よかったら見てやって下さい。
「皆でギルドに帰ろう」その想いで魔道ギルドフェアリーテイルの聖地《天狼島》に襲来した最強最悪のドラゴン《アクノロギア》のブレスに対し、ギルドメンバーは手をつなぎ、全員の魔力を集中した。本来ならばここでフェアリースフィアが発動し、全員七年間封印されるはずだった。しかし、その時ナツ・ドラグニルの目の前に白い鏡のような物体が現れたが、アクノロギアに集中し過ぎているためにナツはその鏡のような物体に気付かなかった。
青空がどこまでも広がって いるハルケギニアでは真っ赤な髪と褐色の肌を持つ少女、キュルケが召喚の儀を執り行おうとしていた。
「タバサは風竜を召喚したんだし、やっぱ私もそれなりのものを召喚したいわね。」
そう言って、キュルケは余裕たっぷりな態度で召喚の呪文を唱え始めた。
「我が名はキュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー。五つの力を司るペンタゴン。我の運命に従いし使い魔を召喚せよ。」
そして杖を振り下ろすと桜色の髪をした鍛えられた身体をした少年、ナツ・ドラグニルが現れた。
「え?」
これにはキュルケだけでなくその場にいた全員が驚いた。キュルケは素行は良いとは言えないがメイジとしての実力は学生の中では抜きん出ており、誰もが凄い使い魔を召喚するに違いないと思っていたからである。
「あの〜、これはどうしたら良いのでしょうか?コルベール先生?」
そう言ってキュルケは召喚の儀を監督しているコルベールに質問したが、コルベールもこの前代未聞の出来事に困惑していた。
「え〜と、取り敢えずはこの少年に話を聞いてみましょう。」
二人が少年に近づくと少年が傷だらけだと分かり、まずは治療をしてからだということで医務室に運ぶことにした。キュルケが魔法を使ってナツを持ち上げるとそのすぐ下に青いネコが見えた。ハルケギニアの常識からいってこのネコがキュルケの召喚した使い魔なのだろうと誰もが思った。 「だよなぁ。キュルケが平民なんて召喚する訳ないし。」
「まあネコでも拍子抜けだけど」
そのような声が至るところから聞こえてきた。結局そのネコも意識がなかったため、コルベールが医務室まで運ぶことになった。
医務室でキュルケはネコと少年が目覚めるのを待っていると青い髪をした小柄な少女が入ってきた。
「あら、タバサ。どうしたの?」
「キュルケが心配」
「あら、私がこの子に襲われないか心配してくれたのね!?ありがとう」
タバサはキュルケのふざけた返答に対しても冷静に
「違う。落ち込んでないか心配。」
と答えた。
しかしキュルケは魔法至上主義ではない国で産まれ育ったためそれ程強いショックを受けてはいなかった(根が大雑把というのもあるが)。
むしろ『最初はこの子が召喚されて少しショックだったけどよく見れば男前だし、ワイルドだし好みのタイプかも正直ネコよりこの子と契約したいかも』そんなアホなことを考えていた。するとネコが目を覚ました。
「う〜ん、あれ?ここ何処?」
キュルケとタバサはネコが喋ったことに驚いていたがそんな事お構い無しにネコは喋り続けた。
「ナツは?シャルルは?皆は?何処いったんだよー!?」
その様子を見て二人はそのネコに話しかける事にした。
「ねえ、あの子とあなたは知り合い?」
そうキュルケはネコに話しかけた。すると、ネコは泣きながら少年に飛びついた。
「ナツ〜!!無事だったんだね!」
その後しばらく泣きついていた為キュルケはネコに話し掛けられなかった。
その後、ネコが落ち着いたのを見てキュルケはネコに話し掛けた。
「まずは自己紹介をしましょう。私はキュルケ、そっちのちっちゃい子がタバサ。あなたは?」
「オイラ、ハッピー。こっちがナツ。」
ハッピーは困惑しながらも答えた。そこに全員の使い魔召喚を終わらせてきたコルベールが入ってきた。
「あの、召喚されネコと少年の様子はどうですか?」
迂闊にもコルベールがハッピーの様子も確認せずにそんなことを聞いてきたので、ハッピーは動揺して
「オイラが召喚!?どういう事!?キュルケ!タバサ!」
その動揺の仕方を見てキュルケとタバサはコルベールを睨み付け、コルベールはその視線に気付かず、ネコが喋っていることに目を奪われていた。
「落ち着いて、ハッピー。最初から説明するから。まずは謝らせてね。ごめんなさいね。いきなりこんな場所に呼び出しちゃって。」
「じゃあ、オイラ達は本当に召喚されたの?」
「その通りです。あなたは使い魔としてこのミス・ツェルプストーに召喚されたのです。」
「え?使い魔?」ハッピーがまたしても動揺したためキュルケは慌てて、
「コルベール先生、私が順を追って話しますから少し黙ってて下さい(怒)」
「はい(泣)」
「わざとではないんだけどアナタと仲間を引き離しちゃったことはごめんなさい。簡単に許せる事でないのは分かっているけど出来る限りの事はするから許してね。」
「うん。」
『そんなこと言われたら怒れないじゃないか』そう思いながらもハッピーは質問する事にした。
「あの、他の皆は?」
「私が召喚したのはアナタとこの子だけなの、ごめんなさい。」
「そっか。で、使い魔の召喚て何?」
ハッピーのその言葉を聞いた瞬間、タバサも含めた全員がずっこけた。
「アナタ、それ分かってて質問したんじゃないの?」
「ううん。知らないよ。」
キュルケは突っ込んだら負けだと思い召喚の儀の説明をした。
「じゃあ、オイラ達を呼ぼうと思って呼んだんじゃないんだね?」
「それでもアナタ達にした事は謝りきれない事だわ。」
「大丈夫!!きっと皆無事だってオイラ信じてる!!」
「ありがとう!!」
キュルケがハッピーの言葉に涙を流して抱きつくと今度はタバサから質問された。
「もしかしてアナタ達は危険な目に合っている最中だった?」
タバサのこの鋭い質問にハッピーが答えづらそうにしているとハッピーの背中の紋章が輝き、一人の少女が現れた。いきなりの事に誰もが驚いていると
「う〜ん、うるせえな!」
ナツが目を覚ました。
この題材が面白いと思ったら(この小説はどう感じていても)どんどん書いてください。
と言っても別に途中で放り出すつもりはありません。次回契約です。