新人ハンターの防具受け渡しが終了し、ようやく受付が解放された。
>とりあえず、受付の2人の女の子たちが背伸びする。アウル
>『やっと終わったな~』
>そうそうとアウルたちが受付にくる。
>彼らも長い時間待っていたのだ。
>受付嬢A
>『お待たせしてしまってす いません。新人さんたち の授章式があって』
>一人の受付嬢が丁寧に受け答えする。
>この受付嬢はシンたちに武具を渡した人だ。
>スティング
>『アウルも言ってたことな んだが、今年の新人、や けに多くないか?』
>緑の髪をした青年がアウルの隣に来て、受付嬢に聞いた。
>受付嬢B
>『そ~なんだよ。64人よ、 64人。例年の2倍近くい るんだから』
>男気のあるもう一人の受付嬢が、スティングの質問に応答する。
>スティング
>『64人マジかよ』
>ステラ
>『…いっぱい』
>3人のハンターがクエストを受けに受付に出向く。
>そこへ、シンとハイネも混ざるように入っていく。
>ハイネ
>『あの、クエストの受注っ てできますか?』
>横に並んでいるアウルたちの隣からハイネが声をかける。
>受付嬢B
>『あ~、はいはい』
>慌てた表情でハイネの前にくる。
>受付嬢B
>『あれ、アンタたち新人の 子?』
>青のメイド服をきた受付嬢が、ハイネとシンを見て言った。
>アウルたちの目もこちらを向いている。
>ハイネは『あ、はい、まぁ…』と首をさげながら、ぎこちない返事をする。
>受付嬢B
>『そっか。もうクエストに 出るのね。じゃその前に 私たちの自己紹介しとく わね』
>もう一人のピンクのメイド服を着た受付嬢が、この受付嬢の隣に来た。
>受付嬢B
>『私はイク。上位クエスト の受付を担当してるわ』この男気のある青のメイド服の受付嬢はイクという。ショートカットのいかにもボーイッシュな女の子だ。主に上位クエストの受付を担当している。
>受付嬢A
>『私はサクといいます。こ の集会所では下位クエス トの受付担当をさせてい ただいてます』
>このピンクのメイド服の受付嬢はサクという。
>品があって物静かで、理想の女の子といった感じだ。主に下位クエストの受付を担当している。
>イク
>『ついでに言っとくと…』イクがアウルたち3人組に目をやる。
>シンとハイネもつられて3人組に目を移す。
>イク
>『こっちの緑がスティング 』
>スティング
>『ふん』
>イクが緑の髪をした青年を指差して、紹介する。
>スティングは腕を組ながら答えた。
>本名、スティング・オークレー。
>イク
>『で、こっちの金髪はステ ラ』
>ステラ
>『ん?』
>次は金髪の少女。
>ステラは首をかしげている。
>本名、ステラ・ルーシェ。イク
>『最後に、このちっこいの がアウル』
>アウル
>『なんでオレだけ、そんな 紹介の仕方なんだよ…』イクの目線が、スティングやステラの時と違い、明らかに下がっている。
>アウルは目を反らして反論した。
>本名、アウル・ニーダ。
>サク
>『お2人とも、クエストは 初めてですよね』
>ハイネとシンはもちろんと答える。
>サクは2人にギルドカードの提示を求める。
>そうして2人のギルドカードを受け取ると、サクは受付の棚から用紙を一枚取り出した。
>サク
>『現在、あなた方が受注で きるクエストはこちらに なっています』
>と、言っても、種類は3つしかない。
>当然、どれも採取クエストだ。レベルは☆1。
>それでもシンとハイネは興味津々にその用紙を見る。そんな2人をアウルたちはなつかしく思い、かつての自分たちと重ねて見ていた。
>アウル
>『なぁ、スティング。オレ たちも』
>スティング
>『ああ、そうだな。おい、 イク。オレらもクエスト だ』
>スティングたちは要求される前にギルドカードを差し出す。
>イクも慣れた手つきでそれを受け取る。
>イク
>『ランクは?』
>スティング
>『☆8だ』
>わかってもらえてると思うが、イクにクエストを受注するということは、上位だということだ。
>つまりシンたちの隣にいる3人のハンターたちはいずれも上位レベルハンターなのだ。
>ハイネ
>「☆8?」
>ハイネは聞き耳を立てて聞いていた。
>☆8のクエストはHR6以上のハンターしか受注できない。
>HR6といえば、一流と呼ばれるレベルなのだ。
>HRとクエストの難易度については、後に詳しく説明する。
>イクはスティングから言われた☆8のクエストの一覧表の用紙を出す。
>シンとハイネが受けるクエストの種類は3つしかないのに対し、スティングたちが受注した☆8のクエストは30~40以上の種類がある。
>シン
>『なぁ、ハイネ。これでい いか?』
>シンが一つのクエストを指差す。
>ハイネは当然のごとくOKサインをだす。
>クエスト名【試練2特産キノコを調達せよ】。
>このクエストの依頼人はギルドとなっている。
>察しのとおり、初めてのクエストはギルドからの依頼の比較的簡単なクエストになっているのだ。
>サク
>『承知いたしました。クエ ストナンバー2【試練2 特産キノコを調達せよ】 でこざいますね。では初 めに契約金を徴収したい と思います』
>サクが契約金である300zを要求する。
>2人は契約金を差し出す。サク
>『え?2人ご一緒ではない のですか?』
>2人とも契約金をだすので、サクがあわてて聞く。
>シン
>『はい。2人とも別々にこ のクエストを』
>サクは2人いっしょにクエストに出ると思っていたらしい。
>サク
>『承知いたしました』
>サクはギルドカードを返却する。
>サク
>『受注完了しました。指定 地は密林となっています 』
>同時にアウルたちのクエストも受注完了したようだ。彼らは3人で行くようだが。
>サク
>『奥、右手の出入口から密 林への船が出る船着き場 がございます。では、お 気をつけて』
>サクは深々と頭を下げる。隣では『気ぃつけて行ってこいよ~』とイクがアウルたちに手を振りながら叫んでいる。
>まったく対極の2人だ。
>シン
>『スティングさんたちはど こへ行くんですか?』
>スティング
>『オレはたち密林へ向かう 』
>シンの質問に、スティングは顔を向けずに答えた。
>世間ではこういうのをクールと呼ぶらしい。
>ハイネ
>『じゃ、オレたちといっし ょですね。途中までいっ しょに行きましょうよ』ということで、シンたちはアウルたちと同じ船に乗って密林へ行くことになった。