Persona4 The StrikerS in MID-CHILDA (現在、凍結中…)   作:Neo-PSI

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あれから、10ヶ月以上・・・。

時の流れとは早いものですなぁ・・・。

お詫びを込めて、一気に投稿します。

ホント、スイマセンでした!


第19話『触れ合う心』

>・・・・・・。

 

>引き続き機動六課内、食堂・・・・・・。

 

エリオ・キャロの年齢に関する問題で気不味い雰囲気が漂っていたが、それも徐々に消え始めていた。

 

「それにしても、悠君って・・・本当に17歳?」

 

そんな中、先程の悠の考えになのははただただ感心し、知れば知るほど色々驚かされる所が多い、悠と言う人間に戸惑ってもいる。

 

「何だか・・・私達より年上みたい・・・。」

 

フェイトも悠に感心しているがそれと同時になのはとは別の戸惑いを持っている。

 

(うう・・・、私よりしっかりしてる・・・。)

 

以前にフェイトはエリオとキャロが管理局に入る際は色々と反対していたため、自分よりも大人な考えを持っている悠を見て若干自信を無くしてしまっているのだ。

 

 

「いえ、俺はまだ子供です。世界の為に危険を顧みず働いているなのはさん達やエリオ達の方が大人ですよ。」

 

「い、いえいえ!」

 

「そ、そんな。鳴上さんの方がずっと大人ですよ!」

 

 

褒められる事に慣れていないのか、エリオとキャロはワタワタと慌て、照れながらも謙遜している。

 

 

「いやぁ~、そんなぁ~。大人だなんて~。」

 

「あんたのどこが大人よ!少しは謙遜しなさい!」

 

 

スバルは褒められた事を素直に喜んでデレデレしており、ティアナは悠から褒められた事は社交辞令と捉え冷静にスバルの態度に突っ込む。

 

 

「ほ、本当に同い年とは思えない・・・。何か自分が不甲斐ないよ・・・。」

 

 

シャーリーもフェイトと同じ様に、悠の器の大きさに自信喪失気味になっていた。

だが・・・。

 

 

「何を言ってるんだ?シャーリーもだぞ?」

 

「え!?わ、私も!?」

 

 

まさか自分まで含まれていたとは思わなかったシャーリーは素っ頓狂な声を上げ、自らを指さしていた。

 

 

「ああ。」

 

「で、でも私は前線に出て戦うわけじゃないし・・・・。」

 

「そんなことない。シャーリーもこの世界を護るために働いているじゃないか。俺より立派な大人だ。もっと自信を持って。」

 

「ゆ、悠・・・。」

 

 

悠から微笑みながら優しく諭され、褒められたシャーリーは頬を赤くしながら感激していた。

 

 

実際に世間から注目を受けるのは矢張り前線で戦う魔道師だ。

シャーリーの仕事は魔道師達のバックアップがメインで、確かにその道では高い技量を持っているのだが、いくら優秀でも周りからは精々「メカオタク」としか言われなかった。だが悠はそうじゃなかった。

 

 

さらに、これまで裏方であるためシャーリーは管理局員じゃない人から褒められるような事はなく、自分の働きを凄いと、立派だと言ってくれる事がとても嬉しくて・・・・

 

 

(悠って、強いだけじゃなくて優しいなぁ・・・・・)

 

 

シャーリーはそのまま悠を惚けた目で見つめたまま固まってしまった。

 

そんな中・・・。

 

 

「お~い、なのは~!」

 

「皆~、お疲れ様。」

 

 

遠くから2人の声が聞こえてきた。

 

 

「お疲れ様、ヴィータちゃん。」

 

「はやても、お疲れ様。」

 

「「「「「お、お疲れ様です!」」」」」

 

 

はやてとヴィータが朝食を取るため共に食堂にやってきた。

昔からの友人のなのは、フェイトは軽く挨拶するが、新人の4人とシャーリーは凄い勢いで立ち上がり敬礼する。

 

 

「フフ♪食事の時ぐらい畏まらんでええよ、皆。」

 

 

緊張している皆に微笑んでゆっくりするように言うはやて。その姿は正に理想の上司と言えるだろう。

 

 

「お疲れ様です。はやてさん。」

 

「うん、ありがとう。悠君もお疲れさん。」

 

「それにしても・・・大丈夫なんですか?六課の隊長陣が一度に休んでしまって・・・。」

 

 

確かにその通り。それぞれの部隊の最高責任者たちが一度に現場を離れてしまっていては組織がうまく機能しなくなる。本来なら交代で休み時間を取ったりするものだが・・・。

 

 

「ああ、そこは問題あらへんよ。対応策があるから!」

 

「対応策?どんなものなんですか?」

 

 

はやては自信満々な顔をしている。相当しっかりした方法なのだろうか・・・。

しかし・・・。

 

 

「今朝の罰としてシグナムに休憩中の部隊長代行もさせとるんや!。」

 

「え!?」

 

 

はやてから返された答えは、しっかりした大人の対応策とはほど遠いものだった。

 

 

>・・・・・・・。

 

>機動六課、部隊長室・・・・。

 

 

本来いるはずの人間はおらず、代わりに1人の女性がデスクワークを行っている・・・。

言わずもがな、朝仕事をほっぽり出して訓練に乱入したシグナムだ・・・。

 

 

〈グゥゥゥゥゥ・・・・〉

 

 

罰を受けている当然シグナムもまだ朝御飯を食べておらず腹を鳴らしている・・・。

 

 

「うう・・・、主・・・。」

 

 

>シグナムの呟きと腹の虫は虚しく部屋に響いた・・・。

 

 

 

「な、成程・・・・。」

 

 

突然の乱入で余計疲れた筈の悠だが、1人事務作業をさせられているシグナムに少し同情してしまった。

 

 

「ホント、ワリいな・・・。うちのシグナムが迷惑かけて・・・。」

 

 

 

昔からの仲間のヴィータが、シグナムの暴走に対して若干申し訳なさそうに悠に謝罪してくる。

 

 

「あいつ、昔っから“ああ”なんだよ・・・。」

 

「強そうな人と会ったら戦ってみたくなる性分、ですか?」

 

「ああ・・・・、おまけに『イザナギ』は剣を持ってたからなぁ・・・。はぁ・・・。」

 

 

やれやれといった風にヴィータは手で顔を覆いながら、溜息をついている。

シグナムの方が大人かと思ったが、今の状況を見ていると何だかヴィータの方が大人に見えてくるが、何ともアンバランスな姿だ。

 

 

 

「まあ、俺もシグナムさんの話に乗ってしまいましたし・・・。気にしないでいいですよ。」

 

「ありがとな、悠・・・・・。後、あたしに敬語を使わなくていいぞ。お前ならタメ口で良い。」

 

 

悠に対して一番猜疑心を抱いていたヴィータは悠の事をそれなりに好意的に見ているようだ。

 

 

「そう言ってくれるとは嬉しいよ。ありがとう、ヴィータ。改めてこれからよろしく。」

 

「おう!」

 

 

悠が礼を言うと、ヴィータは少しはにかんだ笑顔で明るく返事を返してくれた。

 

 

>・・・・・・・・。

 

 

はやてとヴィータが合流し、食堂で機動六課の皆とそのまま他愛無い話をして過ごしていた・・・。

 

 

皆、食事はとっくに終わっているが、なのは達隊長陣の和やかムードでそのままお喋りが続いている。

 

 

最初はまだまだ堅苦しい態度だったエリオ、キャロもすっかりリラックスしたのか、話の合間に笑顔を見せている。だが、周りにいた他の局員の人の影が徐々に減ってきている。

 

 

>そろそろ、昼休みが終わる様だ・・・。

 

だが女性特有なのか、エリオも含め皆話に熱中してしまっている。

聞き手に回っている悠は何とか話を切り上げなければと1人思っていると・・・・。

 

 

「はやてちゃ~ん!」

 

 

悠よりも先にそれを実行した人物が食堂の入口から現れた。

聞こえてきたその声は幼いイメージを持たせる高い、女の子の声だった。

 

 

悠が入口に目をやると、そこには普通の人とは思えない存在がいた。

何と、その存在は人形の様な大きさで、はやてと同じ制服に身を包みフヨフヨと浮いていたのだ!

 

 

>だが、『オカン級の寛容さ』であっさりとそれを受け入れた。

 

 

「リイン?どないしたんや?」

 

 

その声の主、リインにそう尋ねると猛スピードではやての横へと近づいてきた。

小さい顔からは何か焦りが見える・・・。

 

 

「そろそろ戻ってきてください。はやてちゃん本人でないと処理できない仕事がありますし、いい加減シグナムも空腹でダウン寸前ですぅ!」

 

 

「あ、ああ~、そやったなぁ~。そ、それじゃあ、そろそろ戻った方がええな!」

 

「ですぅ!」

 

 

話に夢中でシグナムを御飯抜きにしていた事をすっかり忘れていたようで、はやては苦笑いしながら頬をポリポリ掻いており、リインは怒っている。

 

その怒っている様子に擬音を着けるなら「プリプリ」と言うのがピッタリ当て嵌まる、どこか可愛らしい姿だった。

 

 

「あれ?そちらの男性は、もしかして・・・?」

 

 

その小さな存在の視線が悠に向いた。疑問を持った彼女は幼さが強く残っているのか、小首を傾げて悠を見つめている。

 

 

「ああ、そっか。リインにはまだ紹介してなかったね。彼が本日付で民間協力者になった・・・。」

 

 

それをなのはが察し、2人の間を取り持とうと行動してくれた。

 

 

「初めまして「鳴上 悠」です。どうぞよろしく。」

 

「こちらこそ初めまして!はやてちゃんの“ユニゾンデバイス”、リインフォースⅡ(ツヴァイ)といいます!気軽にリインって呼んでください!」

 

 

「いいのか?それじゃぁ・・・、リイン。よろしく。」

 

「はい!」

 

 

悠は右手の人差し指を出し、リインと握手(?)を交わした。

 

 

>・・・・・・・。

 

 

>機動六課の皆との間にほのかな絆を感じた・・・・・。


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