ハイスクールD×D~スペードの切り札~   作:保志白金

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今日初めて平成対昭和のヒーロー大戦観ました。

ライトニングソニックの構えが逆だった……(-_-;)


親友の「転生」

あの惨劇があった翌日からイッセーは普通に学校に登校していた。そして、あの日から数日は経っていた。

 

「なぁ、いいかげん教えてくれよ。あの後、俺はどうなったんだ?」

 

「とりあえずのところは助かったんだ。それでいいだろう?」

 

「よくねぇよ!実は最近………」

 

イッセーの話を要約すると、あの日を境に朝がとてもつらくなって、逆に夜になると力がみなぎってくる感覚になるそうだ。実際にスタミナと体力は日中と夜中とでは雲泥の差。ということらしい。

 

やはり、イッセーは本当に悪魔として転生したのだろうか?仮に、このことを本人に伝えたとして信じるのだろうか?まぁ、いずれにせよあの先輩が何かしらの方法で説明するであろうし、今は黙っておこう。

 

「あっ!あとこれを見てくれ。」

 

イッセーは自分のケータイを俺に見せる。

 

「お前のケータイがどうかしたのか?」

 

「それが夕麻ちゃんの電話番号もメアドもなくなってるんだよ……」

 

「お前が自分で消したんじゃないのか?」

 

「それはない!絶対ないはずなんだ……」

 

ここまで真剣だと、イッセーが嘘を言っているようには見えない。しかし、堕天使の力でこんなことができるんだったら、イッセーや俺の記憶だって消せてもおかしくないはずなんだが………。

 

「まぁ、過ぎたことだ。こんなことは忘れろ。……と言っても無理かもしれないが、なるべく気にしないことだ」

 

「そう…だな。まぁ、そうしてみるよ」

 

「よしっ!じゃあ帰ろうぜ。俺が帰りに飯をおごってやるから」

 

「おっ、マジで?どこ行くんだ?」

 

「そりゃ決まってるだろ。『ハカランダ』だ」

 

「なんだよ、お前のバイト先か」

 

ちなみに、高校生になってからはその喫茶店でバイトをしている。店の看板メニューは和風黒胡椒スパゲッティだ。

 

「別にいいだろ、お前も気にいってるようだし」

 

「まぁな」

 

 

 

 

 

◼◼◼

 

 

 

 

 

 

「遥香さんこんにちは」

 

「どうも、おじゃまします」

 

「まぁ、剣君に兵藤君!いらっしゃい」

 

この店のオーナーの橘遥香(たちばなはるか)さんだ。この人に気に入ってもらえたから、ここでバイトできるようになったと言っても過言じゃない。

 

「あっ、剣さんに兵藤さんこんにちは。来てたんだ~」

 

「こんにちは、天音ちゃん」

 

「天音ちゃんこんにちは、おじゃましてます」

 

天音(あまね)ちゃんは遥香さんの娘さんで、今は小学5年生だったかな?とてもしっかり者でいい子だ。

 

「すみません、ちょっとトイレ借りていいですか?」

 

「いいわよ、別に断らなくてもいいのに」

 

「じゃあ、遠慮なく………」

 

イッセーは走っていった。よほど我慢していたのだろうか?

 

「ところで、2人はどうして今日来たの?剣君、バイトのシフトが入ってるわけでもないのに」

 

「実は、イッセーが彼女と別れたんですよ」

 

「えぇっ!兵藤さんに彼女がいたんですか?」

 

「そうね、初耳ね」

 

そう言えば、俺達以外の人達の記憶は消されていたんだった。

 

「それであいつを元気付けるために、俺がおごってやるって話になったわけです」

 

「ところで、剣さんには彼女できたことないんですか?」

 

「え?お、俺に?それは……ねぇ?」

 

「天音、剣君困ってるじゃない、話してる暇があったらこっち手伝って?」

 

遥香さんが俺のことを気づかい、助けてくれた。

 

「なんか、ありがとうございます」

 

「いいのよ、別に気にしないで。あと、そういうことだったら、今日はタダでいいわ」

 

「本当ですか?」

 

「ただし、剣君に彼女ができたら、次は報告してね?もし、黙ってたら………わかってるわね?」

 

……マジか、これは高い代償を払った気がする。

 

「ふぃー、危なかった。ん?ハジメどうした、顔真っ青だけど?」

 

「あぁ、これは……気にするな……」

 

こうして、俺達は食事をとった。

 

 

 

 

 

 

「さて、そろそろ出よう。これ以上いると迷惑がかかる」

 

「たしかにそうだな。ごちそうさまでした」

 

「今日は本当にありがとうございました、タダ飯いただいちゃって」

 

「いいわよ、またおいでね」

 

俺達は店をあとにした。

 

「………で?今の体の調子はどうなんだ?」

 

「ああ話した通りだ、自分でも気持ち悪いくらい調子がいい。あと、なんか寒気がするんだが、気のせいか?」

 

『気のせいじゃなさそうだね~、おそらくあの前にいるおっさんのせいでしょ~』

 

「だったら、ここは逃げるか!イッセー走るぞ!」

 

「お、おう!」

 

俺達は走って逃げた。たしかにイッセーの身体能力が昼間と比べると飛躍的に上昇してることが俺から見てもわかった。

 

「ここまで来れば……」

 

「逃がすと思うか?この下級悪魔め」

 

なんと、黒い翼の生やした男が俺達の前に回り込んでいた。

 

「ん?タダの人間もいるようだが、見られたからには仕方ない!まとめて殺してやろう!」

 

言いたいことを言い終えると、こっちに光の槍を投げてくる。

 

「えっ?」

 

「あいにくタダの人間じゃないんでね、変身!!」

 

〈TURN UP〉

 

発現したオリハルコンエレメントが光の槍を砕き、前にいた堕天使もはじきとばす。

 

「ぐはっ!まさかその姿はあのときの?」

 

「そうだ、俺は仮面ライダーブレイドだ!」

 

ブレイラウザーを抜き、前に構える。……しかし、

 

「くっ、これはまた分が悪い。撤退させてもらいます」

 

堕天使はすぐに飛んでいってしまった。別に今は追う必要は無い。こちらにはイッセーがいるからな。俺は変身を解除した。

 

「あなたがあの時の鉄仮面だったのね?」

 

「「えっ?」」

 

「はじめまして、リアス・グレモリー。悪魔よ。そっちのあなたはご存知のようだけど、よろしくね、兵藤一誠君と……」

 

「剣一です」

 

「じゃあ、イッセーとハジメって呼んでいいかしら?」

 

イッセーはこの急展開な話についていっていない感じで呆然としていた。

 

「どういうことだ?先輩が悪魔で?俺のことを下の名前で呼んでくれて?」

 

「まぁ、落ち着けイッセー。お前の気持ちもわからなくは無いが」

 

「混乱させてしまったかしら?明日の放課後、2人には詳しく話すわ。じゃあまた明日会いましょう」

 

そう言って、先輩はいなくなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、翌日の放課後ーー

 

「剣君と兵藤君はいないかな?」

 

同学年で別のクラスのイケメン君、木場祐斗が俺達を訪ねてきた。

 

「俺達になんか用でもあったか?」

 

「リアス・グレモリー先輩の使いで来たんだ」

 

なるほど、直接本人が来たら騒ぎになるだろうからな。そのことを考えていたのか。

 

「とりあえず、ついてきてくれないかな?」

 

こうして、俺達は木場のあとに続き歩いていった。

 

 

 

 

 

◼◼◼

 

 

 

 

 

木場の向かった先は旧校舎だった。

 

「ここに部長がいるんだよ」

 

部長?先輩のことか?

 

旧校舎内は意外ときれいで、蜘蛛の巣ひとつ見当たらない。どうやら掃除はされているらしい。

 

とか、色々考えていると、木場の足が『オカルト研究部』とプレートがかかっている教室の前で止まる。

 

「部長、連れてきました」

 

「えぇ、入ってちょうだい」

 

木場が確認をとってから、戸を開ける。

 

中は至るところに謎の文字が書かれていたり、中央に魔方陣があったりと、異様な光景が広がっていた。

 

ん?あのソファーに座ってる女の子は、1年の塔城子猫ちゃんかな?男子からも女子からも「可愛い」と評判のマスコット的存在だ。たしかにかわいい。

 

しかし、羊羮を黙々と食べていて、こっちには見向きもしない。人見知りなのか?

 

突然、イッセーがそっぽを向き、顔を赤くする。そして、シャワーカーテンが開くと先輩がいた。……今シャワーを浴びる意味が、そもそもなぜ部室にシャワーがある?

 

そうこう考えていると、もう一人の女性に気付く。あの黒髪ポニーテールは姫島朱乃先輩か。

 

いつも笑顔でニコニコしている、男子と女子の憧れの的なんだが、そんな姫島先輩と昔どっかで会った気がする……。接点は一切無いはずなのに………。

 

「全員揃ったわね。イッセー、ハジメ」

 

「「はい」」

 

「私達、オカルト研究部はあなた達を歓迎するわ、悪魔としてね」

 

「………は?」

 

イッセーはともかく、俺まで悪魔にするつもりなのか?

 

「あの………俺はこれからも人間として生きていくつもりですが?」

 

「あなたは協力者として、仲間になってほしいから呼んだの。安心して」

 

ふぅ、それを聞いてひと安心だ。

 

「それだけでしたら、アルバイトがあるので俺帰ってもいいですか?できることあったら協力するんで」

 

「そう、でもその前に改めてあなたの自己紹介とその力について教えてくれないかしら?」

 

「いいですよ、では改めて、俺は剣一。人間です」

 

自己紹介で「人間です」なんて使う日が来るとは……。

 

「……でこれが俺の武器と仮面ライダーに変身するためのものです」

 

俺がしゃべりながら、ブレイラウザーとブレイバックルを机に置く。初めて「仮面ライダー」という単語を聞いて、木場と塔城ちゃんは目が点になっている。

 

それが当然の反応のはずだが、姫島先輩は違った。急に真面目な顔をして、それらを見つめていた。

 

「実際に見せるのが一番手っ取り早いんですけど、今日は時間が無いので、次の機会にということで」

 

そして、俺は荷物を持ち部室から出ようとする。すると突然姫島先輩が立ち上がって。

 

「あの………また……来てくださいね」

 

と、言ってきた。

 

「はい!それでは失礼します」

 

そう言って、部室をあとにした。

 

 

 

 

 

◼◼◼

 

 

 

 

 

『………ハジメさんあの人のこと本当に覚えてないんですか?』

 

帰宅途中に突然、霧が話かけてくる。

 

「霧から話かけてくるなんて、珍しいな。……そうなんだよ、姫島先輩とはどこかで会ったはずなんだけど……」

 

『……忘れた………と?』

 

「どうもそうらしいんだ……。知ってるなら教えてくれないか?」

 

『最低です!ハジメさんになんて教えません!』

 

「そんな……そんなこと言わずに」

 

『知りません!』

 

「うぅ……っそうだ!鍠なら知ってるだろ?頼む!教えてくれ!」

 

『僕が教えるわけな~いじゃ~~ん』

 

「くっ……麟、嶋さんお願いします!」

 

『そんなこと、俺は知らん!!!!』

 

『ハジメ君。これも試練だ』

 

「誰か教えてくれぇ~!!!!!!!!」

 

こうして、俺のモヤモヤは晴れないままだった。

 

 




朱乃さんの口調があれで合ってるのか、怪しい(笑)

アーシアはイッセーのヒロインにしようかな?

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