Persona4 The StrikerS in MID-CHILDA (現在、凍結中…) 作:Neo-PSI
>・・・・・・・。
>木々が青々と茂っている道を歩く3人・・・・。
検査も終わり、シャマルと別れ医務室を後にしたなのは、フェイト、悠の3人は今度は隊舎の外にある訓練場に向かっていた。
「ここで最後だね。」
「うん!あの子達にも悠君を紹介しないとね!」
「?・・・あの子達?」
「この機動六課の新人達。私の教え子だよ。」
他愛ない事を喋っていると、木々がない開けた更地へと出た。
すると、そこに4人の人影が見えてきた。
その4人は、動きやすそうな訓練着に身を包み、2人1組で訓練前の柔軟体操を行っている。
「皆~!集合~!」
教導官のなのはの呼びかけに、遠目からは、判別が出来なかったが柔軟体操をしていた4人、女の子3人と男の子が1人は一斉に振り返り、なのはの下に駆け寄ってきた。
「皆、おはよう。」
「「「「おはようございます!」」」」
なのはの挨拶に対して、朝早くにも関わらず元気な声が返ってくる。聞いているだけで、こちらまで元気が出てくる様だ。
「あ、あの、なのはさん。後ろの方は?」
悠がそう思っていると4人の内の1人、ピンク色の髪の少女がおずおずとなのはに質問をした。駆け寄ってくる時もそうだったが、見知らぬ男がいる事に4人は戸惑っているようだ。まぁ、無理もないが・・・。
「紹介するね。彼は今日から入った機動六課の民間協力者の・・・。」
「「鳴上 悠」です。よろしく。」
「これから、任務の時は一緒に戦う仲間だよ。仲良くしてあげてね。」
なのはの紹介に悠が無難に挨拶し、フェイトがフォローを入れると、新人4人はお互いの顔を見合わせた。突然、機動六課に民間協力者が加わり、今後の任務で共に戦う仲間だ、と聞けば驚くのは当然だ。
だがそんな中、青髪のショートヘアの少女が悠に近づいてきた。
「初めまして!私は「スバル・ナカジマ」と言います。どうぞよろしく!」
人見知りしない性質なのか、彼女「スバル・ナカジマ」は率先して挨拶してくれた。
「よろしく、ナカジマさん。」
「スバルで良いですよ!ナカジマさんって呼ばれるのは慣れてないですし、敬語もいいですよ?」
「わかったよ。よろしく、スバル。」
「はい♪」
そう言って悠とスバルはどちらからともなく握手を交わした。
彼女が良い起爆剤になったのか他の3人の顔からは緊張の色、戸惑いの色は薄くなった。
「どうも初めまして。僕は「エリオ・モンディアル」と言います。よろしくお願いします!」
新人の中で唯一の男子「エリオ・モンディアル」がスバルに続いて挨拶してきた。何故かその目は心なしか喜んでいるように見えた。
「「ティアナ・ランスター」です。よろしくお願いします。」
それに次いで、オレンジの髪をツインテールにした少女「ティアナ・ランスター」は業務的な挨拶をした。何だか辛辣な視線を向けている。
「えっと、「キャロ・ル・ルシエ」です。よ、よろしくお願いします。」
裂くほどなのはに質問をしたピンクの髪で、エリオと同い年くらいの少女「キャロ・ル・ルシエ」は人見知りなのか、ちょっと言葉がたどたどしい。そして、その肩には小さな白い生物がとまっている。
「それと・・・、こっちは私の契約竜「フリードリヒ」です。」
本来なら驚く場面なのだろうが、最早悟りを開いた悠は、竜という本来伝説上の生き物を見ても何ら驚かない。
「へぇ、竜か・・・。それにしても「フリードリヒ」か・・・。カッコイイ名前だな。」
そして、思った事をそのまま悠が口にすると・・・・。
〈キュクル~!〉
「おっと!」
キャロの肩にとまっていたフリードリヒが、鳴き声を上げ悠の周りをグルグルと飛び始めた。言葉は分からないが、何処となく嬉しそうだ。
「アハハハハ。フリード、名前を褒められて喜んでます♪」
自分の友達であるフリードが喜んでいるのを見て、緊張していた顔が綻ぶキャロ。
幾つか不安な所があるが、4人は悠の事を受け入れてくれたようだ。
するとそこに・・・。
「なのはさ~ん!」
女性の声が先程、悠達が来た道の方から聞こえてきた。
(ん?どこかで聞いた様な声だな・・・。)
次第にその道からその女性の姿が見えてきた。
「あ、シャーリー。」
「す、すみません。遅くなってしまって・・・。ハァハァ・・・。」
「大丈夫だよ。まだ訓練を始める前だし。」
その女性「シャーリー」は、ロングヘアーを乱れさせ眼鏡がずれた状態で息を整えている。
「ああ、昨日なのはさんが通信していた人ですか。」
「へ?昨日?・・・・あれ、なのはさんこの人は?」
「ああ、彼が昨日現場にいた民間人だよ。」
「え!?」
なのはからの突然の説明にシャーリーは驚きを隠せないようだ。
「それと彼、機動六課の民間協力者として登録される事になったから。」
「ええ!?」
更にフェイトからの説明に、シャーリーは息つく暇もなく驚愕の声を上げた。
その一連の流れと昨日の事と言い、彼女のリアクションは本当に大きいな、と悠は心の中でそう思った。
「ええっと、「鳴上 悠」です。どうぞよろしく。」
「あ、ど、どうも!「シャリオ・フィニーノ」と言います!“シャーリー”って呼んで下さい!」
悠から挨拶した事で、何とか彼女は冷静になってきたようだ。
すると・・・。
「あの、ちょっといいですか?気になった事があるんですけど・・・。」
「?」
「歳はおいくつですか?年上だとは思うんですけど・・・。」
「ああ、そう言えば聞いてなかったね!」
「確かに・・・、私達と同じ位だと思うけど・・・。」
その疑問はなのは達としても少々気にはなっていた。
悠も、今までは信じてもらうためにも出来うるだけ謙虚な姿勢でいたが、取り敢えずもうその必要は無くなったわけだし、そう言った事が話のネタになって、信頼関係を築くきっかけになる事もあるだろう。
「年は17歳です。もうすぐ18歳になりますね。」
そう思い、悠は自分の年齢を言ったのだが・・・・
「「「「「「「・・・・・・・」」」」」」」
「・・・・・・ん?あれ?」
何故か辺り一帯が沈黙に包まれた。悠は何故こんな状態になったのか理解できず焦り出す。
すると・・・・。
「「「「「「「ええええええええええ!?」」」」」」」
悠以外の7人が一斉に悲鳴を上げた。その大音響に悠は対応できず足元がふらつく。
「え!?17歳!?年下!?」
「て、てっきり私達と同じ年かと・・・・。」
人間関係を良好にするのに、年齢は少なからず判断の基準になる。
だが、女性の年齢を探るのは余りマナーとしてよろしくはないとして悠は聞くのはやめようと思っていたが、本人達からの発言でなのは・フェイトは少なくとも17歳以上と言う事が分かった。
「わ、私は4,5歳ぐらい年上かと思ってました・・・。なのはさん達より年下だったんですね。」
「い、1歳しか違わないって、嘘でしょ・・・。」
エリオ・キャロは背格好から年下だとは思っていたが、如何やらスバル・ティアナは完二・直斗・りせと同じ位の歳のようだ。
「す、凄い大人っぽいです。何だか貫禄がありますし。」
「ほわぁ~・・・。」
エリオは何処か尊敬に似た視線を悠に向け、キャロはただただ驚きの視線を向けている。
まぁ、皆が驚くのも無理はない。確かに悠は年齢の割に大人っぽい。それもこれもあの1年間の経験によるところが大きいのだが・・・・。
「同い年だったんだ!なら、もっと気楽に話とかできるね!改めてよろしくね、悠。」
「こちらこそ、よろしく。シャーリー。」
そして、質問した本人、シャーリーは同い年と分かると、先程よりも更に親しみやすい笑顔を悠に向け、改めて挨拶と握手を悠と交わした。
>・・・・・。
余談だが先程の大音量の真っ只中にいたフリードは今なお、ふらついている。
〈キュ、キュクルー・・・・〉
>取り敢えず年齢については、確かに話のネタになったようだ。