微熱とサラマンダー   作:人造人間二号

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遅れてしまってすいません。今回はスケベなサイトが出るので少しエッチな表現が出てきます。
また、ルイズは初期のプライドが高すぎて、歪んでしまっている部分や魔法至上主義の部分が強く出ています。はっきり言って今回はルイズアンチです。これから彼女が成長してまともになる過程を見てください。


もう1人の使い魔

「おはよう、ナツ」

「おう、おはよう。」

「おはよう」

ナツ達がハルケギニアに来てから初めての朝が来た。グゥ〜!いきなり、大きな音が、鳴り響いた。

「クスッ、大きな音ね。早速食事にしましょう。ちょっと着替えるから外に出てくれる?」

「「え、何で?」」

「女性が着替えるんだから当然でしょ!!(怒)」

「いや、キュルケが出れば…」

「何で外で着替えなきゃいけないのよ!!」

「まあそうだな、じゃあ出るか。」

「キュルケ、ナイス突っ込みだったよ♪」

「私、からかわれたの?」取り敢えず着替えながら、少し落ち着く事にする。着替え終わって外に出ると、隣の部屋から女物の衣服を持って外に出てきた少年に出会った。

「あら、どちら様?」

「もしかして、泥棒!?」

「何!?」

「いや、違います!!この部屋のルイズっていうのに命令されたんですよ。」

確かに女性の衣服を持って女性の部屋から出てくる男なんて下着ドロなどの変態の類いだと間違われても仕方ないのでつい普段使わない敬語を使ってしまった(まあ、高校生の時点で出会い系サイトに登録していたり、誰にでもすぐ鼻を伸ばしたり並みの男子よりもスケベであるのは間違いないので、決して間違いではないがこの一件に関してはサイトの意思ではないので言う権利はある)。

「あら、ルイズ専属の使用人なんていたの?でも御主人様にそんな言い方をしては駄目よ」

「いや、使用人じゃないです。なんかいきなり使い魔とか言われて服を洗濯してこいって言われたんですよ。」

自分の胸を見ながら話しているのに気付いたが、まあここまであからさまなのは珍しいが、チラチラ見る位はよくあるのでキュルケはスルーするつもりだったが(ここにルイズが居たら軽く挑発していただろうが)、

「うわ、胸しか見てないよ。スケベだ!」

「別にそんなに見るようなもんでもないだろ。」

ハッピーとナツがつい口に出してしまった。

「いやいや胸なんてみてませんよ!!」

未だにキュルケの胸をチラチラ見ながら言うまったく説得力のない少年だったが、キュルケにとってはナツの言葉の方が重大だった。片想いである事は理解していても自分のプロポーションには絶対の自信があったのでそれを武器にナツを落とすつもりだったのに、それが一切気にされていないとなると、ナツを攻略するのが極めて難しくなったからである。

「何よ、私、胸には自信あるんだから。」

「別に普通の大きさだと思うけど。」

「だよなぁー。」

「「!?」」

ハッピーとナツのセリフにキュルケ達は思考が一瞬停止した。キュルケは間違いなく巨乳である。しかし、フェアリーテイルの女性は胸がデカイのが多かったのと、そういう事をあまりナツが気にしない為にこのセリフが出たのだ。更に付け足すとすればキュルケは身長も171サントと女性としてはかなり高身長なので、胸の見た目は少し小さく見えるというのもあった。

「どういう事だ!?」

「そうよ!」

「いや、キュルケ位なら結構周りにいたよね。」

「ルーシィとかエルザとかな。」

それを聞いてキュルケの自信は砕け散り、少年は

「ふざけんな!!なんだ、その羨ましい環境は!?」

とキレた。しかし、先ほども述べたようにナツは胸のサイズなんてあまり気にしないので、少年のキレっぷりに困惑していた。キュルケはそのキレっぷりに逆に冷静になり、

「それは今は置いといて、早く洗濯しなくていいの?」

と話を最初に戻した。

「あ、そうだ!悪いけど洗濯出来る場所まで教えてくれないか?」

「洗濯する場所?別にいいけど…」

「オイラ達の飯は?」

「え、ネコが喋ってるぅ〜!?しかも飛んでる〜!?」

「今頃!?食事に行くついでに連れていくだけよ。」

先程は別の事に気をとられて気が付かなかった事実に気が付いた。

「二人とも私の自慢の使い魔よ。」

「へえ、俺と同じか…俺平賀才人、サイトって呼んでくれ。」

「オイラ、ハッピー!」

「ナツ・ドラグニルだ。」

洗濯場に着くと、丁度シエスタが大量の洗濯物を持って歩いていた。

「おう、シエスタ。おはよう。」

「きゃっ!」

シエスタは昨日のナツの戦いぶりに強めの恐怖心を覚えていた。そして、挨拶された瞬間洗濯物を放り投げてしまった。

「うひゃひゃっ!何ビビってんだよ。」

「ビビリシエスタ、略してビスタだね」

しかし、ルーシィなら『変な略称つけんな!!』という突っ込みや『おどかさないでよ!』という注意が入る場面なのにいつまでも震えているシエスタを見て、ナツは動揺してしまった。

「ど、どうしたんだよ、どっかケガでもしたか?」

「違うだろ!どう見ても怯えてんじゃねえか(怒)」「え、すみませんでした!」

サイトはシエスタにヒドイ事をした事があるんじゃないかと思い、ナツに怒ったが、ナツはシエスタに怯えさせた事に対して思い切り(顔を地面にめり込ませて)謝った。その見事なまでの謝り方にサイトも何も言えなくなり、シエスタもどう返してよいの分からなくなった。

「何謝ってんの?ナツは何も謝るような事してないじゃない。多分、昨日のナツの暴れ方を見て怖がってるだけよ。」

「「え、そうなの?」」

キュルケの鋭い指摘にサイトとナツはシエスタに訊ねようとしたが、シエスタはビクッとしてしまい、今度こそ怒られると思い恐怖して、何も答えられなかった。

「あ、でも俺のせいで洗濯物駄目にしちまったからやっぱ謝らねえと…ゴメンナサイ!!」

「いえ、こちらこそ勝手に驚いてすいません…」

さすがにその様子にシエスタも恐怖心が和らぎ、今度はちゃんと返事が出来た。サイトもその様子を見てナツが悪い事をしたわけではないのだと理解した。

「じゃあ、取り敢えず解決って事でこの子達に食事をくれない?」

「わ、分かりました!!ミス・ツェルプストー!!」

「いや、先に洗濯を手伝うぞ、俺のせいだからな!!」

「幾らなんでも洗濯までする必要ないと思うけど?」

「そうですよ。私がやりますよ。」

「でも…」

そのやり取りを見てサイトは『コイツ、馬鹿だけど良い奴だなぁ』と感心していた。結局キュルケが折れて洗濯を先にする事にした。「仕方ないわね…いいわ、じゃあ洗濯が終わったらこの子達に食事を頂戴。」

「分かりました!!」

シエスタもナツに対する恐怖心なんてものは消えてなくなり、ただ申し訳なさが残っていた。

洗濯はナツがシエスタの予想よりずっと手慣れていた為にすぐに終わった。むしろシエスタ以上に手際が良かった。

「うわ、すごいですね。」

「そりゃあ、伊達に何年も洗濯してきてないよ。」

「だな。」

実際、イグニールと暮らしていた時に洗濯を仕込まれて、それからずっと自分の分の洗濯してきていたので、ある意味当然と言えた。

洗濯が終わり、サイトはルイズの部屋に戻っていった。

「でも、あんなに謝んなくてもよかったのに…」

ただキュルケはナツの謝り方が少し情けなく見えて悲しくなっていた。

「だって、あんなに怖がらせたら可哀想だろ?強いからって友達を傷付けるわけにはいかねえよ。だろ?」

キュルケとシエスタはナツの考え方に感動していた。今までは心のどこかで弱肉強食は仕方ないと考えて来たので、そんなセリフが間違いなく強者であるナツから言われたのが強く心を動かしたのだ。(もっとも、先程の謝り方を見たりしなければ口だけだと受けとっていたかも知れないが)人の為に弱者にも頭を下げられるナツの器の大きさを感じたのだ。

「それに恐怖は悪じゃない…弱さを知れば人は強くも優しくもなれる…」

その言葉に恐怖を覚えた本人であるシエスタは涙してしまった。ナツに比べれば実力が劣るキュルケにも

「良い言葉ね、さすがナツ」

「いや、実は俺も教えてもらったんだ。」

「そうなんですか。」

グゥー、そんな話をしているとナツの腹の音が鳴った。

「あ、じゃあ早速食事の準備をしますね♪」

「おう、頼む。」

「オイラも限界だよ…」

一向は厨房に向かった。

「あの、ミス・ツェルプストー、何故戻らないのですか?」

「だって、ナツの話をもっと聞きたいんだもの」

「はあ…」

「ここのメシ旨いからなー、楽しみだ!」

「あいさー」

そこに料理がやって来た。

「シエスタ、やけに機嫌が良いじゃねえか?」

「はい、マルトーさん。さっき私、ナツさんに対して怖がって失礼な態度をとってしまったんですけど、その時にナツさんのかけてくれた言葉が凄く感動しまして…私が勝手に怖がったのに逆に謝って、洗濯まで手伝ってくれて、その上『恐怖は悪じゃない』って。」

「口だけじゃねえのか?あんな滅茶苦茶な力を持ってんだ。恐怖なんてもん分かると思えないがな。」

マルトーはシエスタの意見に否定的であった。キュルケやシエスタは内心に少しカチンときたが、理解も出来てしまった。ナツの力はハルケギニアでは圧倒的過ぎた。恐らく伝説的なメイジである《烈風のカリン》ですら勝てないだろうと思ってしまった。そんな男が弱い人間の気持ちなんて分かるのか?キュルケも今まで弱者になった経験がないのでそんな自分よりも圧倒的に強いナツは一体どんな状況で恐怖を感じたんだろう…

「ねえナツが『恐怖は悪じゃない。恐怖を知れば人は強くも優しくもなれる』って言葉を教わったのはどんな時?」

「昨日の朝だよ。」

「え、私が召喚した数時間前?」

「うん、ギルダーツに教えられたんだ。」

「「それで、それで?どんな状況だったの?」」

「それは内緒です。」

「「えー!?」」

「簡単に話す様な内容じゃないしね、まあ世の中にはナツがいくら怖いもの知らずでも恐怖しちゃうようなのは沢山いるよ。キュルケに召喚される直前にもそういう目には合っていたしね。」

キュルケ達はその内容も聞きたいと思ったが、ハッピーとナツはどうしても教えてくれそうになかった。ただ、その様子に先程ナツには弱者の気持ちが分からないと思ったのが、間違いだったという事は誰にでも分かった。

「さっきは変な事言って悪かったな、俺の名前はマルトーだ。ここの料理長をやっている。」

「そうか、しかし旨いなこれ!」

「だろ!?まあ、どんどん食ってくれ!」

マルトーは力があるからといって威張っている貴族が嫌いなせいか、最初は力が

あるナツもあまり好きにはなれなかったが、ナツの人となりを見て気に入ったようだった。

「ごちそうさん。」

「おう、また来いよ!」

キュルケ達は食堂に向かった。すると、ピンクの髪をした小柄な美少女がサイトと一緒にやって来た。

「あら、ルイズ、おはよう。サイトもね。」

「あ、先程はどうもありがとうございました。」

「何ツェルプストーなんかといつの間に仲良くなってんのよ。」

「あら、ヤキモチ?」

「違うわよ!!大体、神聖なアルヴィーズの食堂に平民の男を連れ込んでんのよ。」

「オマエだって連れてきてるじゃねえか。」

「誰がオマエよ!!平民のクセに貴族にそんな口聞いていいと思っているの!?」

「んだと、コラ。」

貴族が偉く、平民は従っているのが幸せだと本気で思っている典型的なトリステイン貴族のルイズと身分な関係なく自由過ぎるナツとでは価値観があまりにも違い、初対面にも関わらずケンカ寸前になった。

「止めなさいよ、二人とも。彼は私の自慢の使い魔よ。アナタと同じで使い魔を連れてきてるだけよ。」

「え?」

キュルケの言葉にルイズは信じられなかった。人間を召喚したのが自分以外にもいたという事もそうだったが、何よりもキュルケがその事を恥と思っていないような態度をしていた事である(実際思っていないが)。ルイズはそれを恥知らずか強がりとしか思っていなかった。

「あ、そう。行くわよ。後ツェルプストーの使い魔なんかと仲良くするんじゃないわよ!!」

「おい、引っ張んなって!」

ルイズはサイトの服を引っ張ってアルヴィーズの食堂に入ってしまった。

「何だったんだ、アレ?」

さすがのナツもある意味とんでもなく横暴なルイズを見て唖然としていた。

「さあ?よかったらナツ達も一緒に食べる?ここの食事は豪華よ。」

「「ごくっ、食べる!!」」

キュルケの言葉に既に腹一杯食べたクセに食欲が沸いてきた二人だった。

ルイズSide

「しかし、凄い豪華な場所だな。」

「そりゃそうよ。メイジは皆貴族だから食事もそれに相応しいものなのよ。本来ならアンタみたいな平民は食堂に入ることなんて出来ないんだから、感謝しなさいよ。」

サイトが食堂の豪華さに驚いていると、ルイズは自慢毛に返す。

「なにしてんのよ。使い魔なら椅子を引く位しなさいよ、気が利かないわね。」

「ハイハイ…」

どこまでもトリステインの典型で高慢ちきなルイズであった(まあその中でもルイズはかなり高慢ちきだが)。しかし、サイトもそんなルイズの性格に慣れてきたのか、食事に早くありつきたいのか、特に文句を言わなかった。そしてサイトが隣に座ろうとしたが、

「なにしてんのよ。アンタは床。」

ルイズは床を指し示した。すると、そこにはテーブルの上にある豪華絢爛な食事とは違って、小さなパン一切れとスープ一皿、しかも皿はボロいという粗末なものであった。

「あの〜、ルイズさん?これは一体?」

「見れば分かるでしょ?アンタの食事よ。」

あまりの食事の差にサイトが閉口しているとルイズはにべもなく返した。ルイズは本気で平民はアルヴィーズの食堂で食事出来るだけで充分に感謝すると思っていたが、それ以外にもサイトに身分の違いを徹底的に分からせようという邪な考えもあった。

「いくらなんでもこれは…」

「嫌なら朝御飯抜き。そもそもアルヴィーズの食堂で食事出来るなんて平民にしたら一生あり得ない幸せでしょうが、アンタ贅沢過ぎよ!」正直言ってサイトはまったく納得いかなかったが(誰でもそうだろう)、食事抜きはきついので、仕方なく床に座る。すると、すぐ隣にキュルケがナツ達とタバサを伴って、やって来て自分で椅子を座って席に着いた。

「隣座るわよ。」

「他にも席はあるでしょ?どっかいきなさいよ。」

キュルケの事を、

「いくらなんでもその扱いはないんじゃなくて?それじゃ、サイトが可哀想よ。」

「うるさいわね!人の使い魔の事に口を挟まないで!」

正直言ってルイズのサイトに対する扱いはさすがのキュルケやタバサ、ナツ達もも呆れていたが、ルイズは劣等感も相まってか、聞く耳を持たなかった。

「まったく、可愛毛がないわね。」

「まったくです。」

「大体、アンタのは食事を用意すらしてないじゃない。」

「私のを分けてあげるわよ。どうせ全部食べきるなんてタバサにしか出来ないんだし。」

「おお〜こんな高そうなもの分けてくれんのか!?」

「そうよルイズもどうせ残すならサイトに分けてあげなさいよ。」

「黙ってなさいよ!使い魔に贅沢を覚えさせるわけにいかないでしょ。」

「使い魔にもある程度の贅沢は必要。」

「何よ、授業でも『使い魔に贅沢を覚えさせるな』と習ったでしょ!そんな事も覚えてないの!?」

ルイズはタバサが無知であるかのように言うが、ルイズは勉強の点数はトップクラスだが表面的にしか捉えておらず、はっきり言ってタバサの言う通りである(タバサは勉強の点数第1位、ルイズは2〜4位)。使い魔のほとんどはより良い衣食住を求めて召喚のゲートをくぐるのだ。実際、メイジは使い魔に色々と手伝ったりしてもらっているが、基本的に理不尽な事や嫌がる事を強いたりはしないし、召喚される以前よりも贅沢な食事を与えられている。それに使い魔に強さをそれほど求めていないし(フクロウやカエルでも不満を持っていない)、秘薬の材料を持ってくるのも出来たらいいな位の気持ちで(オスマンの使い魔はどちらも出来ないがオスマンは満足している)、ルイズのようにそれが使い魔の役割だと思っていたり、一応出来る事はしているのに、明らかに普通の平民よりも食事が貧しいというのはオカシイのだ。

確かに『使い魔に贅沢をさせるな』と言われているし、授業でも教えられるが、それは使い魔に贅沢をさせ過ぎて使い魔が言うことを聞かなくなる例や、最悪家が破産するまで使い魔に金をつぎ込むメイジがいたからであって、以前よりは良い衣食住を与えるのは誰もが当然だと思っている(だから没落貴族は使い魔を召喚しない)。

しかし、ルイズは使い魔に明らかに前より貧しい生活をさせている。ルイズ曰く『アルヴィーズの食堂で食事出来るだけで充分贅沢』との事だが、アルヴィーズの食堂に入ることは確かに嬉しいのかも知れないが、食事が貧しくなる位なら荒野で普通の食事(コンビニ弁当レベル)をした方がずっとマシというのが普通の人間の感覚だろう(サイトの朝飯は日本の通貨で買うと150円程度の食事)。実際平民であるサイトやナツだけでなくキュルケやタバサ、トリステインの貴族ですら大部分はそう考えるだろう。こんな食事を使い魔にさせているのは自分とサイトの身分の違いをはっきりと見に染み込ませるという極めて自分勝手で見栄っ張りな部分も大きかったのだが、タバサはあえてその事は指摘しなかった。言うだけ無駄だと思ったタバサとキュルケはもうルイズと話すのを止めて食事にする事にした。そして食事の挨拶の時間が来た。

「偉大なる始祖ブリミルよ。今日もささやかな食糧を分けて下さりありがとうございます。」

この食事がささやかなら、サイトの食事は残飯以下である。サイトはその挨拶に胸くそ悪くなりながらも、食事をした。すると、隣から旨そうな肉が一切れ差し出された。

「やるよ。」

ナツがそれはキュルケから分けてもらった肉だった。

「いいのか?」

「いいわよ。」

確かに人から貰ったものを人にあげるのは失礼に当たるかも知れないが、サイトの食事を見ればその気持ちも分からないでもなかったのでキュルケは笑って許した。しかし、ルイズはサイトがキュルケやその使い魔と仲良くするのが面白くなかった。

「ちょっとツェルプストー、人の使い魔にちょっかいかけないでよ!」

「いいじゃない。ナツと仲良くなっちゃったんだし。」

「何ですって。」

「食事中は静かに。」

ルイズとキュルケの言い合いが五月蝿かったのでタバサはサイレントの魔法を使って二人の声が聞こえなくした。

「なんだ?二人共急に黙っちまったぞ?」

「タバサ何したの?」

「サイレントの魔法…音が出ないようにした。」

「へえ、そんな事も出来るのか。」

ナツ達は自分の知らない魔法(レビィが文字の魔法『ソリッド・スクリプト(立体文字)』でサイレントの効果を使っていたが、根本から違う魔法である)

その後は特にもめ事もなく食事が終わり、タバサもサイレントを解いた。さすがのルイズもその頃になるとケンカ熱も冷めたのか(ルイズが一方的に怒っていただけだったが)、ただサイトに

「ついてきなさい。」

とだけ言って教室に向かってしまった。

「ナツ達もついてきて。悪いけど教室には使い魔を連れて行かなきゃいけないのよ。」

「「え〜、俺(オイラ)達も勉強しなきゃいけないの?」」

あまり(かなり?)勉強をしないタイプの二人は嫌がったが、

「別に勉強はしなくてもいいのよ。とりあえず教室に居てくれればいいの。」

「寝てても構わない。」

二人の特にタバサの言葉にナツ達も安心して教室に向かった。




ルイズの嫌な部分を書きすぎた気もします。ただ、原作でのルイズのサイトに対する扱いはいまだに酷かったと思います。確かにキュルケやタバサは強力な使い魔を召喚しましたが、モンモランシーやオスマンの使い魔はルイズの言った『秘薬の材料を採ってくる』『主を守る』の両方とも出来ないのにちゃんと可愛がられているじゃないですか。ぶっちゃけ使い魔にそんな能力は要らないと私は思います(有ったら嬉しいのは確かだけど)。トリステインの貴族はプライドが高過ぎて、見栄っ張りだと思います。

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