インフィニット・ジェネレーション   作:ハルン

43 / 52
この作品でコラボとかできないかなー

最近、ニトロワの新作格ゲーに興味津々のハルンです。

前作で最強の魔道書(笑)もいたし、何せ装甲悪鬼から三世村正がでるならやらないと


34話

一つの病室に一人の男性が横たわっていた。

身体の至る所に包帯が巻かれ、人工呼吸器を付けられ、その周りでは医療機器が絶え間なく動いている。

今ここで横たわっているのはイチカ・ギルオード。

多くの人を助けるために人の域を超え、人が定義する神に近い存在なり、仲間の呼び声により、人に戻り、仲間の所に戻ろうとした時に背後からの攻撃により、意識を失うと同時に機体制御が取れなくなり、地球へ真っ逆さまに急降下し、途中で機体が解除され、空に放り投げられたイチカはマークとエリスの二人に助けられるが、その際に全身に火傷を負い、先の戦闘で負ったのか致命傷では無いが、切り傷や打撲などの怪我も見つかった。

マーク達の救援後、病院に運ばれ今に至る。

プシューと気が抜けるような音が聞こえると自動ドアが開き、複数の人物が入ってくる。

「如何やら、今日も目覚めてないみたいだね」

「その様だな。目が覚めぬその姿はまるで眠り姫の様だ」

「身体の傷はもう殆どが治ってるのにもう、半月(・・)は経つって言うのにまだ、目が覚めないのか...」

「肉体に異常がないとなると精神に異常があるという事になるが...。私達でもそこまでは分からん。君達NTなら、何か分かるのではないのか」

シャギアは一緒に来たマーク達に視線を移す。

「こればっかしは私も分からない。それにNTは万能ではない。心当りがあるとしたら、イチカのあの超常的なあの力としか言いようがない」

「あんな異常な力を使って、只で済むはずがない...。その代償がこれという訳か...」

「サイコフレームにあそこまでの力があるとは思えない...。いや、サイコフレーム自体完全に解明されていない部分が多い...それとNTの持つ可能性があの現象を引き起こしたのかも知れん」

「イチカの思いが起こしたと仮定して、腕を振りかざすだけで敵を倒したアレは一体何なんだい?」

「それは兄さんの護りたいという思いが反映されたものだろう」

ドアが開閉する音がすると其処には壁によし掛かっているマドカがいた。

「マドカ...。もういいのか?」

「いつまでも泣いていられるほど情勢は良くないんでね」

「さっきの話の続きだけど、護りたいじゃなくて倒すの間違いじゃないのかい?」

「もし、倒すのであれば、武器だけ(・・・・)じゃなく機体(・・)そのものを破壊すればいいはずだ。だが、あのユニコーンは武器だけを破壊した。つまりは倒す事を目的としていないということだ。それに兄さんがあの場面で護ること以外考えられんからな」

「もし、護る為だとして、如何してあのような力が起きたかだよ」

「これは仮説だが、サイコフレームが人の思いに答えるのなら、あの時兄さんの『仲間を護る』という思いを兄さんの精神を取り込んだあの《ユニコーンガンダム》が『仲間を傷つけるモノを無くしたい』と解釈したら辻褄が合おう」

「確かに道理はかなっているけど...。そうなるとNTは本当に末恐ろしい存在だね」

「イチカの目覚めに関しては私達では、どうにもならない。もう一つの問題を解決させるべきだろう」

イチカの問題ともう一つ彼らの抱えている問題がある。

「塞ぎこんだエリスか...」

「俺達の呼びかけに返事しないし、会っても謝ってばっかだ...。俺達は別に謝罪して欲しいわけじゃないのにな...」

「エリスに対しての対策は私にやらせて欲しい。いくらか策はある」

「なら、エリスはマドカに任せよう。後は...」

「五月蠅いIS委員会だね」

オルバの声に頷くマーク。

イチカが深い眠りについてから、世界中で全身装甲の所属不明機が各国を襲撃し始めたのだ。

フランス、イギリス、アメリカ、ドイツなど数国が襲撃を受け、世界最強のISですぐ鎮圧できると各国のお偉いさん方は思っていたが、モニター越しに映った光景は彼らの想像を遥かに超える事態が起きた。

最強の兵器ISが効かず、かぎ爪の様な武器で操縦者の命を刈り取る金色の機体、超高火力のビームライフルでISごと塵にする鳥の様な翼を持った機体、顎がやたら長く大剣の様な武器でISと操縦者ごと真っ二つにする機体、仲間の死と自分達が信じていたモノが崩さり、怯え、泣き叫び撤退する彼女達を背後からの攻撃で問答無用で命を散らすその姿はまさに阿鼻叫喚。

何か打開策は無いのか考えた時、先の戦いで超常的な力で敵を撃退させた一人の人物に目を付けた。

そう、イチカだ。

彼らはイチカとユニコーンガンダムを解明すればあの超常的な力が使える様になり、勝てると考えたのだ。

マーク達にイチカの身柄を寄越すよう要求したがマーク達は頑なに拒否し、渡せばイチカはモルモット同然、下手をすれば命の保証はないからだ。

イチカの力は異世界で身に付けたものであり、実戦を積めば手に入るがNTやイノベイターと言った力は偶然手に入れたのであって望んで手に入れた物ではない。

更に言えばユニコーンに使われている技術は時間を掛ければ出来なくも無いだろうが格段に劣化し、サイコフレームは素材も製造方法は何一つわからないままだろう。この世界の技術はその領域まで達していないのだから。

そういった事を知っているマーク達からすると企画倒れ、実現不可能であり、そんな馬鹿げた事の為にイチカというこの世でたった一つの命を消すような真似をさせたくないのだ。

「イチカが命貼って助けたって言うのに何なんだよ!?アイツラァァ!!」

「落ち着けラナロウ。私だって同じ気持ちだ。世界がイチカを見放し、敵になるというのなら私達がイチカを仲間として、家族として見守り続ければいい」

彼らの対応を思い出したラナロウは病室の壁を思いっきり殴り、それを宥めるマーク。

「じゃ、委員会の方は僕達が対処しておくよ。適当にあしらって、それでも来るようならそれなりの対処をする。それで構わないかい?」

「あぁ、イチカを護る為だ。致し方ない」

『イチカへの面会は認めた人だけ通すという形でここのセキュリティーを組みます。認証は私の方でしますので何かあったら呼んでください。私はイチカに異常事態が起きた時に対処しやすい様にここでイチカの様子を監視します』

「あぁ、頼んだ。私達はコード・アメリアスの対策として各武装の強化及びチェックをしてくるとしよう」

「なら、私はエリスを叩き起こしてくるとしよう」

「手荒な真似は避けてくれよ。彼女も被害者の一人なんだ...」

「...善処しよう」

ガロード達が病室から出ていく中、マークはフェニックスの待機状態である燃え盛る不死鳥が施されたブレスレットを付けさせる。

フェニックスの完全解明は出来なかったが封印されていたシステムが解けたいたのだが、そのシステムの内容を明らかにすることが出来なかった。

何故、出来なかったのか。それはパイロットであるイチカ以外のアクセスを拒否してしまうのでそこから先を調べることが出来なかったのだ。

「フェニックスは今まで、私達を護って来てくれた。こうすれば、イチカを護ってくれる...そんな気がする」

『NTの勘というモノですか?』

「さぁな。只の気休めさでも無いよりはマシだろ。イチカ、お前と一緒にまた笑顔で笑い合う時が来るのを待っているぞ」

そう言うとマークも病室から出ていくと機械音が鳴り響く。

この時、マークの言葉に反応するかの様にイチカの腕がほんの一瞬動いたのを誰も気づいていない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一つの薄暗い部屋に少し、口を付けたご飯とベットの上で一人の少女が塞ぎこんでいた。

塞ぎこんでいるのはエリス・クロード。

先の戦いでコード・アメリアスの洗脳もイチカによって解除され正気に戻った。

だが、戦いが終わり、自分が洗脳されていたとはいえ、思い人である、イチカを傷つけた事、目の前でイチカが落とされ何も出来なかった自分、様々な要因が彼女を塞ぎこませる原因になっていた。

今の彼女は自分に対して、怒り、悲しみ、憎しみ、そして絶望という感情が渦巻いていた。

自分がコード・アメリアスに洗脳されなければ、あの時イチカへの攻撃を防ぐことが出来れば、イチカに好意さえ持たなければこんな事にはならなかった。

様々な考えが彼女の中を巡るがどれも後の祭り。そして、そんなことしか考えれず、前に踏み出せない自分に嫌気がさしていた。

そんな時、電子音が鳴り響くとドアが開き、マドカが中に入ってくる。

「調子はどうだ?満身創痍だな。折角、皆の所に戻ってきたのに...」

「マドカ...。私はこれから拷問にでも掛けられるの?」

「私はお前に顔を見に来たというのもあるが、今回はお前を表に引きづり出すのが目的だ。マーク達が心配しているぞ」

「そう言って私を笑いに来たんでしょ。好きなだけ笑えばいいわ。何も出来なかった私を...」

「何故、そうまでマイナス思考になる。少しは笑ってマーク達に心配かけまいと出来ないのか」

「私が...笑う...?何も出来なかった私に笑う資格なんてないのよ...」

「そうか...。なら、歯ァ食いしばれェ!!」

「グハッ!?」

堪忍袋の緒が切れたマドカはエリスに対し、右ストレートを放つとまるで吸い込まれるかの様にエリスの左頬に直撃する。

「な、何をするのよ!!」

「その体たらくを晒している貴様に一発かましただけだ。何が笑う資格がない?何も出来なかっただ。こんな事しかできない奴を一生懸命助けようとした兄さんが馬鹿馬鹿しいよ」

「マドカ!貴女、イチカを馬鹿にするつもりなの!!」

「私が馬鹿にしている?あぁ、そうさ。たった一人の女一人碌に救えない兄さんを馬鹿にしているさ。だがな、それ以上に馬鹿にしているのは貴様だ!エリスゥ!!」

「!?」

マドカはエリスの胸ぐらを掴むと先程の続きを言う。

「兄さんはお前に笑って欲しい、もう一度みんなで誰一人欠けることなく笑いたいからあそこまで、それこそ人を辞めるような行為してまで護ろうとしたのに...。それ何どうだ?いざ、助ければ兄さんを傷つけ、何も出来なかったと悔やみ、後悔し、塞ぎこんでるじゃないか。兄さんはお前にそんな思いをして貰うために助けたんじゃない!!決してだ!!」

「そ、それは...」

「それとも何か?そうしていれば、兄さんが王子様の様に助けてくれると思っているのか―――甘ったれるな!!兄さんがどれだけ辛い思いをしているのか分かっているのか!?兄さんは困っている人がいればどんな人でも助けようとするお人好しだ。例え、火の中水の中激戦地だろうと兄さんは駆けつけ助けようとするだろう。そうやって助けたことも沢山もあった。だが、それ以上に助けれなかったことが多かった...。その度に兄さんは悔やみ悲しみ泣いていたんだ...顔も名前も知らない人の死に兄さんの心は泣いていたんだぞ!!それを知らないお前じゃないだろ!!」

マドカは掴んでいたエリスの胸ぐらを離すとエリスに背中を向け歩き始め、ドアの前に行くと一度立ち止まる。

「兄さんはお前にそんな悲しい顔をさせるために助けたんじゃない。その事を忘れるな。次に来るまでにその考えを前に踏み出すことが出来ないんなら、お望み通り、拷問にでも何でもかけてやる」

マドカが部屋を出るとエリスは布団で身体を覆う。

「イチカ...。私、どうしたらいいの...」

そんな呟きと同時に眠りについた。

 

 

 

 

眠りについてからどれ位立ったのだろう。

エリスは自分を呼ぶ声に思い瞼を開け、声のした方を向くと其処には居た人物にエリスは先程まであった眠気など吹き飛んでしまった。

「...イチ...カ」

其処にいたのは紛れも無くイチカであり、先程まで居た部屋ではなく広大な空間に星々が輝いていた。

「エリス」

「イチカ...」

「そんな悲しい顔をしないでくれ。俺は只、俺のやりたい事を自分の成すべき事をやったまでだ」

「それは...私のせいで...!」

イチカはクスッと微笑む。

「それこそ誤解だよエリス。俺はあの時、皆を護る為に力を望んだ。その結果、俺は人を辞める事になった。だけどなエリス、俺が人に戻れたのも皆のおかげなんだよ」

「え?」

「確かに俺は人を一時的とはいえ、辞めた。だけど、俺は人に戻る事が出来たのは皆が呼びかけたから戻る事が出来た。逆を言えばあの時、皆が居なければ俺はあのまま《ユニコーンガンダム》としてあの広大な宇宙の果てに行っていたと思う。だから俺は皆に感謝してるんだ。こうして今、俺が俺で居られることに」

「でも、私はイチカを皆を傷つけた...。それは変わらない事実なのよ...」

先程まで微笑んでいたイチカは何処か哀しげな表情をする。

「俺はエリスが傷つけられた事を気にしていない。逆に助けるべき人がいる、守らなちゃって思った。マークやマドカ達も同じ事を考えていたんだと思う。それになエリス。例え過去をやり直す事が出来たとしても何も変わらない。変わるのは自分の心だけだ...」

「でも!」

「エリス。大人になるんだ。人は後ろを...過去に向かって歩んでいるじゃない。過去に起きた過ちすら糧にして人は前を...未来に向いて歩いて行くんだ。だからエリス過去に囚われず前に進んでほしい」

するとイチカはエリスから離れていく。

「待ってイチカ!イチカ!!」

離れていくイチカをエリスは一生懸命追い掛けるがその距離は縮まらず、遠のくばかりである。

「行かないでいイチカ!イチカ!!」

「エリスが人の心を忘れずに歩きつづければ、また会える」

「いつ、またっていつ会えるの!」

「俺がやったようにやりたい事を自分の成すべき事を成せばいい。何をやればいいのかはお前の心が知っているはずだ」

「待って!お願い!行かないで!!イチカ!イチカ!」

エリスはイチカを何度も呼ぶと周りが明るくなっていく。

「...私を...一人にしないで...イチカ」

気が付けばエリスは先程まで居た部屋に戻り、ベッドの上で右腕を伸ばし、涙を流していた。

「私の...やるべき事...」

自分の胸に手を当て、小さく呟いた。

 

 

 

 

 

 

「昼食を持ってきたぞ。さて、少しは考えは変わったか?エリス」

「マドカ...」

「ほぉ」

マドカはエリスの変化に思わず声を漏らした。

先程あった時より、明らかに顔つきやその目つきから窺える覚悟が違ったのだ。

「良い表情になったじゃないか。だが、この短時間でここまでの変化...一体何があった」

「イチカにあったの...」

「馬鹿な...。兄さんは今身動きが取れない...ましてや目覚めてすらいないのに...」

「多分、イチカの精神体みたいなものだと思う...」

「兄さんの精神体と会って論されたか...。フッ、自分の事よりも他人か...兄さんらしいな」

「ねぇ、マドカ。イチカと会うことはできる?」

マドカは少し考える素振りを見せる。

「別に問題は無いが、それ相応の覚悟を持っておけ」

「それはどういう事...」

「見れば分かる」

エリスはマドカの後を追い、部屋を出る。背後から二人の様子を窺っている人物と一緒に。

 

 

 

 

エリスはマドカについて行くと薬品の匂いが充満し、規則正しい電子音が鳴っている部屋に連れてこられる。

「ここは...病室...」

「こっちだ」

エリスはここが病室だと分かると嫌な予感が全身を巡り、マドカは一つだけカーテンが閉まった所のカーテンを開ける。

「イチカ!」

エリスは思わず叫んでしまった。

彼女の目の前には身体の至る所に包帯が巻かれ、人工呼吸器を付けられ、その周りでは医療機器が稼働しており、明らかに重症だ。

そして、そこにいたのがイチカであり、手で口元を抑えた。

「これが今の兄さんだ」

「そんな...。どれくらい眠っているの...」

「イチカが目覚めないまま半月は経過している」

エリスは後方から声がし、後ろを向くと其処にはマーク達一行が居た。

「如何やら、表に出る事は出来たようだな。エリス」

「イチカは、イチカは大丈夫なの!!」

「身体の傷は全て癒えているんだ...」

「恐らく、精神の方に異常があるのかも知れない」

「このまま眠り続ける可能性もある。精神に関してはここにいる全員、詳しくないのでね。分からないままなのさ」

「そんな...あの時また会えるって言ったのに...」

「大丈夫さ!俺達が信じればイチカの奴もすぐ目を覚ますさ!」

ガロードの励ましの言葉に頷くエリス。

「なら、今後の対策を...と言いたい所だが、盗み聞きされている状況で話すわけにはいかないな」

マークがそう言うと自動ドアが開き、そこから人が雪崩の様に倒れながら入ってくる。

「イタタ、さっきまで開かなかったのにいきなり開いたぞ」

「君達は...確かIS学園の生徒だったか。如何せん、対して脅威では無かったので覚えていない」

「覚えてるとしたスコールが言ってた、更識楯無位かな。後、織斑千冬」

「そうだな。オルバよ」

一部を除き、覚えていないシャギア達。

「で、お前らは何しに来たんだ?IS委員会の差し金か」

「違うよ、ガロード。私と簪はイチカの容態が気になって、マドカの後を追っていたら箒達が付いてきちゃって...」

「...半月もイチカが出てこないから心配になって」

「貴様ら!一夏に何かしたのか!!」

「何で俺らが容疑者扱いされるんだよ...」

何しに来たのか不思議に思うのと警戒交じりで聞くガロードにシャルロットは自分達は害は無いと主張し、それに同意する簪それに対し突拍子の無いことを言う箒に呆れるラナロウ。

「私達はイチカに対して危害を加えるなどありえない。イチカの安全の為に私達以外立ち入り禁止していたが」

「何でそこまでする必要があるのかしら?お姉さんに教えてくれないかしら」

「ふむ、私達の敵(コード・アメリアス)とIS委員会から護る為と言っておこう」

「何故、前者はともかくIS委員会が出てくる?」

「IS委員会はイチカの身柄とユニコーンの引き渡しを要求した。それが何の目的か知っているからこそこうしている」

「IS委員会だと」

何故、会えないようにしたのか聞く楯無にマークは答え、その原因の一つにIS委員会がある事に疑問に思う一同。

「何故、そんな事を要求したのか...。簡単に言えば、イチカを研究の為のモルモットにする為だ」

「...それはどういう事ですの」

恐る恐る聞くセシリア。

「一夏を解剖して男性が動かせる理由を突き止める為か」

「いや違う。イチカが起こした超常現象を自らのモノにする為だ。アレは素質と環境によって開花させることが出来るが、お前達はその段階まで行っていない。それにユニコーンに使われているモノ(サイコフレーム)はブラックボックスだからな。ISを解明出来ないようじゃ無理な話だ」

「まるで自分達は全てを知っているような話し方だな」

「あぁ、知っているさ。イチカの事はよく知っているよ」

「...所でイチカの様子は?」

千冬とマークが口論していると簪が口を挟みイチカの容態を聞く。

「身体の傷は全て治っているがここ半月は眠りっぱなしだ」

「そこまで重症なんだ...」

「ねぇ、イチカの手を握っていいかな?」

「?別に構わないが」

「そう...。あの時身を挺して私達を護ってくれてありがとう...!?」

簪はイチカの手を握りお礼の言葉を言うと簪の頭に映像が流れ込んできた。

「どうしたの簪ちゃん?」

「今...頭の中に映像が...多分宇宙だと思うけどそれが流れてきた」

「何だそれは?」

「じゃ、私も握ってみるわ」

簪の言葉を聞き、次々と手を握るが簪以外誰も見る事が出来なかった。

そんな中、マークとエリスは意味深な表情をしている。

「ねぇ、マーク...」

「あぁ、多分彼女は素質があるんだ...。私達と同じ素養が...」

マークはここで考える。今、説明した方が後々の為に良いのかもしれないと。

「お前たちに説明したいことがある」

「一体何の事だ」

「私達について...そしてイチカについてだ」

『!?』

箒達は目を見開いた。それは自分達が一番欲しい情報なのだから。

「説明する前に場所を移そう。ここは説明が出来ない」

マークが場所を変えようと移動しようとした時、病室にアラームが鳴り響く。

「な、何事だ!?」

『敵襲です。場所はポイントT-100。東京です』

「説明するのは後だ!まずは敵を殲滅するぞ」

「奴は...本格的に攻めてきたか」

「行くぜ!これ以上犠牲者を出さない為にな!!」

マーク達は病室から飛び出していく。

 

 

 

マーク達が居なくなった病室で待機状態のフェニックスが赤く輝き、何かに反応するかのようにその色を赤より赤い真紅へと変えていった。




今回のエリスの所は虹にのれなかった男をイメージすればいいかな

フラグも経てたし、出したい機体ももうそろ出るし、何の機体かは次回のお楽しみで


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。