楽しんでいただけるとうれしいですが、
自己満足小説な感じなので、批判は受け付けません。
気分で書いて投稿するのでたぶん亀更新です。
ご了承ください。
「知らない天j・・・いや、空間か・・・?」
テンプレなんだろうけど、これはマズイよく二次小説なんかである真っ白い空間ってやつだ。
起きて早々に気が狂いそう、口で虚勢を張って冷静を装ってみても、頭の中は破裂寸前。
必死こいて今まで何をしていたか思い出そうとするが、夢から覚めたときのように徐々に内容を忘れていく。
どこで産まれ、どう生きて、どう過ごし、どう死んだか。それらが頭の中から抜けて行く。
どれほどの時間が過ぎたのか、ようやっと冷静になれた時には大半の事を忘れていた。
今思い出せるのは、朧げな人として過ごしていた時間とその知識、そして、死の間際の狂おしい想い。
生きた死にたくない……。
その想いに突き動かされるように周りを見渡してみる。
「…あれは、なんだろ」
斜め上あたりに小さな点のような物があった。それが徐々に近づいてくる。
それは手だった。漫画などで出てくる指先が尖った手の影が徐々に近づいてくるのだ。
しかも、遠近感覚が狂ってなければ自分の身長の倍はあるように見える。
「・・・え!!ちょっ、なにそれ!!」
必死に避けようと体を動かすが、まるで関係ないと言わんばかりにその手が自分をすくい上げて行く。
「ゎあああああぁぁぁぁっぁーーー!!!」
すさまじい加速を感じているのに周りの景色は一向に変わらない。その奇妙な感覚に何時しか自分は意識を手放していた。
◆
今、まどろみの中にいる。水の中で漂うな感覚の中、忘れてしまっていた過去を追憶している。
追憶が終わりかけた時、頭の中をかき回されるようなノイズまじりの、
<…………オキヨ>
と、言う音が頭の中を響き渡る
「っがぁ~~…」
俺はその瞬間飛び起き、のた打ち回った。今までに体験したことのない不快感と痛みだったからだ。
それはまるで脳の中身を直接シェイクされたようなそんな不快感だった。
そうして、のた打ち回っていると今度はちゃんとした言葉が耳に入ってきた。
「起きたようだな。…欠けし者よ」
その声はまるで、老人のような、青年のような、淑女のような、少年のような、少女のような声だった。
その不思議な声の主を探そうと周りを見渡す。
その時、自分はどんな場所に居るのか漸く認識した。
そこは宇宙空間のような場所だった。闇色の宇宙<そら>に煌めく星ぼししかない空間。
そんな空間の中で、白い輪郭の巨人の闇よりなお暗い手のひらの上に俺だけが立っていた。
「……なんだ、ここ」
俺は呆然としながら、自然とそんな言葉を口にした。
「ここは我の世界、外なる世界、旧なる世界、……管理者の住まう場所」
巨人の方から声が響く。俺は答えが返ってきたのに驚いた。
何せ、答えなど期待してなかったし、そもそも巨人が喋るとは思ってもみなかったからだ。
パニックになりそうな頭を無理やり押さえつけて考える。
この声の主が、管理者と言う者らしい事は理解した。だが、俺としてはそんな事よりも気になる単語があった。
外なると旧なるである。
その事を考えようとした瞬間、何故か勝手に知識の中から<デモンベイン>とその関連の知識が浮かび上がってきた。いわゆるクトゥルフ神話体系の話である。
「……ってことは、旧神ないしは、邪神ってことに…」
俺は真っ青になって冷や汗を流しながら、声を震わせ言った。
無理もない。かの神話体系の神を前にしたら人間なんぞ普通即死である。
「その通りだ。欠けし者よ。我は旧神が一柱《■ ■ ■ ■ ■》だ。我は汝に依頼したい事があってここに招いたのだ。」
「あ、あ、アナタ様のような万能に近い方が、わわわ、わたしのような屑で、ゴミで、塵芥な人間に依頼するですと!?」
あれ今のセリフ、何か自分以外が混ざってるような。
「ふむ、強く刷り込みすぎたか…まあ構うまい。今から汝の置かれた状況と依頼の内容を説明する。心して聞くがよい。」
「あ、あの~~、依頼の拒否権などは~~…」
「あるとおもおてか、欠けし者よ」
《やっぱないんだ、どちくしょ~~~》と心の中で叫ぶも、旧神の語りは止まらない。
「まずは汝の事からだ。今の汝は魂<アストラル>の様な物だ。アストラルの海より汝を引き上げ、今回の依頼に必要な物を付け足した。」
「えっと・・・アストラルの海と、付け足したってのはどういうことなんでしょうか?」
「アストラルの海とは、輪廻の輪と言われる場と考えればよい。魂を浄化する場の事を言う。汝はその海で、魂の形も色もわずかばかり残っていたのですくい上げた。」
なんか広大な海にコップ一杯の泥水(俺の魂)を流すイメージが浮かんだ……。よく無事だったな俺の魂……。
「付け足したと言うのは、欠損した汝の魂に依頼に必要な情報と力を我が欠損した部分に刷り込んだのだ。性格や人格に少し影響があるが構うまい。」
《構って、お願いだから……》と泣きが入る俺だが、《先程の違和感は、これか……》と、とも納得が出来てしまった。
「本題の依頼だがとある邪神が謀(はかりごと)をしておる。それを潰してほしい。」
「わ、わたしの様な人間なぞに邪神をどうやって潰せばよろしいのでしょうか……」
「なに、簡単な事よ。大十字九朗(だいじゅうじくろう)を錬磨し共謀すればよい。」
《……え、ちょ、まさかこの流れは…》
「汝には、マスターテリオンとして獅子身中の虫として働いてもらう。邪神もまさか始まりからこちらの思惑通りに動いておるとは思うまい。」
「あの、そうすると半邪神になって無限螺旋に囚われるって事ですか……」
「しかり」
《おわった。俺の魂……、原作の公式チートなテリオンさんでも狂った無限螺旋って……》
滝のような涙を流しながら俺は崩れ落ちる。
「安心するがいい。先ほども申したが力を与えた、その中には魔道に対抗する力や無限螺旋において狂わずにすむ処置もしてある。」
《ああ、旧神様、ありがとうございます。一生ついて来ます》
今度は、違う意味で泣きながら祈るゲンキンな俺であった。
「だが、心せよ。汝が己の錬磨を怠ればたちまち邪神に呑まれてしまう。呑まれてしまえば我は汝を消す事になる」
「……肝に銘じます」
「うむ、先も言ったがこれは依頼だ。成功すれば報酬がある」
「報酬ですか?」
「まず、先払いにも当たるが先に言った。知識と力、これはテリオンとして生きていく上で、必要な才能や身体なども含まれておる。原作知識もあるので有効利用するとよい。それと大まかではあるが前世の記憶も再構築されておる。」
「あ、ありがとうございます。」ああ、涙が止まらんよう~~。
「それと、無限螺旋の中では原作のテリオンの強さまでしかなれん。だが、それを無視し錬磨を続けナコト写本を強化し続けると、成功報酬に色がつく。覚えておくとよい。」
無言でうなずく俺……。
「そして、成功報酬は銀河を一つくれてやろう」
《……は、銀河》
その言葉に呆然となる、銀河ってどう反応すればいいんだろうね……。
「どうした、銀河だぞ。うれしくないのか?」
旧神様も少し首をかしげた感じに聞いてくる。
「あ、あの~、銀河をどうしたらいいんですか?」
「ふむ、解り易く言えば好きな世界を一つくれてやると言う事だ。例えば汝の前世に近い世界やデモンベインの世界などだ。この報酬は今すぐに決めてもらう。でなければ、成功時までに間に合わないのでな。さあ、答えを聞こうか。」
《う~ん、色々と思い浮かぶけど、せっかくテリオンとしてがんばるんだ。それを活かせる世界で、なおかつ、ある程度ほのぼのとした世界観がいいよな~~。絶対病みそうだものデモベの世界…となると・・・あの世界がいいか》
「魔法先生ネギまの世界でお願いします。」
「うむ、用意しておこう。あと、細々とした報酬があるがそれは成功した時に話そう。汝に不利になる事はないので楽しみにしておくとよい。」
「はい。わかりました」
「では、そろそろ仕事に就いてもらおう。油断せぬようしっかり勤めよ。」
「逝ってきます!」
「うむ」
そして、俺は徐々に意識を失っていった。
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