微熱とサラマンダー   作:人造人間二号

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以前、感想の返事でアクノロギアは出さないと書きましたが、今回の話で出てきます。
どういう形で出るのか楽しみにして下さい。
多分皆様の期待に沿った形ではないとは思いますが。これが私の限界です。


アクノロギア

IN学長室

「やはり、こうなったか…」

「やはり、ガンダールヴ!!これは王室に報告せねば!?」

「バカモン(怒)!!王室にそんな報告をしたら、戦争の道具をやるだけじゃわい!!『ガンダールヴ』の件は内密じゃ。」

二人は『ガンダールヴ』の名前に気をとられ過ぎてサイトの力を過大評価していた。実際、魔法ばかり鍛えて、体を一切鍛えていないようなメイジにはサイトには勝てないだろうが、本当の戦いを知っているメイジならばそこまで脅威に思うような実力ではなかった(少なくとも今回のサイトは)。

 

Sideキュルケ

「強い…」

「ま、まあうちのナツ程じゃないけどね!」

タバサがサイトの強さを認めるがキュルケはそれでもナツの方が上だと言った。それは正しい事実であり、タバサも認めるところだった。

「そうよね?」

「まあな。」

「確かに彼も強いけどナツの方が数段上。」

しかし、自分がナツ寄りの判断をしている可能性も充分あったので、一応聞いてみる。すると、タバサからお墨付きが出た。

実際、サイトは身体能力はガンダールヴで上昇しても、元々の戦闘力が低すぎてあまり活かしきれておらず、まだまだ発展途上であった。

「あれは手の甲にあるルーンの力ですね。武器を持つ事で身体能力や技術を上昇させる力があるようです。」

「へえ、そうなんだ。ということはルイズの力だってこと!?」

「ええ、そうなりますね。まあ、彼女はその力には気付いていないと思いますけど…あ、丁度彼女が来ましたよ。」

ルイズは決闘を途中から見ていたが、サイトの予想もしない完勝に驚いていた。

「ア、アンタねえ…強いなら、強いって言いなさいよ!メイジに勝つ平民なんて聞いた事ないわよ!!」

その言葉にサイトは『もしかしてこれって剣の力じゃなくて俺が凄いのか?』と勘違いしてしまった。

サイトはかなり調子に乗りやすかった(似た者主従と言える)。

「いやぁ、やっぱ俺って剣の天才だったのかな♪AHAHAHAHA♪」

「かもね、さあ帰りましょ。」

ルイズ達が帰った後皆解散していったが、キュルケ達だけは解散せずに話を続けた。その結果、近日中にサイトのルーンの力を教えるべきだという結論に至った。

何故なら自分の力を過信したままだとどんな無茶をするのか分かったものではないからだ。それに少し調子に乗りすぎてメンドクサイ奴になるのも危惧していた。

「そういえば、ナツはこの子の使い魔は知らなかったわよね。」

このまま解散する前にいつかは知る事になるタバサの使い魔の話になった。タバサの使い魔は巨大すぎて教室に入れなかったので今まで一度も会う事が無かったのだ。

タバサはナツの『滅竜魔法』の存在を知ってあまり会わせたくはないと思っていたので最初は反対したが、自分の知らない場所で会われるより早いうちに自分達と一緒に会った方が良いというキュルケの考えに賛成した。

確かにあらかじめタバサの使い魔だということを知らなければ危険だが、知っていれば大丈夫だろう。

「分かった…今、寝てるみたいだから、一緒に行く。」

「あれ、何で今寝てるって分かるんだ?」

「使い魔と召喚主は視界を共有出来る。キュルケ、教えなかったの?」

「いや、なんか視界の共有が出来なかったからわざわざ言わなくてもいいかなってね♪」

「そう…」

確かに使い魔が人間という事でも異常事態なのに今回は二人だ。まあ、そんな事態もあるのだろう位にタバサは思った。

もし、他のメイジならばキュルケが落ちぶれたと思っただろう。実際、落ちこぼれとして有名な『ゼロ』のルイズ以外は視界の共有が出来ているからだ。

しかし、タバサはキュルケがどの位の力量を持っているかは大体把握していたし、今更たった一つの異常事態でそんな事は思わなかった(仮に落ちこぼれと思ったとしてもタバサはその人間との付き合いかたを変える性格ではないが)。

「ナツもハッピーも驚かないでね」

そんな事を言われてナツ達はタバサの使い魔が何なのか想像した。ナツはタバサの大食いから何でも食べる巨人を、ハッピーはタバサの青い髪の毛を見て水を連想して、そこから超巨大魚を連想してヨダレを垂らした(ハッピーは本当に何考えているんだ、食う気か)。

すると、全長6メイル程の竜がいた。

「「ドドド、ドラゴン!?」」

「あら、流石のナツも驚いちゃった?」

ちょっと以外に思ったが、ナツは急に騒ぎだした。

「お前、イグニールは知ってるか!?あとメタリカーナとグランディーネも!」

「ナツ〜、止めようよ…そもそも世界が違うんだから知る分けないよ。」

「あ、そっか…」

「というか、そもそもドラゴンは話せないけど…」

その時、ドラゴンが目を覚ました。

「立派な使い魔よね〜」

「オイラはアクノロギアを思い出して怖いよ…」

その瞬間ドラゴンの体が震えだした。その様子を皆でいぶかしんでいると、急にドラゴンが騒ぎだした。

「ア、ア、ア…アクノロギア〜〜!?怖いのね〜!?」

いきなり騒ぎだしたのでキュルケ達が驚いた。特に話せないと思っていたキュルケの動揺は一際強かった。

「どういう事、タバサ?」

「シルフィードはただの風竜じゃなく韻竜…世間にバレると大変になるから隠してた。なのに…」

そう言ってタバサはシルフィードを怒るが、シルフィードはそれがどうしたと言わんばかりに怒鳴り返した。

「五月蝿いのね、チビスケ!!アクノロギアの恐さも知らないクセに!!」

シルフィードはアクノロギアの存在を知っていて酷く怯えていたが、ナツ達が異世界から来たのだという事を知ってからしばらくしてやっと落ち着いてきた。

「でもどうしてアクノロギアを知ってるの?」

「それはシルフィが生まれる50年程前にこの世界にアクノロギアがやって来たのね。」

シルフィードは直接アクノロギアに会った事は無かったが、その凄まじき力と残虐性は両親から聞いていた。

シルフィードは自分が両親から聞かされた内容について話はじめた。当時、異世界とハルケギニアを繋ぐ門があった。そして約250年前にその門を通ってやって来た黒い巨大な竜がアクノロギアであり、アクノロギアがハルケギニアにいた僅か半年の間にどんな事をしたのかを。

アクノロギアは当時対立していたエルフと韻竜に襲いかかり、彼らはアクノロギアの圧倒的過ぎる力の前に協力したが、繰り出した連合軍は尽く壊滅し、エルフと韻竜の5割が死んだ頃にはもうアクノロギアに対抗する気力は失い、次に門が開くまで協力して逃げる事になった。しかし、アクノロギアからは逃げるのも難しく次に門が開く半年後にはエルフと韻竜の9割以上が死滅していた。

その時の生き残りがシルフィードの両親だという事だが、そのアクノロギアの力の前には何もかもが無力に過ぎず、恐怖の対象として韻竜やエルフの間に伝わっているのだというのだ。

しかし、キュルケやタバサは昔からエルフの強さを聞いている為に、そんな話を信じられなかった。

「そんな化け物この世に存在する訳ないじゃない!!」

ただ、事実だとすればシルフィードのあの驚きようも納得出来る。しかし、ここでタバサは何故人間はアクノロギアの存在を知らないのかという事に気付いた。

「そこに気が付くとは大したチビスケなのね。アクノロギアは半年間ずっと砂漠にいたからなのね。もし門をくぐって元の世界に帰らなかったら今頃ハルケギニアは死の世界と化しているはずなのね。」

その言葉を聞いてキュルケ達は恐怖した。

「でもナツ達が言ってた『アクノロギア』がそんな化け物だったなんて…」

それからシルフィードにもナツ達がアクノロギアに襲われた事を話すとシルフィードは英雄を見るような目でナツ達を見つめた。

「凄いのね!!アクノロギアと戦ったなんて!?そんな人達を呼ぶのも凄いのね!!チビスケってもしかして凄いメイジなのね!?」

シルフィードがタバサを少し認めた瞬間であった。




アクノロギアが出てくると言っても過去話の中だけでした。詐欺みたいでスミマセン。見捨てないで下さい。
実際にアクノロギアが出てくれる人達には申し訳ないですが、アクノロギアが登場したら、ハルケギニアとナツ達には全滅ルートしかないと思っています。
これが私の限界です。アクノロギアを出したら物語の続きが作れなくなってしまいます。

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