ファイナルハンターG   作:N_ローゼン

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帰還

ハイネとシン、2人とも見事初クエストクリアだ。

>ハイネ

>『まぁ、気を落とすな』

>シン

>『あ゛あ゛あ゛~』

>帰りのいかだの上。

>シンとハイネが賭けの結果を話し合っていた。

>ハイネ

>『契約金は300Zだったよな 。つまり600Zだ』

>契約金はクエストクリア後に倍になって返ってくる。2人の賭けでは、契約金をすべて渡すというルールだった。

>つまりシンが渡す金は、契約金300Zの倍の600Zだ。

>シン

>『あ~あ、仕方ないな。で も絶対勝ったと思ったの によ』

>残り時間37分で帰ってくるやつのセリフじゃない。

>ただハイネも余裕ぶっていたが、さほどシンとは変わらないのだ。

>ハイネ

>『よし、じゃ次は集めた素 材の自慢でもしようか』ハイネがポーチから何やらキラキラ光る物を出した。ハイネ

>『[きれいな貝殻]だ。換 金するとそこそこになる んだぜ』

>光っていたのは貝殻だ。

>それも7枚。

>指定の素材をクエスト中に入手すれば、クエスト終了後に金とポッケポイントに変換してくれるのだ。

>[きれいな貝殻]は1枚で100Z。

>ハイネ

>『シンはなんかないのか? 』

>シン

>『オレはなぁ…』

>シンは例の金色の魚を出してみせた。

>ハイネ

>『え?お、[黄金魚]』ハイネが目ん玉飛び出しそうな勢いで驚いた。ナイスリアクション。

>シンにはこの[黄金魚]の価値は理解できていないみたいだが、ハイネにはわかる。

>ハイネ

>『おい…、どこで手にいれ たんだよ?こんな高級素 材』

>ハイネが落ち着きを取り戻し、疑問をシンにぶつける。

>シン

>『池に飛び込んだら、たま たま腕の中に…』

>[黄金魚]は1匹だいたい相場で2500Zぐらいだ。

>場合によっては3000Zを越えることもある。

>その後、2人は初クエストの感想などを語り合っていた。

>

>集会所…

>戻ってきた。

>サク

>『シンさん、ハイネさん、 おかえりなさい』

>まずサクが深々と頭をさげる。

>シンとハイネは一瞬、2人お互いに顔を見合せ、照れながら、

>『ただいま』

>と、返す。

>早速、クエストクリアの手続きをとる。

>サク

>『お2人とも、クエストク リアですね』

>サクは2人からギルドカードを受け取り、今回のクエストクリアの詳細を記していく。

>サク

>『では報酬金の1000Zです 。それと契約金600Zをお 返しします』

>その後、2人は換金できる素材を金に返る。

>シンは合計4100Z。

>ハイネは合計2300Z。

>また、賭けによって…

>シン→3500Z。

>ハイネ→2900Z。

>となった。

>ハイネ

>『スティングさんたちは? 』

>唐突に質問を投げ掛ける。ハイネはそうとうスティングのことが気に入ったようだ。

>イク

>『スティングたちなら、10 日は戻らないと思うよ』スティングたちのクエストの受注を行った、上位クエスト担当のイクがハイネの質問に応答する。

>イク

>『セルケト狩りにいってる からね、やつら。もしか したら死んじまってるか もよ』

>イクがニシシと笑う。

>シン

>『セルケト?』

>ハイネも同じ質問をしたいという顔をしている。

>シンもハイネも聞いたことないモンスターの名前だ。イク、サク

>『え~とね…』

>イクとサクは互いにスケッチブックを取り出し、何やら描き始めた。

>待つこと60秒。

>イク、サク

>『こんなの』

>イクとサクが同時に自慢の絵を見せる。

>まずサクの絵。

>めっちゃうまい。

>特徴をしっかりとらえ、遠近法などの美術的観点から見てもかなりの代物だ。

>とても60秒で描いたとは思えない。

>次にイク。

>何これ?糸こんにゃく?

>特徴は理解できるので、なんとなくわかるものの、これを描くのに60秒とは、いささか時間の無駄というやつではないか?

>隣にサクの絵があるからかやたらに…その…『下手』というやつが目立つ。

>まぁ、イク自身、満足気な顔しているのでいいか。

>ハイネ

>『こいつ…』

>ハイネが反応を示す。

>イク

>『何?セルケト知ってんの ?』

>ハイネが黙ってうなづいた。

>ハイネ

>『こいつ、昨日見た…』

>ハイネの一言に、『え?』と声を出し、サクとイクが顔を見合せた。

>シンだけは、何のことやら。

>イク

>『ウソウソ、ありえないあ りえない』

>イクがハイネの発言を全否定する。

>イク

>『セルケトって密林奥地に しか生息しないのよ』

>それでもハイネは引き下がらない。

>ハイネ

>『間違いないって』

>隣でイクが『ありえない』を主張している中、サクの脳裏にあることが思いうかんだ。

>サク

>『ねぇイク、セルケトって もしかしてあのことと… 』

>サクの一言にイクも『あ』と声をあげる。

>サクのいう『あのこと』とに、セルケトがつながったようだ。

>イク

>『本当に見たの?』

>イクは確認するように聞く。

>ハイネも『もちろん』と答える。

>イク

>『こりゃ、ジジィに報告し た方がいいわね』

>イクがサクに同意を求めるように見つめる。

>サクもうなづく。

>それを待っていたように、イクは受付を離れた。

>シン

>『どうしたんですか?』

>シンが走り去るイクを目で追って、サクに聞いた。

>ハイネ

>『さっきの“あのこと”っ て何なんです?』

>一人になった受付のサクにシンとハイネが、“あのこと”の詳細について聞く。サクもはじめは言うべきか迷っていたようだが、ハイネがセルケトと遭遇したということからこの話になったのでサクも腹をくくったようだ。

>サク

>『昨日、あなたたちのよう に授章式そうそうクエス トに出られた新人ハンタ ーの方がほとんどだった んですが、その中の1/3 の方が戻ってこられない んです』

>シン、ハイネ

>『』

>2人にはすぐに察しがついた。その人たちはセルケトに襲われたのだと。

>特にハイネは直接セルケトと対峙しているので、その意味が重々と理解できた。シン

>『それが、そのセルケトが 原因と…』

>サクはゆっくりうなづいた。

>

>イク

>『…っつーことなんだよ、 ギル』

>イクはギルドマスターであるギルバートの部屋にいた。

>密林にセルケトが現れたということを報告しに来たのだ。

>ギルバート

>『なるほどな…、セルケト か』

>ギルバートが筋肉質の腕を組んで考え込む。

>ギルバートにも、多数の新人ハンターが行方不明となっていることは報告されていた。

>セルケト出現という答えは、確かに筋がとおる。

>新人ハンターはもちろん、そこそこのレベルを持ったハンターですら太刀打ちできないモンスターなのだから。

>ギルバート

>『ケネス、ヴァニラ、お前 たちはどう思う?』

>ギルバートはその部屋の隅で待機している2人のハンターに話をふった。

>ケネス

>『なんとも言えないな。状 況が状況なだけに』

>腰にまるで刀をさすようにライトボウガンをさしているこのハンター。銀髪のテンパが特徴。

>ケネス、ケンくんのことです。

>ヴァニラ

>『あたしは間違いないと思 います』

>同じくライトボウガンを持った、金髪のサイドテールの女の子が、ケネスの言葉に続けて発言する。

>ケネス

>『っていうか、誰なんだよ ?密林にセルケトが出た なんて、ありそうなデマ 流してんの』

>先ほどイクも言っていたとおり、セルケトは密林奥地に生息するモンスターだ。そのセルケトが密林に現れて新人ハンターを襲っている、それが行方不明の原因。

>いかにも面白い答えだ。

>イク

>『新人ハンターの子よ。ウ ソはついてないと思うけ ど』

>ハイネのことだ。

>もちろんデマやウソなんかではない。

>ヴァニラ

>『もしセルケトじゃないと しても、調査は必要よ』ケネス

>『なんでそんなにヤル気満 々なんだよ…』

>少し反れかけた話題を、ギルバートが修正する。

>ギルバート

>『いずれにせよ、早めの対 処が必要だな』

>ギルバートが横目でケネスを見る。

>ケネス

>『タダ働きはゴメンだぜ』念を押すように口走る。

>ギルバート

>『まったく足下を見よって 。安心せい。それなりの 報酬は用意しておいてや る』

>ギルバートにせかされ、やむを得ず、緊急セルケト討伐クエストを受けることになったケネスとヴァニラ。『ジジィのそれなりって、やたらと少ないんだよ…』などとぶつぶつ文句をたれているケネスを無視して、ヴァニラは快く了承する。ヴァニラ

>『文句言ってる場合じゃな いでしょ。ホラッ早く』ヴァニラにおしきられる形で、無理やりクエストスタートとなった。

>

 


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