Persona4 The StrikerS in MID-CHILDA (現在、凍結中…) 作:Neo-PSI
>・・・・・。
「これが・・・、俺の力・・・『ペルソナ』です。」
「「「「「・・・・・。」」」」」
手っ取り早く話を進めようと悠が背後から出現させた『イザナギ』に彼女達は様々なリアクションをし、そのまま固まってしまった。
既に『ペルソナ』を消した悠だが、この状況にどうしたものか、と顔を険しくする。口で説明するよりもと思って、『ペルソナ』を使って見せたが、さすがの彼女達にとってもこれは衝撃的だったようだ。これでは話が進まない。
そんな中・・・。
「ペ、ペル、ソナ・・・?」
他の4人よりも心に余裕のあった、なのはが最初に現実戻って来た。
これなら何とか話が進みそうだ。
「そ、それが、君が召喚魔法で今出したこの子の名前か?」
はやてもこっちに戻ってきた。さすがは部隊長、上に立つ事から精神面も強い様子。
だが、まだ心なしか動揺している。
「召喚魔法と言う物が良く分からないのですが・・・、『ペルソナ』は力の総称の事で、先程俺が出したのは『イザナギ』と言うペルソナです。」
「・・・・・・。」
「イザ、ナギ・・・・・。」
悠ははやての質問に答える。漸く会話が再開したが、ヴィータは未だに放心しており、同じく放心状態だったフェイトは戻ってきたが、まだ混乱している。
そんな中、シグナムは平静を取り戻し、納得したように頷いている。冷静沈着なその姿はまさに理想の護衛役と言える。
「成程。こんなものを呼び出せるならば、破壊も可能だな。」
だが、そう言って落ち着いた様子のシグナムの目が若干輝いて見える・・・。
気のせいだろうか?
「なのは隊長!局のデータベースで該当する物を探して!」
「う、うん!」
もしかしたら、何らかの情報が管理局のデータベースに記されているかもしれないと考え、はやてはなのはに悠の持つ力を検索するように頼んだ。
そして、10秒とかからず検索は終了した。
「検索終了・・・。ええっと・・・、ッ!?」
「どうだった。・・・ッ!?」
「ど、どうしたんだよ、なのは、シグナム!?」
調べ終わった結果を見たなのはとシグナムの表情が再び驚愕の色に変わった事で、漸くヴィータの意識も覚醒した。
「『ペルソナ』について該当する情報・・・・・なし。」
「な!?」
「管理局でも・・・、把握してない能力・・・。」
「君は・・・、一体何者なの?」
ガジェットを破壊したのは悠だ、という答えが出たが、また新たな疑問が彼女達の中に生まれる。
「鳴上君、教えてくれるかな?」
なのはが優しく悠に話すよう求めてくる。悠としても断る理由がない。そもそも、そんなことしたら警戒されるだけだ。
「ええ、勿論です。それでは、何から話せばいいでしょうか?」
「え、ええっと。それじゃあ、『ペルソナ』って一体何なの?」
「『ペルソナ』についてですか・・・。そうですね・・・。」
矢張り、皆の関心が強いのは悠が見せた未知なる力『ペルソナ』についてのようだ。
「『ペルソナ』と言う言葉の意味は御存じですか?」
話をしっかり聞いて、理解してもらうために悠は、逆に皆に問いかける。
「意味?」
「『ペルソナ』とは“仮面”を意味する言葉です。」
「んだよ、それがなんだってんだ?」
「ヴィータちゃん、押さえて。」
短気なヴィータは悠の説明が回りくどく感じてまたイライラし始めていた。
それを、見かねてなのはが再び落ちつかせていた。
「次に、皆さん。自分の中にいる様々な自分を感じた事はありますか?」
「え?」
「それ、どういう事?」
皆、悠の逆質問で真剣に話を聞いていた。この光景はまるで先生と生徒の様だ。
「例えば、女神の様に慈悲深い自分。悪魔の様に残酷な自分。それらは、外側の事物と向き合ったとき、ある種の“仮面”“鎧”として表に現れます・・・。」
「ちょ、ちょっと待って!今の話からすると、もしかして・・・。」
ここまで話すとなのはがある考えに辿り着いた。すると悠がそれを肯定する様に言葉を続けた。
「ええ、あれは俺の中にある、もう一人の自分。俺の人格が形をなしたものです。」
「あ、あれが、じ、人格・・・?」
「しかも、ガジェットを倒すほどの力を秘めているとは・・・。」
『ペルソナ』という未知の力の正体に、皆が驚いている中、はやてが更なる疑問を投げかける。
「ふむ、『ペルソナ』については確かに分かった。けど、管理局のデータベースに情報がないと言う事は・・・。君はこの世界の人間じゃ・・・。」
「ええ、その通りです。俺は、違う世界から来ました。」
「「「「「!?」」」」」
「つ、つまり“次元漂流者”?」
「それならば、管理局に情報が無くても何ら不思議ではないな。」
悠の答えに新たな驚きの声と情報が飛び交う。
異世界からやってきた者はどうやら“次元漂流者”と言うらしく、そう言った言葉がある事から以前から認知されている事象のようだ。
さらに、時空管理局でも全ての世界を把握しているわけではない事も伺える。
「ねぇ、君の出身世界はどう言う名前?」
「出身世界?」
「ええっと、あなたの住んでいる星の名前は?それが出身世界ってことになるの。次元漂流者なら保護して、元いた世界に帰すのも管理局の仕事なんだ。」
「ああ、成程。」
悠の質問にフェイトが丁寧に答えてくれる。彼女もなのはの様に優しい人のようだ。まったく、類は友を呼ぶ、とはよく言ったものだ。
そう悠は思いながら、その丁寧な答えをに対して直ぐに返答した。
「俺の住んでいる星は、地球という星です。」
すると・・・
「なっ!?」
「え!?」
「ふぇぇぇぇぇ!? 鳴上君も地球出身だったの?」
はやて、フェイト、なのはが驚きの声を上げる。何と言うか今日は本当に驚く声がよく聞こえる。
「“も”と言う事は、矢張り高町さんは地球の日本出身なんですか?」
「うん、そうだよ!後、はやてちゃんとフェイトちゃんも日本出身だよ。よかった、これなら直ぐに帰してあげれそうだね。」
同じ地球、同じ日本出身という事で話が弾み、なのはの心はすっかり元通り、冷静な物となっていた。
しかし・・・。
「いや、ちょっと待った!」
「ど、どうかしたの?はやてちゃん?」
賑やかな雰囲気がはやての一言で一気に静まり返る。
幼馴染のなのはも、はやてが何故声を上げたのか分からないようだ。
「今、君は異世界から来た(・・・・・・・)と言ったね。どうやって来たんですか?そもそも地球では異世界なんて認知されてない筈。何で知っているんですか?」
「あ!そ、そう言えば!」
警戒心が解かれたかと思っていたが、はやての抱いた疑問で再び、ぶり返してしまった。
と言うより・・・・。
シグナム、ヴィータはそれぞれ機械仕掛けの剣とハンマーを出し悠に向けている。これはぶり返しと言うよりも余計悪くなっている。
この状況に、流石の悠も顔には出さないが内心焦りが見え始めた。
>何だか気不味い雰囲気だ・・・。
「落ちついてください。俺は皆さんの敵ではありません。」
「ならば、何が目的だ。」
必死にこの状況を打開しようとする悠に対し、氷の様に冷たく突きつけられた剣の様に鋭い言葉がシグナムから発せられる。
「俺がこの世界に来たのはこの世界を護ってくれと頼まれたからです。」
「何?」
>この世界に来るまでの経緯を話す事にした・・・。
>・・・・・・。
悠はある人から、この世界に危機が迫っており、この世界が混乱すれば、自分の居た世界を含め多くの世界が崩壊の危機に陥る。それを防ぐために力を貸して欲しいと頼まれ、この世界に来た事。一切合財全てをを明かした。
「俺は皆さんと共にこの世界を護りに来ただけなんです。それ以外に目的なんてありません!」
「この世界の危機・・・・・。」
「そんな事が・・・。」
「・・・・・。」
「だが、俄かには信じられんな・・・・。」
「あたりめぇだ!んなもん、信じられっか!!」
なのは、フェイト、はやては悠から伝えられた内容がかなりショックだったのか顔を俯かせている。シグナムは冷静に分析をしている様だが、ヴィータに至っては正反対にますます機嫌を悪くさせている。
全てを明かしたが矢張り簡単に信じてはくれないようだ。当然と言えば当然だが。
未来に災いが起こる言われても、普通ピンとこない。
だが・・・。
「成程。君の事情は分かった。・・・・私は君の話を信じる!」
なんと、悠を問い詰めていたはやて本人が真っ先にその話を信じると言い出したのだ!
「ちょ、はやて!?」
一番悠に対して猜疑心を抱いていたヴィータははやての決断に、心底驚いている。
そんなヴィータを置き去りにする様に、さらに話は進んでいく。
「ッ!?ありがとうございます!よろしくお願いします!」
「この世界に危機が迫っているっちゅう事を見過ごす事はできん。こちらこそ宜しく頼むで、悠君!」
今までとは打って変わった砕けた態度で、はやては悠の前に歩み寄り、手を差し伸べてきた。
「はい!」
それに答えるように悠も、手を伸ばしはやてと握手を交わす。
>「機動六課」の共同戦線が結ばれた!!