インフィニット・ジェネレーション   作:ハルン

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プロローグは長いです。

一応、話の構成上OWまでやります。


第2話

一夏がGジェネの世界に来てから半年が過ぎた。

 

マーク達の仲間になってから一夏にとっては新しいことばかりだった。

この世界では複数の世界が存在していることだ。

例を挙げるならば初代ガンダムの世界やSEEDの世界など全く異なる歴史や文化そして技術が存在する。

これは一夏にとって斬新であり、魅力的だったが一夏はどの世界に行っても思うことが在った。

至極簡単で誰しも一度は思うであろうそれは『何故、人は争いをするのだろう』だった。

何故、そんなにも人は互いを否定し、傷つけ、殺し合おうのか。そんなことをすればまた、新たな憎しみと悲しみを生み出すだけなの何故、そこまでして戦いたがるのか子供の一夏には理解できなかった。

けど、自分からは何もしなかった。

もし、やれたとしても子供の一夏に出来るのは精々、避難誘導とアーガマの手伝い位しかない、だから仕方ないと思っていた。

だが、そんな一夏を変える出来事が在った。

とある世界で一夏は外出中に偶然、戦闘に出くわしてしまうが何時ものように市民の避難誘導をしていたが、この時は何時もと違った。

一人の少女がその場で立ち止まり泣いていたのだ。

それほど珍しくは無い、少女の近くではMS同士の戦闘が行われている。

一夏はそのが危険だと判断し、少女の下に向かい助けようとした。

だが、付近で行われていたMSの戦闘で一機のMSがコクピットをやられ、制御を失ったMSはそのままビルに倒れこみ、その時に崩れたビルの破片が少女に向かって飛来する。

一夏は大声で叫ぶが戦闘による騒音のせいかそれとも泣いているからか気づきていない。

大声で叫びながら走るイチカにようやく気づいた少女だがその数瞬後、飛来した瓦礫の下敷きになる。

助けることが出来ず、その場に跪く一夏に友達や家族の名前を叫ぶ少女の声が頭に響いた気がした。

 

 

 

 

その日一夏は何も出来なった自分と決別するため「織斑一夏」という名捨て、「イチカ・ギルオード」と名乗るようにした。

イチカはもう二度とあんな出来事が起きないようにマーク達にMSの操縦を教えて貰っている。

訓練は厳しく、何度か折れそうになったがあの時の出来事と自らの決意を思い出すことで過酷な訓練を耐えることが出来た。

イチカに最初に与えられた機体はZガンダムだった。

イチカはZガンダムを与えられてからは自ら、進んで戦場に出るようになった。

戦場で戦うようになってからイチカは時折、遺言のような人の声が頭に響くようなった。

イチカはこの事をマーク達に話すと少し驚いた表情をするとその現象について話してくれた。

 

『ニュータイプ』

 

それはジオン・ズム・ダイクンが提唱した概念の一つで宇宙という広大な生活圏を手に入れた人類は洞察力、認識能力が拡大し、肉体的、精神的にあらゆる物事を理解することができ、それが全人類に広がった時にかつてなしえなかった相互理解が可能となるという物で自分やエリスもまたニュータイプだという事を明かした。

子供のイチカには完全ではないがなんとなくだがその意味を捉えることが出来た。

 

 

 

それから時は流れ、そして世界に異変が起きる。

突如、マーク達に「アプロディア」と名乗る人物がある指定ポイントに来て欲しいという内容だった。

マーク達は半信半疑で指定されたポイントに向かっていた。

『もう少しで指定されたポイントに到着します。各パイロットMS格納庫に向かってください』

艦内放送を聞きながらMS格納庫に向かうエリスとイチカは今回の事について話していた。

「ねぇ、イチカこのアプロディアっていう人...信用できると思う?」

「分からない。何もないならそでいい。でも何だろう、凄く嫌な予感がする」

「何もないことを祈りましょ」

「そうだな」

話している内に二人はMS格納庫に着くと各々搭乗機に乗り、目標のポイントに着くまで静かに待つ。

『目標地点に到達。各機発進準備どうぞ』

今回、出撃するのはエリス、イチカ、ラナロウの三人である。

ラナロウのセイバーガンダムとエリスの青い鳥を思わせる機体フェニックス・ゼロがカタパルトに向かう。

「エリス・クロード。フェニックス・ゼロ......行きますッ!」

「ラナロウ・シェイド。セイバーガンダム......行くぜッ!」

二機が発進するとイチカのZガンダムがカタパルトに向かう。

「イチカ・ギルオード。Zガンダム......出ますッ!」

イチカとラナロウの乗るセイバーガンダムとZガンダムは発進後、飛行形態に変形し、行動する。

『いいか、今回の目的は「アプロディア」と名乗る人物の真意の確認だ。もし何もなければ速やかに帰還し、この宙域を離脱する。いいな』

ゼノンの通信を聞くと頷く三人にアーガマから警告が出される。

『熱源接近!光学カメラがMS部隊を捉えました!!戦闘宙域突入まで0056です!!』

通信からMS部隊が接近していることを知ると三人に緊張が走る。

イチカ達が肉眼で確認したMSは緑のカラリーングにピンクのモノアイを持つザクの様な機体その中に紫を基調とした機体があった。

「ネオ・ジオンかッ!」

「しかもあのシンボルマークは...袖付き!!」

「待って!まだ来るわ!」

先に来たギラ・ズール部隊の後から赤い機体がイチカ達の目の前に現れる。

「ガンダムタイプが...複数だと!?」

「そちらから「箱」に関する信号を確認している。素直に渡してもらえるとありがたいのだが」

イチカ達は指定されたポイントに来るように言われただけで赤い機体―――シナンジュに乗るフル・フロンタルの言う「箱」の意味が分からなかった。

「スペースノイドの自治独立の為に世界を変えなければならない」

フロンタルはそう言うとイチカに接近するがフロンタルはアーガマからの援護射撃を回避しながら撃ち落とす。

「当たらなければどうという事は無い」

全て撃ち落とした所でイチカが接近する。

「何が目的でここに来た!!」

「君は信じるか。未だ見たことのない、中身も定かではない「箱」の中身を。世界を覆せるほどの力が秘められているのなら私達はその力でこの歪んだ世界を変えたいのだよ」

イチカとフロンタルはビームサーベル幾度となくぶつかり合うとイチカのZガンダムにビームサーベルを突き立てる。

「チィッ!ビーム・コンフューズ!」

イチカは後退しつつ、ビームサーベルを投げつけると先程、投げつけた回転するビームサーベルにビームライフルを連射し、ビームを拡散させる。

「えぇい!...ッン!」

フロンタルは回避行動を取ると先ほどまでいた所に高出力のビームが過ぎていく。

白いユニコーンの様な機体がフロンタルの前に立ちはだかる。

「そんな...力だけで世界を変えたって何も意味が無いんだ!」

ユニコーンガンダムの各所が展開していくと赤いサイコフレームが露出し、一本角は黄色いV字アンテナになり、「ガンダム」に姿を変える。

「そうだ!正しい戦争なんて無い!戦いが起こればまた関係の無い人が傷つき、悲しみそして沢山の命が消えていく!そんなことはあっちゃいけないんだ!!」

イチカはハイパー・メガ・ランチャーをシナンジュに向け、同じようにユニコーンガンダムに乗るバナージ・リンクスもシナジュに対してビームマグナムを構える。

「そうはいかねぇんだよ!」

「ハッ!」

イチカは何かを感じ取るとシナンジュを後にし、その場から離れようとすると四方八方から赤いビームが襲う。

ガンダムとは程遠いシルエットの赤い機体は背中から絶え間なく赤い粒子が放たれ、先頭の機体を追う形で現れた、ギラ・ズールとはまた違う機体は同じように赤い粒子が放たれていた。

「疑似太陽炉...」

「アロウズか!」

エリスとイチカは新たに出て来た第三勢力に冷汗をながしていた。

イチカはエリス、ラナロウ、バナージに通信回線を開く。

「エリスとラナロウさんはギラ・ズールとアヘッドをお願いします。そこのガンダム聞こえるか」

「は、はい。聞こえます」

「あの赤い機体を頼む。手強い相手だが出来るな」

「出来ると出来ないじゃない。やって見せるんです。争いをなくすためにやらなちゃいけないんです!」

バナージの回答を聞くとイチカは声だけしか聞こえなかったが確かな覚悟を感じた。

「あぁ、頼んだ。俺は――コイツを叩く!」

イチカはビームライフルを残りの機体―――アルケーガンダムに照準を合わせる。

「始めようじぇねぇか。ガンダム同士によるとんでもねぇ戦争ってヤツをよぉ!」

アルケーガンダムのパイロットであるアリー・アル・サーシェスの言葉を聞いたイチカはサーシェスに対して激しい怒りを覚えた。

「なんでそうまでして戦争がしたいんだよ!!」

「俺はタダ、戦争が好きで好きでたまらない、人間のプレミティズムな衝動に準じて生きているだけなんだよ!!」

「なんだと...」

「それにお前だって戦争をするための兵器を振り回してるのにいい子ちゃんぶってんじゃねぇぞ。えぇ、ガンダムさんよぉ!!」

バスターソードとビームサーベルの斬り合いの中イチカはこの男だけは生かしてはいけないと確信する。

「ふざけるなァ!何が楽しくて戦争なんてしようとするんだよ!そんな事をすればまた、関係の無い人が沢山死ぬんだぞ!」

「それが戦争の醍醐味だろ!それに俺は戦争屋だ。戦争屋が戦争しなくて何をするんだよ!行けよ!ファング!!」

サーシェスはGNファングで攻撃しようとするが突如、現れたZガンダムを覆うオーラの様なモノによって防がれる。

「なんなんだよ!なんなんだよあれはァ!!」

「お前のような奴は屑だ!無暗に人の命を奪おうとするお前は生きてちゃいけないんだ!!」

Zガンダムを覆うオーラに危機感を持ったサーシェスは戦域を離脱しようとする。

「ここからいなくなれぇぇぇぇぇ!!!」

Zガンダムが持っていたビームサーベルのビーム部分が肥大化し、過剰ともいえる出力のビームサーベルでアルケーガンダムに叩き気斬る。

アルケーガンダムが撃破され、周囲に黒煙が立ち上ると其処から一機の小型の飛行機の様なモノが飛び出る。

「この借りはいつか返すぜぇ」

それはアルケーガンダムに搭載されてるコア・ファイターだった。

追撃はせずに一端エリス達の元に戻る。

「エリス!ラナロウさん!大丈夫ですか!?」

「あぁ、これしきどうという事無いぜ!」

「こっちも大丈夫よ。それよりもあのガンダムは大丈夫かしら?」

イチカ達はバナージの事が気になり、バナージの所をへ向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

「箱に関する手掛かりも分かった。ここは撤退するぞ。アンジェロ」

「了解です。大佐」

イチカがバナージの元に着いた時にはフロンタルが撤退を開始し、始めた時だった。

「終わった...のか」

「あぁ、これ以上の戦闘は無いはずだ」

ラナロウの言葉を聞くとユニコーンは元の一本角に戻る。

「戦闘はあったけど特に変わったことはなかったわね」

「そうだな。そこのガンダム援護感謝する」

「いいえ、俺はただやるべきことをやったまでです。それと名前を聞いていいですか?今後、また一緒に戦うかもしれませんから」

「俺の名はラナロウ・シェイダーだ」

「エリス・クロードよ」

「イチカ・ギルオードだ。よろしく...えぇと」

「バナージ、バナージ・リンクスです。イチカさん」

「あぁ、よろしく。バナージ」

挨拶を終えたイチカ達は帰還しようとするが彼らに異変が襲う。

耳に響く鈴のような音が鳴り響く。

「な、なに!」

『ワールド・シグナルが急激な波動に変わって世界を揺らし始じめました!!』

「世界が......揺れる...」

「人類の...!この世界は...!」

だが、鳴り響いていた音が止むとワールド・シグナルが止まりだす。

「とまった...のか」

「でも...どうして急に」

地球をバックに聖母を思わせる女性が姿を現す。

「この世界は......偽りの世界。ワールド・シグナルによって欺かれた世界です......。私はアプロディア......。世界を正しき方向に導く者......。」

イチカ達はアプロディアが言う意味が理解できず、ただ静かにきくだけだった。

「警告します。ワールドシグナルを止めるのです。そして、シグナルと共に世界を駆け偽りの世界を変えていくガンダム。その名は―――ハルファスガンダム。不死鳥の姿を持ち争いを生む悪魔の名を持つ黒い不死鳥」

イチカはアプロディアの言う特徴の機体と類似している機体に見覚えがあった。

色こそ違えどそれはイチカの師であるマーク・ギルダーが乗るフェニックスガンダムと同じ特徴を持っていたからだ。

「それは今、悪意のある者たちによって目覚めようとしています...。その力を悪意のある者達に委ねてはなりません。ハルファスガンダムを止めるのです。そして、この世界は......。」

突如、ガラスが砕けるような音がすると世界全体に緑色が広がっていた。

「この世界は...これからどうなるんだ......」

これが壮絶な戦いの始まりだった。

 

 

 

 

 

 

 




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