インフィニット・ジェネレーション   作:ハルン

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あ…ありのまま
今 起こった事を話すぜ!

バンプレでガンダム関連の商品を見ていたら
HGのディキトゥスの予約をしていた』

な…何を言っているのかわからねーと思うが
おれも何を受けたのかわからなかった…

頭がどうにかなりそうだった…
売上向上だとか大人の事情だとか
そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ

もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…

とポルナレフ状態になっていました

ディキトゥスがプラモか?新造で?買わないという選択肢はないやろ。


43話

 弾がMIAになったという情報は瞬く間に広がり、その事実はIS学園に居た関係者の心に衝撃を残した。その中で一際、その衝撃が大きかった人物が二人いる。

 

「今から虚さんの所に行くんだよね、お姉ちゃん...」

 

「そうよ。虚ちゃんにこの事実を伝えないと...」

 

「でも、MIAだから...。もしかしたら」

 

「もしかしたら生きているのかもしれない...。けど、もしそうじゃなかったら? 『もしも』の時、虚ちゃんが前に進める様にしないといけないのよ」

 

「お姉ちゃん...」

 

 

 今も彼の無事を信じて待つ彼女に残酷なことを言うのだと。いままで受けてきた任務のどれよりもつらい内容だと楯無は感じ、虚がいる部屋に向かった。

 

「虚ちゃんいる?」

 

「あ、お嬢様。任務から戻ってきたんですね」

 

「えぇ、すこし話があるの」

 

「そうなんですか? でしたら、この作りたてのパンを彼に、弾君に上げてからでよろしいでしょうか?」

 

「それは...」

 

 

 部屋に入った楯無と簪は、部屋の中で待っていた虚に意を決し、話そうとした時だった。虚がパンが入ったバスケットを取り出し、それを弾に届けると言った虚の顔を見た楯無は、決意が揺らぐ。幸せそうな表情だった。弾がMIAになっていなければ...と心の中に思いながら楯無は虚の肩を力強くつかむ。

 

「お、お嬢様? そんな急に掴まれたら、せっかく作ったパンを落としてしまいます...」

 

「いい虚ちゃん。今から私は残酷なことを言うけど、気をしっかり持ってちゃんと聞いて。これは貴女の為でもあるの」

 

「ど、どうしたんですか? そんな怖い顏で」

 

「実は──―」

 

 

 覚悟を決め、虚に今日起きた事を包み隠さずに全て話した。自分たちのこと、厳のこと、そして弾がMIAになったことを全て話した時には、手に持っていたバスケットを落とし、膝から崩れ落ち、目には大粒の涙を浮かべ虚の嗚咽が静かに響く。

 

「そんな...。戻ってくるって信じて、彼の好きなパンを作ったのに...。なのに...彼は戻ってこないなんて...!」

 

「ごめんなさい虚ちゃん...。私達が居ながら彼を助けることが出来なくて......」

 

「捜索任務に行くときに、『必ずじいちゃん連れて戻ってくる』って、言ったから、信じて...たのに...。なんで、なんで」

 

 

 ただ泣き崩れる虚を見つめる事しかできない自分が、幸せな人たちを一瞬で絶望の淵に追い込む戦争が憎いと思った。それはきっと、イチカがあの時に体験したものと同じであり、彼が戦う決心をした時の気持ちが簪には理解できた。何故なら、自分も同じ気持ちになったからだ。

 

「あのね、虚さん。慰めにならないかもしれないけど、あの戦場に居たイチカは弾君の最後の言葉を聞いていないって言っていたから。だから、きっと生きていると思う」

 

「簪お嬢様...」

 

「あの時、目の前に起きた出来事で気が動転していたけど、戦場で聞いていた最後の遺言を聞いていないって、きっとマシントラブルか負傷して動きが取れないのか分からないけど、きっと...!」

 

「そうね...。まだ、死体が上がった訳じゃないから絶望するには、まだ早いかもしれないわね。でもね、最悪の事態は想定してほしいの」

 

 

 簪の生存しているかもしれないという一抹の希望を抱いた虚。楯無も、生存しているかもしれないと言うと同時に最悪の事態は想定してほしい、念を押す。虚は涙を拭き、まっすぐ二人を見つめる。

 

「私、信じます...。彼が戻ってくると信じて、待ち続けます!」

 

「そう、なら私達も一緒に待ち続けるわ。今まで支え合ってきたんだから、これからも互いに支え続けましょ」

 

「私も、お姉ちゃんと一緒に待つから。みんなで待ち続けよう」

 

「ハイ...!」

 

 

 二人は虚を優しく抱きしめ、一緒に待ち続けることを誓う中、楯無は心の中で『これ以上、虚ちゃん悲しませない為に必ず戻ってきてね』と彼の生存を願うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、もうひとり大きく運命が変わろうとしていた人物がいた。

 

「お願いです一夏さん! 私に戦うための力を下さい!!」

 

「それは出来ない」

 

 

 整備室の一角で、イチカと赤毛の少女がそれは、MIAになった五反田 弾の妹である、五反田 蘭が志願兵として戦いたいと部隊の中心的人物であるイチカに抗議しているのだ。そしてこのやり取りは、四日経っても未だ繰り広げられている。

 

「どうしてですか! 今はは猫の手も借りたい時なんですよね? ISの簡易判定でAだったんですよ! 任せて下さい! ...って言えるようになるまでは時間がかかりますけど...。それでも、必ず力になって見せますから!!」

 

「俺だけでは決めることが出来ない。周りの人から許可はもらえたのか? 話はその許可をもらってからだ」

 

 

 このやり取りは何回目だろうな...、とイチカは考えながら目の前のコンソールを弄りながら、新しい機体の設計図を描いていた。シャルロットからベースとなる機体、使うに当たってのリクエストを聞き入れながら機体設計を書き上げ、おおよそ90%まで完成しており、本日中には開発に取り掛かれる予定である。それと並行して、バンシィの強化プランをデータベース上で予定している装備と組み合わせ、問題ないか確認していた。

 

「その話も何でも聞きました! 皆さんに話をしても、首を縦に振ってくれませんでした...!」

 

「ならそれが答えだ。俺達は碌に動くことが出来ない新兵のお守をしながら戦えるほど余裕がないんだ。もう、諦めたらどうだ?」

 

 

 こうなる事を懸念したイチカは、前もって周囲の人に話を通しており、主要で戦っている人たちは何が何でも首を縦に振らないようになっている。それは、MIAになった弾の思いを無駄にしない為に、彼が戻ってきたときに誰一人欠ける事なく再会できるようにしたいというイチカなりのせめてのも償いである。

 

「私は、居なくなったお兄の代わりに皆を護りたいんです!!」

 

「これ以上、言わせないでくれ! 俺達はお前も戦わせるつもりは無い!! ...頼むから...、これ以上俺から大切な人を...失いたくないんだ」

 

「イチカさん...」

 

 イチカの怒声に一瞬肩を震わせる蘭に、イチカは先ほどの怒声から一変し、どこか悲痛な声で心の底で思っていることを打ち明ける。

 

 

「イチカさんの言いたいことは分かります...。でも! 私は決めたんです、ガンダムに乗ってお兄の代わりに戦うって! また時間を改めて来ますから」

 

「蘭...」

 

 決意の固い蘭にイチカの言葉は届かなかったようで、その言葉を聞いたイチカはどこか悲しい表情で遠ざかっていく背中を見つめることしか出来なかった。

 

 

「イチカも大変だね。二人の思いが板挟みになってさ」

 

「シャルロット...、もう部屋から出て大丈夫なのか?」

 

「三日もあれば心の整理には十分だよ。それで、あの子が来るまでイチカ何をしていたの?」

 

「お前の新しい機体の機体設計をやっていたんだ。お前が選んだ試作可変MSリ・ガズィを原型を留めないレベルで徹底改造した機体だ」

 

 

 先ほどまでのやり取りを陰で見ていたシャルロットは頃合いを見て、イチカの近くに歩み寄る。ここ数日部屋に引きこもっていたことを知っているイチカ大丈夫なのか確認を取るとシャルロットは笑顔で大丈夫だと返す。その笑顔が作りものではないことを見抜いたイチカはシャルロットに完成した機体設計を見せる。

 

「機体名称ライトニングガンダム。武装は牽制目的の頭部バルカン砲、ビームライフルはノーマルタイプのビームライフルでも狙撃時に十分な命中精度を発揮するが、バレルを変更しサブグリップ付きのセンサーユニットを追加する事でより狙撃に適したロングバレルタイプに換装可能で、近接武器のビームサーベルだがバックパックにサーベルを収納していたのに対してサイドスカート内側に収納されているから間違えないように」

 

「う、うん」

 

「話をつづけるぞ。リ・ガズィの特徴であるバックウェポンシステムに着目し、改造したライトニングバックウェポンシステムだ。バックウェポンシステム自体を支援機・サブフライトシステムとして使用でき、戦闘支援や偵察に使用できるよう設計されている。武装として機首にビームガンが内蔵されており、またミサイルランチャーとビームキャノンを状況に応じて換装し、使用してくれ。ライトニングガンダムと合体する事によって、ライトニングガンダムに変形機構を付与することもできる」

 

 

 ライトニングガンダムの説明を続けるイチカを尻目にシャルロットは『イチカって作りこんだらやばいタイプ?』と、思っていたよりも完成度の高い機体が出てきて内心焦るシャルロットであった。

 

「要望通りシールドにパイルバンカーも搭載してある、シャルロットの多彩な武器を扱うことを考慮して、様々な武器を搭載出来る様に拡張性に優れる様にしておいた」

 

「ここまで凄い機体なら、完成するのに時間がかかるんじゃないの?」

 

「開発はハロに任せて、プログラミング関連はアプロディアに任せてある。緊急事態でもない限り、早ければ明日、遅くても三日と言った所か...。状況によるとしか言いようがないな」

 

「普通は半年以上かかるんだけどなー」

 

 

 ちょっと開発までの時間短くない? 完成した機体に欠陥があって動いている最中に空中分解するとかないよね? とある種の不安を抱いていたシャルロットだが、イチカの近くに白い武装が複数ある事に気が付いた。

 

 

「イチカ、その近くにある武器は何なの?」

 

「ん? これは、バンシィの強化用に作ったアームド・アーマーシリーズだな。取りあえず、マッチングに問題が無いようならここにあるアームド・アーマーを全載せする予定だ」

 

「えー」

 

 

 何その超強化? と壁に掛けられているバンシィ・ノルンが使っていたアームド・アーマーDEに尾が付いたものが二つ、背中に付いていたアームド・アーマーXC、最初に対面した時に使っていたアームド・アーマーVNとアームド・アーマーBS、追加でハイパー・ビームジャベリンに標準装備のビームマグナムとどうあがいても過剰な火力であるが状況が状況なだけにこの火力も致し方ないのか、と強引に納得するシャルロット。

 

「まぁ、元々ユニコーン用に用意していたものだから兄弟機のバンシィにも問題なく使用できるはずなんだよな」

 

「え? それっていつ頃使う予定だったの...」

 

「キャノンボール・ファスト」

 

「あれ、妨害ありの競争だけど、あんな過剰な火力積まないからね!! てか、どっちを使われても僕たちトラウマじゃん?!」

 

 

 悲鳴にも似た叫び挙げながら起きえたかもしれない大惨事に身体を震わせるシャルロット。そんな彼女を気に留めず握りこぶしを作りイチカ。

 

「マッチングに問題ないから、後は実際に搭載してみてどうかだな。今エリスは暇だし、さっそく呼んで試してみるか」

 

「大丈夫かなぁ、エリス...」

 

 

 マッチングに問題ない事が分かったイチカは喜ぶ傍らでシャルロットは、エリスがマシーンに呑まれるんじゃないか一抹の不安を感じるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうだエリス?」

 

「軽く動かした感じ、特に問題ないかな」

 

 

 とあるアリーナでは、アームド・アーマー全載せという暴挙に出たイチカは、早速エリスを呼ぶと事情を話し、了承を得るなりすぐさまバンシィの強化を始めたのだ。

 

「色とかもバンシィに合わせて変えておいたから見た目も問題ないはずだ」

 

「サイコフレームが多くなったせいかな? 少し動かしやすい気がする」

 

「アームド・アーマー全載せにしたことで、全性能を大きく向上を確認、各システムに問題なし。これなら実戦に出しても問題なさそうだな。もう、戻っていいぞ」

 

「はーい」

 

 

 アリーナで完成したバンシィの試験運転をしながら、問題ないか確認確認するイチカ。試験項目をすべてクリアし、実践に出しても問題がないと判断したイチカは、エリスを帰投させる。

 

「お疲れエリス。バンシィの強化は問題なく終了したよ」

 

「そう? 所で、今のバンシィって何て呼ぶつもりなの」

 

「んー、特に考えてなかったが...。ペルフェクティビリティなんてどうだ?」

 

「『完璧なものになれる素質』ね...。なんだか、荷が重いなー」

 

「そうか? エリスなら大丈夫だよ」

 

 

 バンシィ・ノルン改めバンシィ・ペルフェクティビリティの試運転は上々な結果だが、その名称にこめられ意味に少し、不安そうな表情をするエリスだが、イチカはそんな彼女の背中を叩き、大丈夫だと鼓舞する。そんな、エリスは壁際に鎮座する一機のガンダムがある事に気が付く。

 

「ねぇ、あそこにある機体って...」

 

「ビギナ・ギナⅡだ。もし、機体が何かしらの理由で使えないときの為の予備機だ」

 

「じゃ、使えるようにはしてあるの?」

 

「各武装とシステムは問題ない。すぐ使えるぜ」

 

 

 サムズアップしながら答えるイチカ。

 

「なら、あそこのハンガーでハロ達がくみ上げてるのは?」

 

「あれはリ・ガズィを徹底改造して作り上げた機体、ライトニングガンダムだ。射撃よりの万能機で、バックウェポンシステムに着目して色々設計して作った機体だ。他にも設計図だけなら後二機出来ている」

 

「ライトニングガンダムが射撃なら、他は接近戦特化と支援機かな?」

 

「格闘機に関しては、プロセスは固まって機体名も決まっている。ビルドバーニングガンダムだ」

 

「見た感じ、ゴッドガンダムみたいな徒手空拳を主軸に戦う機体だね」

 

 

 長年多くのMSを見てきただけのことはあり、イチカが見せた機体設計図を見ただけで、その機体の性質を理解していた。

 

「あぁ、そうだ。俺は、この戦いが終わったら一人のガンダムファイターとして、師匠と戦いたい。その為だけの機体と言ってもいいい」

 

「ガンダムファイトに出場するつもりなの?」

 

「今まで積み上げてきた修行の成果を確かめたいし、師匠を超えたい...。その為には、目の前の戦いを終わらせないといけない」

 

「そうだね。後は、ドモンのコピーニューロに勝たないとね」

 

「例えコピーニューロだとしても、師匠は師匠だ。手を抜けないし、コピーニューロに負けるようなら本物の師匠になんか手も足も出ないだろうな」

 

 

 先を見つめるイチカの横顔は期待に満ちており、そんなイチカの横顔を見たエリスはクスッと笑みを零す。

 

「作業尽くめなんだし、少しは休憩したら?」

 

「そうだな。少し、小腹がすいたからなにか食べに行くか」

 

「あ、そういえば生チョコ作ってあるんだけど...食べる?」

 

「疲れた時には甘いものはいいって言うし、エリスの物なら何でも歓迎だぜ」

 

 

 そんな二人は、熱い雰囲気を出しながら整備室を後にする。2人がいなくなった整備室にあるビギナ・ギナⅡを見つめる一人の少女がいた事に気が付いていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういえば、マーク達そろそろ戻ってくるのよね?」

 

「リガ・ミリティアとの交渉はうまくいったんだってな」

 

「腕に覚えのあるIS操縦者が多く在籍していて、戦力としては申し分ないけど、部隊の人全員女性なんだって」

 

「この世界でIS操縦者なんて俺以外なかったから、女性だけって言われてもおかしくはないな」

 

 

 IS学園の中には、生チョコを口に運びながら優雅に紅茶を飲むイチカとエリスの姿があった。話の話題は、交渉に言ったマーク達のモノだった。

 

「リガ・ミリティアの実働部隊は「シュラク隊」で、使用モビルスーツはガンイージーと黒いVガンダムなんだって」

 

「シュラク隊でガンイージーとか、あんまいい印象ないな...」

 

「リーダーはジュンコ・ジェンコで、他には...」

 

「おっと、幸先が不安になってきたぞ」

 

 

 同姓同名の人が記録にある同じ機体に乗るとか、悲劇が繰り返される未来が見えると内心思いながら紅茶を啜る。

 

「シュラク隊はイチカに預けるとか言ってたけど」

 

「ふぁっ!? 俺隊長とか荷が重いって! てか、いきなり知らない男が隊長って納得するのかよ」

 

「まぁ、イチカなら大丈夫だって。あっちも、『中々腕の立つ奴だね』って戦闘面における信頼を得るために過去の戦闘記録を見せたら、感心していたって」

 

「えー...」

 

 

 いきなり隊長とかきついんですけど...、と内心思いながら生チョコを口に運ぶ。程よい甘さが口の中に溶け、女性だらけの隊の隊長をやることにエリスはどう思ってんだろう? と思いエリスの顔を見るイチカ。

 

「何、私の顏見つめて?」

 

「いや、俺が女性だらけの隊の隊長をやることにエリスはどう思ってんだろう? って思ってな...」

 

「んー、イチカって昔から好意を持たれやすいからねー。まぁ、美人だらけの場所にいて鼻の下を伸ばすような人じゃないのは分かってるつもりだし、逆にあっちがイチカに好意を持ったらそれだけ、イチカが魅力的な人だって証明になるしね。まぁ、そうなったら全力で対抗するとけどね」

 

 

 思ってたよりも涼しい顔をしているな...。これが(将来の)嫁さんの余裕か、とイチカの懸念をまで感じさせない表情には「私がイチカの一番」という自信に満ち溢れていた。

 

「お、そうか...」

 

「何、私が嫉妬でもすると思った?」

 

「したら、したらで可愛いところあるなーと思う反面、新しい仲間とギクシャクするのはちょっと...ね」

 

 

 女性は色々デリケートだからな、と以前にエリスと敵対した際に、身をもって経験したイチカ。体を休めながら一息つくイチカ達だが、IS学園に警報が鳴り響く。

 

「敵襲!」

 

「場所は市街地よ! 今出れる人は、発進の準備をして!!」

 

 

 突然の警報に慌ただしくなる中、イチカ達はハッチへ急ぎ移動する。

 

「今出れるのは「シュヴァルツェ・ハーゼ」のみんなね」

 

「敵の正確な規模は不明だが、確認できるだけで100はいるぞ」

 

「より強くなった我がシュヴァルツェ・ハーゼの敵ではない。行くぞ、お前たち!!」

 

「「「ハイッ!」」」

 

 

 各々、機体を呼び出し、カタパルトに乗り出す中、エリスはクラリッサの機体が別の者に代わっている事に気が付いた。

 

「あれ? クラリッサの機体がフルアーマーガンダムから、ガンダム7号機に変わっている?」

 

「あの機体もよかったのですが、こちらの方が私の性に合うの変えました」

 

「しかもフルアーマーだよね」

 

 

 先日まで使って機体がフルアーマーガンダム(サンダーボルト仕様)を使っていたのだが、より部隊の連携向上を目指し、機体を変え続けた結果この機体に落ち着いたようだ。

 

「クラリッサ...。話す暇があったら、さっさと出撃しろ馬鹿者!!」

 

「被害を抑えるために、悠長に反している暇はない」

 

「「すみません...」」

 

 

 さっささと出撃しろ、と叱咤するラウラとイチカを前に、申し訳なさそうにするクラリッサとエリスであった。

 

 

 

 

 

 

 出撃前にちょっとした叱咤を受けながらも各々出撃し、敵が現われたポイントに向かって移動していた。

 

「そういえば、エリスのバンシィは装備が増えたな」

 

「ふふーん。イチカが考案して実装した新しいバンシィよ。いいでしょ」

 

 

 移動中、バンシィの姿が変わっている事に気が付いたラウラにエリスは、腰に手を当てどこか嬉しそうに語る。

 

「そこまで装備が変われば、機体の性能もおおきく向上しているのだろうな。見た目もなんだかキマイラの様だな」

 

「き、キマイラ...」

 

「どうしたエリス?」

 

 

 大好きなイチカに機体を弄ってもらってうれしいエリスだが、ラウラがさりげなく言った「キマイラ」の言葉を聞いた瞬間、俯くバンシィを見たイチカは心配になり声をかける。

 

「1年戦争...キマイラ隊...。うっ、頭が...」

 

「キマイラ隊になんか嫌な記憶でもあるのか?」

 

「1年戦争に参加した時に、キマイラ隊に殺されかけたのよ」

 

「お、おう...」

 

 

 何か嫌なことでも思いだしたのか、バンシィの頭部を抑え始め、駈け寄るイチカ。そこから聞こえたのは、思ったよりも重い話だった。

 

「1年戦争の時に連邦として参加したけど、まだ数回しか出撃していない私は、ジム・コマンドで出撃して、応戦していたらキマイラ隊に見つかって、装備は壊されるは、他の人たちは次々落とされて、援軍が来たことで何とか生き延びて...」

 

「それからどうしたのだ?」

 

「燃料も弾薬も碌にない状態だから、サラミス巡洋艦に補給に戻ったら、ビグロ2機の奇襲を受けて、何とかビグロ倒せても、補給艦も他の人も全滅...。私だけ生き残ってね...、一時、『死神』って言われてたのよ...」

 

「気をしっかり持て、エリス! ここにキマイラ隊は居ない! 俺が部隊を全滅させないから!!」

 

 

 アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \、と上を見ながら壊れたラジオの様に笑い続けるエリス、そんなエリスを見かねたイチカは肩を掴み大丈夫だと言い続ける。中々シュールである。

 

「ラウラ隊長! 前方から複数の熱源体接近!!」

 

「む、アレは...大きな盾? その後ろにナニか居るな」

 

 

 シュヴァルツェ・ハーゼの一人がセンサーに反応があり、反応があった場所みるとそこには身の丈ある大きなシールドを持った機体とその後方にはピエロの様な機体が後続にいた。

 

「アレはジム・ガードカスタムか...」

 

「アレはどういう機体なのですか?」

 

「見た目通り防御力を重視した機体だ。軍事拠点の防衛、艦隊の護衛によく使われるな」

 

 

 イチカは目の前の盾持ち機体を軽く説明をする。ジム・ガードカスタムは、ジム・スナイパーカスタムをベースに開発された、防衛任務向けのジムである。その手に持っているガーディアン・シールドは、4種の合金の5層構造に対ビームコーティングを施され、その上前面にバルカン砲を2門備えており、機体が盾に隠れた状態でシールド・バルカンによる攻撃が可能なのだ。三機のジム・ガードカスタムは互いにカバーしあう様に配置され、回り込みながらジムライフルを撃つもその堅牢さとバルカン砲による迎撃で、思っていた以上のもので、シュヴァルツェ・ハーゼは有効打を与えられていなかった。

 

「隊長! 敵の防御が固すぎて突破できません!!」

 

「なら、私のF90Lタイプで突破口を──―何をするつもりだエリス!!」

 

 

 敵の防御を突破するためにF90Lが持っていたロング・ライフルを構えると、割り込むようにバンシィが前に出る。その光景に思わず叫ぶラウラに、エリスはバレルロール描きにバルカン砲を躱しながら接近する。

 

「突っ込みが足りないのよッ!」

 

「お前たち、エリスの援護しろ!!」

 

 他の機体がエリスの方を攻撃しないよう注意を惹くシュヴァルツェ・ハーゼ。エリスは、ジム・ガードカスタムの近くまで接近するとスラスターを吹かし、アームド・アーマーVNでガーディアン・シールドを思いっきり殴る。推進力を大幅に強化された一撃は身の丈あるシールドを大きく凹ませ、シールドを蹴りバク転の要領で距離を取ると瞬光式徹甲榴弾を凹んだガーディアン・シールドに撃ちこむと眩い光を放つ。

 

「邪魔を...するなッ!!」

 

 

 ガーディアン・シールドを破壊されたジム・ガードカスタムはビーム・サーベル・ユニットで突き刺そうとするがビームジュッテで防ぐと身体を回転させアームド・アーマーDEを衝突させ、のけ反らせると、左足による蹴りを数発放ち、ビームマグナムを腰部にマウントするとアームド・アーマーDEをバックパック用シールド接続フレームから取り外すと、そのままアームド・アーマーDEで胸部をシールド突きする。

 

「エリス、後ろだ!! チィ...、射線上のエリスに当たる!」

 

「見えているから、こっちで対処するわ!!」

 

 エリスの背後を背後を取ったピエロ様な機体を撃とうとするも射線上のエリスまで巻き込むことを危惧したイチカだが、エリスはは自分で対処すると言い背後を振り向き、アームド・アーマーDEに搭載れているメガキャノンを放つも球に乗ったピエロは機体を後ろ倒し、球で防ぐ。

 

 

「攻撃を防いだ?」

 

「あの球体、ビームコーティングが施されているのか?」

 

「機体照合...検索結果に該当有り。サウザンド・カスタムが運用した一騎当千の機体、機体名ラロだ!」

 

「ラロ...そんな機体知らないわよ! この外観、木星帝国、それともザンスカール?」

 

「木星帝国だ...! 後ろ!!」

 

 

 エリスはアームド・アーマーDEのメガキャノンが防がれたことに驚き、ラウラは球体に施されたビームコーティングによるものだと考える中、イチカはフェニックスのDBから該当する機体を検索する。そして、その特徴的な外見から、開発したのが何処か予想する。それに答えるイチカだが、背後に現れた気配に鞘から剣を抜き、振り向かずに刀身を背後に持っていくと金属がぶつかる音が響く。

 

「これもサウザンド・カスタム、『サーカス』の機体か!!」

 

「隊長! 機体の様子が!!」

 

「アレは...変形した? まるで、ライオンの様だ」

 

「機体照合...サーカスのキルジャルグ...」

 

 

 見覚えのない機体に先ほどのラロと同じく、サーカスの機体だと予想する中、クラリッサがキルジャルグの変化に気が付く。二足歩行から四足歩行に代わり、その姿は獅子を沸騰させる。ライオンの鬣に相当する部分に搭載された10本のビームサーベルを収束させフェニックスに突進するとイチカは、刀身にナノマシンを纏わせ迎撃する。

 

「こいつじゃ抜けないか!」

 

 

 拮抗した剣を横に流し相手の攻撃を躱すと、キルジャルグは方向転換すると倒壊したビルを足場にイチカを翻弄するように駆け回る。

 

「えぇい! 俺を翻弄して、生まれた隙を突くとは...小癪なァ!」

 

「イチカ! 右から来るぞ!!」

 

「チィイ!!」

 

 

 上空から様子を窺っていたラウラが指示を送るが、ビームサーベルを10本も収束させた一撃は、拮抗するのがやっとで防戦を強いられていた。

 

「うおおぉぉぉ! バーニングファイヤッ!!」

 

「よせイチカ! そんな無暗に攻撃しても、エネルギーを無駄に消耗するだけだ!! 今援護を...!」

 

 

 キルジャルグの攻撃を躱しては、剣やバーニングファイヤで建物を壊すイチカの姿は、どこか自棄になっているように感じたラウラはロング・ライフルを構える。

 

「クッ...! あのような軌道ではライフル弾に予め弾頭の記憶チップに進路を入力していたものが無意味だ!」

 

「いや、必要ない!!」

 

 

 イチカの援護をしようとしたラウラはロング・ライフルにライフル弾を装填し、構えるがこのライフル弾の特性である弾の周囲と尾部のバーニア・ペレットを発射後に爆発させることにより、限定された角度内で1回だけ方向転換させることが可能な半誘導式で、ラウラが語った通り、予め弾頭の記憶チップに進路を入力する方式なのだが、崩壊した建物を足場に不規則に動くキルジャルグには効果がない事に焦るが、イチカはそんなラウラに援護の必要性は無いと言い張る。そして、イチカの背後からキルジャルグが襲いかかる。

 

「悪いがそう動くことは想定通り(・・・・)だ!!」

 

 

 背後から襲いかかるキルジャルグだが、咄嗟にイチカは後ろに倒れ込む。

 

「お前は俺を追い詰めたつもりだが、逆に追い詰められたのはお前だっ!」

 

 

 倒れた事により、真上を通り過ぎていくキルジャルグを見つめながらイチカは白銀と輝く手刀でキルジャルグを貫く。

 

「俺だって、無暗に攻撃していたわけじゃない。地形を利用するならこの角度しかないと形に整えただけに過ぎない!」

 

「防戦から一転して、勝機を掴むとは...。あの状況で無謀のような考えが出来る...。口で言うのは簡単ですが、防戦しつつ、相手の攻撃を読みながら、地形を整える。突拍子のない考えを可能にする行動力が彼の強みなのですね、隊長」

 

「そうだ。だが、奴はそれと同時に危ない側面がある」

 

「危ない側面ですか?」

 

 

 キルジャルグをその並外れた行動で、撃破する。その光景を見ていたクラリッサは軍人として、人として異常と感じると同時に心の中でその行動力に称賛を送った。その言葉にうなずくラウラだが、そのイチカには危ない側面がある事をクラリッサに語る。

 

「これは以前、聞いた話だがイチカは人が長い時間かけて、導き出す考えを直感で見極められるのが得意だと言っていた」

 

「直感で、ですか...」

 

「だが、それ故に、自分にとって“自分にとって一番大切なモノ”を見つけたのなら、“他”の“全て”を“犠牲”にすることも躊躇しない...そんな危うさだ」

 

 

 これは、長年イチカ共に過ごしたマーク達がイチカを見てきたうえでの感想だ。他の全てを犠牲にするだろうという考えは間違っていないだろう。何故なら、イチカは過去に今まで歩んできた『織斑一夏』という人生を全て捨てているのだから。自分にとって大切な家族とも言える仲間たちの為に、悲劇を繰り返さないという覚悟の為に『織斑一夏』を捨てる。それは並大抵のことではない。

 

「私も同じことが出来るかといえば出来るだろう。それに対する抵抗や後悔が無いわけではない。だが、イチカはそんなものは度外視して行動する。危なっかしい奴だとそれがともに叩かlちゅてきた者感想だった」

 

「危なっかしい...。だからこそ、ここに居る皆はそんな彼を少しでも支えたいと思うのですね。なるほど、保護欲を刺激することが得意なんですか。以前に参考書(二次元に関する本)で見ました」

 

「それは違うと思うぞ、クラリッサ」

 

 

 イチカの持つ危うさを説明するがクラリッサの頓珍漢返しを否定するラウラ。胸部を貫かれたキルジャルグを除け、起き上がるフェニックス。

 

「こっちは何とかなったが、エリスの方は...」

 

「バンシィ!」

 

 

 キルジャルグを倒し終えたイチカは、エリスの方がどうなったのか気になる。反応が消えていない為、無事なのは分かっているがそれでも気になるイチカ。そんな時、エリスの叫び声が聞こえた。

 

「隙あり!!」

 

 

 バンシィの機動力で、バレルロールを描きながら、ハイパー・ビームジャベリンを右手に持ち、ラロの球を切り付ける。ラロは手持ちの上下対照形状のビームライフルを上下に分割させビームサーベルにし、応戦しようとする。

 

「敵は...倒すっ!」

 

 

 ラロに急接近するバンシィは、アクティブ状態になったアームド・アーマーVNで掴み、そのまま前進し、倒壊したビルに押し付けるとラロの脚部を踏み砕き、掴んでいたラロを離し、アームド・アーマーVNで抉り砕く。その際、飛び散ったオイルが返り血に見えた。

 

「うわぁ...」

 

「人が乗っていたら大惨事だな」

 

「隊長! 周辺をを散開していた敵機が集まってきます!!」

 

 

 戦闘に気が付いた周囲を散開していた敵が集まっていることに気が付いたイチカ達、それを聞いたラウラはシュヴァルツェ・ハーゼに指示を出す。

 

「私とクラリッサで遠距離から相手を撃ち落とす。お前たちは、機動力(あし)を無くした敵を、叩け! 決して一人で対応しないで、複数人で対応しろ!!」

 

「「「はい!!」」」

 

「エリス、俺達も遊撃に当たるぞ!」

 

「えぇ!」

 

 

 ラウラの指示を受けたシュヴァルツェ・ハーゼが動き出し、イチカ達も加勢する。

 

「敵の数を減らすわ!」

 

「そこっ!」

 

「撃ち落とす!!」

 

 

 エリスやラウラ、クラリッサがバンシィのアームド・アーマーBSやアームド・アーマーDE、F90のロングライフル、フルアーマーガンダム7号機の背部長距離ビームキャノンとビームライフルによる遠距離からの攻撃を仕掛ける。

 

「ジオン...! こいつら、一年戦争の機体か!! にしては...性能が良すぎるなっ!!」

 

「この機体...。ただのザクじゃない! これはRFシリーズよ!!」

 

「RF...。リファインか!!」

 

「外見は一年戦争時のジオンMSだけど中身はF90の世代の技術で出来ているわ!!」

 

 

 遠距離で戦うエリス達が戦いやすい様に射線の邪魔にならないように遊撃に当たるイチカは、両手に持つ剣で、切り裂きながら感じた違和感を口に出す。それに対し、視認した機体が一年戦争時のよりも高性能な理由を答える。

 

「クソッ...数が多い! こいつら、IS学園に向かおうとしている!!」

 

「クッ...、ここで食い止めるぞ!」

 

「隊長! 残弾がっ!!」

 

「武器が使えないなら、敵の武器を奪ってでも戦え!」

 

 

 戦いは泥沼の戦いへと直面していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ、アプロディアさん! ライトニングガンダムは出れないの!!」

 

『機体の完成度は72%、合体・分離機構が完成していません』

 

「このままじゃ、イチカ達が危険だよ! ...あれは」

 

 整備室では、シャルロットが前線に出る為、ライトニングガンダムを使用しようとするも、機体はまだ完成しておらず合体・分離機構や腕部や脚部など一部の装甲が付いておらず、フレームが露出していた。

 

 

「確か...MIAになったイチカの親友の弾の妹」

 

「この機体使えるんですよね!」

 

「待って! その機体を使って何をするつも!」

 

「イチカさん達を助けるんですよ!」

 

 赤毛の少女、蘭がハンガーに掛けられたビギナ・ギナⅡに向かって走っていくのを見つけたシャルロットは声をかける。そして、蘭は自分が何をしに来たのか答えるとビギナ・ギナⅡを装着する。

 

 

「救援だんんて...動かしたことはあるの? 武器の特性は把握してるの!」

 

「ぶっつけ本番でやって見せます!!」

 

「そんな、無茶だよ!!」

 

「ちゃんと動く...。あぁ?!」

 

 練習も無しに、戦場に出る蘭。初めて実機を動かす蘭は、戦火の中心に向かって飛び出すが、螺旋を描き、危なっかしい挙動を取りながら飛行していく。

 

 

 

「アプロディアさん、ライトニングガンダムは戦えるの!」

 

『戦闘自体は問題ありませんが、機体スペックは本来の70%程になります』

 

「飛んで戦えるなら十分だよ」

 

 このまま行けば、蘭は碌に自分を護ることが出来ずに死んでしまう事を危惧したシャルロットは未完成のライトニングガンダムに乗り、蘭を連れ戻すために出撃するのだった。

 

 

 

 

 

 

「あぁ?!」

 

「大丈夫か!」

 

「シールドとライフルがやられました!!」

 

「なら、こいつを使え!」

 

 

 シュヴァルツェ・ハーゼの一人に攻撃が命中したの見たイチカは安否を確認し、RFザクから奪ったビームバズーカを渡す。

 

「何機の敵が攻め込んできているんだ!!」

 

「恐らく、隊長機からの命令がある限り攻めてくるぞ!」

 

「隊長機ったって...。なんだ、IS学園の方から何かが来る?」

 

 

 敵の構成が緩まず、終わりが見えない戦いで、疲労が積もり、集中力が欠けてく中、各々の機体に確実にダメージ蓄積されていく。そんな、中IS学園から二機の機体がこっちに向かって来ている事に気が付く。

 

「ライトニングとビギナ・ギナⅡだと...。ライトニングはシャルロットだとして、ビギナ・ギナⅡには誰が乗っている...!」

 

「これが戦場...」

 

「その声...蘭!?」

 

 

 ビギナ・ギナⅡから聞こえた声に驚くイチカ。

 

「なんでこんなところに...!」

 

「皆が危ないから...助けに!」

 

「だったら残っている他の連中に頼んだろういいだろう!」

 

「ごめんイチカ! 戦場に出る前に連れ戻そうとしたんだけど、出来なかった!?」

 

 

 予想外の援軍に動揺するイチカ。RFザクやグフがイチカを、そしてエリス達を抜けて眼前の障害であるシャルロット達を排除しようとした。

 

「僕はあの時、誓ったんだ...」

 

 

 RFドムのビームバズーカを躱し、狙いを定める。

 

「あの頃の弱い僕とは...サヨナラをしたんだっ!!」

 

 

 ライトニングガンダムの一撃は的確にコックピットを撃ち抜いていた。

 

「す...すごい...」

 

「ぼーっとしていないで動いて! 撃ち落とされるよ!!」

 

「う、動かないと...。あぁ!?」

 

 

 目の前で戦うシャルロットの姿に釘付けになっていた蘭だが、シャルロットの声で我に帰るが、目前まで迫っていたRFザクがビームアックスを振り下ろそうとしていた。

 

「キャアアァァァ!?」

 

「蘭!?」

 

 

 死ぬ、そう思った蘭は咄嗟にビームシールドで防ぐと、無我夢中でショートランサーでRFザクを突き刺す。

 

「やっ、やったの...。これで私も...!!」

 

「一機倒したからって、気を抜くな! 死にたいのか!!」

 

「い、イチカさん!」

 

 

 初の実戦で我武者羅で無我夢中で倒したとはいえ、倒したという事実に歓喜する蘭。だが、そんな隙だらけの機体を見流すほど敵は優しくなく、側面から回り込んだRFゲルググがビームサーブルを振り下ろすよりも早く、バーニングクロスで叩き落とすイチカは、蘭に注意を呼びかける。

 

「くそっ、こんなんじゃ弾に顔向けできないな」

 

「でも、私敵を倒せてんですよ!」

 

「マグレで倒して、天狗になるな! そうやって、調子に乗っていると...死ぬぞ」

 

 

 刀身のナノマシンを巨大化させ、敵を一網打尽にするイチカ。RFシリーズと戦っている中、IS学園とは別方向から服う数の機体が隊列を組んで接近してくるのを確認した。その中には見知った機体があった。

 

「あれは...友軍?」

 

「あぁ、マーク達が帰ってきたのよ!」

 

『こちら、シュラク隊援護するよ!』

 

 

 ハルファスを筆頭にグリーン系の機体が10数機、援軍として来ていた。グリーン系の機体、ガンイージーがRFシリーズの迎撃に当たり始めた。

 

「助かったよ。マーク兄、この数を相手にしようにも、一般人が戦闘に紛れ込むとは予想外の事態が起こって...」

 

「それは苦労したな。...む、来るぞ!」

 

「右は頼んだ!」

 

「左は任せるぞ!」

 

 

 援軍のハルファスと背中合わせになりながら、軽く状況を話すと左右から攻めてきた敵を、ビームライフル、バーニングフィンガー(遠)で落としていく。

 

「質よりも量で攻めてきたか...」

 

「そういえば、フロスト兄弟は?」

 

「別方向にいる敵を担当してもらっている」

 

「そうか...。む?」

 

 

 友軍の状況確認している最中、フロスト兄弟の反応が無いとに気が付いたイチカだが、マークから別行動中だと知らされたイチカ、ある方向に居るガンイージーが押されていることに気が付く。

 

「このっ...!」

 

「流石にこの数はきついね...」

 

「あの人たちが同盟を結びたがる訳だよ。敵の数も質も、あっちとは段違いだからね!」

 

「ペギー! 右!!」

 

「クッ...!」

 

 

 二機のガンイージーが戦闘する中、なぜ自分達と同盟を結びたくなったのか理解した彼女達だが、右に回り込んだRFグフのヒート・ロッドがガンイージーのビームライフルに纏まりつくと溶断し、咄嗟に下がるガンイージーにヒート・ロッドの襲う。

 

「やらせはしない!!」

 

 

 だが、周りの状況を確認していたイチカは、フェニックスの翼を羽ばたかせ、一気に距離を縮めると、バーニングクロスでヒート・ロッドを操る右腕に絡みつかせ軌道を変える。

 

「大丈夫か!」

 

「はい。...なんとか」

 

「そうか、なら問題ない!! 少し離れていろ!!」

 

 

 安否を確認したイチカは、空いた手でバーニングクロスを掴みそのまま自身を中心に、回転する。

 

「どりゃああぁぁぁ!!」

 

 

 ジャイアンスイングを繰り出し、RFグフを倒壊した建物に投げつける。

 

「あ、ありがとう...」

 

「礼なら後にしてくれ。 どんだけの敵が攻め込んできているんだ...」

 

「数えるのが億劫になる位倒したわよっ!」

 

「文句の一つや二つ言いたくなる数だ...。グッ...!?」

 

 

 余りの敵の数に珍しく弱音を吐くイチカ。そんなイチカにRFザクが散弾式のバズーカを受ける。

 

「散弾ではなぁ!」

 

 

 散弾の直撃を受けたフェニックスだが、装甲の至る所が凹み、ツインアイに罅が入っていた。だが、そんなことに気にせずバーニングクロスをRFザクの胴体に巻き付けるとそのまま引き寄せ、白銀と輝く右手で頭部を砕く。

 

「大丈夫イチカ...」

 

「この程度、ナノマシンですぐ修復する。それに...」

 

 

 直撃を受け、心配したエリスがイチカに駆け寄るが、大丈夫だと手を伸ばし待ったをかける。自分の被弾よりもイチカは気になるモノがあった。

 

「なんだ、この純粋な悪意と殺意...」

 

「見て遠方に、いままでの機体とは、別の機体が...!」

 

「なんだいありゃ!」

 

「何だいあのゲテモノ機体は...」

 

 

 薄いグリーン系の連邦のジム系列ともジオン系列の機体とも違う。しいて言うなら先ほど戦った木製系の機体が一機殺意をばら撒きながら近づいていた。

 

「先手必勝ってね!」

 

 

 一機のガンイージーがビームライフルを放つがビームライフルを放つが、本機よりもさらに二回り巨大な左腕によって弾かれる。

 

「あの巨大な腕...ビームを弾いた!」

 

「Iフィールドか!」

 

「此処が楽しいゲームの会場かい!」

 

「何っ!」

 

 薄いグリーンの機体から突然発せられた声から女性が乗っていることが分かった。

 

「私のガラハドで遊んであげる坊や!! アハッ!」

 

「何が楽しい!」

 

「ゲームだよ、ゲーム。人殺しっていう楽しいゲームを私達はやっているんだ!」

 

「人殺しが楽しいだとっ!?」

 

「お前たちだって人を殺すのが楽しいから戦ってるんだろう!!」

 

「ん、なわけあるかあああぁぁ!!!」

 

 

 持っていた剣を投擲し、ビームサーベルで斬りかかるも持っていたチェーンソー・ガンで斬り払われる。

 

「次はこっちの番さ!!」

 

「あいつ、味方を掴んで...振り回して...!」

 

「各機散開...ッ!」

 

 

 ガラハドは周りに居たRFドムをその巨大な左腕で掴むと勢いよく振り回すと、イチカ達目掛け投げつける。それを見たマークは各機散開するよう指示を出す。

 

「奴め...。味方を一つの質量弾として投げてきやがった!」

 

「しかも後続の機体内部には火薬を仕込んでいたのだろうな。中々の爆発力だ」

 

「次が来るぞ!!」

 

「チィィ!」

 

 

 ガラハドは味方を質量弾として投げてきた。咄嗟に避ける一同だが、次の質量弾がガンイージーに迫るとビームライフルで撃ち落とすも爆炎が視界をふさぐ。そして、その爆炎の中からガラハドの巨大な腕がガンイージーを掴む。

 

「アハハハハハハッ!! 地獄のメリーゴーランドに一名ご案内ってね!!」

 

「皆、避けろ!!」

 

「第二シュラク隊がっ」

 

 

 ガラハドはガンイージー掴むと建物や味方であるはずのRFシリーズにぶつけながら高速で振り回す。

 

「こいつは『腕』だ。だからこういうこういう使い方も出来るんだよ!!」

 

「こ、のぉ...! そいつを離しな」

 

「できるものなら、やってみな!!」

 

 

 リーダー機であるガンイージーがビームライフルを構えるが第二シュラク隊が乗ったボロボロのガンイージーを盾にする。

 

「クッ...外道が!」

 

「だが、あの遠心力で振り回され続けられれば、もう...」

 

「さっそくシュラク隊の一人がやられたぞ!?」

 

「そんな、死んだんですか...」

 

 

 力なくぶら下がるガンイージーから赤黒い液体が零れ落ちていた。その光景に足を止め、恐怖する蘭。

 

「あーあ、もう壊れちまったか...」

 

「蘭、足を止めるな! 動け!!」

 

「じゃ、次の地獄のメリーゴーランドは──―」

 

「あっ!?」

 

「そこの赤いのだ!!」

 

 

 最早動くことの無いガンイージーをイチカ達の前に放り投げると次の標的を定める。それは恐怖で動きが止まったビギナ・ギナⅡだった。

 

「ゴメン、お兄...私...」

 

「間に合えぇぇぇぇ!!」

 

 

 目前まで迫った腕に躱せないと思った蘭は自分達を護る為に居なくなった兄を思いながら目を閉じるが衝撃波はいつまで経っても来なかった。

 

「何が...イチカさん!」

 

「何とか...間に合った...」

 

 

 蘭の目に入ったのは自分の為に、盾になったフェニックスの姿があった。

 

「俺は...約束したんだ。アイツが戻ってくるまでお前たちを誰一人欠けさせないって...。だから...」

 

「イチカさん...」

 

「感動のセリフは...地獄で再開してからにしな!」

 

「ぬわああああぁぁぁぁ!!!?」

 

 

 蘭の代わりにガラハドの左腕に拘束されたフェニックスを先程のガンイージーの様に高速で振り回す。

 

「待ってな、今すぐ援護を!」

 

「よしな、マヘリア! 下手をしたらあの坊やに当たるよ!!」

 

「だったら、どうしたらいいの!!」

 

「私達に彼を助ける事は出来ないの!?」

 

 

 ガラハドの地獄のメリーゴーランドを喰らい、身体が押し潰されていくような感覚と意識が遠ざかっていくイチカ。

 

「アンタら纏めて潰して、このゲーム私の勝利さ!」

 

「死んだら...みんなが...」

 

 

 薄れゆく意識の中、聞こえた言葉にイチカはそれだけは嫌だ、と力を振り絞り自信を拘束しているガラハドの腕を掴む。

 

「何、まだ意識が...」

 

「こんなとこで...死んで た ま る かぁ!!!

 

「なに、ああああああぁっぁぁぁ!?」

 

 

 フェニックスの炎の翼を展開し、膨大な推進力を使い逆に振り回すフェニックス。そのまま、近くの建物にぶつけると地面に着地する。

 

「イチカ、大丈夫!」

 

「大丈夫...。うっ!」

 

 

 ふらつきながらも立ち上がろうとするフェニックスを支えるバンシィ。エリスは心配そうな表情で声をかけるとイチカは大丈夫だと答えるが、込み上げてくるモノを必死にこらえる。

 

「この私が、ここまで...!」

 

「あいつ、まだ! うわっ!?」

 

「イチカ!」

 

 

 まだ倒し切れていないガラハドは逆恨みともいえる憎しみの籠った声を出し、拘束したフェニックスを引き戻す。

 

「このっ...! 相打ち覚悟か!!」

 

「お前も道連れにしてやるよ!」

 

 

 チェンソー・ガンに小型のビーム刃が無数に発生し、高速で回転する様子を見て、相打ち覚悟だと悟ったイチカはビームサーベルを取り出す。その時、フェニックスのセンサーに反応があった。、

 

「そのままじっとしていろ!」

 

「何? 誰だッ...」

 

「命がけの一発勝負と行こうか!!」

 

 

 突然の通信に驚く中、ガラハドとの距離が縮んでいく。ビーム刃を形成して構えようとした時、一つの人影が間に入る。

 

「うおおぉぉぉ!」

 

「何、ワイヤーを...!」

 

「その機体...」

 

 ガラハドのワイヤーをビーム刃で切り裂いた機体は、イチカ達が良く知っているモノで、最後にMIAになった彼が乗っていたその機体は────

 

 

「クロスボーン! 生きていたんだな、弾!!」

 

「あぁ、お前たちが心配だから地獄から舞い戻ってきたぜ」

 

 右肩から下や胸部など一部がX1のパーツとは別の同型機のモノと思われるもの代わり、肩部に関して黒ではなく、青くなっており、何処か継ぎはぎと言う印象を持つ。

 

「馬鹿ヤロウ...! 人を心配させて、カッコつけるな!」

 

「イテッ!」

 

 

 立ち上がったフェニックスはあの絶望的な状況からの生存に感極まりながらX1を小突くと痛がる弾。

 

「イテテ...。そういうのはよしてくれ...生き返ったばかりなんだからさ」

 

「それは...どういう...」

 

「今は、目の前の奴は俺が倒す!」

 

「貴様、よくもジョマヲォォ!!」

 

 

 フェニックスとの戦いを邪魔されたことに激昂するガラハドはチェンソー・ガンかビームをマシンガンの様に放つが、X1は右腕を前に突き出す。

 

「Iフィールドハンドォ!」

 

「こいつ、Iフィールドが使えるのか!」

 

「うおおおぉぉ!」

 

 

 ガラハドのビームをIフィールドハンドで無力化しながら、距離を詰めるとバルカン砲で右手を撃ち抜くと、チェンソー・ガンを落とす。

 

「投降しろ。命までは取りはしない!」

 

「舐めやがって...!」

 

 

 弾はガラハドの搭乗者に投降するように呼びかけるが、その呼びかけを無視しする。

 

「負けなんか認めない! 自爆して諸共吹き飛ばしてやる!! そうすれば私は負けにならない!!」

 

さ せ る かぁ!!

 

 

 まるで子供の様な事を言いながら自爆をしようとするガラハドにビームザンバーで唐竹切りする。

 

「アッガ...」

 

「悪いが生き返って早々死ぬのはごめんなんでな。悪いが落とさせてもらう」

 

 

 唐竹切りされたガラハドはそのまま小さく爆発し、弾は空を見上げる。

 

「生き返って早々悪いが少し手を貸してくれ。人手が足りない」

 

「あぁ、問題ない」

 

 

 こうして、イチカは残存勢力の掃討戦に取り掛かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 掃討作戦が終わり、IS学園に戻ったイチカ達の視線は目の前のX1に注がれていた。

 

「そんなに見つめられても困るんだがな...」

 

「お兄...!」

 

 

 X1を解除し、姿を現したのはMIAになった弾その人であった。弾の姿を見た蘭は弾の胸にとびかかる。

 

「蘭...。何で戦場に...」

 

「お兄がいなくなって...、お兄の代わりに戦おうとして...」

 

「馬鹿ヤロウ...。戦争は遊びじゃない...お前が思っているよりも危険なんだ。もう、あんな無茶はしないでくれ」

 

「うん...。うん」

 

 弾が後半戦闘に参加している最中、思わぬ人物の声が聞こえ、戻ってきたらなぜそこに居たのか聞こうと思っていたのだ。その答えに、何処か困ったような表情をしながら、真剣な声で来れ胃所危険な真似はしないでくれと説く弾。

 

「弾、俺達はお前がいなくなった四日間何があったのか説明してくれないか? その右腕も含めてな」

 

「そうだ、お兄その右腕...」

 

 

 イチカは弾に何があったのか説明を求め、その視線は彼の機械の腕に向けられていた。

 

「あぁ、まずはあの爆発からの生還からだな。死を覚悟した俺だが、死にきれなくてな。咄嗟に、バルカンやらビームガンやらをしこたま撃ちこんだら命中してな、拘束が外れた隙に左腕のビームシールドを発生させて爆発から身を護ったんだ」

 

「咄嗟の行動が生存に繋がったのか」

 

 

 生きることを諦められなかった弾の精一杯の足掻きが生存への道を開いたのだと感じたイチカ。弾はその後について話していく。

 

「それでも、出血多量で意識を手放した俺が気づいたのは何処かの施設だった。そこには、金髪と茶髪の二人の女性がいた。アイツらは自分のことを『亡霊(ファントム)』と名乗っていたな」

 

「『亡霊(ファントム)』ね...。聞き覚えは無いわね」

 

「アイツらは俺の腕を確かエピテーゼ手術で取り戻し、ボロボロのクロスボーンを使える様に改修するって言っていたな。そこで、俺の意識は一回途切れた」

 

「さっき見た限り、同型機のX3のパーツで回収したんだろうな。似たような機体を見た事がある」

 

 

 弾の腕が、機械化している理由が分かったイチカ達。そして、マークは嘗て鋼鉄の7人作戦に参加した一人の少年が急ごしらえで使った機体を思い出した。

 

「そして、もう一度気が付いた時にはあの二人は居なくなっていた。ハンガーに掛けられていたX1に乗って、皆に合流しようと急いできたってわけだ」

 

「そうか。みんなを心配させたんだちゃんと顔を出してやれ」

 

「あぁ、もちろんだ」

 

「心配させるな! っと殴られても受け止めろよ?」

 

「お、おう...」

 

 

 事情を聞いたイチカは、皆を安心させてやれと言い、元から弾もそのつもりの様で走ってその場から去っていった。

 

「正式な例はまだだったな。先の戦い、此方の被害を最小限に留めることが出来た。感謝する」

 

「気にすることは無いさ。困ったときはお互いさまだろう?」

 

「あぁ、そういってもらえると助かる」

 

 

 そして、イチカは代表として協力してくれたシュラク隊に礼を言う。

 

「おっと、紹介がだったね。私はジュンコ・ジェンコ、よろしくね坊や」

 

「ヘレン・ジャクソンよ」

 

「マヘリア・メリル。マヘリアで構わないよ」

 

「ケイト・ブッシュ。よろしくね」

 

「私はペギー・リー。 さっきは助けてくれてありがとうね」

 

「コニー・フランシス。これから、よろしく」

 

「ユカ・マイラス。軍上がりだから、腕には自信があるよ」

 

「フランチェスカ・オハラ。これからよろしく頼むよ!」

 

「ミリエラ・カタンだ。私達の隊長になるフェニックスの搭乗者は誰だい?」

 

 

 シュラク隊の面々が軽く自己紹介していく中、イチカは『生まれ変わり? まんまそっくりと言うか若い』と思うと同時にいい様もない不安を感じた。

 

「フェニックスの搭乗者は俺だ。お前たちシュラク隊を預かることになったイチカ・ギルオードだ」

 

「へぇ、アンタがあの機体のパイロットかい。見た目によらずいい腕をしてるね」

 

「それなりに修羅場を潜ってきたんでね。これから一緒に戦う仲間であり、家族だ。困った事があったら俺達に声をかけてくれ」

 

 

 MIAになった弾、新しい仲間のシュラク隊の面々と共に今後激化していく戦いに挑むのであった。




弾君生存でX1改・スカルハートは、パッチワークに生まれ変わった。

フルクロスマダー?時期になる(確信)

シュラク隊の登場ですが、早速名無しのシュラク隊がやられました。最終話まで生き残れるかな?

黒いVガンで分かる人もいると思いますが残ったシュラク隊はリア・シュラク隊です。

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