ハイネ
>『ラッキー』
>ハイネは期待をこめて洞窟の中に入っていく。
>なぜなら、この洞窟の入り口は、スティングが言っていたそれと条件が重なっているからだ。
>スティングは…
>~~~~~~~~~~~~密林にくるまでの船の上
>スティング
>『いいか、お前たちが拠点 とするキャンプ地に崖か らつたが垂れ下がってん だ。それ登ってしばらく 行くと洞窟の入口がある 。そこを入るんだ』
>~~~~~~~~~~~~と、言っていた。
>つたが垂れ下がっている。そしてそれを登るというのだから、導きだされる答えは、高台だ。
>そして高台に今いる。
>スティングが指摘していたものかはあやしいが、可能性は高い…と思う。
>そしてその高台に、スティングがいう洞窟の入り口もある。
>先制点はシンにとられたものの、ハイネも負けてはいない。
>ハイネ
>『そういえば、イャンクッ クが出るかもしれないと も言ってたな…』
>一応、これもスティングから忠告は受けている。
>しかし、『怖がっていてどうする。行かねばならんのだ』というのが、ハイネの性格だ。
>ハイネはそんなことを考えつつ、洞窟の入り口に足を踏み入れた。
>ハイネ
>『おお…』
>そこは、天井の岩の割れ目から太陽の光がこぼれる美しい空間だった。
>太陽の光があるので、本来地上でしか生えない植物が多く生息している。もちろん、群生したキノコも。
>ハイネ
>『おいおいおいおい、めち ゃくちゃあるじゃんか。 ウッハ~。こりゃ、勝ち もらったな』
>洞窟の入り口に立って見るだけでも、これだけの数が目に飛び込んでくる。
>奥に行けば、一体どのくらいあるんだ、とハイネが心を踊らせる。
>ハイネは、イャンクックが出るということ忘れて、奥へと飛び込んでいった。
>ハイネ
>『うわっ、マジスゲー』
>ハイネは群生したキノコに目を向ける。
>まずは特産キノコだ。
>群生したキノコは、あちこちにある。
>一ヶ所ずつ特産キノコを摘んでいく。
>ハイネ
>『・・・9、10っと。も う10個だよ。笑いが止 まんねぇぜ。アッハハハ ~』
>まるで、マンガの悪役のボス的なノリで、高らかに笑い声をあげる。
>一気に個数逆転。
>シン4個に対し、ハイネ10個。
>さらに周りを見ればまだたくさんのキノコたちが。
>ハイネは向こう側に生えているキノコをとるために、歩き出した。
>その時、ハイネの前に影が。
>ハイネ
>『』
>ハイネはすぐに頭上を見上げた。
>それと同時に、翼の生えたピンクの物体が降りてきた。
>ハイネはすぐに目を戻す。そして確認した。
>ハイネ
>「イャンクック」
>ハイネは即座に大剣のつかに手をかけ、後退する。
>土煙が晴れてくる。
>しかし、そのイャンクックは全く動く気配を見せない。
>ハイネ
>『ん?』
>それにさっきも『降りてきた』というよりは、『落ちてきた』という方が適切である。
>しばらく見ていると、イャンクックのピンクの甲殻がだんだん濃くなってきた。ていうか、赤くなってきた。
>ハイネ
>『血?』
>思わず、口に出る。
>イャンクックの体から多量の血が流れ出している。
>それがイャンクックの甲殻を赤く染めていたのだ。
>つまり、死んでいる。
>ハイネ
>『なんだ…、どういうこと だ?』
>すっとぼけて息絶えたイャンクックに近づこうとした時、そのイャンクックの死骸の上に、さらにデカい影が映し出された。
>ハイネ
>『』
>今度は頭上を見上げることなく後方にさがる。なんとなく、そんなことをしている暇はないように思えたのだ。
> 『ズドーン』
>と、大きな音をたて、何かがイャンクックの死骸の上にのしかかった。
>ハイネ
>『』
>ハイネはさらに後ずさりするしかなかった。
>イャンクックよりデカい。見たこともないモンスターが、ハイネの前に降り立った。
>ハイネ
>『な、なんだ…こいつ?』褐色の甲殻、巨大なハサミ、そして一番の特徴である大きく反り返った尻尾。
>見た目は巨大サソリ。
>
>※ケンくんが作ったモンス ターです。
>
>名は【針蟲セルケト】。
>ランゴスタ等と同じ甲虫種の一種。
>見た目はサソリ。
>特徴はもちろん尻尾とハサミ。
>しかし、セルケトは上位クエスト以上のモンスター。つまり“密林奥地”にいるべきモンスターであって、ここ“密林”にはいないはずなのだ。てゆーか、いてはならないのだ。
>それゆえ、ハイネもこの上級モンスター“セルケト”に関する情報は知らない。けど、一つだけわかる。
> 『ヤバい…』
>さっき血まみれになって落ちてきたイャンクックも、コイツの仕業なのだろう。ハイネはそう思うと、背筋が凍りつきそうだった。
>コイツを見れば、イャンクックなんかまだかわいいものだ、と、そう思えてくる。
>ハイネ
>『…』
>セルケトの迫力に圧倒されたハイネは大剣のつかに手をかけたまま、微動だにしない。
>もちろん、最悪の状況を回避する方法を考えているのだが…。
>ハイネ
>「…逃げ切れるか?」
>セルケトのハサミが開閉する度に、『キーン』という鋭い金属音がこの狭い洞窟の空間に鳴り響く。
>ハイネは静かに後ずさりする。
>セルケト
>『カカカ…』
>鳴き声というよりは、のどを鳴らしたような音を発する。
>しかし、セルケトはハイネを襲おうとはしない。
>ハイネ
>『…』
>時間をかけ、ゆっくりとセルケトから離れていく。
>一瞬たりとも気が抜けない状況だった。
>数分かけて、入ってきた洞窟の入り口にたどり着いた。
>セルケトは唸り声をあげ体をゆらしているものの、襲ってくる気配はない。
>ハイネ
>『よし』
>ここまできたら、と思い一気に洞窟の外へ走り出す。やはり、セルケトが追いかけてはこないようだ。
>ハイネ
>『…』
>ハイネは無言のまま、体力の続く限り、洞窟の入り口から全力疾走で走り去った。
>
>シン
>『よっしゃあ~、またあっ たぜ~』
>シンは小さな池のほとりにいた。
>そこにも群生したキノコがある。
>シン
>『よしっ、半分こえた』
>シンは、これで合計12個の特産キノコを採取していた。
>ということは、ハイネより多いのだ。
>シン
>「今ごろ、何しってかな~ 、ハイネ」
>ただいま全力疾走中のハイネのことを考えながら、キノコを採っていた。
>ふと顔を上げていると、肌色の球体がぶら下がっていた。
>蜂の巣だ。
>シン
>『そうだ』
>以前、父から蜂の巣からもアイテムが採れると聞いたことがあったのを思い出した。
>早速、蜂の巣をゴソゴソ。入手できたアイテムは[ハチミツ]。と、もう一つ。蜂。
>シン
>『あ゛…』
>当然、蜂の巣をゴソゴソしたら蜂が出てくる。
>うかつな行為をしたシンに、蜂のおしおきが。
>『うわあ』っとシンは顔を手でおおったまま、池にダイブ。
>シン
>『ふぅ~、焦った~』
>なんとか蜂を振り切ったシンは、『ランポスよりヤベェな、アイツら(蜂)』と思いながら、蜂の追撃がないことを確認した。
>そして、気がつくと、腕の中には金色に光る魚が…。シン
>『なんだ、これ?』
>シンは[黄金魚]を手に入れた。
>ま、シンにはその黄金魚がどれくらいの価値があるのかはわかっていないようだが。
>