インフィニット・ジェネレーション   作:ハルン

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約一ヵ月ぶりの更新です。


マキブでフルセイバークアンタ、ナイチンゲールが出るという事で友達と一緒にコンクエをやっています。
大体、FAユニコーン×AGE2で組んでますね。

私は基本的にFAユニコーンかステイメンをよく乗りますね。


皆さんは11月解禁のモンハンは予約しましたか?私はその日の内に予約しました。


35話

敵が出現した事を知らせるアラームが鳴り響き、マーク達は駆け足で移動していた。

「ねぇ、マーク。私が使える機体...バンシィはあるの」

「エリスが乗っていたバンシィだが...。調べた結果、気になるモノが見つかった」

「気になるモノ?」

「ナイトロという言葉に聞き覚えは無いか」

「強化人間製造システム...」

ナイトロシステムとは一種のサイコミュシステムなのだが、他のサイコミュシステム中でも群を抜いて危険なものである。

試作可変型MSガンダムデルタカイに搭載されたシステムで特筆すべき点はNT的素養のない者にもNT能力が付与される、ということである。このシステムの恩恵によりOT(オールドタイプ)の一般兵でも、ガンダムデルタカイに搭載されたフィン・ファンネルを操る事ができるほどの能力を獲得できる。

これだけ見れば何の問題もない良作のシステムと言えるが、実際にはパイロットをシステムに最適化された強化人間へと改造されているためであり、システムが機能する毎に搭乗者の脳内を強制的に書き換えている。

そのため、パイロットの性格は非常に攻撃的で不安定なものへと変化していく危険極まりないシステムなのだ。

「あのバンシィ、正確にはアームド・アーマーXCに搭載されている。先のエリスの豹変はこのナイトロが関連している可能性がある。危険なシステムを使わせるわけにいかないのでな、解除しようとしたのだが...如何せん時間が無いのと人員が足りなくてまだ終わってないんだ」

「じゃ、私が乗る機体が無いって事?」

「いや、乗る機体ならある。まずは格納庫に移動するのが先決だ」

 

 

 

 

 

格納庫に移動したマーク達は各々、展開すると武器を取り出し、カタパルトに移動する。

「あの...私の機体は?」

「エリスの機体はアリオスだ」

「GN電池...」

「アリオスの悪口が聞こえたような気がしたが...。今は数機しか無い。あってもまだロールアウトできる段階ではないのだ」

「せめて、火力のある機体を...」

「なら、ヘビーアームズだな」

「今度は移動式弾薬庫...」

「文句を言うな。今使えるのは後はステイメンしかないぞ」

「ならそれで」

ようやく納得したエリスは頷くとステイメンに触れ、展開していく。

「あれ?」

「どうしたエリス?」

「ステイメンって言ったからてっきり巨大アームドベ―ス「オーキス」があるものだと」

「オーキスを作る予定だったが、時間の関係上実装できなかったが、その代りオーキスの簡易版「ウェポンシステム」は作ることが出来た。ステイメンの性能を殺さずに十分戦う事が出来る」

「なるほど」

現在のステイメンの姿はコンテナやビームサーベル等がオミットされ、ステイメンが背中にあるフレームに各武装を取り付けた形になっている。

「シャギア、オルバは先に発進している。私達も急ぐぞ」

『おう(えぇ)』

マーク、ガロード、ラナロウ、コード・フェニックス、マドカ、エリスがカタパルトに移動する。

『システムオールグリーン、発進どうぞ』

「マーク・ギルダー、ハルファス...出るぞ!」

「ガロード・ラン、GX...行くぜ!」

「ラナロウ・シェイド、トールギスⅢ...行くぞ!」

「コード・フェニックス、マスターフェニックス...出るぜ!」

「マドカ・ギルオード、ケルディム...目標を狙い撃つ!」

「イチカ...私を護って...。エリス・クロード、ステイメン...出るわ!」

 

 

 

 

 

 

 

戦闘地域に移動していたマーク達の後を追う機影を確認したマーク達は一端止まり、後方から来た連中を睨む。

「貴様達は何しに来た」

「何って、勿論人命救助よ」

「ここから先はお前達にとって過酷なものだぞ」

「それに一夏の秘密を話す前にくたばってもらっては困る」

「それにイチカさんを傷つけた人を信用できませんわ!貴女がどういう人なのかこの眼で確かめる必要があります!!」

はぁ、と溜め息を漏らすマーク達とセシリアの言葉に当然よね、と少し哀しい気持ちになったエリス。

「そっちのお前達もアイツらと同じなのか」

「お姉さんは更識家本家が戦闘地域にあるから気になってね。様子を見に行くつもりよ」

「...私もお姉ちゃんと同じ。...家族を心配するのは当然」

「僕はあの三人のストッパー兼見張りかな」

「私もシャルロットと同じだ。あの三人のやっている事は軍法会議モノだ。私の部隊である黒ウサギ|隊(シュヴァルツェ)《・ハーゼ》ならあんな愚かな真似はしないぞ」

マーク達はシャルロット達が相当苦労しているなと思いつつ、楯無達の思いも分からないわけではなく、寧ろ共感できるものだった。

「そうか...。なら、三組に分けた方が良さそうだな。コード・フェニックスとラナロウは楯無達の護衛、ガロードとマドカはあの三人の見張り、私とエリスはシャギア達と合流後殲滅に当たろう」

「うげぇ、アイツらの御守かよ...。疲れるんだよなー」

「そう喚くな。私だって同じだ」

「ちょっと!何よその反応!!」

戦闘をする前から全身装甲なので表情見えないが何処か疲れたような雰囲気を出すガロード達。

「ガロード達も災難だな」

「こっちはある程度気楽にいけるか。まぁ、任されたからにはちゃんとやるがな」

「...じゃ、お願い」

「お姉さんの後ろは任せたわよ」

ガロード達を少し、憐れみの眼で見る二人。この時、二人はマドカがあの三人にキレて何かやらかすのではないか?と密かに思った。

「これ以上被害が出ないうちに行動しよう」

「そうね。イチカが言ったように私は私に出来る事をやるまでよ」

マーク達は三組に分かれて行動を始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

分かれて行動を開始したマーク達は言われた通りの役割を果たすため行動を開始した。

楯無と簪の護衛を担当するコード・フェニックスとラナロウに一本の通信が入る。

『ラナロウ、コードフェニックス聞こえるか』

「あぁ、聞こえるぜ」

「一体どうした?」

『二人に頼みたいことがある』

「頼みごとがあるなら言えよ。俺達の仲だろ」

マークの頼み事快く受けようとするラナロウとラナロウと同じ気持ちのコード・フェニックスは頷く。

『更識簪のフォローを頼む。私の予想が正しければ、彼女は私達(・・)と同じだ』

「同じって...まさか」

『あぁ、だからフォローを頼みたいのだ。恐らく、今回の戦いで覚醒するだろう。そうなった場合、初めての現象に困惑するはずだ』

「成程な...分かった。俺達も出来る限りの事をしよう」

『頼んだぞ』

マークの言葉を最後に通信が切れるとラナロウは先頭を飛ぶ、簪を見る。

「まさか、あんな嬢ちゃんがね」

「アイツもこんな状況で嘘を言うような真似はしないだろう。なら、俺達は起きた事象を解決するまでだ」

「見えてきたわ。あそこに見える一際大きい家が更識家の本家よ」

少し、考え事をしているとハイパーセンサーを使い遠くを見ていた楯無が実家がすぐそこである事を知らせるとラナロウ達も楯無と同じ方向を見る。

其処には更識家本家から黒煙が、上がっているのが見えた。

「そ、そんな...」

「一足遅かったか...」

「諦めるな!まだ可能性はある!」

「急がないと皆が...!」

速度を上げ、本家に急行する。

「これは...」

「此奴はひでぇ...」

「うっ、頭が...」

「大丈夫?。簪ちゃん」

本家に到着した四人が見たのは広大な敷地内に見えたのは壁や地面にぶちまけられた赤い液体、凹凸の出来た地面、所々に見える金属片、本来は立派な屋敷だったモノが半壊していた。

その光景を見たラナロウとコード・フェニックスは戦闘が起きたのは間違いと思い確信し、簪はこの惨状を見た途端、頭の中を何かの声が聞こえ、胸が抉るように痛くなった。

「痛い...。胸が...張り裂ける様に痛い...」

「本当に大丈夫?無理しなくていいのよ」

「大丈夫、お姉ちゃん...!?」

簪は楯無を心配させまいとしようとした瞬間、簪の中で何かが騒めき、このままでいけない、嫌な予感がした簪は超振動薙刀である夢現を楯無に向けて投げる。

「え?ちょ!?」

楯無は咄嗟に上空に飛び出し、躱す。

「簪ちゃんいきなり何するのよ!!」

「まぁ、待て楯無。さっきまで自分が居た所をよく見ろ」

「え?」

簪の突然の行動に叱咤するとラナロウが間に入り、ラナロウが何を言っているのか分からないまま先程まで自分が居た所を見る。

すると、先程まで自分が居た後方に夢現があるのだが、少し、可笑しな所があった。

何故なら、地面に刺さるはずの夢現が何もない空中に止まっているのだから。

不思議に思った楯無だが、夢現が刺さっている所から、稲妻が迸ると刺さった所を中心に夢現が刺さった空中に刺さった原因が現れる。

其処には黒を基調とし、右腕以外の機体の各部に金色のフレームが使用され、右肩アーマーの上部には赤いライン、イチカ達のガンダムフェイスに額の当たりにモノアイがあり、禍々しい雰囲気を出しているが、背中の先鋭的な翼が禍々しさを更に上げている。

夢現がコクピットの少し、上の当たりに刺さったガンダムタイプがいた。

「すぐ後ろに敵がいたなんて...。簪ちゃんは何で分かったの?」

「私にも分かんない。ただ、ああしなかったらお姉ちゃんが危険だって思ったの...」

「簪に聞きたいんだが、何か直感の様な...そうだな何か騒めきというか閃きみたいなのがなかったか」

「...うん。胸が騒めくと頭の中で何かが弾けるような感覚があった」

簪の言葉を聞いたラナロウ達はどこか納得がいったような表情をすると確信した彼女もまたイチカ達と同じ存在(ニュータイプ)なのだと。

「ねぇ、簪ちゃんに何が起きてるのか知ってるの?」

「簪に何が起きたのかは後でイチカの過去話の時に話す。まずは生き残った人がいないか探すのが先決だ。それと例え、何か聞こえても気をしっかり持て、もし無理ならここから少し離れた所で待っていろ」

「...大丈夫。今はあの声みたいのは聞えていないからやれる」

「よし、なら手分けして捜索を開始しよう」

「なら、俺と楯無、ラナロウと簪の二組に分かれよう。その方が効率もいいし、戦力も均等になってる」

コード・フェニックスの提案に異論がない二人は一度頷く。

「じゃ、俺達は敷地内を探すとするか」

「案内は私に任せて頂戴」

「俺達は外側を調べるとするか」

「...うん」

二手に分かれ行動を開始し、順調に事が進んでいるラナロウ達であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

救助活動をしていたマドカ達と代表候補組。

いざ、救護活動を開始してみると箒達は現場の悲惨さに目を背けたくなった。

「いざ、来てみたはいいけど...」

「実際の現場と私達が思っていたのとは何もかもが違いすぎますわ...」

「政府は...IS部隊は一体何をしているのだ!!」

テレビや映画などで見たのと違い実際の現場の雰囲気に自分達の認識が甘かったことに気づく。

「三人の反応は予想道理だが、お前たちは二人の反応は少し、予想外だな」

「我が部隊も幾度無く戦場に出ている。中には救助活動もあったからな...。ある程度、場馴れしている」

「僕はそういう経験無いけど、やっぱ...悲惨だね...。どんなに文明が進化しても、こういうのは変わらないのかな...。今も昔も...これからも...」

「シャルロット...」

こういう事態を経験したことあるラウラは平気な表情をしているが、僅かながら怒りと悲しみを感じれる。

「其処の三人はよく見ておくんだな。世界は美しくない...。ただ、醜く、残酷なだけで、これがその一部だ」

三人は沈黙したまま、俯いている。

「今後、私達や兄さんと行動するという事はこういう場面...いや、これよりも酷いモノだという事は覚えておけ。それと私は少し持ち場を離れる」

三人は覚束ないまま救護活動を開始し、マドカは何処かへ飛んでいくとガロード達も作業を開始した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

破壊された街を走る二人の男女が居た。

五反田弾とその妹の五反田蘭だ。

二人は最寄りの避難所に向かって所属不明の機体から目を盗んで逃げていた。

見つかればどんな目に合うのか分からないからだ。

走り続けた弾達の顔には疲労の色が見える。

「...ハァハァ...。ここで、少し...休もう...」

「...う、うん」

弾達は物陰に隠れ、休息を取る。

「何で...なんでこんな事になったの...」

「そんな事知るかよ...。少し前までいつも通りの日常だったのに...」

ほんの少し前まではいつも通りの日常がそこにあったが、一機の機体による襲撃と同時に事態は一変し、平和な日常は一瞬にして、阿鼻叫喚の地獄と化した。

何でこんな事になったのか、考えている二人に一つの足音がが弾達に接近してるのに気が付く。

「音を立てずにどこか行くのを待とう」

「うん」

二人は音を立てず静かにし、物陰から近づく敵をチラッと見る。

そこにいたのはイチカ達が乗るガンダムタイプからV字アンテナを無くし、X状のスラスターが特徴の機体――フリントが一機弾達の近くを歩いて行く。

弾達は息を潜め、見つからないように神に祈る。

祈りが通じたのかフリントは弾達から遠ざかっていく。

「よし、今の内にここから離れよう。また来るかもしれないし、今の様に上手く隠れ切れるとは限らないからな」

「うん、そうだね」

弾は最初は忍び足でその場所から離れると徐々にスピードを付けその場から離れて行く。

弾について行く蘭だが、不意に少し大きな瓦礫に引っ掛かりこけてしまう。

「いたっ!」

「何やってんだ!」

弾は小声で怒鳴ると弾に視線に何か粉末の様な何かが落ちてくるのが見えた。

弾は嫌な予感がし、上を見ると其処には罅が入り、今にも崩れ落ちそうなビルがあった。

「蘭!そこは危険だ!早く逃げるんだ!!」

「さっきこけた時に足を挫いたみたい...」

最悪だ、と弾が思った瞬間、ビキィという音とがした数瞬後、何かが崩れる音が聞こえ、まさかと思い先程見たビルを見てみるとビルの一部が無くなり、その無くなった一部が蘭に向かって落下しているのが見えた。

落下している事に気づいた蘭は涙を浮かべ、弾に助けを求め、腕を伸ばした。

弾はこのままでは蘭が死んでしまうと思い、蘭の下に助けようと走り出す。

「ラァァァァンッ!!」

ただ、妹を助けたいという曇りなき思いに従い走り出すとふっと体が軽くなるのを感じるが気にせず蘭の所に向かう。

蘭は思わず目を閉じるがいつまで経っても押し潰される感触が来ない事に不審に思った蘭は少しずつ、閉じた瞼を上げていく。

其処に映ったのは落下してきた瓦礫を先程見たフリントと似ている機体が自分を庇い、瓦礫を支えている光景だった。

「だ、大丈夫か。蘭」

「その声...本当にお兄なの?」

「どういう状況か分からないが、とりあえずそこから離れてくれ」

「あ、うん」

蘭はその場から離れると瓦礫を投げる。

弾は地面に出来た水溜りで自分の身体を確認する。

「俺が...ISを...動かしたのか」

其処に映ったのは白と黒を基調とし、背部にはフリントと同じX状のスラスターに胸部や額に髑髏マークがあり、マントで身体を覆っていた。

今弾が展開している機体はクロスボーン・ガンダムX1改 と呼ばれる機体だ。

クロスボーン・ガンダムはサナリィが木星における実戦データを収集するために秘密裏に宇宙海賊クロスボーン・バンガードに供与され、主にキンケドゥ・ナウが使用した機体である。

本機はイチカのサブ機としての運用を目的に作られた機体であり、接近戦を好むイチカにあった機体として選ばれたのがこのクロスボーン・ガンダムX1改である(以後はX1改と表記)。

イチカのサブ機として使われる予定だったが、万が一自分が助けに行けない時の為に親友である弾に託し、今その役目を全うしようとしていた。

「クロスボーン・ガンダムX1改...。これがこの機体の名前か。少しの間、俺に力を貸せ!クロスボーンッ!!」

古式拳銃を思わせるバスターガンを左手に構え、先程、自分の叫び声に反応して来たフリントに向けて光弾を放つ。

フリントはブランド・マーカーと呼ばれるビーム発振器を使いビームシールドを作り、防ぐとブランド・マーカーを拳の前に回し、四角錐状の光刃を形成するとX1改に向けて殴りつける。

「グゥ!」

弾は咄嗟にビームザンバーを抜き出し光刃を形成し、防ぐ。

「このぉ!!」

弾はビームザンバーでフリントを押し出し、ドリル状の先端を高速回転させる事で貫通能力を高めた鞭である、スクリュー・ウェッブを横薙ぎにするとそのまま相手を弾き飛ばすとレーダーに新たな敵影を確認する。

「敵!?まだ来るのか!」

ジムともザクとも似つかない形状をしたMS二機接近していた。

データベースに無い機体の為、モニターには【UNKNOWN】と表記されている。

正体不明の敵は両掌から光弾放つがX1改が纏っているマントによって無力化されている。

「ビームを防いだ?だけどいつまで持つか分からない...。どうする?」

弾はビルなどを使い、避けながら攻撃する機会を窺う。

「このままだとジリ貧だ...。やるしかない!」

弾はビルから飛び出るとそのまま正体不明の敵に近づくとビームザンバーで切り裂くともう一機の方に切り替えた瞬間、右掌から放たれた光弾が二発マントに接触するとマントが破けた。

「ABCマントが!?」

弾がABCマントがやられた事に驚いていると両掌から光刃を形成し、斬りかかっているのに気づき、左肩部からビームサーベルを抜き取り、光刃を形成させ、防ぐ。

光刃同士ぶつかり合いをしているとレーダーが後方から接近する機影を確認すると先程倒し筈のフリントがビームザンバーを構え接近しているの気づく。

機体の至る所に凹凸の跡が見えるが撃破までには至らなかったようだ。

「クッ、こんな時に」

現在、両手が塞がっている弾に後方から接近するフリントに成す術も無く、弾は背後から串刺しにされる光景が浮かんだ。

「クソッ!このままじゃ...」

諦めかけたその時、フリントの軌道上に一発のミサイルが横切り、フリントは一度急停止し、ミサイルが来た方を見る。

其処にはウェポンシステムを搭載したステイメンとハルファスが駆け付けた。

「あれはクロスボーンか...」

「あれも敵って訳じゃないわよね。敵なら仲間割れみたいな事しないはず」

ハルファスか羽根の形をしたサイコミュ兵器フェザーファンネルが弾の横を通り過ぎると正体不明機を蜂の巣していく。

エリスはフォールディング・アームを使い、ビームライフルとフォールディング・バズーカを取り出し構えるとフリントに向けて放つ。

フリントは光弾を放つが、ウェポンシステムに搭載されたIフィールドジェネレーターを起動させ防ぐとそのまま直進し、フリントをメガ粒子砲で撃墜させる。

「其処に君大丈夫か?」

「え?ハイ、大丈夫です。助けてくれてありがとう」

「所でその機体をどこで手に入れの?」

「親友からです。あ、親友って言うのはISを動かしたイチカの事です」

マーク達はイチカによって贈られたモノだと知ると、少なくても敵ではないと認識する。

「そうか、イチカがお世話になったな」

「イチカの事知っているんですか?」

「ええ、私達の家族よ。詳しい事はここを乗り切ったら話すわ」

三人がそんな会話をしていると多数の敵影が接近している中、一つの通信が入る。

『話すのは構わないが、出来れば手を動かして欲しいモノだ。それとそこから離れた方が身のためだ』

「ちょ!?」

「退避ィィィ!!」

「え、何?うわぁ!?」

シャギアの最後の言葉の真意に気づいたマークは弾を庇う様な形でその場から離れ、エリスもその場から離れるも後方から来た巨光が巨体故にウェポンシステムの一部に当たり融解する。

極太の巨光はそのまま直進し、接近する敵軍の中心に当たると立て続けに爆発が起き、敵軍の中心に大きな穴を開ける。

「危ないじゃのいの!?」

『君達なら避けれると確信していたからね。何、信頼の表れだよ』

「そんな、信頼はお断りだ」

『如何やらこっちも敵が来たみたいだから通信はこれで終わるよ』

シャギアとオルバの通信を聞いたエリスはこの戦闘が終わったら、一発ぶん殴ってやると心の中で思った。

「にしても、あの機体は何?見たことないわよ」

『恐らく、私が把握していないジェネレーションシステムのデータベースから引き出したデーターを元に作られた機体だと思われます』

「取り敢えず、倒せばいいんでしょ!ミサイルコンテナ!!」

ウェポンシステムからコンテナミサイルが射出されるとそこから夥しい数のミサイルが放たれる。

大量のミサイルは正体不明機――ガフラン、ドラドに命中し、一気に殲滅する。

「シィィィズメェェ!!!」

爆発の煙の中、一機のガーベラ・テトラが接近するが、メガ粒子砲を叩きつけられそのまま上昇し、メガ粒子砲から極光が放たれ、即撃破された。

「見事な出落ちだな」

『敵第二陣来ます』

「敵を一掃するわ!!」

「え、えーと俺はどうすれば?」

「自分に接近する敵を倒せばいい。他は私達に任せたまえ」

そんな会話をしている間にエリスはミサイルコンテナやフォールディング・バズーカを使い敵を殲滅していく。

「ミサイルコンテナが切れた!?」

「無駄玉を撃ち過ぎだ!!」

『あー、こちらマドカ。エリスの事だから無駄玉を使っていると思うので、近くのポイントに補給物資を置いておく。詳しい座標は後で送る』

「ありがとうマドカ!」

『やはり無駄玉を使ったか。この愚か者め』

マドカのエリスに対する罵声を最後に通信が切れると三人の戦闘を再開した。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、この戦闘が終わったのは戦闘開始から3時間後の事だった。

 

 

 

戦闘終了後、巨大モニターがある広い一室の中にマーク、エリス、ラナロウ、ガロード、ティファ、シャギア、オルバ、コード・フェニックスのGジェネチーム。

千冬、箒、鈴音、セシリア、シャルロット、ラウラ、簪、楯無、弾のISチーム+αの17人が集まっていた。

「ラナロウ、そっちの戦果はどうだった?」

「生存者はいたが、判明してるだけで軽症者が25名、重傷者が8名で...死者が3名だ」

「そうか...。次、マドカ頼む」

「あぁ、特に死者という死者は居なかったが、市街のダメージが酷いIS委員会も特に動いていない。奴さんは相当混乱しているらしい。私だけやるしかないのが今の現状だ」

「そうか。最後に私達だが、未確認の敵と遭遇した。アプロディアの報告によると彼女も知らない機体だという事だ。詳しい事は報告書にまとめてあるから後で目を通してくれ」

各々、報告する中で妙に苛立った鈴音が前に出る。

「アンタ達の報告なんてどうでもいいのよ!早く、イチカについて話なさいよ!!」

「定時報告は私達にとって情報の共有を図る機会だ。少しくらい待てないのか君は」

「なら、それは後にしてイチカについて話してくれ!それと何でここに部外者が混じっているんのだ!!」

箒は弾を指さす。

「俺もなんで呼ばれたのか、さっぱり...」

「彼も今回の事件の当事者であり、今後私達に関わっていく人物の一人だからだ。それに親友として、イチカの空白の時間に何があったのか気になっているのだろ。奴の変化に」

マークの言葉に一瞬、肩を震わせ、頷く弾。

「今からそのことについて話してやる。だが、それなりの覚悟を持って見て欲しい。生半可な覚悟で見て欲しくない...!?」

マークは何かに気づいたのかハルファスを部分展開し、フェザーファンネルを二つ射出すると一ヶ所の天井を撃ち抜く。

「うにゃぁぁ!?」

短い悲鳴が聞こえるとドタドタと騒がしい音がすると天井が抜け落ち、そこから一人の女性が落ちてくる。

不思議の国のアリスに出てくる様な服装をした女性、ISの産みの親であり、今の社会を作った張本人とも言える存在。

「何しに来た。束」

そう、篠ノ之束である。

「うー、いっくんの過去が分かるから飛び出してきたんだよー!!それにいきなり、人を撃つなんて、しかもマー君の攻撃は束さんのキューティクルな髪に当たったんだよー!」

束は髪の一部を見せると黒く焦げており、その部分から異臭がしている。

「何者か分からなかったので、それなりの実力行使をさせてもらった。反省もしていなけらば後悔もしていない」

キリッとした表情で言うマークに束は両手上げ、如何にも怒ってますよっという素振りを見せる。

「予想外な事が起きたが、これから見せるのはイチカの過去であり、理解出来なところもあるだろう」

イチカが作ったハロと部屋にある巨大モニターに接続する。

「これから見せるのは非現実的であり得ないことだらけだ。人の過去を見るという事はその人が何を視て、何を聞き、何を思って行動したのか理解しなければならない。そしてこれは君達にも起こりえる事だという事を分かってくれ」

コンソールを操作し、映像を流す。

こうして、彼女達はイチカがどんな風に思い、どんな気持ちで今を過ごしているのか、その全てを知る事になる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




アーケードに新しく現れたゲテモノガンダムと戦いましたが一言でいうならウザい。

画面外からハルートのGNミサイルの様なナニカがウザくて仕方ありません。

あれでパージ失敗して友達ごと爆発に飲まれました。orz

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