「……ふぁ~あ、ん~」
眠りから覚めると、俺はソファーの上に
寝ていることに気付いた。
「ここは……」
最近見た風景だと思ったら、白井虎太郎の
住む家。つまり剣崎一真達の居候先と同じ
内装だった。
そうか。無事転生できたんだな。
とか思っていると何か違和感に気付く。
「あれ?俺の手ってこんな小さかったっけ?」
そして、ふとテーブルを見ると、置き手紙と
ブレイバックル、小型化したブレイラウザーが
置いてあった。
「えーと、なになに?」
『この手紙を読んでいるということは、転生は
成功した。おめでとう。まず、特典に関して
謝らなければならない点がある』
…ん~、なんだ?
『ひとつはラウズアブソーバーがまだ完成して
いないことだ。原作の序盤くらいにはそっちに
送るつもりだから、10年後くらいになるだろう』
なるほど…ってどういうこと?
『君は今6歳ぐらいだからな』
はぁ~、そういうことか。
『それと、もうひとつはラウズカードの一部
弱体化だ。例えば、ハートの9〈リカバー〉は
あくまで怪我をふさぐだけで疲労が無くなるわけ
ではない。それとスペードの10〈タイム〉だが、
単体での使用はできないようになっている』
まぁ、それくらいは仕方ないか。本編では
未使用だったから、使ってみたい気もしたけど。
『ただし、持っていると時間に関して一切干渉
されなくなる。つまり、時止めといった類いは
君には効かないというところだ』
それだけでも十分です、ありがとうございます。
『そしてわかりきっているかもしれないが、
この家はほぼ原作通りの白井虎太郎邸を再現
させてもらっている。唯一異なることはここが
農場ではなく住宅街に建っていることぐらい
だろうか』
まったく、この神様はどんだけブレイド好き
なんだよ。
『それと君の親なんだが、いないことに
なっている。しかし生活費の心配は無用だ。
タンスを見ればわかる』
あれか、どれどれ……預金残高スゲー。
0何個あんだろ?
『それと最後にブレイバックルとブレイラウザーはそれぞれ
ん?なんだそりゃ?
『今はわからないかもしれないが、いずれわかる。あとブレイラウザーを変身しなくても使えるようにした、君の意思ひとつで小さい状態から元の長さに変えられる』
俺が試しに振ってみると、刀身が伸びて独特な
形のあの剣に変わっていた。
『それでは第二の人生楽しみたまえ。健闘を期待している』
最後の文を読み終えると、その置き手紙は
ハート、ダイヤ、クローバーのプライム
ベスタへと変化した。
「さーて、これからどうしようかな?」
こうして、剣一としての新たな人生が
始まったわけだが……。
「……ところで、この体で変身すると
どうなんだろ?」
気になったので、前回と同じように構える。
「変身!!」
〈TURN UP〉
変身が完了すると、身長が伸びていた。
どゆこと?
「………こうなんのか」
『でもでも、時間は長くもたないから気を付けて~』
『そうだな。今の体ではせいぜい5分が限界だろう』
すると、どこからか声が聞こえてきた。
「えっ、誰っ?」
『僕はスペードのカテゴリーキング。ん~と、
『驚かしてすまない、私はクローバーのカテゴリーキング。
マジか!
「ってかなんで、しゃべれるんですか?」
変身を解除しながら質問を投げ掛ける。
『どうやら、それぞれのカテゴリーキングは封印されてても言葉を伝えられるらしい』
『そそ、そういうこと~』
……なんかなんでもアリだな、あの神様。
まぁ、話し相手ができたと思えばいっか。
「あれ?他の二人はどうしたの?」
『…………彼らは『あの二人はちょっとね~、片方はツンツンしてる一匹狼で話そうとしないだけ。で、もう一人は引きこもり。こっちは〈リモート〉のカードを使っても出てこないんじゃないかな~?』
アンデットもなんだか大変なんだな……。
『ちなみにジャックとクイーン達は〈リモート〉で召喚されていれば話せるようだな』
そうなのか、気が向いたら試してみようかな。
『ねぇ~ねぇ~、そんなことより外出ようよ~』
「確かに気になるな、よし、じゃあ行こうか。……でも嶋さん達を〈リモート〉を使って出さないといけないんですか?景色観れないし……」
『心配するな、こんなことだってできるからな』
すると、カードから光が出てきた。と思ったら
それはコーカサスオオカブトとタランチュラに
それぞれ姿を変える。……もう俺は驚かん。
『それじゃあ、レッツゴー』
「あ、おい、待て鍠!」
こうして、転生初日の時間が過ぎていった。
キングの性格を丸くしてみました。あと名前も適当ですがつけてみました。
それとパラドキサアンデットなんですが、人間体は女の子にしてみようかな?
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