Persona4 The StrikerS in MID-CHILDA (現在、凍結中…) 作:Neo-PSI
>部隊長室ではやて達がこれからの事について、模索している中・・・・・。
部隊長室を出た悠は、なのはとフェイトに機動六課内を案内してもらっており、2人から色々な事を教わっている。一から十まで本当に色々な事を・・・。
この世界の名は“ミッドチルダ”と言い、魔法文化が発展した世界だそうだ。
悠がこれまで見た“光弾による攻撃”や、“空中飛行”も魔法の1つで、その魔法を使う者達は“魔道師”と呼ばれ、時空管理局の前線で戦う者達はその“魔道師”が殆どだそうだ。
「覚える事が多そうですね。」
「あ、ごめんね。私が一方的に色々話しちゃって・・・。」
「いえ、お気になさらず。聞いていて楽しいですから。」
「にゃはは、ありがとう。悠君。」
「なのはは教導官だから、教える人が増えて嬉しくて仕方ないんだよ。」
「成程。確かに、今までで一番楽しそうに見えますね。」
「フフ、そうでしょ?」
そして、なのはが持っていた機械仕掛けの杖は魔道師のパートナー的存在“デバイス”というものらしい。“デバイス”は必要な際に杖などに形を変えるが普段は待機状態になっており、肌身離さず持ち歩けるようになっている。それも実際に見せてくれた。
「この子が私のデバイス『レイジングハート』だよ。」
なのはの首には赤いビー玉くらいの大きさの宝石が下げられていた。そしてきらりと光ったかと思えば昨夜聞いたものと同じ声が聞こえてきた。
【はじめまして、マスターのデバイス『レイジングハート』と申します。どうぞよろしくお願い致します。】
「こちらこそ、よろしくお願いします。」
なのはの相棒と言う事もあって、律儀に悠はレイジングハートとも挨拶を交わしている。
【私に敬語は必要ありませんよ、悠。】
「フッ、そうか。ありがとう、レイジングハート」
機械である筈のレイジングハートからどこか笑っている様な声色で言葉が返って来た。この世界の人の中でも珍しく悠はデバイスであるレイジングハートに対しても敬語を使っていたが、傍から見ると何だか滑稽に見えてしまう。
そこで笑いものになるどころか、逆に良い印象を持たれるのも悠の人柄のおかげだろう。
話を戻すがさらに詳しく言うなら“デバイス”にも様々な種類があるらしく、なのはの愛機『レイジングハート』は“インテリジェントデバイス”と言う物に分類されるそうだ。
そして見学しているこの場所、“機動六課”についても説明を受けた。
正式名称は『古代遺物管理部機動六課』といい、“ロストロギア”と呼ばれる“異世界に存在した高度な魔法技術の遺産”の探索・調査・確保を任務とする部署で、悠が持っていた“レリック”も機動六課で捜索している物の1つなのだそうだ。
この“機動六課”は主に3つの部署で構成され、前線になのはが隊長を務めるスターズ、フェイトが隊長を務めるライトニング。後方支援にロングアーチと言う部隊があるとの事。
そんな中、これから悠はその後方支援部隊“ロングアーチ”で身体検査を受ける事になった。書類の作成に必要なのだ。
検査内容は健康上のもの等、様々な事を測定するらしい。
「あ、着いたね。」
「悠君にはここで簡単な診察を受けてもらうね。」
「はい。」
医務室に到着し、なのはとフェイトに続いて部屋へと入る。
するとそこには・・・。
「なのはちゃんにフェイトちゃん。待ってたわよ。」
「あ、シャマルさん。」
穏やかな雰囲気を全身から出した金髪で白衣を着た女性「シャマル」がいた。
「話ははやてちゃんから聞いてるわ。それで、彼が・・・?」
「うん。彼は「鳴上 悠」。今回機動六課の民間協力者になる事になったんだ。」
「初めまして。鳴上 悠と言います。よろしくお願いします。」
「こちらこそ初めまして。私はシャマル、医務官を務めてるわ。よろしくね。」
見るからに人の良い彼女は、はやての事を余程信頼しているのだろう。
初対面で謎の力を持つ悠に対して彼女は全く警戒していない。これは悠にとっても嬉しいもので、この世界に来て初めて会った人がこの人達でよかった、と心の中でそう思っていた。
「それじゃあ、検査を始めるわね。悠君、ついて来て。」
「はい。」
>シャマルの下、身体検査が行われた・・・・・。
>・・・・・・・。
>数分後、身体検査が終わった・・・。
「さ、計測結果が出たわよ。」
「どうだった?」
告げられる検査結果になのはとフェイトは、興味津津にワクワクといった様子で待っている。逆に悠は何か問題がないか、気が気じゃなく内心ハラハラしている。
この検査内容によって今後の様々な事に影響する事も十分にあり得る。
「健康状態は異常無しよ。安心して。」
「そっかぁ~。フゥ~。」
「取り敢えず、一安心だね。」
「ええ、何もなくて良かったです。」
異世界に来て環境の違いから何か身体に異常が生まれる可能性は無さそうだ。
「それと、“リンカーコア”についても調べてみたけど、どうやら持ってないみたいね。」
「ん~、そっか~。」
悠の耳に聞いたばかりの単語が早速聞こえてきた。
先程聞いた話では、ミッドチルダは確かに魔法文化が進んでいる世界だが、全ての人が魔法を使えるわけではないらしいのだ。
魔法を使うには“リンカーコア”と呼ばれる魔力を生みだすものを持っていなければ使えないそうだ。
つまり、検査結果から、悠はこの世界の魔法を使う事が出来ないと言うのが分かった。
「どうやら俺の『ペルソナ』は“リンカーコア”とは関係ない力の様ですね。」
「そうなると、益々不思議な力だね。『ペルソナ』って・・・。」
検査内容で、『ペルソナ』が魔法とは関係ない力と言う事実が生まれたが、益々疑問が生まれてしまったのかフェイトは首を傾げている。
「話には聞いたけど、悠君って本当にそんな力が使えるの?“リンカーコア”がないのに・・・。」
「本当だよ?実際に私達、見せてもらったし。」
「どんな感じだったの?」
「えっと・・・・・・。」
>・・・・・・・・。
>未知なる力『ペルソナ』は彼女達、魔道師にとっては興味が尽きないようだ・・・。
>検査の為に来た医務室は、何時の間にかシャマルのための『ペルソナ』に関する質問会場の様になってしまっていた・・・。