微熱とサラマンダー   作:人造人間二号

8 / 13
今回の内容はサブタイトルで大体想像出来ますね。
今回、ナツは活躍しません。
これからもナツが活躍しない話も(活躍する話も)書きます。
ちなみにタグに『ナツが強い』と書きましたが、
「アースランドでもナツは強かったのに、何で今さら?」
と思っている人もいるでしょう。私なりの解釈を述べさせていただきますと、確かにナツは強いし、成長もしていますが、1人の力で勝てた強敵は結構少ないからです。
vsエルザ
完敗
vsアリア
エルザが来なければ確実に負けていた
vsジェラール
エーテリオンを食べた
vsラクサス
二人がかり+フェアリー・ロウによる大量の魔力の無駄遣いあり
vsエドラス王
三人がかり
vsコブラ
ブレインが攻撃しなきゃコブラはナツにトドメをさしていた
vsマスター・ゼロ
ジェラールの魔力を食ったvsギルダーツ
完敗
vsザンクロウ
多分、天狼島の加護が無ければザンクロウの炎を食う前に死んでいる
vsウルティア
決着はついてないが押されっぱなしだった
vs華院=ヒカル
相手の魔法+ハッピーの力が無ければ負けていた
vsマスター・ハデス
5人がかり+ラクサスの全魔力+悪魔の心臓破壊
vsマスター・マカロフ
完敗
vsアクノロギア
完敗
とアクノロギアはどうしようもないとしても、ナツが自分の力だけでは勝てなかったり、完敗しただけでこれだけあるので(七年後ではシルバーに一瞬で凍らされたというのもある)、ナツはあまり強くなかった(七年前では)と思っている人もいるのではないかと思ったからです。


ゼロのルイズ

教室では様々な使い魔がいたが、ルイズ達が入ると

「うわ、本当に平民を連れているぜ。」

そんな声がそこらから聞こえ、クスクスと笑い声が聞こえた。

「何か嫌な感じだな。」

「放っておきなさい。それより何席に座ろうとしてんのよ。ここは貴族の席、平民や使い魔は床。」

「またかよ…(嫌な感じはこっちも同じか)」

「何か言った?」

「別に…」

そんなやり取りをしながら席に座るとすぐ後ろにキュルケ達が座った。

「ナツも隣にどうぞ」

「分かった。」

「ねえ、オイラの席は?」

「ハッピーじゃ席に座ったら何も見えないでしょ。机の上にしたら?」

「あい」

そんなやり取りをして使い魔や平民を堂々と席に座らせたるキュルケにトリステインの貴族、特にルイズは憤った。

「ちょっと、キュルケ!授業でまで平民を椅子に座らせないでよ!神聖な授業を何だと思っているの!?」

「そうよ!それに男を授業に連れて来るなんて非常識にも程があるわ!これだからゲルマニアは…」

ルイズの言葉に過去にプライドの高さからくる性格のきつさから男にフラれた女生徒が文句をつけてきた(しかもその後ふった男は一時キュルケと付き合ったが1週間でフラれた為、女生徒のプライドはズタズタになった)。しかし、キュルケにとってそんなトリステインの下らないプライドや見栄等どうでもよかった。トリステインに来た当初は、流石にイラッときたが、数日でトリステインの貴族の見栄っ張りにイライラするのがアホらしくなってきたのだ(キュルケが沢山の男と付き合っていながら、誰とも長続きしなかった理由の一つである)。それに、トリステインはブリミルの子孫が王族をしている為、有名ではあるが国力は大国とはとても呼べないレベルで、ゲルマニアはトリステイン貴族に『野蛮な成り上がりもの』と揶揄されるが、キュルケから見ればトリステインの貴族のほとんどは『6000年前の威光を傘にきたプライドと見栄だけの勘違い軍団』であった(ダリル等の例外はいるが)。

そんな理由もあって言い返す気もしなかった。しかし、ナツはそうは思わなかった。

「んだと、コラ。」

「止めなさい。彼らは私の使い魔よこれで文句は無いでしょう?」

「オホホホ…『微熱のキュルケ』が笑っちゃうわね!こんな平民を召喚しちゃうなんて。」

その言葉にナツがキレそうになったが、キュルケが止めた。

「私の為に怒ってくれるのは嬉しいけど、無視しなさい。」

「けど…」

その時、太めの女性が教室に入って来た。

「皆さん、お静かに。私はシュヴルーズ。二つ名は『赤土』、これから一年間の『土』の授業担当させていただきます。使い魔召喚の儀式お疲れ様でした。おや、少々変わった使い魔を連れてきている方もいますね。」

皆が新しい学年になった事への挨拶と自己紹介の後つい余計な事を言ってしまった。その一言が原因で罵りあいが始まった。

「本当に召喚したのか?そこらにいる平民を連れてきただけじゃないのか?流石『ゼロのルイズ』!」

 

「違うわよ!私は召喚したのにコイツが来ちゃっただけなのよ!」

心無い言葉がルイズに降りかかり、ルイズが怒って反論した。しかし、サイトはルイズの物言いにかなりカチンときて、

「来ちゃったって何だよ、俺だって来たくて来た訳じゃねえよ。」

と呟いたが、その声は誰にも聞かれることはなかった。

「キュルケ、アンタもお終いね!そんな田舎くさい平民を召喚しちゃうなんて!」

罵詈雑言はキュルケにまで及んだが、キュルケに対する暴言は昨日の決闘を見ていない女生徒からのものだけだった。

「所詮、ゲルマニアは成り上がりものね!我がトリステインには勝てな…」

「馬鹿止めろ!!」

「ん?」

ナツが臨戦体制に入ろうとした所へ昨日の決闘を見ていた生徒が制止に入った。しかし、ルイズへの暴言はまだ続いた。

「『ゼロのルイズ』の名は伊達じゃないな!」

「黙りなさいよ!風邪っぴきのマリコリヌ!」

「誰が『風邪っぴき』だ。僕の二つ名は『風上』だ。」

「お静かに!二人共、友人をそんな風に罵ってはいけませんよ。」

「でも先生、僕の『風邪っぴき』は唯の悪口ですが、ルイズの『ゼロ』は事実です。」

シュヴルーズの注意(騒動のきっかけもシュヴルーズだが)にもマリコリヌが食い下がったのでシュヴルーズは土を錬金し、マリコリヌの口を塞いだ。

「貴女もよろしいですね?ミス・ヴァリエール。」

「は、はい!」

シュヴルーズの容赦ない行動にルイズもすぐに黙った。しかし、黙らないネコがここにいた。

「うわ〜、スゴいね…自分の言葉が原因なのに無かった事にしちゃったよ。」

その言葉を聞いて教室の空気が冷え込む。あえて言わなかった者も、気が付かなかった者も思った。『そこは黙っとけ!!』教室のほとんどの人間の心の声が一致した瞬間だった。

「さ、さあシュヴルーズ先生、授業を始めないと時間が勿体ないですよ。」

その言葉を言った生徒に対し、誰もが感謝した。『よく言ってくれた!!』空気を読まない事に定評のあるルイズやマリコリヌですら心の底から感謝した。

「あ、そうですね。ではまず四大系統のおさらいから始めましょう。」

やっと授業が始まった。

「ねえ、キュルケ。四大系統って何?」

「『火』、『水』、『風』、『土』の4つのことよ。」

「え、それ以外の属性は無いの?」

そんな話をしていると、

「私語は慎んで下さいね。ミス・ツェルプストー。」

「すいません。」

「ごめん、キュルケ。オイラのせいで怒られちゃった…」

「いいのよ、ハッピー。でも、質問は授業の後でね♪」

「あい。」

シュヴルーズにキュルケが怒られた。それから授業は滞りなく進んだ。

「今回の授業では錬金を見せたいと思います。では見ていて下さいね。」

そう言うとシュヴルーズは懐から小さな石を取り出し、そこに魔法をかけると、ただの石ころが金属に変わった。

「おおっ!」

「ミセス・シュヴルーズ、それはもしかしてゴールドですか!?」

「いえ、これはただの真鍮ですよ、私はトライアングルなので。」

『トライアングル』の意味が分からないでいるハッピーにキュルケは気付いて小声で教えてくれた。

「トライアングルというのはメイジのランクよ。魔法にどれだけの属性を足せるかで決まるのよ。」

「へえ〜。」

「そうですね。ではまずミス・ツェルプストー、前に出て錬金をやってみて下さい。」

「はい、わかりました。」

キュルケは前に出ると先程のシュヴルーズと同じ呪文を唱え、錬金を行うと石ころは鉄に変わった。ドットでは銅か青銅にしかならないのに鉄を錬金するとはシュヴルーズは予想していなかった(学生はほとんどがドットだからである)。

「ま、ざっとこんなものです。」

「ええ、お見事です。席に戻って下さい。ではもう一人位やってもらいましょうか。」

キュルケが席に戻ると次はルイズが当てられた。すると、辺りがざわつき始めた。

「待ってください、ミセス・シュヴルーズ!止めて下さい。危険です。」

「錬金の魔法のどこが危険だというのです?それにミス・ヴァリエールは優秀な成績だと聞いていますが?」

確かにルイズの成績は優秀で常に学年5位以内に入っている。ただし、それは座学限定の話である。まあ、普通は魔法が失敗しても何も起きないだけで危険など全く存在しないので(アースランドの魔法には一部、危険があるものもあるが)、シュヴルーズの言い分も通常なら正しかった。ただし、この場合が異常だっただけである。

「「「お願いだから、止めて下さい!」」」

教室のほとんどの生徒が声を揃えて言った。しかし、その事が余計にルイズを苛立たせヤル気にさせた(まあ、気持ちは分かる)。昨日、納得がいかない形であったとはいえサモン・サーヴァントを成功させたという事実もそれを後押しした。

「殺ります。」

文字がオカシイ気がするのはルイズの名誉の為にスルーしてあげよう(恐)。ルイズが立ち上がると同時にキュルケは授業開始と同時に寝てしまったナツを起こした。

「あれ、もう終わったのか?」

「まだよ。いいから二人共机の下に隠れて!」

「「何で?」」

「いいから早く!」

ハッピーと起こされたナツが周囲を見渡すと生徒は全員机の下に隠れていた。仕方なく机の下に隠れようとした瞬間、ルイズが『錬金』の呪文を唱え終わり、爆発が起きた。

「ちょっと失敗しちゃったわね。」

シュヴルーズがすぐ隣で気絶している側でそんな事をあっさり言うルイズ(本当は悔しくて仕方がないのだが)、なかなかの強者である。

「ちょっとじゃないだろ!いつも失敗して爆発してるクセに!成功率ゼロのルイズ!!」

「いつも、いい加減にしてよ!」

等の声が飛び交う。ナツやサイトにも『ゼロ』の由来が分かった瞬間だった。




破壊神シドデストロイさんのおっしゃる通り、エリゴールは出落ちキャラではありますが(また出てきそうなフリが有りながら漫画には再登場しなかった事が)、同時にかなりの強さを持っていたと思います。実際、あの場にハッピーが居なかったらナツは勝てなかったと思いますし(今のナツなら勝てるでしょうが)、魔風壁はエルザですら破れませんでした。しかも、ハルケギニアの呪文と違って詠唱無し。これに力で対抗出来るだけでもハルケギニアでは規格外ではないでしょうか(ハルケギニアではスクウェアクラスの『ライトニング・クラウド』ですら人が死んでもおかしくないという程度ですし)?
何故、いきなりこんな事を言い出したのかと言うと、FAIRYTAILのキャラの1人として、エリゴールを出そうと思ったからです。他にも何人か出す予定です。基本、敵です(ナツより強いのも出てきます。)。味方の場合はナツよりずっと弱いキャラです(出すかどうか分かりませんが)。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。