Fate/deep diver ~天月の逆杯~ 作:幻想の投影物
最近忙しすぎて日曜以外に時間がとれませんでした。
とにかく書いたので、どうぞ。
「聖杯戦争を脱出する…? 貴方は、自ら挑戦権を捨てると、そう仰るのですか…」
「観測の願望機。全ての情報を記録する聖杯、それがこの
「……貴方には少しばかり、興味が持てていた」
四回戦も三日目。
ばったりと廊下で出会ったアンリとレオナルドの二人は、いつものように気軽に声を掛け合っていただけ。だが、アンリが聖杯戦争の事に話題が移った瞬間に「降りる」と発言した瞬間、レオナルドの瞳には既にアンリの姿が消えていた。
その瞬間理解する。これは、向けられ慣れた失望の表情だと。
「貴方が持つ聖杯も戯言とは思えません。ですが、“己の全てを賭けた戦いから目を背ける”と言うのなら、僕は貴方に最早何の感情も抱かない。ですが、貴方の言葉だけは受け取っておきましょう」
「……」
「言いましたよね、“停滞した人間はただのヒトでしかない”と。ならば僕が実行するのは停滞し、管理された人間達から生まれる“幸福”。貴方の道は人類としては正しいが、全てが充足した人として生きる事が何よりもの幸せである事は大昔から史実にも語られています」
「流石に変わらねぇ意気込みだ、無意味とも言えねぇあたりが本物か?」
「ええ。本物と貴方が認めるからこそ、貴方は僕の道程を籠の外から見ていると良いでしょう。しかし、管理によって幸福に満ちた世界へ貴方が訪れる事は無いかもしれませんが」
「…ハッ!」
鼻で笑う。それも盛大に、両手を広げて。
常に実体化し、傍に控えているガウェインが剣に手を掛ける様子が見えたが、それでもアンリは止まることが無い。
「断言しよう。
「ッ、貴様ァ!」
「ガウェイン! どうしたのです、貴方らしくも無い」
「……は、申し訳ありません」
先ほどで分かっているだろうが、アンリは二つの挑発を織り交ぜた。
一つはとある末路を語ったTRPGの話を。一つはある騎士王の過去を。
ガウェイン卿はアーサー王に仕えたことで知られている。それは聖杯戦争に参加している以上知らぬ者はだれ一人いない程の真実。故に、「この世界」でアーサー王が言われていたとある言葉を知っていたアンリは、わざと激昂させるために挑発を掛けたのだ。英霊となる程の人物から自分に向けられる負の感情は、全て彼の力へと還元されるが故に。
それらの行動も結局は、レオナルドの冷静な判断で無駄になったわけではあるのだが、ガウェイン卿はアンリの行った侮辱を決して忘れはしないだろう。
レオナルドが最早語る事も無いとアンリに背を向けて何処かへ去って行った時、初めて自分の近くには誰もいない事を知った。これまではキャスターであったりありすが常に隣に居てくれたが、キャスターはラニへの対応をし始め、ありすは毎日のように綾乃の所へ遊びに行くようになっている。
聖杯戦争からの脱出が確実だとは言えないが、この状況は何かの不安を掻き立てるような気もしたが、もしそうならば望むところである。元より、新たな世界に渡る事になれば、また独りで一から始めざるを得ないのだ。
「あーあ、寂しいねぇ……」
それでも本音は隠しきれない。
何かしら人の負が無ければならない。逆にいえば人がいなければ存在しえない特性のアンリは、生きた人間とのつながりが無い現状に多少の嘆きを呟きながらもカラカラと笑い続けるのであったとさ。
「綾乃お姉ちゃーん、遊びに来たよー…?」
いつもの場所に居るだろうと胴着に着変えて弓道場に遊びに来たありすは、閑散としたその場には目的の人物がいない事を確信する。アンリと過ごしていると、マイルームの中の何処にでも文字通り生えてくる出現方法をとる姿を見て何度もびっくりする体験をしていた。そのせいか、随分と人の気配を読むことに慣れてしまった彼女は綾乃が此処に居ないのだと、容易く判断する事が出来たのである。
単に迷惑な話なのか、寧ろ暗がりからの不審者に備える力をつけた事を喜ぶべきなのか。とにかく言えるのは、横着なアンリと言う人物は反面教師にするべきとの点だけだろう。
「……いないのー…?」
―――いないのー……
それでも声を掛けたのは、幼さからくる人肌の恋しさだろうか。
そんな行動の結果は誰もいない弓道場に彼女の声が反響するだけで、尚更孤独感を引き立たせてしまう。がっくりと肩を落としたありすは、しかし、不意に辺りを見回し始めた。目当ての物を探し出すと、自分のサイズに合わせてあるそれを着込み、弱い力でも引ける練習用の弓を引っ張りだした。それらをしっかり教わった通りにセットすると、綾乃がプログラムで調整した、標準よりも近い的がある場所で狙いを付ける。
「え、と…足踏み……胴造り、弓構え」
決して外さない、という気持ちを保ったまま腰のあたりに弓を移動させ、矢を番える。静かにリラックスしながら先を見据え、矢を番えたまま両手を同じ高さに上げた。なるべく同時に手を動かすことを意識しながらゆっくりと開き、また手の高さを同じ位置へ維持しながら無心へと移行。ふわりと手を離し、番えた矢は彼女の弓から解き放たれる。
音を裂き、僅かな空気の抵抗を受けながらも真っ直ぐに放たれた矢が的へと道を切り開いていく。幼い彼女ではあるが、この短期間で綾乃の動きをほとんど完全に模倣できていた事で矢が失速する事は無かった。
そうして一秒そこらの時間で飛んだ矢は―――的を素通りした。
「あ……」
だが、流石に動きを真似ても当てるとなると別の問題だ。的の横を過ぎて行った矢は失速し、重力に従って地面にカラカラと転がっていく。その動きが完全に収まった時には、既に矢はジャンクデータとして姿を消していた。
肩を落としている彼女がアリスの面影を無くした胴着になっているのは、この時ばかりは綾乃に教わるただのありすとして意識を切り替えているからであった。勿論、アリスという存在を過去の物としているのではなく、あくまで彼女も一個人としての行動だと言う現れに過ぎない。
前までの様に一つの事に執着し続けるのもいいが、それ以外の事にも関心を向け、知識を深めて満足した後にまた次へ。そうして好奇心から知識を得て行くことでは成長していく。彼女もまた、終わり、停滞を経験した
ありすと言う少女が死んでいる。この事実は変えようがない。だからこそ、この別離された空間での自由を与えるために、アンリは彼女の体を残した。ありすもアンリの聖杯の中に吸収された無数の魂と同じ存在でしかない。殺して、体を持ち帰る必要はなかった。
結局、この世界を出て行く時にはありすも消えるのだ。
先延ばしにした時間を楽しんでいるしかない。蘇る事は決してない。
何度も言うが、アンリは「魔法使い」でも何でもない。ただの戦うための英霊の姿を望んだ彼には、既に死んだ人間を生き返らせる方法は無い。蘇ったように見えても、それはアンリの泥を借りて体を作っただけの「宝具」なのだ。
子を成し、体が成長し、老衰する事も出来ない、単に知識と経験ばかりが積み重ねることを可能とする存在。アンリと言う一つの器の中で、無数の魂と情報を交信する幽霊。
分かっているのだ。分かっていたのだ。
アリスも、ありすをアンリに託したのは同じ「死人」だったから。
アンリもまた、自分の泥で実体がある肉体を持っただけで、他に収めている魂と何ら変わりのない不定形な存在。単に全ての魂と精神達の中で泥の操作の最優先権を持っているだけの人格。
「…う~」
若干自身があったからこそ、涙目でありすは無念を表した。
しかし一度の集中で精神を使い果たしたのか、思いっきり息を吐いて弓道場に仰向けに倒れ込む。その音が室内に響き渡り、持っていた弓の橋が地面と当たって硬質な音を立てた。
「あ、あわわ…!」
急いで弓を横に倒し、折れないように体勢を整える。これを作るのに三鼓綾乃は貴重な時間を半日もかけてくれたのだ。自分では修復できないからこそ、必死になって弓を守ろうとした行動は何とか功を成し、自分がべちゃりと倒れ込む被害を受けたものの、体に合わせた小ぶりの弓に損傷は見られなかった。
「ありすちゃん…? ちょ、大丈夫なの」
「あ、お姉ちゃんだ」
「そんな場合じゃないってば! 大丈夫? どこか怪我とかしてない?」
「うん、平気だよ! 弓も壊れないようにまもったの」
「このお馬鹿っ…君が怪我しちゃう事に比べたら、弓くらい幾らでも作るからさ…! とにかく、無事でよかった……」
「…ごめんなさい」
謝りながら、ありすはぎゅっと綾乃の手で抱きしめられた。
知り合ってから僅かな時間しか経っていないと言うのに、本気で心配してくれる綾乃の姿にありすは心底申し訳の無い気持ちになる。同時に、ずっと騙し続けている罪悪感もがありすの心を蝕んだ。
当然なのだが、事実を知らされていない綾乃は本気でありすと一緒に現実世界で再会できると思っている。しかしアンリがありす達を連れてこの世界を出て行った時、彼らは魂だけの状態となって時空の狭間に投げ出される。そして次に戻る時には聖杯戦争も集結しているだろう。
そうなっては、既に行った事のある世界か、アンリを呼び込んだ世界にしか移動できない彼では「此処の現実世界」に行く事は出来ない。別れが同時に一生の別れにもなるのである。
「…
「へ? あ、ごっごめん! ちょっと強く抱き締めすぎちゃった」
「ううん。別にいいの、だってあたしは……」
思わず言いかけて、言葉が淀む。
ありすが何かを言うのかと思っていたのだが、途中で言葉を詰まらせた事に綾乃が首をかしげる。
「あ、この前の不思議な言葉の続き? ありすちゃん時々ユニークな事言うから…。あ、分かった! もしかして、事前に考えて来てるんだ」
「違うの。ごめんね、違うのよ、お姉ちゃん」
必死に取り繕い、思わずアリスからもらった大人の面がはみ出してきた。
未だ自分の中で生きているナーサリーライムの大きな欠片。子供に読み聞かせる話でありながら、その実大人が考えた知的で壮大な物語。そこにつぎ込まれた知識は大人の意識を介入させ、ナーサリーライムの変化の幅を広げている。
その片鱗を貰い、老若男女の魂が渦巻くアンリの元に下ったありすも子供では知りえない程の知識をその身に秘めていた。普段の幼い言動も、肉体の都合上で魂と精神が肉体の年齢に引っ張られているに過ぎない。
いつまでも子供で、だからこそ歪な存在であるありす。
親しい人の近くでは、そのボロが零れる確率も高い。
「……そうなの?」
「うん。…あ、あたし…今日はもうお兄ちゃんのトコに帰るね。さっきも矢があたらなくて、集中できそうにないから……」
「う~ん、じゃあ弓道以外にお姉ちゃんと遊んで行く? 私ならいつでも付き合うけど」
「ごめんね、あんまり何度も綾乃お姉ちゃんのトコ行ってると、お兄ちゃんとお姉ちゃんが心配するから……」
「あ、ちょっ」
シャン、と鈴の音が鳴る。
一瞬にしてありすの姿は消え去り、その場には
少しさびしげに笑った綾乃に、アーチャーは小さくため息を吐いた。
「気に病んでも仕方あるまい。あの童子には本人の理由があるのだ」
「そうだけどさ……私だとそんなに頼りないのかー、って思って」
綾乃も外見上はありすより年上。それに子ども好きな性格から分かるように、聖杯戦争に参加する前の現実世界では、戦争孤児を引き取った孤児院で働いている身だ。そんな経験に溢れている彼女にとって、ありすに拒否される事は普通の人よりも大きなショックを受けてしまう。
それでも、沢山の子供を相手にしているだけあって、彼女の考えている事は少しばかり理解している。孤児院に来る前は大人にならざるを得なかった子も多く、ありすと同じ目をした子たちを見て来たのだ。
「いないから言うけどさ。ありすちゃん、誤魔化し方が子供っぽくないよ?」
「やれやれ、本当に無意味であろうに…」
「いーの。私だってほとんど自己満足なんだから」
まったく、と苦笑したアーチャーに綾乃は寂しげな笑みを向ける。
その後しばらくして、弓道場には矢の突き刺さる音が聞こえ始めるのだった。
アンリが夕食の準備を進めていると、端末が鳴り響いて鍋の上に現れた。
「っおぉぉわぁっ!?」
ギリギリで新たな腕を首元から生やして受け止めると、残る五本の手で鍋と焼き魚の面倒を見ながら端末に送られてきた情報を閲覧する。するとそこには、セラフからでは無い個人からのメールが来ていたらしい。
「あれ、どうしましたご主人様。ってか少し肘が当たって痛いんですけど…」
「ヤベ、手先以外の制御が凄い事になってたか。つうかメール来たらしい。
「はぁっ!? あの奇天烈生物なんでご主人様のアド知ってんですか! てか羨ましい!」
「いや、お前さんはいつでもどこでも通話可能だろうに」
「はっ…そ、そうでしたね」
何を言っているんだと従者に冷たい視線を送った後、内容を確認する。内容はランルーくんの狂気じみた気配が文脈にも表れており、短く「アリーナ キテヨ」とだけ書かれていた。
「ラニ嬢ー、ありすと先に飯食っててくれ。対戦相手からお呼ばれかかっちまった」
「構いません。しかし律儀に応じる必要はあるのですか? 呼び出したと言う事は罠が待ち構えている可能性が高い。貴方が危険を冒してまで単身乗り込む必要性が無いと思われますが」
「あー、いいっていいって。ありす、留守番頼んだぞ」
「はーい。行ってらっしゃい、ふたりとも!」
手を振って送り出してくれた二人と目前に待ち構えた夕食に後ろ髪を引かれながらも、行動を始めるマスターも多くなってきた夕方の校舎へとアンリとキャスターは歩き始めて行った。そして道中何事もなくアリーナの入口に辿り着くと、逆立ちしながら壁に寄り掛かっているランルーくんと、実体化したままのヴラド公が待ち構えている。その隣を別のマスターがそそくさと通り抜けて行ったが、そちらには目もくれていない様子だった。
「キタ、キタ、オヒサシブリ」
「たった一日じゃねぇか。久しぶりも何もないと思うんだがな」
逆立ちの格好を保ったまま平然と話しかけてくる様子は不必要な程に不気味だったが、そんな事に気を使っていたら殺人なんぞ出来ていない。ランルーくんの奇怪な行動を華麗にスルーしながらアンリが言葉を返すと、彼女の仮面の下にある目は嬉しそうに細められた。
「ウン、イマハスゴイオナカヘッタ。ランルークン、トッテモトッテモウレシイヨ! サンネンブリナンダヨネ、オイシイモノ、タベモノ、アイシテタベルンダヨ!」
狂気的に笑うランルーくんに深いを示し、キャスターは霊体化しながらアンリの耳元で悪趣味、と小さく呟く。そうして黙っている事をランルーくんに圧倒されたと思ったのか、ヴラド公…ランサーが盛大に笑いながら大声を張り上げた。
「おお…惨たらしい。主よ、なぜこのような非業をお許しになられたのか! 愛する物しか口に出来ぬ我が妻へ、このように純粋な在り方である我が妻へ! このように惨たらしい運命を課すとは信じられん! だがこの姿こそ真の信仰! 真の愛に他ならぬ! 誰が、誰がこの愛を笑う事が出来る! そうは思わぬか、キャスターのマスターよ!!」
「知らねぇよ。つうかクラス名は流石に見抜くのか」
「黙れェ! 貴様は何故この愛を分からぬのだ! この気高き精神を前に、我が信仰の全てを以ってして至らぬ極地へ至った我が妻に! 貴様は捧げる事の身を好しとせねばならぬと言うに!?」
槍を構えてアンリの喉元に突きつける。それでもルールの事は頭の片隅に残っているのか、この月のサーヴァントとして召喚されているからかは知らないが、アンリの首にその切っ先が突き刺さる事は無い。
ランサーの奇跡的なまでの寸止めの技術で、穂先は停止されていた。
「ランサー、ショクヨクモワイタシ、モウイイヤ。キテクレテアリガト、ジャアネ」
「ふはははは! 我が妻よ、やはり無欲なその精神は気高き哉! 必ずや、必ずや貴女の満たされぬ
ランルーくんに片手を引かれながら、ランサーは途中で演説を止めることなくフェードアウト。最後までその視線は殺気に満ちてアンリを見据えていたが、見えない所に消えた途端に殺気も何もかもが消え去った。執着しているであろうランルーくんの前では、捧げるべき獲物が無ければトチ狂った愛の言葉を捧げ始めると言う事らしい。
まさしく紐が切れた時の様な空気の代わり様に、アンリはどっと疲れた様子を隠そうともせずにキャスターへ苦笑いを向けていた。
「えっとぉ……お疲れ様です」
「そう思うんだったらあのサーヴァントさっさとぶっ飛ばしてくれ」
「準備できれば何時でもどこでも!」
「せめてアリーナか決戦場な?」
主からの直接命令に喜び勇んで耳としっぽを動かし始めたキャスターをどうどうと諌めると、濃い人物ばかりが集まる物だと笑みを浮かべる。ただ一つ言える事は、やはり他の人が隣に居るとそれだけでうれしいと言う事だろうか。
孤独を恐れる英雄なんて、実に馬鹿らしい存在だと自分でも思うのだが本当に英雄ではなく、単にアンリ・マユの経験を神の手でさせて貰ったに過ぎない自分にとってはおあつらえむきの弱点だと納得もしている。
形を崩せば人ですら無い自分がこうしてパートナーを得ること自体が幸せなこと。救う、と言った名目で実際は死人のままのありすが近くに居る事は幸運なこと。そして、聖杯を諦めきれていない筈のラニが自分の陣地で文句ひとつ言ってこないのは予想外のこと。
いくつもの偶然に囲まれて、幸せすぎる囚われの現状がどうにも恐ろしくて、この考えている策が失敗するフラグじゃないかと不安になる。だが、自分が負の感情を持っていても仕方ないと無理にでも明るく軽い面を表に捻りだす。
「んじゃ…じっくり部屋に戻って飯でも食おうぜ、キャスター」
「はい。油揚げの味噌汁が楽しみですっ!」
「ここんとこ連続で同じだが…飽きないのか?」
「それを飽きるだなんて、とんでもないっ」
「さいで。お前がいいならそれでいい、か」
カッカッカ、と老人の様な笑いをこぼしながらも帰路についた。
平和すぎる日常に聖杯戦争というスパイスが少し気になるが、それでも前の世界よりはずっとマシな現状には、自然と笑みばかりがこぼれてきてしまう。それを誤魔化すようにキャスターを少し抱き寄せて撫でると、彼は笑いながら顔を真っ赤にした彼女の反撃を受け止めるのであった。
ということで、実はありすちゃんに人としての未来はありませんでしたの巻。
いや、どうやったってアンリでは肉体与えられないですから。
キャスターの宝具使ったとしても、アンリから供給されている以上「悪意」が混入してとんでもない事になりますし。敵を攻撃するためにアンリから魔力供給するならいいんですが、人を治したりするための魔術を使う時にアンリからパスを使おうとすると、逆に治療が破壊に変わるんですよ。
都合のいいことなんてない、ということですね。正にきのこワールド。
それでも、生きている限りは色々と「嘘」ついて何とかなるんですからほぼチートですよね。
そういうことです。
皆さんも生きていますから、良くあるような自殺には向かわないようにしてください。
死んだら自分の意思もなくなって、真っ暗になって、何も考えられなくなる。
それどころか物理障害で死ねば痛みにもだえながら最期を遂げる。
苦しみがあるんです。死は他人を成長させるかもしれませんが、本人はただ物言わぬ肉塊になるだけ。
死んだら何の意味もありません。
いやぁ、少し自分達の中に臆病で、死が怖すぎるって言ってるのがいるんで、少し吐き出しちゃいました。でも、一生涯付きまとう問題ですよね。
長々と失礼。これにて御免。人物の設定に関しては、一応最大限救いのある設定ですからあしからず。