インフィニット・ジェネレーション   作:ハルン

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今回は、Gジェネ勢VSIS勢前編です。




23話

箒がガロード達に果たし状を叩きつけてから数日が経ち、イチカのクラスにガロード、ティファ、ラナロウが入り、嘗て共に戦ったガロードや家族同然であるラナロウがいる事によりイチカの心に少し、余裕が出来た。

用務員として働いているコード・フェニックスは『不死川 一文字(ふしかわ いちもんじ)』という名で働いている。

「本当、授業が眠い」

「なら、ティファにキスでもして貰え。 そうすれば目が覚めるだろ」

「が、ガロードが良ければ...」

「本当か!?」

「ハイ、そこ。時間を考えようか」

「なら、兄さん。私にも熱い目覚めのキスを」

「マドカ...。お前、本当に歪みねぇな」

現在、屋上で昼飯を食べているイチカ一行。

「にしてもよ。なんでここに来て早々、面倒事に巻き込まれるんだ」

「仕方ない。俺も入学して数日で面倒事に巻き込まれた」

「確か、模擬戦は明後日だよな」

「えぇ。今日、明日で機体の最終チェックをする予定でラナロウ兄のトールギスⅢの損傷が酷いというか無理な修繕したせいで悪化してますよ」

「マジか」

「なので、コード・フェニックスの隠れ家にあった機体を使うことになりますね」

イチカが言う通り、トールギスⅢの状態は好ましくなく、イチカとアプロディア曰く『一歩間違えれば電気系統がやられ、自爆しても可笑しくない状態』という事で今回の模擬戦で使えないくなり、コード・フェニックスが鹵獲した機体を使うことになった。

「詳しいことは当日と言う事で」

「あっ。そうだイチカちょっと頼みがあるんだが」

「ラナロウ兄の頼みなら」

「ちょっと試したいことが――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして模擬戦当日。

第2アリーナBピットには箒を初めとする、専用機持ちがおり、そこには千冬の姿もあった。

「いいか、皆の者!!今日、この試合で一夏にあんな連中よりも強いという事を証明しようではないか!!」

「そうよ!!最近、私達の事を足手纏いでしかないってふざけないでよね!!」

「そうですわ。私達、専用機持ちが弱いというレッテルを剥がして差し上げますわ!!」

そんな三人から少し、離れた所にいる簪は気持ちが沈んでいた。

「どうしたの、簪ちゃん? そんな落ち込んだみたいな顔して」

「うん。今回の模擬戦はあんまりしたくない。 どう足掻いてもイチカ達に勝てる光景が見えない」

「確かにイチカ君の強さはこの中の誰よりも強いわ。でも、何も出来ないで終わるという事は無いと思うんだけど」

「それはどうかな。 嫁の強さは幾度となく血で血を洗う様な戦いを経験したモノと同じ覇気の様なモノを感じる。恐らく、私達は無残に敗北するだろうな」

楯無は少なからず傷を負わせることは出来ると思っているが簪とラウラは何も出来ないで終わると予想している。

「シャルロットちゃんどう思ってるのかしら?」

「僕は一概にどちらが勝つとも言えませんね。戦いがどう傾くか分からないけどイチカが有利なのは確かだと思う」

「そう。私達が勝つことはできなくても織斑先生なら勝てるんじゃないかしら」

「確かに教官は強いが嫁に比べたら弱い。嫁と教官では立っている領域が違う」

「そうかもしれないけど...一勝したら私達の勝ちと言うのもいくらなんでもやり過ぎだと思うけどな」

そう、イチカが今回の模擬戦を開始する前に箒達に『其方が一勝でもしたら入隊を認めてやる』と言ったのだ。

「だが、それは嫁には負けない自信もしくは確証があるという事だ」

「そろそろ、時間ね。最初は誰が行くのかしら?」

「私が行くわ!!」

「まぁ、ダメだと思うけど少しでも勝率を上げるために僕も行くよ」

「じゃ、鈴ちゃんとシャルロットちゃんにお願いね」

「任せなさい!!一勝なんて舐めた真似をしたイチカを後悔させてやるわ!!」

そう言うと鈴音は甲龍を展開するとシャルロットはため息を漏らしながら自身の専用機を展開する。

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わって第2アリーナAピットにはイチカ達がいた。

「どうやら彼方は鈴とシャルロットが出て来たようだな」

「誰が行く?」

「なら、俺が行くぜ」

「じゃ、ガロードが行くとして、もう一人はコード・フェニックスでいいか?」

「あぁ、構わないぜ」

「敵のデータは必要か」

「いや、そんな事したら実戦の意味がない。 だから不要だ」

ガロードとコード・フェニックスのタッグが決まるとイチカは敵の詳細データを確認するか聞くとコード・フェニックスは拒否する。

ガロードも不要らしく、GXを展開するとコード・フェニックスも展開する。

「じゃ、行ってくる」

「ガロード。頑張って」

「おう、ティファの応援があれば元気百倍だぜ!!」

ガロードとコード・フェニックスの二人はカタパルトに向かう。

「GX、行くぜ!!」

「マスターフェニックス、行くぞ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二人はカタパルトから飛び出すと指定の位置まで飛ぶ。

「やっと、来たわね。アンタ達を倒してイチカに私達の強さを見せつけてやるわ!!」

「はぁ、好戦的と言うかなんと言うか」

「ゴメンね。鈴ったらさっきからこの調子なんだ」

「お前も苦労しているんだな」

お互いに一言づつ言うと試合開始のブザーが鳴る。

ブザーが鳴ると同時に散開したガロードとコード・フェニックスは各々、遠距離から攻撃を仕掛ける。

シャルロットもガルムを取り出し、鈴音は自慢の龍砲を放ち、仕留めようとする。

コード・フェニックスとガロードは二人の攻撃を避け、二手に分かれるとガロードはシャルロットとコード・フェニックスは鈴音の前に立ちはだかる。

「君はイチカと知り合いなんだよね」

「あぁ、俺とイチカは海で出会った。 なんでそんな事知りたがる」

「僕は...いや、僕達はイチカの事を知らない。 僕はイチカの事が知りたいんだ。 でも、イチカは自分の事を話してくれない」

「だろうな。 アイツは昔の事を話したがらないからな。 話さないのはお前たちの事を思っての事だと思うけどな」

シャルロットは両手のガルムで攻撃しているがガロードはディバイダーをバックパックに接続することで高機動・長時間巡航が可能なホバーリングモードに切り替えることでシャルロットの弾幕を回避する。

「イチカ達もそうだけど何でいとも容易く回避できるの!?」

「そんな攻撃喰らったらこっちがやられちまうからに決まってんだろ!!」

「それにしても異常だよ!!」

「俺達からしたら出来て当然なんだよ!!」

ガロード達のいた世界では実弾やミサイル、ビームが雨の如く襲ってくるのだ。そんな事が多々ある彼らにとって攻撃が当たる=死と言っても過言ではない。

そんな世界で生きていく上で必要な事であり、止まって攻撃するなど正気の沙汰ではない。

シャルロットは両腕に高威力十連装ミサイルを放つ。

「コナクソォ!!」

ガロードは二連装ビームマシンガンを連発し、ミサイルを撃ち落とす。

全てのミサイルを落とすが中にはかく乱用の煙幕弾も混ざっていたのかガロードの周辺が煙で覆われ、視界が遮られる。

「クソォ...視界が...。 グワァァ!!」

煙幕に閉じ込められ、煙幕の中にはセンサー類を妨害する効果があったのかセンサーが意味をなさず、ガロードは動かない事には何も始まらないと考え移動しようとした瞬間、背後から衝撃が襲った。

煙幕の外に居るシャルロットは赤外線センサーと熱源探知により、ガロードの居場所を把握し、ミサイルや銃弾で攻撃している。

「こうなったら、一か八か...!」

ガロードは上空へと飛び出すと煙幕から抜け出すが抜け出すと同時にシャルロットは瞬時加速で接近し、シールドの裏に装備されている69口径のパイルバンカー灰色の鱗殻(グレー・スケール)で攻撃するがガロードは手に持っていたディバイダーの両端に装備されたスラスターを使い緊急回避する。

回避に成功したガロードはシャルロットの背後を取るとディバイダーを構える。

「零距離ならどうだ!!ハモニカブレード!!」

「ウァァァァァァ!!」

ガロードはシャルロットの背後からディバイダーの全砲門を使い、ビームを収束させて形成した、ハモニカブレードを放ち、一気にSEを削る。

「これでラストォ!」

ガロードはディバイダーのスラスターを吹かしながら、数回叩きつけるとバックパックから二基のビームサーベルを取り出し、X字に斬りつけ最後に跳び蹴りをするとシャルロットはアリーナの壁に叩きつけられる。

「おーい、大丈夫か」

「な、なんとか。でもさっきの攻撃でSEが切れたから僕の負けだね」

「今回の模擬戦で感覚は掴めたし、もう大丈夫だな。後はコード・フェニックスだけで十分だろう」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ガロードの方はもう、終わったみたいだな」

「...ハァ...ハァ...ハァ...」

鈴音が肩で息をしているのに対し、コード・フェニックスは至って余裕そのものだ。

先程からコード・フェニックスは回避行動に専念し、相手の出方を窺い、様子を見ていた。

コード・フェニックスにとって鈴音を倒すのは赤子の手を捻るようなものだ。

「なんでアンタそんなに余裕なのよ!!」

「いや、お前弱いもん」

「私が弱いって事、撤回しなさいよ!!」

鈴音は龍砲で攻撃するがコード・フェニックスはそれを全て避ける。

「イチカもそうだけど、なんで見えない龍砲の弾丸を避けることが出来るのよ!!」

「対人戦の場合、相手の目線や腕等を注意しておけば一体何処を狙い、何時攻撃するか大方の予想がつく」

そう言うとコード・フェニックスは背部バインダーに装着されたクロスバインダーソードを双剣の様に構えるとそのまま鈴音に接近する。

クロスバインダーは実体剣として使えるが刀身部分にビーム刃を形成することでビームソードとしても使用できるのだ。

実体剣とビームソードの乱舞により、確実にSEを削る。

「こ、こんな所で...」

「悪いが半端な覚悟で俺達の領域(戦争)に首を突っ込まないでもらおうか。 大して力も覚悟も無い奴が戦場をうろつかれると目障りなんだよ」

コード・フェニックスはクロスバインダーソードに内蔵されたビームキャノン、ソード・メガビームキャノンを鈴音に放つ。

SEも残り少ない甲龍のSEエネルギーはゼロになり、甲龍は解除され、ISスーツ姿の鈴音が地面に倒れこむ。

コード・フェニックスはAピットに戻ろうとした時、鈴音が呼び止める。

「待ちなさいよ!!アンタにその覚悟が有るとして、イチカにその覚悟が有るって言うの!!」

「あぁ、当の昔にアイツは出来てるだろうぜ。戦う決心をした時にな...。お前達とイチカの違いがあるしたら、相手を殺す覚悟を持って引き金を引けるかどうかだ」

そう言うとコード・フェニックスは飛び出し、ガロードと一緒にAピットに帰還する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お疲れ、ガロード、コード・フェニックス」

「いやー、シャルロットの煙幕に冷汗をかいたぜ」

「ガロード、お疲れ。 これを」

「ありがとう。ティファ」

ピットに戻ったガロードはシャルロットとの戦いについての感想を言うとティファからキンキンに冷えたスポーツドリンクを渡す。

「あれ? 俺には何にもないの?」

「お前は唾でも飲んでろ」

「ヒデェ!?」

「嘘だ。ホレ」

「な、なんだ。あるんじゃないか」

マドカはコード・フェニックスをからかうとガロードと同じようにスポーツドリンクを渡す。

「二人に聞くけど、あの二人はどうだった? 思った事を言って構わん」

「ん~。正直、俺はまだ動かして間もないからどうって言われても困るけど...。強いて言うなら、武器の切り替えの早さが良かったかな」

「あれは駄目だな。心技体どれを取っても低いな。自分がどれ程の実力なのか理解してない」

「そうか」

イチカは二人の感想を聞くとアリーナの方に視線を向けると三つの機影が飛び出すのが見えた。

「どうやらあっちはもう決まったみたいだな」

「じゃ、次は俺が出る」

「分かった。でもラナロウ兄はまだ怪我が完治していないから二機のサポート機と出てもらいます。勿論、向こうの許可を取っている」

「分かった」

ラナロウはイチカに必要ないと言おうと思ったがイチカが自分の身体を心配しての事だと感じ取ると一度頷き、今回、使う機体を展開する。

展開したラナロウの姿は一言で言うならば、武者であり、三日月の様な装飾のついた兜に左眼は眼帯をし、蒼と黒を基調とした鎧を身に纏い、左右の腰には三本づつ刀が帯刀してある。

「さぁ、一丁派手にいきますか!」

イチカが用意した黒い馬の様な機体に何故かバイクのハンドルとマフラーの様なモノがついている馬に跨ると腕を組みながら出撃し、後を追うように同じくイチカが用意したメリクリウスとヴァイエイトがピットを出る。

 

 

 

アリーナには打鉄弐式を纏う簪と修復を終えたミステリアス・レイディを纏う楯無とシュヴァルツェア・レーゲンを身に纏うラウラがいた。

「で、アンタらも自分には力があると言い、俺達の戦いに乱入しようってか」

「確かに嫁の力になりたいが、あの馬鹿どもの様に自意識過剰ではない。自分の力がどの程度なのか自覚している。それでも私達は嫁の力になりたいんだ!!」

「へぇー、見極めが出来ている奴もいるんだな。じゃ、お前らがどれ程の強さを持っているか確かめてやる。 さぁ、Let's Party!! 派手にやろうぜ!!」

ラナロウは刀を抜刀するとラウラが先制攻撃として大口径レールカノンを放つ。

「ハッ!しゃらくせぇ!!」

「嘘ォ!」

ラナロウはラウラが放った砲弾を両断し、それを見た楯無は驚きの声を上げ、ラナロウはそんな事を気にしずにラウラに向かって馬を走らせる。

「正面から突っ込んでくるとは愚かな!!」

ラウラは直進するラナロウをAICを使い止めようとするがラナロウはAICが発動する前に馬から飛び降り、頭上から刀を振るう。

「クッ!」

「この程度でやられるよう奴じゃないという事か」

「私達の事も忘れもらっちゃ困るわ」

「別に忘れちゃいないぜ」

そう言うとラナロウはラウラを斬りつけると楯無に向かって刀を一振りすると其処から雷撃が放たれる。

「ちょ!?」

「悪いが俺も怪我人でね。 そう長く戦えないって言うか、イチカが心配するからなとっと終わらせるぞ」

そう言うとラナロウは六本の刀を指と指の間に挟み、三本の刀を挟んだその姿はまるで竜の爪を沸騰させる。

「さぁ、本気で来るんだな。相手は竜だぜ!」

「グゥ!」

ラナロウは六爪をX字に振りぬき、真空の刃を発生させて楯無を吹き飛ばす。

楯無は水のヴェールで防ごうとしたが真空の刃が水を切り裂き、楯無にダメージを与えたのだ。

「お姉ちゃん!!」

「そんな攻撃じゃ通用しないぜ」

ラナロウは連射型荷電粒子砲を切り裂きながら簪に接近するとそのまま、六爪の連続で攻撃し、切り裂く。

ラナロウはラウラに視線を向けるとヴァイエイト&メリクリウスの連携に苦戦を強いられてるのを見ると楯無姉妹に視線を移すと刃を向ける。

「この程度で俺達の戦いに乱入しようなんざ。片腹痛いねぇ」

「じゃ、貴方は何で戦うの」

「俺は仲間の為に戦う。...ただそれだけだ」

「私達も仲間(イチカ)の為に戦いたい」

「思いだけじゃ、何も出来ない。覚悟が必要だ。力なんざ、後から勝手に身に付いてくる」

簪の表情は真剣そのものであり、先程、鈴音のとは違う、確固たる意志を感じ取るとラナロウの腕から蒼い稲光が迸る。

「お前たちの覚悟は理解した。恐らく、あの眼帯の嬢ちゃんも同じなんだろう。だが、これはお前たち日常に住む奴が関わることじゃない。 さて、このPartyも終わらせるとするか」

ラナロウの腕から蒼い稲光が刀全体に行き届くと両腕を前に向ける。

「これでthe endだッ!!」

簪はラナロウが今からやろうとしている事に気付き、ミサイルを全弾発射するが、ラナロウの腕から巨大な竜の形をした電撃砲が放たれ、簪が放ったミサイルを爆発させ、楯無と簪を雷の竜が飲み込む。

雷竜が簪たちを通り過ぎると其処には機体の装甲が黒こげになり、その場に倒れる。

「残りはっと...中々、やるじゃねぇか」

ラナロウが見たのは満身創痍でありながらヴァイエイトを撃破したラウラだった。

「ハァ...ハァ...」

「無人機とはいえ、ヴァイエイトを破壊するとはたまげたもんだぜ」

「これで少しは見直したか」

「まぁ、それなりに評価は上がったがまだ弱い」

そう言うとラナロウは満身創痍のラウラに接近すると六振りの刀を片手で持ち、右に払ってから、 飛び上がり一気に振り下ろす。

ラウラはラナロウの攻撃を喰らい、刀を振り下ろした際には衝撃波が爪の様に疾走し、それを真面に喰らったラウラのSEはゼロになり、ラナロウの勝利になった。

「まだまだ、未熟だが...中々、面白かったぜ」

そういうとラナロウは刀を納めると馬に乗騎し、腕を組みながらイチカ達のいるピットに戻っていった。

 

 

 

 

 




内容少し、薄いかな...。

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