極上生徒会 極上な戦い   作:レジェンド二世

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久々に極上生徒会のアニメを見返しましたが、やっぱり懐かしかったです。まゆらさん可愛い。


第2話 「極上へようこそ」

「悪いが先に寮へ戻っててくれ。妹の件は俺がなんとかする。」

 

 

「分かりました。」

 

 

各自、俺の指示に従い、寮へと戻って行く。そして、俺はりのに質問をしようとしたのだが……。

 

 

「お兄ちゃん……」

 

 

「りの…?」

 

 

りのは、泣きながら、俺に抱きつく。そうか。そんなに俺に会いたかったのか…。俺は優しくりのの頭を優しく撫でる。

 

 

 

「うわぁーん!もうお腹空いて、住む予定だったアパートも無くなってるし、だから、あの宮神学園を目指してたんだけど、道に迷っちゃって、そしたら、お兄ちゃん達を見つけて、でも、弱い者苛めをしてて……。」

 

 

俺は言葉を失う。そうだ。これが俺の妹、蘭堂りのなのだ。いつも、その行動が空回りして、さらに厄介事を抱えてくる。というか、弱い者苛めって…。強盗に対して失礼だろう。でもこれで、りのがここに来た理由が分かった。

 

 

「すまないな。迷惑かけて」

 

 

 

「ははは……。構わない。これがりのだからな、逆に安心したよ。」

 

 

人形のプッチャンが喋る。ちなみに言っておくが、プッチャンはりのが腹話術しているのではない。プッチャン自身が喋っている。意思を持った人形だ。というか、これで女にモテるんだぜ?人形なのに……。

 

 

 

「安心しろ。学園の近くにホテルがある。今日はそこで泊まるといい。もちろん、お金は無料だ。」

 

 

そういうと、さっきまで、泣いていたりのの顔が、満開の笑顔に変わる。そして、りのを学園近くのホテルまで送り届けた。

 

 

「お兄ちゃん!ありがとう!」

 

 

「おう。これ学校の制服だから、明日はこれに着替えて学校に来い」

 

 

俺はりのに、制服を渡し、ホテルを後にした。そして現時刻は夜の19時。そういえば、夜食を食っていない……。早く極上寮に戻って、管理人さんの手料理が食べたい。俺の頭の中はそれでいっぱいであった。猛スピードで寮に帰宅する俺だが、玄関先で隠密の二人がそこに立っていた。

 

 

「おかえりなさーい!」

 

 

「(面倒な奴らに会ってしまった……)」

 

 

桂聖奈。高校三年生。隠密部に所属している、たまにリーダーのポジションに立つこともあるが、普段は、伝令の仕事や工作作業などの事をメインに行う。購買部では、部長であるため、商品の事など色々と取り仕切っており、生徒に優しく接する。いつもニコニコしていて、表裏が分からない奴だ。コンビ相手は、竹中淳。

 

 

 

 

「強盗の件は残念でしたね。香さん達から報告は受けています。例の子の件の報告をお願いします。後で会長に報告しますので」

 

 

竹中淳。高校三年生。隠密部に所属していて、主に策を練り上げる事や罠や兵器の開発などを取り行っている。優しい顔立ちのせいか、女子の人気も高いらしい。コンビ相手は桂聖奈。

 

 

 

「俺は腹が減っている。飯の後でも良いだろう?」

 

 

 

俺がそう言い、横切ろうとすると聖奈達は、道を阻むように俺の前に立ち塞がる。どうやら、ここで報告するしかないようだ。

 

 

 

「どうやら、アパートが無くなってて、とりあえず、宮神学園を目指そうとしたところ、道に迷い、その時に、俺らと合流したらしい。勿論、ちゃんと学園近くのホテルに送ったよ。無事も確認してるし、制服も渡して明日は万全だ。報告は以上」

 

 

 

「ごめんなさいね。じゃあその事を会長に報告してきますので、本当にお疲れ様でーす!」

 

 

やっと解放された俺は、早くに食堂へ向かった。そこには、俺の料理と管理人さんこと久川まあちが待っていた。だが、こんな時間までに待ってくれたとなると、罪悪感を持ってしまう。

 

 

 

「管理人さん。申し訳ない。こんな時間まで待たせてしまって……」

 

 

 

「いえ、隊長さんもお仕事でお疲れですから、ゆっくり食べていって下さい」

 

 

久川まあち。小学5年生。この極上寮の管理人さんで俺達極上メンバーも大いにお世話になっている人物だ。極上寮の家事は全て管理人さんが行っている。さらには料理も作ってくれて、まるで大人のような子供だ。

 

 

「本当にありがとう。では、いただきます!」

 

 

 

 俺は管理人さんの料理を食べ終え、一礼をしてから浴場へと向かった。その後自室に戻って、21時にはすぐにベッドに入り就寝した。明日は、忙しくなりそうだからな……。

 

 

 

 

 

 

 

 

                 ************

 

 

 

 

~会長室~

 

翌日、俺は会長に呼び出された。俺が会長室に入るとそこには、副会長の金城奈々穂と前田英介。同じく副会長の銀河久遠と黒田和馬。そして俺の双子の妹、蘭堂玲子の姿もあった。

 

 

 

「久しぶりね。亮。元気にしてたかしら?」

 

 

 

「見た通りだよ。お前も元気そうで何よりだ。隠密の隊長殿」

 

 

そう。蘭堂玲子は隠密のトップ。つまりは俺と同じ隊長だ。俺が遊撃と隠密を取り仕切ってくれと玲子に言われたが、こいつが居たから俺は遊撃の隊長だけを推薦した。正直、面倒くさいからな。

だから現在は、俺と玲子で遊撃と隠密を取り仕切っている。俺達が居ない時は、久遠と奈々穂達がまとめる形となる。

 

 

 

「それはどうも。いい加減な遊撃の隊長さん」

 

 

 

相変わらず一言多い奴め。まぁ、これが俺達の挨拶みたいなものだ。他にも挨拶しなくてはならないが、今は本題に集中しよう。

 

 

 

 

「会長。全員揃いました。それで、本題に入りますが、今、聖奈さんが例の生徒をここへ連れてきています」

 

 

 

「ありがとう。副会長。こうやって皆が集まるのも久しぶりね」

 

 

 

奏がそう言うと、皆の顔が少し和らいだのか、自然と笑顔になる。ここ最近、トップの者同士での集まりは滅多にない。あるとすれば、会長自身が招集させる時しか、集まることはないのだ。

 

 

 

「そうですね。久々に集まれて、俺も嬉しいですよ。会長」

 

 

 

「少し日焼けなされました?玲子さん」

 

 

 

「ええ。今回はハワイでの仕事だったから…」

 

 

 

「フン……」

 

 

 

そうこうしている内に、聖奈が来たようだ。聖奈が会長室前で、例の子を連れて来た事を報告すると、俺達は、左右の壁際に整列する。準備が出来た事で、奏がどうぞと入室の許可がくだされた。

 

 

 

「失礼します。蘭堂りのさんを連れてきました。どうぞ」

 

 

 

「し……失礼します……」

 

 

戸惑いながら入ってくるりの。当然の反応だ。本人は何故呼び出されたか見当も付かないだろう。あ……こいつ俺と玲子を見て手を振ってる……。緊張感のない奴だ……。

 

 

 

 

「あなたが蘭堂りのさん?」

 

 

 

「はい……」

 

 

「蘭堂。別にお前が悪い事をした訳ではないんだ。もう少しリラックスしていい」

 

 

英介が優しくりのを落ち着かせる。りのは落ち着いたのか、少しずつ顔に笑が戻っていった。落ち着いたところで話を続ける

 

 

 

「蘭堂りのさん。あなたを極上生徒会の書記に任命します。」

 

 

 

 

「え……っと? 極上……?」

 

 

 

りのは何が何だかわからない状況にあった。いきなり連れて来られて、生徒会の書記に任命すると言われても、理解する方が難しい。

 

 

 

「どういう訳だ。書記に任命って」

 

 

 

途中で人形のプッチャンが会話に交ざる。俺と玲子以外は人形を見て、唖然としていたが、奏はそんな事をスルーし、説明を続ける。

 

 

 

「昨晩、あなた方のアパートが無くなった件について、報告は受けています。ですから、極上生徒会の書記として、入りませんか?」

 

 

 

「生徒会に入れば、極上寮という、生徒会のメンバー専用の寮を無料で住めますし、学費など免除されます。」

 

 

 

「どうするんだ? りの」

 

 

久遠が粗方の説明をするとりのは考えた。プッチャンもりのに相談する。そして、りのは俺達を見て問いだした。

 

 

 

「お兄ちゃん達もここにいるの?」

 

 

 

 

「ああ。俺も玲子もここにいる」

 

 

 

 

「後は、あなたが決めなさい。りの」

 

 

 

 

「じゃあ!書記になります!生徒会に入ります!」

 

 

 

簡単に決めたな……。だが、満開な笑みで答えるりの。その答えと同時に俺達もりのに拍手を送る。簡単な返事だったが、そんな事はどうでもいい事だ。ただ新たな家族が増えた事に対しての拍手。今はそれだけでいい。

 

 

 

「歓迎するわ。りの、極上へようこそ」

 

 

 

「はい!」

 

 

 

かくして、極上生徒会、書記の蘭堂りのが誕生した。りのも嬉しくなったのか、俺と玲子の方に来て、抱きつく。久々に会ったからな。甘えん坊な所は、昔と変わらないが……。

 

 

 

 

「(お袋……。とうとうこの日が来たぜ……。約束は果たすからな……。だが、今はこの喜びを分かち合おう)」

 

 

 

 

 

 




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