。あと、この子はいい子よ私が保証する」

「あ、ありがとうございます」

 

いきなり褒められた為、俺はついお礼をいってしまった。

 

「……わかりました」

 

おかっぱだんごの人は、そのまま何も言わなくなった。

 

「じゃ先生、俺にも説明お願いします。俺もいきなり電話で「来年度から岩手で1年間過ごしてもらうわ」って言われて以降あんまり説明されていませんが」

「ごめんね、私も忙しく。あなたには女子高で毎回テストで上位にいてもらうと、女の子と積極的に話してもらう事を求めてるわ」

「何さらっと超厳しい条件を言ってるんすか?」

 

テストならなんとかなるかもしれないが、彼女を作れたことのないこの俺が積極的に女子に話しかけるとはとても、とてもできたことでは無い。

 

「いいのよ、あなたにはできると思うから。テストならともかく、女の子に話しかけることぐらい楽勝でしょ」

「逆!逆ですよ!!先生やめてくれません、いきなり俺がプレイボーイみたいに言うの!ほら、後ろのお二方が冷めた目で俺を見てる!!」

 

チラッと後ろをみたら、2人は俺を女の敵みたいな目で俺を見ていた。

 

「まぁそこはおいおい説明するとして。そう言えば3人は自己紹介してある?」

「……いえ」

「じゃ先輩であるあなた達からお願い」

 

後ろに座ってる2人が先輩だと知った俺は、ポーカーフェースで隠したがとても嬉しかった。

 

「……はい。臼沢塞、2年生で麻雀部です」

「……」

「ほら、シロも」

「ダルい……」

「頑張りなさい」

「……小瀬川白望、塞と同じ」

「はい、2人ともこの子と仲良くしてあげてね」

 

2人ともあんまりこういうの慣れてないかわからないが、あんまりテンションが高くなく少し気まずい。

 

「はい、ジャー最後に自己紹介できるわね」

「あ、はい」

 

先生に言われ俺は、後ろを振り向いた。

 

「自分の名前は…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「石井陸です、1年間よろしくお願いします」

宮守女子高校始業式で俺は全校生徒と教師達の前で自己紹介をしていた。もちろん生徒は俺以外全員女子、教師達もまさかの全員女性。始業式の会場である体育館の中にいる男は俺だけである。そして俺はとても後悔していた……よくアニメでこんな展開もあり、大抵たった1人の主人公は気まずいや、やり辛いなど弱音を言うが俺も全く同じ気持ちだ。いろんな目線がとてつもなく痛い、1秒でも早く壇上から降りたい気分だ。

今年度から、俺はこの宮守女子高校の2年生として1年間過ごす。理由はいろいろあるが、最大の理由は我が元担任の先生ことトシ先生の推薦があったからである。なんでも先生はこの学校の理事長と校長とは昔からの知り合いらしく、あるていどのわがままはきくらしい。まぁそこは置いといて、今俺が置かれた状況を説明しよう。今俺は2年A組という教室の教卓の前に立たされていた。理由はこのクラスの担任の先生がまだ来ていない為、クラスの超活発な女子が言った一言が原因だ。

 

「石井くんって彼女いるの?」

 

その後、異常なまでの質問タイムになり俺が慌ててると。また俺の担任になったトシ先生が教卓に入って来て。

「陸くんへの質問タイムをこのニ時限目を利用してやるから、陸くんは教卓の前に立って質問に答えてあげて……え?私はこれから理事長と校長と話してくるから」

 

結果……放置された。

 

キーンコーンカーンコーン

 

あ、気づかないうちに1時間たったのか。やっとくだらない質問を適当に答え終わったのを気づいた俺は次の授業の為、荷物を持ってダッシュでこの学校に唯一設備されてる職員用男子トイレ(今まで誰にも使われたことの無い)へ向かった。

次の授業は体育だ、なんでも今日はバスケをやるらしいので体育着を着なければならい。これから1年毎回体育の授業前の休み時間をダッシュして着替え、またダッシュすると思う気が重くなる。そして体育も体育でヤバイ!この高校、いやこの地域の女子はレベルが高い(・・・・・・)。だからあんまり女子と関わりがあんまりなかった俺の目には毒だ!特に無防備にバスケとかして、目に入ったら……考えただけでもヤバイ。

俺はこの学校に留学にするにあたって、いくつか条件を出された。

1・テスト成績を毎回上位3位までに入らないといけない。正直これはなんとかなるかもしれない。勉強は苦手とかではなく、他の人に比べ記憶力は高いのでいけるはず!

 

2・女子と積極的に話す。なんでもこの学校はそこそこのレベルが高く、進学率が高い。だが大学へ行く大抵の人は、あんまり男慣れしてない為。変な男に絡まれたりしたりして大学生活を苦労するそうだ。その為少しでも男に慣れる為俺が呼ばれた。

 

3・女子が不快に思うことをしない事。例えば体育の時間に俺が女子達をエロい顔で眺めてるとしよう……うん、即退学にされる。

 

4・部活に入る事。これは条件2に関係してあるためあんまり説明はいらない。だがこれ(・・)がある意味1番ヤバイ。中学から部活には入っておらず、高校2年から何かをやり始めるのもめんどい。趣味はカメラぐらいだが、写真部とかはなく完全にお手上げ状態。

 

(仕方ない……先生に相談するか)

 

そして今日の授業を終えた俺は、女子達の変な目をきにせづ職員室へ急ぎ足で向かった。

 

 

 

「ついてらっしゃい」先生にそう言われ、俺は先生の後ろについていって何処かへ向かっていた。だが今の俺は、先生に部活の事を相談した時の先生のにやけツラが不気味で少し怖がっていた。そして、そこそこ歩いているととある扉の前についた。扉の上についてる此処がなんの教室か書いてある所には、麻雀部と書いてあった。

 

「先生、まだ趣味は麻雀でしたか?」

「変えるつもりはないわ」

 

先生の生徒になる人の大半は、先生の趣味が麻雀であることを知っている。もちろん俺も、それほど先生は麻雀好きがわかる。だが今はそんな事はどうでもよかった、俺の頭の中には違うことがよぎっていた。

 

(小瀬川さんと、臼沢さんに会える!)

 

前からおもっていだが、この学校の女子のレベルは高いがあの2人を超える女子はまだみたことがなかった。始業式の時に姿を探したが見つからなかったので明日あたりから3年のクラスで偶然を装って、会う作戦を立てていたが部活の事を完全に忘れていた。

 

「でも先生、俺ネット麻雀ぐらいしかできないので。点数計算とか役とか細かいルールわかりませんよ?しかも弱いし」

「大丈夫、直ぐに大会にでてって言ってないから。ちょっと彼女達のサポートをやってもらいたく」

 

そういいながら先生は扉を開いた。

 

「こんにちわー」

「あら、まだ豊音だけ?」

 

まず目に入ったのはリアル麻雀をやったことの無い人にとって珍しい雀卓……ではなく、とある女子生徒である。だが普通じゃない。

 

「え、あ、ま、まじ?」

「あれー?確か留学生くーんの……誰だっけー?」

 

身長が今まで俺がみた人間の中で1番高い。最低でも190後半ほどの身長に白いリボンの付いた大きな帽子をかぶってる。おまけに赤い目は光が灯っておらず蛇のもののように見える。

 

「お互いに自己紹介できる?」

「はーい!姉帯豊音。3年生でーす」

 

姉帯さんは、帽子をとり礼儀正しく自己紹介をしてくれた。それにつられ俺も反射的に自己紹介をする。

 

「えーっと、石井陸です。に、2年生です」

 

だが、彼女のキラキラした目線が少し痛く自己紹介してる時に噛んでしまった。

 

「へー」

 

自己紹介をし終わってもなお、姉帯さんはあのキラキラした目で俺を見ている。その目線は今日何度も女子生徒から浴びた目線と似ているが、強さがまるで違う。

 

「えーっと、なにか?」

「あ!ごめんねー。私、年下の男の人みたの初めてでーつい」

「はい?」

「この子も陸君と同じで、今年度からこの学校へ編入してるのよ。まぁ正確に言うと昨年度の3学期だけどね。でもこの子が住んでた村では若い子が少ないのよ。だから他の生徒に比べて男子高校生(あなた)が珍しいのよ」

 

先生の話しを聞いてる間、姉帯さんはいろんな角度から俺をみてるので俺は少し落ち着かなかったが。いきなり後ろの扉が開かれ俺は少し驚きながら直ぐに扉の方を向いた。そこにいたのは、小さな手持ち用のホワイトボードを持ってる金髪碧眼で、赤いキャップのペンを常に両耳に1本ずつ引っ掛けており、ヘアピンのようなアクセントになっている小さな女子と、栗色のショートボブのもっと小さな女子の2人の小柄な女子がいた。姉帯さんとのギャップ差が激しすぎて、つい少しだけ和んでしまうような可愛らしい女子達がそこにいた。

 

「あ!留学生の石井陸!」

 

栗色のショートヘアの子と目が合い、いきなり俺に指を指しながら俺の名前を言ってきた。その横で金髪の子は姉帯さんと同じ目で俺を見ていた。

 

「あら、2人とも今日は遅いのね?他の子達は?」

 

俺が固まっていると先生が、代わりに声をかえた。他の子達は多分、小瀬川さんと臼沢さんに違いないと思う。

 

「はい、すみません、少し遅れました。シロ達はわからないです」

「遅れてごめん!またシロが……」

「……」

 

栗色のショートヘアの子が話してると、また突然扉が開かれた。案の定例の2人がいた。そして臼沢さんと目が合い、臼沢さんは話してる途中に小瀬川さんの後ろに少し隠れた。おい、なんだそのリアクション……めちゃくちゃ可愛いいからやめてください。

 

「あら、揃ったわね」

 

宮守女子高校の麻雀部の部員が全員揃ったのを、確認した先生はみんなを誘導し。俺が自己紹介した、小瀬川さんと臼沢さんと姉帯さんを座らせ。残りの2人を俺の前に立たせた。

 

「自己紹介して頂戴」

「はい!鹿倉胡桃、3年よ!敬いなさい後輩!」

 

鹿倉さんは両腕を胸の前で組みながら俺に自己紹介した。俺を見上げながら(・・・・・・・・)。鹿倉さんは超小さい。小学生ぐらいの身長である。おまけに、年上で明らか身長を気にしてることがわかる。なぜなら、自己紹介するときに腕を組むとかして、お姉さんっぽく振舞っているからである。こんな姿をまじかでみてると、ロリ属性がない俺でも、この人限定でロリ属性を追加しても良いと考えてしまうほど可愛い。

 

「はい、石井陸です。よろしくお願いします、先輩(・・)

「ふん!」

 

先輩の所を少し強調し言ったら、鹿倉さんは明らかにテンションを上げた。そして、自己紹介が終わったと感じた俺は直ぐに鹿倉さんの後ろに立っている金髪のこの前に立った。

 

「石井陸です……日本語大丈夫ですか?」

 

金髪の子は、遠くから見てたのでただ髪の色を変えた人かと思ってたがまじかで見ると外国人だとわかった為日本語が話せるか不安になった。

 

「エイスリン・ウィッシュアート、デス。ヨロシクデス」

そう言い終わるとウィッシュアートさんは、急いでホワイトボードに何かを書き出した。

 

「ン!」

 

そういいながら、書き終えたホワイトボードを俺に見せてきた。そこには数字の3が書いてあった。

 

「……エイスリンは日本語が苦手だから、ホワイトボードも使って話す……」

 

俺が止まっどっていると、ダルそうにソファーに座ってる小瀬川さんが俺に言ってきた。小瀬川さんのフォローのおかげで意味がわかり。ウィッシュアートさんが「自分も3年生」と伝えようとしてることがなんとなくわかった。

 

「はい、よろしくお願いします」

「自己紹介も終わったことだし、みんなこっちに注目して」

 

俺が麻雀部のみんたと自己紹介をし終わったら、先輩は1度少しだけ大きな声で言った。

 

「陸君は私が宮守女子高校(ここ)に来る前にいた学校の生徒なのよ、だから悪い子じゃないからそこは安心して。そして陸君には君たちのインターハイのサポートをしてもらう為に入部してもらうわ」

「入部!?」

 

先生が説明してるときの「入部」という単語に、臼沢さんが少し大げさに反応した。その事に俺は少しだけ想像はつけた、なぜなら初めて臼沢さんと会った時と、そのあとの学校の案内の時に俺はあることを気づいていた。それは臼沢さんは男が苦手な事だ。小瀬川さんと話してる途中に俺が話しかけると、明らかぎこちなくなったりしてた為。直ぐに気づけたので俺はあんまり負担をかけさせない為、臼沢さんには近づかなかった。その代わり小瀬川さんにすげー話しかけたが。

 

「先生、まずは部のみんなに話してからだと……」

「……そうね、つい嬉しく急ぎすぎたわね。誰か陸君がこの部に入るの反対の人いる?」

 

よし!これで臼沢さんが自分の意見がいえる。

 

「私はいーよー。初めての男の子とお友達になりたいー」

「先輩として敬うって言ってるから、大丈夫です」

「トモダチ」

「……私も1度あって、悪い人じゃないの知ってるから……」

「……」

 

臼沢さん以外のみんなは、自分の意見を早く言ってしまい。俺は歓迎されてる空気になってしまい、臼沢さんは黙り込んでいまった。

 

(まさかの小瀬川さんは高評価!)

 

だがそんな事は今の俺にとってどうでもよかった。小瀬川さんの言葉が自分に都合良く聞いた俺はテンションが上がっていた。

 

「みんな問題もなさそうだし、決定ね」

「は、はい!」




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