Persona4 The StrikerS in MID-CHILDA (現在、凍結中…) 作:Neo-PSI
>・・・・・。
>なのはが要請したヘリの中・・・。
悠はなのはと共にヘリで機動六課に向かっていた。パイロットを入れても、乗り込んでいるのは悠となのはだけでは少々大きすぎる様な気もするし、広々とした空間のために現在ヘリの仲間沈黙に包まれている。幸いなのがこの沈黙には気まずさがまったくないと言う点、何処かゆったりした雰囲気が辺りを包んでいる。
そんな中、悠は現状までに得られた情報を整理していた。
この世界、そして“次元を超え、異世界を渡る技術”は時空管理局と言われる警察のような組織が守護している。
その、時空管理局とあのロボット『ガジェット・ドローン』は敵対関係にある事、イゴール達から渡された赤い結晶“レリック”はかなり重要な物であること。
そして、特に重要なのが目の前に現れた女性「高町 なのは」は信用できる人物である、と言う事だ。
その証拠に、悠が視線を向けると正面に座っている彼女はまだ詳しい事情を知らないにも拘らず、微笑みを浮かべていた。
彼女自身、悠を信用してくれている様だ。
何故こうなったかと言うと、実はヘリが来る前『ガジェット・ドローン』と戦い、倒れた男性の事を説明し、現場まで案内した事がきっかけだった。
その男は悠が思っていた通り、彼女と同じ時空管理局に所属する人間だった。
男はかなり酷い怪我をしていたが、比較的早めに見つけた事で、なのはの応急処置で何とか命を繋ぐ事が出来た。
命を救う事が出来、ホッとしたなのはは悠に・・・
≪「君が教えてくれたおかげで仲間の命を救う事が出来たよ・・・。本当にありがとう!」≫
・・・と、何度も何度も悠に感謝の言葉を述べてきた。
それ以降、なのはは悠に対する警戒心は全く無くなり、悠も命を救えた事に子供の様に喜ぶなのはが敵である筈がない、と確証が持てたのだ。
そんな穏やかな空気が流れるヘリの窓から悠は下の景色を覗く。
現在、ヘリは大都市の上を飛んでいる。建物はネオンで美しく輝いており、夜の筈の世界を煌々と照らしている。
>どうやら、間もなく到着する様だ・・・。
>・・・・・。
>ヘリが地上に着陸した・・・。
「では・・・、ようこそ『機動六課』へ!」
着いたのは、さすが治安維持組織と言える広大な建物、『機動六課隊舎』であった。
場所は海岸線に位置しており、非常に見晴らしが良い。
「さ、まずは中へ。ついて来て。」
「は、はい。」
以前に悠は警察に厄介になった事があったがここまで広くは無かった。それに、こういった機動六課の近代的で洗練された建物も男心をくすぐってくる。故に悠は少々興奮し、周りを見渡していた。何度も言うがこういった建物に男は興奮するものなのだ。
なのはの先導の下、機動六課内を歩いて行く悠。
最初に、危険物を持っていないか身体検査を受けたが、特に持ち物もないのでこれはすぐに終わった。
そして身体検査も終わり、再び移動すると、機動六課の局員とすれ違い好奇の目で見られる。
まぁ、注目するのも無理は無い。何せ“あの”高町なのはが見知らぬ男を連れているのだから。
だが、それを知らない悠は気にせずなのはの後をついて行き、ある部屋に辿り着いた。
「お疲れ様。今日はもう遅いから詳しい話は明日、部隊長室で。部屋を用意したから今夜はここで休んでね。」
着いた先は悠が一晩寝泊りする部屋だった。
何ともありがたい。今日は本当に色々な事がありすぎた。
「はい、分かりました。どうもありがとうございます。」
「ふふ♪どういたしまして。」
皆と旅行に行こうと集まれば、異変が発生それを調査しようとしたところ、再び『ベルベットルーム』に呼ばれ、世界の危機を知り、異世界に赴くとガジェットに襲われる。イベントの目白押しだ。今までこれ程、状況が二転三転した事は無い。流石の悠も顔には出さないが疲れきっている。
「それじゃあ、また明日。私が迎えに来るからね。お休みなさい。」
「はい。また明日・・・。」
部屋の前でなのはと別れ、早速悠が部屋に入るとそこには質素だがフカフカのベッドが用意されている。
それを見るや否や、悠はベッドへ横になる。
「ふう、やっと横になれる・・・。」
>今日は色々あって疲れた・・・。今日はもう寝よう・・・。
>・・・・・。
>その頃、機動六課内の一室。
夜も更け、殆どが黒に染まった機動六課隊舎に1つ、煌々と明かりが灯っている部屋があった。
>4人の女性の話し声がする・・・・・。
4人の女性は1つのテーブルを中心に十字を描くように座っている。まるで円卓の騎士の様に。
そのテーブルの中心に立体映像が浮かび上がっている。映っているのは・・・
検査を受けている悠の映像だ。
「4体のガジェットを倒した民間人か・・・。うちの局員でも手こずるガジェットを・・・。一体どうやって倒したんや?」
異世界から普通聞こえてくる筈のない、日本の関西特有の方言を使っている茶髪の女性が首を捻り、軽く眉間にしわを寄せている
「高町から送られた画像には何かで切断したような跡と、高熱で焼け焦げたような跡が見えますね。」
凛とした雰囲気を持つ正しく騎士と言え桃色のポニーテールをした女性も口元に手を当て怪訝そうにしている。
「だけど、身体検査して、武器らしい物は出てこなかったよね?」
金髪の長い髪をした女性も不思議でならないと言った表情で食い入るように映像を見ている。
「・・・なんか怪しいな、こいつ・・・。」
そして、この場に不釣り合いな小さな体をしていながら、体から発せられる雰囲気は妙にこの場に在っていると言うアンバランスな少女(?)は警戒心を露わにし、映像に移っている悠を睨んでいる。だが、その警戒心は最早『憤怒』と思えるほどまでである。
「う~ん・・・。でも、なのはは悪い人じゃないって言ってるし・・・。」
「高町には人を見抜く力がある。問題ないだろう。」
金髪の女性もポニーテールの女性も警戒は少なからずしているが、余りにも強い警戒心を持っている彼女を落ち着かせようとしている。この2人としては昔からの付き合いのある、なのはの言葉を信じるという形である程度悠に対する警戒心は和らいでいる様だ。
「けどよぉ・・・。」
彼女もなのはを信じているが、未だに渋っている。普段は勝気な彼女は、どうやら意外にも心配性なようだ。
「まぁまぁ、明日話を聞けばはっきりするわけやし・・・。」
>夜は更けていく・・・・・。