>ツバメ
>『うへ~、なんて暑さよ~ 』
>一行は大空洞を出て、洞窟を抜け、灼熱と化した林の中を散策していた。
>もちろん、気温は嫌になるぐらい高い。
>チドリ
>『じゃ、ドスランポスは東 の海岸線にいたんだ?』シン
>『はい。危うく死にかける ところでしたよ』
>先ほど、ヤオザミの軍団に襲われた例の湖の沿岸のことだ。
>運悪く、シンとハイネはあの時にドスランポスに襲われていたため、今回ツバメとチドリに少なからず情報を提供することができた。これに関しては、運が良ったと言えるかもしれない。チドリ
>『あの海岸線を徘徊するド スランポスってことは、 さっきボクたちと戦って たヤツと同じドスランポ スだね』
>ツバメ
>『傷を負ってどこへ逃げた のかと思ってたら、ヤオ ザミ喰いに行ってたとは ね』
>あの時、シンとハイネの前に現れたドスランポスは、その前にツバメとチドリが目標としていたモノと同一のドスランポスであったようだ。
>話をまとめると、ツバメとチドリの攻撃によって傷ついたドスランポスは逃走をはかった。その後、逃走したドスランポスを見失ったツバメとチドリは、採掘をするために大空洞へと向かった。時を同じくして、逃走をはかったドスランポスは体力回復のためにヤオザミを補食しようと、湖の沿岸へと逃げ込んだ。そこでシンとハイネに鉢合わせすることとなった。あわてて逃げ出したシンとハイネは、洞窟の奥、大空洞へ逃げ込み、そこで採掘をしていたツバメとチドリに出会ったのだ。
>シン
>『ということは、あのドス ランポス、ダメージを負 っていたのか』
>ハイネ
>『だからオレたちを襲わな かったのかもしれないな 』
>チドリはシンとハイネの証言をもとに、現在のドスランポスの位置を推測する。チドリの計算によれば、おそらく洞窟内を通過中とのこと。
>チドリ
>『多分、今頃ドスランポス は、大空洞内を通過して いるころだと思うんです 。だから、洞窟の出口で 待ち伏せて、出てきたと ころを叩きたいと思いま す』
>どの洞窟からドスランポスが出てくるのかはわかっているらしい。
>そうと決まれば、早速その洞窟の出口とやらに行ってみよう。───ということでやってきました洞窟の出口。
>この洞窟の出入口は結構有名で、一般のハンターたちもよく目印として利用している。穴の幅や高さも大きく、大空洞まで直結しているので、ドスランポスの徘徊ルートにもなっているのだ。
>チドリ
>『とりあえず、地雷を設置 しておきますね』
>チドリが洞窟の少し手前に地雷を埋める。
>地雷とは、トラップツールと爆薬で調合される罠の一種。大型モンスターが設置された地雷の上を歩くと、ドカンという仕組みだ。威力は大タル爆弾Gに匹敵する。
>地雷を仕掛け終え、4人は物陰に身をひそめる。
>現れたドスランポスがうまく地雷を踏んでくれればいいのだが、そうでない場合は地雷まで誘導しなくてはならない。それでは待ち伏せの意味がなくなる。
>灼熱の太陽の下、待つこと数分。チドリの読みは見事に的中した。
>洞窟の奥に、ランポスを引き連れたドスランポスの姿を確認。
>ハイネ
>『来た』
>ツバメ
>『さっすがチドリ。読み通 りね』
>チドリ
>『ドスランポスはボクたち に任せてください』
>シン
>『その他はすべて引き受け ます』
>洞窟の向かって左側にシンとチドリ、右側にハイネとツバメがひそんでいる。
>ちなみに、ツバメとチドリの片手剣はレッドサーベル(攻撃力154火属性150)。
>洞窟の中から聞こえる『アア゛~』という鳴き声と多数の足音が、だんだん大きくなっているのがわかる。4人は息を殺し、気配を消してそれを待ち受ける。
>汗が額から頬を伝い、顎へ到達して、滴となり滴りおちる。
>シン
>『…』
>地響きとともに、ドスランポスが洞窟から現れた。
>十数頭のランポスを引き連れたそのドスランポスは、シンとハイネが砂浜で遭遇したヤツにおそらく間違いないだろう。
>ドスランポスは洞窟を抜け、そのまま直進。
>そして───
>
> 『ドォーン』
>
>見事、地雷の餌食に。
>凄まじい爆発ともに発生した爆風は、離れた場所にいたシンたち汗を吹き飛ばすほどの威力だった。
>しかし、そんな爆風に見舞われていたにも関わらず、ツバメとチドリは爆発を確認するととたんに駆け出していった。
>シン・ハイネ
>『』
>手で顔をかばっていたシンとハイネは、その2人の行為に驚く。
>すかさず、2人も武器に手をかける。
>ツバメ
>「いた」
>爆煙の中、ドスランポスはまだ健在であった。
>とは言っても、かなりのダメージを受けている。もともと、それなりのダメージは負っていたので、今回の地雷は致命傷にはならなかったものの、敵の体力もそう残っていないはずだ。
>ツバメは腰から短剣を抜いて、ドスランポスに斬りかかる。
>ドスランポスもそれに気付き、傷を負った脚で攻撃をかわす。
>ツバメ
>『チドリ』
>チドリ
>『了解』
>そこへ、チドリが回り込む。傷を負ったドスランポスの左足に炎の斬撃。弱点、効果抜群だ。
>ドスランポスはそのまま崩れ落ちる。
>ツバメ
>『とーどーめーだぁ』
>行動不能のドスランポスの首を斬りつける。
>宣言通り、その一撃でドスランポスは完全にダウンした。爆発の衝撃で首筋の鱗もハゲていたので、致命的な一撃となったのだ。
>ツバメ
>『よっしゃー』
>チドリに無理やりハイタッチ。
>一方、シンとハイネもランポスを狩り終えていた。
>ハイネ
>『ったく、手間掛けさせや がって』
>大剣を地面に突き刺し、額の汗をぬぐう。
>地雷の爆発によって、ドスランポスだけでなくランポスまで吹っ飛とんでいたので、他のランポスが逃げ回っていたのだ。
>シン
>『追撃成功』
>少し離れた場所でシンが手を振っている。
>これで、シンとハイネ、ツバメとチドリ、両者ともにクエスト成功だ。
>その後、各々自分たちの狩ったモンスターから剥ぎ取りを行う。
>ハイネ
>『スッゲー。これがドスラ ンポス』
>改めて見ると、怖い。
>今、目の前に横たわっている巨体は息絶えているが、それでも恐怖を植え付けられる。
>シンも似たような心境だ。チドリ
>『大丈夫ですよ。ドスラン ポスぐらい、すぐに狩れ るようになりますよ』
>ツバメ
>『そうそう。あたしらも、 10才の頃には狩れてたし ね』
>ハイネ
>『へぇ~、10才の時に』
>ツバメがサラッと何か大変なことを口走って、ハイネはそれを右から左へ受け流した。
>シン
>『え、10才』
>そうそう、これが普通の反応。
>日が少し傾き始めた頃、クエストを終えた4人は陽炎の絨毯を踏みしめ、ティーズへの帰途についた。