極上生徒会 極上な戦い   作:レジェンド二世

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第4話 「リベンジ!逆襲の強盗」

「プッチャン!!」

 

 

「悪かったよ……。やりすぎちまった……」

 

 

 プッチャンの気持ちも分からなくはない。極上生徒会は、住む場所が無くなったからと言って、簡単に入れる組織じゃない。生徒会メンバーになるには、才能や能力などが無ければ入る事は出来ないのだ。

しかし、りのは、才能や能力などが関係なくメンバー入りしたのだ。しかも会長の一声でな。多分、クラスメート達が、寄って集ってりのを質問攻めにあった事がプッチャンからのイラつきから見て、そう予想できる

 

 

「亮。あれが蘭堂りのの力か?」

 

 

「まぁ……そんなところだ。取りあえず、新メンバーのりのをよろしく頼む」

 

 

俺は奈々穂の問いに曖昧な返事で返した。まだ詳しく話す事は出来ない状況だからだ。

たとえそれが仲間であってもな。

 

 

「よろしくお願いしますわ。りのさん」

 

 

「蘭堂が三人居ては、上の名前では混乱するので下の名前で呼ばせてもらう。よろしく頼むぞ。りの」

 

 

「はい!よろしくお願いします!」

 

 

 久遠と奈々穂がりのに歩み寄り、改めて握手を交わす。すると極上メンバーがどんどんりのの元に歩み寄っていき、それぞれ、握手を交わす。りのも満面な笑顔で受け答えをする。俺も取りあえず一安心だ。

 

「そういえば、メンバー紹介はどこまでやったんだ?」

 

 

「えっと……まだ副会長さん達しかしてない」

 

 

「そうか。じゃあ……」

 

 

「亮さん!聞いてください!また今月の予算が~……私」

 

 

「はいはい。りの、彼女は会計の市川まゆらだ」

 

 

「よろしくお願いします。まゆら先輩」

 

 

「よろしくな。会計姉ちゃん」

 

 

市川まゆら。高校二年生。主に生徒会の会計やその他経理などを担当している。なので、お金になると少々うるさいのはあるが、その原因は遊撃や隠密が余計な予算などを勝手に使うためだ。そのせいでどれだけ、まゆらの泣き言を聞いているか。ちなみに計算に使用するのは算盤のみで、パソコンなど電卓などの機械類はまったくダメである。コンビ相手は毛利英明

 

 

「よろしく……」

 

 

まゆらは予算足りなさに目眩をして、足元がふらついていた。その時コンビ相手の毛利英明がまゆらの肩を支える

 

 

「大丈夫か?」

 

 

「ええ。大丈夫よ……。毛利君」

 

 

「そうか」

 

 

そう言うと、英明は、黙々とテーブルの椅子に座り、ノートパソコンを開き、自分の業務の仕事をしていた。

 

 

「相変わらず仕事熱心だな」

 

 

「あの人は?」

 

 

「彼は、私のコンビ相手の毛利英明君よ。同じ会計なの」

 

 

毛利英明。高校二年生。まゆらと同じく生徒会での会計が主な仕事である。英明はまゆらと違い注意もしなで、ただ黙々と生徒会の生計など組み立てたりしている。普段も笑顔など怒ったりしないので、こいつが感情的になった顔などは見たことはない。コンビ相手は市川まゆら。

 

 

「何か変な兄ちゃんだな」

 

 

「失礼だよ!プッチャン!」

 

 

「あ!私も修正しなくちゃ!あの設置費から―――」

 

 

と言いまゆらは別のテーブルの方に行き、テーブルの上に算盤を置き、計算を開始した。

 

 

「面白いだろ?あの隅っこでババ抜きして遊んでる二人組は、赤い髪の女性がシンディ真鍋で、茶色いドレッドヘアーの男がクリス有馬だ」

 

 

シンディ真鍋。高校三年生。日本人とアメリカ人とのハーフだ。極上生徒会の車両部に所属し、主に車の運転などをしている。普段は無口で「オゥ」という一言しか言わない奴だ。広い場所が苦手なためか日常生活も車の中で過ごしている。よく車を壊してはまゆらに怒られているがな。コンビ相手はクリス有馬

 

 

 

クリス有馬。高校三年生。アメリカ人と日本人のハーフであり、シンディとは幼馴染である。所属は車両部であり、クリスはシンディとは逆でよくしゃべる奴だ。おまけにダンスなども得意である。クリスの車はクリス好みに改造された車ばかりで、クリスのドライブに付き合った者は地獄に行くとも言われている。中々ファンキーな男だ。コンビ相手はシンディ真鍋

 

 

「ヘイ!シンディ。今度はお前の番だぜ!」

 

 

「OK」

 

 

俺とりのは仲良くババ抜きをしてる光景をしばらく見ていた。その後、奏と玲子が会場へとやってきた。そして、奏は早々にマイクの前に立ち、歓迎会の始まりの言葉を掛けた。奏が来た時点でメンバー全員が奏に注目する

 

 

「皆さん、遅れてごめんなさい。これから極上生徒会の書記となった蘭堂りのさんの歓迎会を始めます。りの。こちらで自己紹介をしてくれる?」

 

 

りのは自己紹介を済ませたのだが、歓迎会なので、やっぱりそういう流れは必要だな。りのはトボトボとマイクの前に立ち、モジモジしながら自己紹介を始める。

 

 

「えっと……その……私は……」

 

 

 

だが、その時、森の方で爆発が起こった。

 

 

「何事だ!」

 

 

「どうやら、不審者撃退用のトラップにこの前の強盗さんが引っ掛かったようでーす!」

 

 

「少々、火薬の量が多かったですかね?」

 

 

「ヒャッホー!煙が出てるぜ!」

 

 

「って!いつそんな罠造ったんですか!?」

 

 

「修正しときます」

 

 

色々すごい事になっている……まゆらは予算で泣いてるし、その相方はまた予算修正してるし、クリスはよくわからないが、テンション上がってるし、何がなんだか、そして極めつけは……

 

 

「困ったわ……」

 

 

「極上生徒会総員に告げる!今会長が困っている!これがどういう意味か分かるな!」

 

 

「極上規約において会長の妨げになる者にはそれ相応の対処を取るだったな」

 

 

そう。このやり取りはお約束のような物だ。奏が困ったと言い、奈々穂が皆に号令をかける。これこそが極上流なのだ。会長の妨げとなる者には、どんな手を使っても対応する。

 

 

「遊撃はメンバーは各自のコンビ相手と共に爆発地点へと迎え!それぞれ対処せよ!」

 

 

「了解!」

 

 

「隠密はヘリで空からの監視をお願いしますわ」

 

 

 

「え……?ヘリ……?」

 

 

遊撃メンバーは各自爆発地点へと向かった。空を見ると、いつの間にかヘリが森付近上空を飛んでいた。まゆらも倒れてしまい、相方の英明も予算修正をしている。強盗に対してここまでやる事か?と疑問に思うが、これが極上なのだ。

 

 

 

「私達も向かおう」

 

 

「ああ。行こうぜ。亮」

 

 

「おう」

 

 

俺と奈々穂と英介と共に爆発地点に向かう。会場には、奏とまゆらと英明と玲子とシンディとクリスと久遠と和馬。それにりのだけが残った。

 

 

「あの奏会長……」

 

 

「何かしら?りの?」

 

 

「強盗さんってもしかして、私のせいで取り逃がした強盗さんですか……?」

 

 

「どうなのかしら」

 

 

「だったら、私……」

 

 

 

             ****************

 

 

 

~爆破地点~

 

爆破地点には強盗が立ち止まっていた。遊撃も到着し、強盗の拘束しようとする。

 

 

「この前の強盗か。何でまた来たんだ? そのまま逃げてれば良かっただろうに」

 

 

 

「俺には……やらなくちゃいけないんだ!」

 

 

「どんな理由(わけ)でも、奏様が困っているの!このまま捕まえるわ!」

 

 

強盗はどうやら何か理由があるらしい。だが、侵入者に変わりはない。香は強盗に突撃する。

 

 

「これでもくらえ!」

 

 

「な!また煙玉!」

 

 

強盗はまたしても煙玉を使い、その場を逃げようとする。だが、逃げた先には、れいんと雅人が立っていた。れいんはトランプを構え、雅人は二丁の拳銃を構え強盗を降参させようとした。

 

 

「走って!逃走!エスケープなんて出来ないよ」

 

 

「おっさん。いい加減諦めて……」

 

 

「舐めるなよ!まだ手はあるんだ!」

 

 

強盗はまだ諦めず、れいん達に閃光弾を投げ、怯んだ隙に学園方向へと逃げ込む。

 

 

 

「わあ!目が眩しい!」

 

 

「中々やるね。後は頼むぜ……遊撃No1」

 

 

「!?」

 

 

「ここから先は行かせない」

 

 

 

「それ以上行くならば、斬る」

 

 

遊撃最後の難関。小百合と和宏が前に立ち塞がる。強盗も少し後ろに後ずさるが、まだ攻める威光を見せる。強盗の目はいかにも真剣だという事を察したのか小百合達も本気で立合おうとしたその時にまた見覚えのある声が……

 

 

「待ってくださーい!強盗さーん!」

 

 

「うわあ!」

 

 

森の茂みからりのが現れたのだ。見事小百合達とぶつかってお互いに尻餅をついた。小百合はメガネを落としたせいか、昔ながらのギャグみたいに3な目をしながらメガネを手探りで探す。

 

 

「わわわ!ごめんなさい!」

 

 

「これじゃこの前と一緒じゃねぇか……りの」

 

 

「小娘!来い!」

 

 

「ほえ?」

 

 

強盗はりのの腕を掴み、首にナイフを突きつける。プッチャンも反撃しようとするが、強盗は勘が良いのか、そのまま叩き落してしまう。

 

 

「その子を離すんだ!」

 

 

「だったら先を通せ!妙な真似してみろ!こ……この子が……どうなってもいいのか!?」

 

 

「な!蘭堂!」

 

 

「………」

 

 

ちょうど、俺と奈々穂達も到着する。一目見て、俺は状況を把握した。俺は静かに、強盗の前に出る

 

 

「お……おい!?何してんだ!?お前!?」

 

 

「妹を返してくれないか」

 

 

「動くな!本当に……殺すぞ……!」

 

 

「強盗……さん……間違ってますよ……」

 

 

「!?」

 

 

りのが突然口を開いた。りのがここに来た理由は、自分のせいで取り逃がした罪悪感と間違っている事をちゃんと伝えるためでもあった。

 

 

「強盗さんは悪い人に見えないです。優しい目をしてるから。だから、ナイフで人を傷つける事なんて絶対しません!だから、もう自分を傷つけるのは止めてください」

 

 

「あ……」

 

 

強盗はその時、誰かと重ねるようにりのを見た。すると、強盗の手からナイフが離れ、力が抜けるようにその場に座り込んだ。奈々穂はりのとプッチャンを保護し、俺は強盗を拘束した。

 

 

 

「理由を聞かせてくれないか? 何で人質を手放した?」

 

 

「無理に決まってる。あの子は俺の娘に似ている。だから傷つけるなんて出来ない」

 

 

この強盗は、娘が病気を治すための治療費を働きながら貯めていた、だが、小さなミスを犯し、会社をクビにされてしまった。再就職を受けるもどれも結果は不合格。最終的に強盗をする手段を取ったのだった。

 

 

 

「あんたは諦めずにここまで来たんだろ? 遊撃メンバーに対してここまで突破してきた奴なんかそう居ないぜ。なのに、その諦めない気持ちを何で他の事に使わなかった!あんたは父親だ。娘さんを悲しませちゃいけないよ」

 

 

「雛……ごめんよ……!ひなぁぁぁ!」

 

 

 

強盗は泣き叫んだ。地面に大粒の涙を流しながら、その時、奏が俺達の前に現れた。

 

 

「奏?」

 

 

「強盗さん。あなたのお名前を聞かせてくれませんか?」

 

 

「小野新一です……」

 

 

「小野さん。罪を償って下さい。雛ちゃんの事は私達に任せて下さい。治療費も払います。ですから、今は罪を償い、雛ちゃんに元気な小野さんの姿をまた見せるべきだと思いますよ」

 

 

「はい……申し訳ありませんでした……」

 

 

小野さんはほぼ泣き崩れたのか掠れた声で深く誤った。後ろにいた聖奈がすぐに隠密の仲間に連絡し、雛ちゃんの保護と治療費の支払い行った。もう歓迎会どころではないが、取りあえずは一件落着なのかな……。

 

 

 

 


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