「大丈夫だ。問題ない」(ハルン)
至る所で電子回路のよ様なモノが張り巡らされてる場所にイチカ達はいた。
そこは【ジェネレーションシステム】......それは太古以来、膨大なネットワークと大量のデータの集合体ニューロを集め、構成された超密度複合型システム......それがジェネレーションシステム。
イチカ達はアプロディアに助太刀することで意見がまとまり今、青いMSを先頭にネェル・アーガマは動いていた。
そのMSの名はハルファスガンダム”手にすれば大いなる力を得られる”と噂されていたMSで、現にその力を得ようとする者、利用しようとする者がハルファスガンダムを狙い、争いを起こした。
だが元々、ハルファスガンダムはアプロディアの認証コードによって動く機体であり、アプロディアがシステムから弾き出され、その時にハルファスは乗っ取られたのだ。
そしてアプロディアの正体はジェネレーションシステムに形成された大量のニューロをまとめる"ニューラル・ネットワーク・アプロディア"つまり彼女もシステムの一部なのだ。
数々の戦闘の末、ハルファスの暴走を止め、アプロディアの制御下に置かれた。
彼女とハルファスガンダムが揃ってようやくジェネレーションシステムへのアクセスが可能となった。
そしてジェネレーションシステムの暴走の原因である”何か”の正体を見つける為、アプロディアは自身の駆るハルファスガンダムとマーク達は共に中枢ゲートを守るガーダーシリーズや数十体規模の防衛用MSレギナを撃破しつつ中枢へと向かった。
「クソ!砲撃だけならまだしもコイツは...」
「あれは厳しいわね...」
ガーダーやレギナを倒している最中に一機のMSが現れた。
白い髭の目や額のパーソナルマークが赤色く紫に発光し、ガンダムとは程遠いシュルエットの機体。
それは過去に文明を世界をリセットさせた機体。
System-∀99はターンAに似ているモノその性能は段違いであり、現に空間跳躍や桁外れの火力を持った武器で苦戦を強いられていた。
「攻撃が当たらない!」
「当たってもすぐ修復するからキリがない」
フェニックスやハルファスに搭載されているナノスキン装甲よりも上位であり、まさに勝てる気がしないであった。
System-∀99イチカにIフィールド・メガビームライフルをイチカの直前に現れ放つが撃つのに少し時間が掛かり、その間に避けるが完全に避けきれず、エクシアの左腕、脚そして、コクピットの一部が破壊される。
「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
「イチカ!...クッ!」
「兄さん!...チィ!」
エリスとマドカはイチカの救援に行こうとするがガーダーがそれを阻止する。
「私の邪魔をしないで!!」
「邪魔をするな!」
エリスはメガビームキャノンでマドカを狙い撃ち次々とガーダーを落とす。
「クソッ!」
イチカは罅が入り使い物にならなくなったヘルメットを捨てる。
ヘルメットの破片が刺さったのか頭部から薄らと血を流していた。
コクピットも左側は融解しているが奇跡的にイチカの身体は頭部の怪我以外は無く、五体満足だった。
System-∀99は巨大なビームサーベルでエクシアを斬ろうとするがそれは振り下ろされず、まるでイチカを観察するかのようにジッと見るとその場から完全に姿を消す。
「なん...だったんだ......今のは...」
太陽炉こそ無事だが機体が悲鳴を上げており、無理をすれば爆発しかねない状況だった。
「イチカ! 大丈夫! イチカ!」
エリスはダーガーを撃破し、イチカの救援に来たのだ。
「なんとかな......だがエクシアはもう動かけない」
「そう、なら私が送っていくわ」
「なら、私が援護しよう」
エリスはエクシアの右肩部を掴むとネェル・アーガマに向かい、マドカはレギナを落としながら着いていく。
帰還したエクシアからイチカを取り出すと医療室に連れてかれた。
「こりゃ、修理に大分時間が掛かるね」
「そう、じゃイチカは今回の戦いはお休みね」
整備士であるケイ・二ムロッドは半壊になったエクシア見るとそう告げるとエリスは今回はイチカが戦闘に出なくていいことに心の奥そこで安心した。
「おいおい、勝手に一回休みにするなよ」
「「え?」」
エリスとマドカの声がハモる。
そこには医療室から戻ってきたイチカがいた。
頭部には包帯を巻いているがそれ以外は特に異常は見受けられなかった。
「でも、乗る機体がないわよイチカ」
「あるよ。最近乗ってなかった元祖愛機がさ」
イチカは格納庫の奥にあるZガンダムを指さす。
「まだコイツがある。だから俺はまだ戦える。そんなわけで俺はもう出るからな」
「えッ!待ちなさいイチカ」
「俺は何が何でも出るぞ。この歪みを正す為に」
その覚悟の籠った瞳を見たエリスは何も言えなかった。
「分かったわ。でも無理はしないことこれが絶対条件よ」
「あぁ、分かった」
ダーカーとレギナを撃破し、中枢へのゲートを見つけたマーク達は一度帰還してきた。
マーク達に最後まで出撃する事を告げ、エリス同様無理をしないことを条件に出撃することになった。
『これが最後の戦いだ。お前ら気を占めていけよ』
「皆さん、ここがジェネレーションシステムの中枢区画です」
アプロディアの案内で中枢へと到着したマーク達ネェル・アーガマは戦艦一隻十分に動ける空間に来た。
「ここが...ジェネレーションシステムの中枢部」
「はい。世界中に張り巡らされたニューロは、ここに全ての情報を集めてい...そしてシステムは、その情報を元に新たな世界を形成していく......ここが、世界が生まれた場所です」
Zガンダムのコクピットから見ていたイチカが言うとシステムの中枢に集められた情報を元に新たな世界を形成する場所であるとアプロディアは説明した。その言葉にゼノンやブリッジクルー、そしてMSで待機しているマーク達は言葉を失った。
イチカやマドカこそ違うがマーク達やクルーは自分達が生まれたこの世界ジェネレーションシステムによって作り出された世界だというのだから......。
ところが突然、中枢内に警報が鳴り響き始めた。
「これは……私が、システムから消去されている!?」
アプロディアは自身が消去されていると驚きの声を上げると、中枢上部から白いMSらしき機体が舞い降りてきた。
「何だ?あのMSは……」
「あれは…バルバトス!?」
突然現れた謎のMSにアプロディアはバルバトスと言った。驚いている一同にバルバトスはまるで翼を広げるかのような動きを見せると、今度は孔雀のような姿に変形し、一つ一つの羽から光を放ち始めた。
「イカン!緊急回避だ!!」
バルバトスの動きに長年の戦闘経験の感が危険と判断したのか、ゼノンはネェル・アーガマをバルバトスの射線上から退避するように操舵士に告げる。
するとバルバトスの羽から放っていた十二個の光が中心部に集まり、巨大なビームとなってハルファスガンダムに向けて発射され、ネェル・アーガマ改はギリギリの所で回避に成功するが、ハルファスガンダムはバルバトスのビーム砲の直撃を受けてしまった。
「バルバトスが......何故......!?」
バルバトスの攻撃の直撃を受けたハルファスガンダムはコクピット部分の直撃は避けられたものの、特殊機能である【ナノスキン装甲】を持っているにも拘らず、機体全体にダメージを負い爆破される。
「どうやらあの機体が全ての元凶のようだな。これより我々はシステムの異常であろうバルバトスを破壊する!!各MS部隊は順次発進せよ!!そしてこの戦いに終止符を打つぞっ!!」
『了解ッ!!』
ハルファスガンダムを排除しようとしたバルバトスが、ジェネレーションシステムが異常をきたし暴走した原因であると判断したゼノンは、マーク達にMSで発進するように指示を出した。
「マーク・ギルダ、フェニックスガンダム...出る!!」
「ラナロウ・シェイド、トールギスⅢ...行くぜぇ!!」
「シェルド・フォーリー、ネティクス...行きますッ!!」
「イチカ・ギルオード、Zガンダム...飛翔する!!」
ネェル・アーガマの右カタパルトから出撃すると、続いて左カタパルトへと送り出される。
「エリス・クロード、フェニックス・ゼロ...行きますッ!!」
「エルフリーデ・シュルツ、ビギナ・ロナ...参るッ!!
「マリア・オーエンス、量産型νガンダム...出撃しますッ!!」
「デュナメス、織斑マドカ...目標を狙い撃つ!!」
ネェル・アーガマから計八機のMSが出撃する。
「各機バルバトスの迎撃に当たれ!!」
『了解ッ!』
そしてマーク達がバルバトスに向かって攻撃を仕掛けようとした時だった。バルバトスはマーク達も邪魔者と認識したのか、排除しようと光を放つと、今度はバルバトスを中心に八つの巨大なニューロが現われ、その一つ一つが歪み出すと、マーク達の乗っている機体の姿をしたコピーMSが出現した。
「俺達のコピーか!」
「そんなもん、俺様が蹴散らしてやるぜぇ!」
「油断するな、ラナロウ!!例えコピーでも相手はジェネレーションシステムの一部......あの時のように発展機がくるやもしれん」
「うぇ、それは勘弁だぜ」
自分たちの機体をコピーしてきたバルバトスにラナロウはコピー如きに自分達が倒せるかよと叫ぶが、例え複製でもシステムの中枢である場所から出現したコピー機でも油断するなとマークが告げる。
「イチカとエリスは一緒にバルバトスの迎撃をラナロウ達はコピーを頼む」
マーク、イチカ、エリスの三機のガンダムがバルバトスに向かい、ラナロウ達はコピーの相手をする。
バルバトスとの決戦は熾烈を極めた。
一度目のコピーMSは撃破できたが再び八つのニューロが現れ姿を変えると二つだけ今までとは違うのが現れる。
ベースこそジムだがその姿は黒い武者鎧の様な形態をしており、その手に一つ近接用ブレードとアサルトライフルがあった。
『男なんて所詮家畜同然!!』
『ISを動かせない男がいい気になるな!!』
謎の女性の声が響き渡り、特に男性陣は聞いていていい気分ではなく、”男性”そのものを見下されてる気がした。
攻撃してくるのが実体であり、ビームサーベルで切り裂くことが出来るので容易に撃破できた。
そして二度目のニューロを破壊が完了した時、再び中央付近の周囲にある場所から三度目のニューロが六つ出現し、再びラグナロウ達の乗っている機体に変化した。新たにニューロが一つ現れると白い騎士の様なMSが現れさっき現れたのもそうだがラナロウ達はこのMSを知らない。
白い騎士はその大型のブレードのリング状のパーツから放電しながらラナロウを襲う。
「こいつ、今までとは違うぞ!」
「あれは...まさか...」
ラナロウ達は新たに現れた白い騎士によって合流するのに時間を要した。
ラナロウから援護に行くのに時間が掛かると報告を受けるとエリスのフェニックス・ゼロのメガビームキャノンを放って足止めをしマークのフェニックスガンダムのフェザーファンネルで隙を作り、イチカのZガンダムがウェーブスライダーに変形し特攻し、撃破。
「此処からいなくなれェェ!」
マークがバルバトス撃破の報にラナロウ達に伝えた後、エリスはイチカのZガンダムに向かう。バルバトスを撃破することで白い騎士は自爆した。
今回の戦いで一番怪我をしているのはイチカであり、先の戦いで受けた傷が悪化していないか心配だったのだ。
「イチカ、大丈夫?」
「あぁ、大丈夫だ。それより早くラナロウ兄達と合流しよう」
Zガンダムを動かしたその時、ジェネレーションシステムの中枢部が突然揺れ出し、所々で爆発が起き始めた。
「これは不味いな......全機! ネェル・アーガマに戻れ!! ここから脱出するぞ!!」
マーク達はネェル・アーガマに帰還し、最大戦速で離脱を試みた。
「出口まで後どのくらいだ!」
「あと少しです!」
ゼノンの声に通信担当のラ・ミラ・ルナが叫ぶ。イチカ達もMSデッキで自分の機体に乗ったまま揺れるネェル・アーガマが無事脱出できるように祈っていた。
ネェル・アーガマが飛び出すと同時に、脱出口から火柱が立ち昇り、ネェル・アーガマはギリギリの所で脱出に成功した。
無事脱出できた事に歓声を上げて喜ぶブリッジクルーとMS内で待機していたマーク達は安堵の溜息をついた。
「無事に帰ってこれた!」
「あぁ、そうだな。俺達は世界を救ったんだ」
イチカはZガンダムの中から水と緑豊かな地球を見ながらそうつぶやいた。
ワールド終了し、次オーバーです。
オーバーは二話で終わりますので皆さんが待っているであろうIS本編にはいりまーす