Persona4 The StrikerS in MID-CHILDA (現在、凍結中…) 作:Neo-PSI
>・・・・。
「・・・・・・、グスッ。」
「ご、ごめんね?色々取り乱して・・・。」
「ほ、ホンマにゴメンな?元はと言えば私のせいで・・・。」
先程の直斗が女の子だったという衝撃の事実に始まった、はやてとなのはによる直斗へのボディタッチが漸く終わったがあまりの羞恥心からか、直斗は胸を押さえ涙ぐんで座り込んでしまっている。
「もう・・・、二度と、しないでください・・・。」
「「う、うん!絶対しない!!」」
上目遣いに、そして涙目で、そう釘を刺す直斗。そしてその姿に尋常じゃない罪悪感を抱いた2人は大きく首を縦に振って誓う。
>因みに、その涙ぐんで女の子座りしている直斗の姿に完二は顔を赤らめさせ、目を逸らしている・・・。
>数分後・・・。
「だ、大丈夫か?直斗?」
「ごめん、巽君・・・。みっともない所を見せちゃって・・・。」
これまで共に行動してはいたが、これまで見たことのない直斗の姿に心配になったのか完二がおずおずと気遣っている。
取り敢えず直斗の方も落ち着いたようだ。顔は未だに少し赤いが・・・。
「でも、可愛かったぞ。」
「え!?な、ななな、何言ってるんですか!?先輩!」
戻りかけていた顔の紅潮が悠の発言でぶり返してしまい、一気に顔が真っ赤になった。
「お前って、相変わらずサラッと大胆な事言うよな・・・。」
「?」
「無自覚なのが余計にタチ悪いな・・・。」
悠の天然さにやれやれ、と陽介が頭を抱えていると・・・
〈ドンガラガッシャーン!!!〉
>何処からともなく、大きな物音が響き渡った!
「にゃ!?な、何なに!?」
「何スか!?今の!?」
その余りの物音になのはは飛跳ね、流石の完二達も辺りを見渡す。
>音は、先程まで完二達が寝ていた部屋からの様だ。
「奥から・・・? もしかして・・・!」
>第六感ともいうべきものを感じたのか、悠は音のした部屋へと逸早く駆け出していった。
>・・・・・。
悠が先程まで直斗達が横になっていた部屋に着くと、あたりには医療器具が散乱しておりその中心部には・・・
「う、う~・・・・。」
まだ目覚めていなかった“クマ”がうつ伏せになってベッドの横に倒れていた。意識もあるようで呻き声を発しつつ、起き上がろうと手を付いている。
「よかった、目が覚めたのか・・・。」
「セ、センセイ、クマか・・・?」
悠の声もちゃんと聞こえている様だ。クマが目を覚ました事にまず悠がホッと胸を撫で下ろし、クマの傍に駆け寄ると・・・
「悠!何があったんだ!?」
「悠君!?大丈夫!?」
>悠の後ろに陽介となのは、完二と直斗そして機動六課の面々が顔を出す。
「ああ!?何これ!?私の職場が滅茶苦茶にー!?」
そして、医務室の主であるシャマルは散らかったこの部屋の惨状に悲鳴を上げていた。
そんな中・・・
「おお!クマきち!お前も目が覚めたのか!」
「ヨー、スケ・・・?」
陽介もクマの隣に寄り添い、体調を確認しようとしている。普段そっけない態度を取っているが矢張り仲間の状態が心配だったようだ。
そして、遅れて完二・直人が部屋にはいてくるや否や・・・。
「・・・って、オヨー!?ここは誰!?わたしは何処!?」
「分かりやすいボケかましてんじゃねえよ!!」
「アタッ!?」
クマがようやく起き上がったと思ったら開口一番素っ頓狂な声を上げ、陽介からの鋭いツッコミ(チョップ)を喰らった。
「な、何するクマか!?ヨースケ!」
「うっせえ!只でさえ問題山積みなのに、これ以上騒ぎを大きくすんな!!」
「ったく、どこ行ってもクマ公はクマ公か・・・。」
「まぁ、逆にこの方が彼らしくて安心できますよ。」
「フフ、そうだな・・・。」
この何時も通りのやり取りに特別捜査隊の面々は和やかな気持ちになっていった。
だが・・・
「あ、あの~、悠君?ちょっと良いかな?説明をお願いしたいんだけど・・・」
「ああ、すみません。そうですね、皆目覚めた事ですし・・・」
もうこれで何度目か、話についていけないなのは達が悠に声をかけると・・・
「今から説m「ムホ!?女の子がいっぱい!!センセイ、ここはもしや天国(ヘヴン)クマか!?」・・・。」
改めて周りを見渡したクマが、女の子が大勢いることに興奮し、悠の言葉を遮ってしまった。その興奮具合に若干なのは達も引いている。
「だぁってろっつの!!話が進まねぇだろうが!!」
「ゴ、ゴメン、クマ・・・。ヨースケ・・・。」
「は、花村先輩、何時にも増して迫力満点っスね・・・。」
異世界に来ても相変わらずのクマに若干陽介はイラついてきていたようだ。
その気迫にクマも冷や汗をかき、自重することにした。
「ええっと、すみません。まず、俺の仲間達にある程度説明してからでいいですか?」
「う、うん、良いよ。」
>取り敢えず、まず陽介達に詳しい事情を説明しなければ・・・。後、医務室の片付けも・・・。
>機動六課、ブリーフィングルーム・・・・。
>取り敢えずの状況確認として、まず特別捜査隊のメンバーに事情を話した・・・。
自分達が知らない異世界が無数にある事。この世界の事は魔法が発達した世界である事。それから、何故自分達がこんな所に飛ばされたのかを・・・。
「・・・と、言う事なんだ・・・。」
「成程・・・、他にも存在する異世界は考えて見ればあり得る話でしたね。」
『言霊使い』の伝達力で説明を終えると、早速直斗も状況整理に頭を働かせ始めた。
流石、探偵なだけあり、知識も豊富でこう言った事には手慣れているようだ。
だが・・・。
「はぁ・・・。」
「んん~?」
そう言った考える事が苦手な完二と、クマは、?といった表情で首を傾げている。
先に話した無数に存在する異世界の話から、こんがらがってうまく理解できなかったようだ。
「はぁ・・・、要するに俺達でこの世界の危機を止めなきゃなんないってこと!」
「ああっ!なんだ、そういう事ッスか!」
「な~るへそ~!」
陽介の簡単にまとめた話で漸く2人は理解が出来た様だ。つっかえがとれた様で2人共あっけらかんとした表情をしており、それを見た陽介は頭を抱えてしまった
「ったく、大丈夫なのかよ・・・。」
いまいち頭の回転のよろしくない2人を見て、不安そうな顔と声をしている。
この2人、前々から思っていたが緊張感がまるでない。
「大丈夫。俺達は一度、あの世界を救ったんだ。きっとやれるさ。」
「ま、それもそうだよな・・・。」
>ポジティブな言葉によって何とか陽介も持ち直したようだ・・・。
「この際、時間は考えたってどうしようもねぇし・・・。後、問題なのは里中達がいつ来るか、だな・・・。」
「ああ・・・。」
「チエちゃん達、何時来るクマかね・・・。」
前もって説明を受けていた陽介は改めて今後の事を考えている。学校の成績は御世辞にも良いとは言えないが、このような事には頭が切れる男なのだ。
「そう言えば、1つ気になる点が・・・。」
「?」
「何だよ?気になる点って・・・。」
同じく、頭脳担当の直斗が何かを感じ取った様だ。直斗の推測も“例の事件”解決に至るに重要な役割を担っている。故に全員が直斗の言葉に注目しており、辺りが緊張感に包まれた。
「・・・“何故、僕達だけが、先にこの世界に来たのか”です。」
「んぁ?何でって・・・、特に理由なんてねぇんじゃねぇのか?」
「いえ、何かあるのではないかと・・・。」
完二は何でもない様に思っているが、探偵として名を馳せた直斗としては、この点に何か引っかかるものがあった様だ。だが、違和感だけで直斗自身も現時点では答えが見いだせない様だ。
「その他にも気になる所があります。“先輩との間に体感時間の差がある事”・・・。」
「体感時間の差、か・・・。」
「確かに。悠は1日先に来ていたけど、1番最初に目を覚ました俺の記憶では、あの扉の異変が起こって、直ぐにこっちに送られた筈、なんだが・・・・。その間、俺達は自分がどうなってたか記憶が無い、か・・・。」
「特に何か問題があるわけではないのですが、気になって・・・。」
>様々な疑問が生まれた・・・。
>だが、特に緊急性はないため、これら疑問は後回しと言う事になった・・・。