どうにも筆が進んだ?と言うよりタイピングが進んだので、もう一話投稿ドーン!ですとも。今までで最速なのではないだろうか?
いつでもこの調子で話が作れたらいいんですけどねー……私からすれば連日投稿してる方なんて化物ですよ。
それでは皆さん、今回もよろしくお願いします。
蒸し暑い真夏も太陽が沈めばかなり涼しいものだ。風でも吹けばもっと心地よい事だろう……。現在の時刻は夜の七時頃……終業式は午前中で済んだというのに。
「鬼め……半日潰れるとは……」
そう……織斑先生に例のペナルティとして仕事をこなしてたら、普通に放課後と同じくらいの時間になった。そこからモノレールやら使ってこの時間と言う事である。
「親父が先に帰ってるじゃねぇか……」
家の前まで着くと明かりが付いていた。つまりはこの家の家主がすでに帰宅していることをさす。本当は先に帰って溜まっているだろう家事を消化するつもりだったのに。
「ただいま……」
「随分と遅かったな……。おかえり、真」
俺の帰宅時間に親父は少し驚いているようだ。このくらいの時間になると、今日はもう帰ってこないとでも思っていたのかもしれない。
「いや、まぁ……いろいろな事情がな」
「学生も大変みたいだな。ほら、荷物」
チョイチョイと手招きをするような親父の仕草に、俺は抱えている荷物を山なりに投げて親父に渡した。親父は何か言いたそうな表情だったが、俺はそのままスルーし居間に入る。
……まぁ片付いてるか。以前帰宅した時は、まるで嵐が過ぎ去った後のような有様だったが……。説教したのがかなり堪えたらしい。
というか、前帰ってきたとき以来だっけか?全寮制なせいか、自宅の方に違和感を感じてしまう。今後はもっと定期的に帰った方が良いのかも。
「しかし、真が帰ってくるのも久しぶりだな」
「ああ、学年別トーナメント前後に帰ったきりだ」
「へぇ~……やっぱIS同士で戦う行事があるのか。一回で良いから真の勇士を見てみたいもんだな!」
爺ちゃんに言ったら見せてくれそうだけどな~……記録映像もあるだろうし。でもどうせなら俺も生で見てもらいたいから、黙っておくことにしよう。
「そういや親父、飯は?」
「いや、まだだな。俺も今帰った所だよ」
「了解、ちょっと待ってろ」
俺は腕まくりをしながらキッチンに入って行った。そして定位置に置いてあるエプロンを手に取ると……親父から待ったの声がかかる。
「今日くらい無理しなくていいぞ?真も疲れてるだろうし」
「いや……家の事は、なるべく俺がやりたいんだ」
「そうか……。それだったら、俺に止める権利は無いな」
親父は何処か寂しげな表情で俺を見ている。……気を取り直そう。エプロンを乱暴に開くと、両腕を通し紐をきつく縛った。さて、冷蔵庫には何が入っているだろうか……。
ゲッ……ろくなモンが入ってねーでやんの……。当たり前か、俺が学校帰りに買い出しとかしてたんだし。それが無いとなると、自然に冷蔵庫の食材もジリ貧になるという物だ。
残っているのは……人参、玉ねぎ、ナス……って、これもう作るの一択だ……カレーしかねぇ。肉が無いと物足りない気がするが、ナスでなんとか代用するしかなさそうだ。
だったら先に米を炊かねぇと、カレーのライスを炊き忘れ状態とか初歩的なミスになる。えっと……計量カップって何処に仕舞ったかな……。
「お前は本当……我が息子ながら女の子泣かせだよな。ある意味でって話だけど」
「あ~?何だよいきなり……おっ、見つけた」
「女の子からすると、嫌味なくらいの家事スキルだと思うぞ」
「そりゃぁ、しゃーねぇだろ?年季が違うんだよ、年季が」
俺が本格的に家事を始めたのは、どのくらいからだっただろうか?それこそ、物心がついた頃からと言っても過言ではなさそうだ。
「真が女の子の手料理を食べたときが心配だよ……」
「いや、俺だってオブラートに包むって。壊滅的だった場合は保証が出来んが……」
そんな事を言っていないで、手を動かさなくては。このままではドンドン飯の時間が遅くなってしまう。そうと決まれば、テキパキと働くことにしましょうか。
**********
「御馳走様でした!いや~食った食った」
「おう、お粗末」
かなり沢山作ったカレーだったが、残さず親父はたいらげた。そして満足したような表情で両手を合わせ、俺に感謝の言葉を述べる。やはり作り手としては、親父のこういうリアクションは嬉しい。
「さて……」
「あー待て、真。皿洗いくらいは俺がやるよ」
飯を食い終わってすぐ立ち上がった俺を見て、また親父が待ったをかけた。ふむ……流石にこれは親父に任せよう。本気で少し疲れたし……。
「悪りぃな、頼めるか?」
「おう、勿論だ!」
俺が素直に頼み事をしたのがそんなに嬉しいのか、親父は上機嫌でキッチンの流しの前に立った。洗い物をまだ運び終えても無いと言うのに……プチ空回りだな。
親父が気付かぬうちに、皿やコップをさりげなく置いた。幸い親父は気が付かなかったようで、そのまま洗い物に手を伸ばす。気付かないようにやったんだが、内心「気づけよ!」と思ってしまう。
本当に小さくため息をつくと、俺は黙ってソファーに腰掛けた。スプリングがギシギシと嫌な音を出す……なにぶん長いこと使っているものだ。買い替え時なのかもしれない。
リビングに響くのはザーザーと蛇口から流れる水音のみ……。親父は黙って口を開かない……俺の事を話すタイミングはここだろうか?
「真、IS学園はどうだ?」
「ど、どうだって……どうなんだろうな」
「いろいろあるだろ?勉強が大変だとか……まぁその点は心配してないけどな。真は俺と違って頭が良いし」
「そうだな」
「否定しろ!まずはそこからだろ!?」
さも当たり前のように言葉を返す俺。親父は体ごとグルンと振り向きギャーギャー騒ぎ出した。近所迷惑だろう……これ以上騒がれる前に謝っておくことにする。
「悪かったよ」
「ったく……。父さんとしてはな、息子の学校生活は気になるもんなんだよ」
「……そうか、それじゃあ……」
そう語る親父の背中はどことなく、しょんぼりしていた。とりあえず俺は、学園であった出来事を順序立てて話してみる事に。無論だが、無人機の襲来など話せそうにないのは端折ってる。
一夏達とのファーストコンタクトから、この間の臨海学校まで……。振り返ってみたら意外と長い一学期だったな……大変な事の方が多くて気が止まらなかったのか。
親父は俺が話している間に洗い物をすべて片づけたらしい。さっきまで食事をしていた椅子に座って相槌や質問を投げかけて来ている。
「しかしなんだな、その本音って子と簪って子は頻繁に出て来るが……」
「…………」
親父の一言に俺は思わずビシッと固まる。それはもう石化したようなエフェクトが入るくらいにだ。それを見た親父は何かを察したのか、声色が意地悪なものに変貌する。
「そうかそうか、真も恋を知る年になったんだな」
「うるせぇ、その辺の事情は複雑なんだ。あんまり突っ込んでくれるな……」
複雑な事情だよ……本当に。恋愛感情が理解できないわけじゃないが、それ故の困惑だ。俺は二人の事をどう見ているのか、全く俺には見えてこない。
はぁ……やっぱ二人とも、何かしら俺にメッセージを発信してるよな……。自分で言うのは本当に不本意なのだが、本音や簪の行動を見る限りはそうとしか思えない。
いっそ一夏くらいに鈍感だったらば、ここまで悩む必要は無かったのだろう。だが思考停止は良くない……二人が想ってくれるからこそ、俺も答えをいつかは出さなくてはならないのだから……。
「また難しく考えてるだろ?」
「うっ……まぁ、な」
「もっと楽~にしてろよ、その辺りは俺に似ればよかったのにな」
それは自分で何も考えていない事を認める発言では……?いや、そもそも何も考えてないからこその言葉なのだろう。そうやって堂々としていられる親父が羨ましい……。
「いや、似なくて正解だと思う」
「どうしてだ?」
「俺か親父が多少は思慮深くないと、加賀美家は崩壊する可能性が……」
考えても見ろ……俺が親父に似ているという事になれば、それは半分親父が二人居るも同然の状態だ。なんとなく、俺の言いたい事が分からないだろうか?そこはご想像にお任せする。
どうやら親父は、俺の言いたいことが分かるようで……「あぁ……」と納得したような表情を見せた。まぁ現状よりさらに世紀末な家でも想像したのだろう。俺が親父に似てたからと言って「ヒャッハー!」とはならないだろうけど。
「酷いレベルでバランスが取れてるんだよ……加賀美家は」
「そうだな……いつも頭脳労働ご苦労さん……」
確かに家計簿とかも付けてるけど、頭脳労働って言ったらそれくらいだな。後は大半の家事……これは肉体労働だし。でもやっぱり、俺がマメな性格で良かったと思える瞬間だ。
「よ、よしっ!この話はもうやめような!他に何か話題は無いのか?」
(逃げたな……)
慌てた様子で強引に話題を変えようとする親父を呆れた表情で眺めた。他に……か、だいたい学園の事は話し終えてしまっているし、残っているとすれば……俺自身の事か……。
明るい話の流れからなら、すんなり話せる気がしていたからタイミングを窺っていたというのに。いったん話の流れが途絶えてしまったせいで、切り出し辛い……。
親父が俺の事を否定するなんてありえない。始めからそう思ってはいる……俺の親父に対する信頼は絶対のものだ。十五年間も男手一つで俺の事をここまで育ててくれたのだから、当然の事と言えよう。
それでも……怖くて怖くて仕方が無い……。信頼しているからこそ、それを裏切られた時……俺はどうすれば良いんだ。親父に異質な目で見られる……そんな事になった日には、俺は二度と立ち直れない事だろう。
「……こと……!真!」
「へっ!?あっ……何……?」
「……体調でも悪いのか?だから無理するなって……」
親父は俺の耳元で大きな声を出し、肩を揺さぶる。どうやら呼んでも反応が無かったのだろう。親父はかなり俺を心配した様子で眺める。
それと同時に、悲しそうな目……。俺が無理をしていたと思っているようだから……こんな悲しい目をしているのだろう。……そんな親父が、俺を否定する訳が無い……!話すんだ……全部……!
「大丈夫だ……。体調の問題じゃなくて、気持ちの問題だからよ」
「気持ち……?真、お前……」
「親父、話があるんだ。今から俺の言う事を聞いてほしい……」
「……そうか、分かった。ソファーじゃなんだ、こっちに来い」
親父は手招きしながら椅子に座る。それに倣って俺は、親父の正面に座った。じっと真剣な表情で俺を見つめる親父……だが俺は、そんな親父に目を合わせられないでいた。
「真……父さんの目をしっかり見るんだ」
「っ……!無理……無理だ……!頼むから、このままで話させてくれ……」
クソッ……クソッ……!怖い……恐怖が押し寄せてくる……!その証拠に、さっきから俺は体の震えが止まらない。手なんかは特に酷く、まるで痺れているかのように小刻みに震えている。
「……分かった。父さんが悪かったよ……。真の話せる時で良いからな」
「ゴメン…………」
親父はまるで幼い子供を慰めるような感じで、優しく俺にそう囁いた。こんな情けねぇ所……他の連中には見せらんねぇな。親父の前だから、こんな姿でいられるんだ。
俺は俯いたまま口を開けずにいた。どのくらいそのままになっていたのか分かりはしないが、確かなのは親父が黙って俺の事を待っていた……と言う事くらい。
親父は……加賀美 新なら、いつまでだって俺の事を待つはずだ。……それで良い訳が無い。受け身ではいけないんだ……俺は、自分と向き合って前に進むと決めたんだ。
「あの……俺……さ、普通の人間じゃ……無いかも、と言うよりは……絶対普通じゃないと思う……」
「……どうして、そう思うんだ?」
「……さっきは、話さなかったけど……。ISの試合があった時、聞こえたんだ。ISの……声みたいなのが……」
ここまでか細い声で喋る俺を、親父ですら見た事が無いはずだ。俯いているから親父がどんな表情なのかまで分からない……俺は、嫌なイメージを払拭させるように続ける。
「戦ったISは、暴走してて……確かに助けを求めてた。「苦しい」って声が、聞こえたんだ。それで……悲しみみたいなのが流れ込んできて……」
「…………他の誰かには、相談したか?」
「してない……ってか、出来る訳ねぇだろ……。そんなの……頭がおかしい奴って思われるだけだ」
「じゃあなんで、父さんには話してくれる気に?」
「……親父が、俺の親父だから。それ以上でもそれ以下でもない」
「そうか……」
頷く俺の頭に、ボスンと優しく手が置かれた。誰の手なんかは説明するまでも無い……親父の手だ。大きな掌はゆっくり、何度も俺の頭部をスライドしてゆく。
「親父……?」
「よく、話してくれたな。父さんは嬉しいぞ」
「…………」
「真……そのISが苦しんでる声が聞こえたとき、お前はどう思った?」
「……助けたいって、思った」
ボーデヴィッヒの時は、流れ込んでくる悲しみを受け入れようともせずに茶番の一言で済ませてた。だが俺は、今になって分かる。あの時も、確かにシュバルツェア・レーゲンを助けたいって思ってた……。
「ハハッ……そうだろうな、流石お父さんの……いや、俺と母さんの息子だ」
「…………」
「真、お前の身に起きている事は……確かに普通じゃない。だけど、それがどうした?父さんは何処も変だと思わないぞ。むしろ凄いじゃないか!苦しんでるISと同じ気持ちになって、一緒に泣いてあげれるなんてさ」
「親父……」
「胸を張れ、真。誰かと同じ気持ちになれる事、それは例え相手が人じゃ無かったとしても素晴らしい事なんだ。他の誰にも出来ない事を、自分は出来るんだって思えば良い。誰にも届かない声なき声を、聴いてあげれるんだって思えばそれで良い」
「お……やじ……」
「前を見るんだ、真。後ろばっかり見てるからお前は転ぶんだよ。もし真の事を聞いて変だと思う奴が居ても気にするな。父さんが居る事を忘れちゃいけないぞ。父さんは、いつだって真の味方だ。そして何より、真……お前は、父さんと母さんの誇りなんだからな……」
「ぐっ!うぅぅ……おやじぃ……」
前を見ろって……?ハハッ、視界がぼやけて何も見えないっての。俺は必死になって溢れ出て来るものを止めようとしたのだが、その思いは親父の言葉で徐々に瓦解していった。
「よしよし……辛かったよな……誰にも話せなくて。今は泣いたって良いんだぞ、父さんは笑ったりしない……」
「俺ッ……俺ぇ!ずっと、怖くて……!だって、絶対ありえないだろ!ISの声が聞こえるなんて……自分でも頭がどうにかなりそうで……!」
「ああ、誰だって怖いさ。よく耐えてたな……偉いぞ、真」
親父は片腕を俺の首に回し、苦しくない程度に俺の頭を引き寄せる。そして残ったもう一方の手で、今度は俺の頭をグシャグシャと乱暴に撫で回す。
俺といえば、泣きながら今まで溜め込んできたものを吐き出すくらいだった。その度に親父は、俺に優しい言葉を投げかけてくる。
その度にずっと俺の胸中に引っかかりっぱなしだった何かが、消えていくのが分かる。それにつれ俺の涙も止まり、完全に落ち着いた状態に戻れた。
「もう大丈夫か?」
「うん……ありがとう、親父」
俺が感謝の言葉を述べると、親父は笑顔で俺の背中を強く叩いた。ムカつくくらいに痛いが、今回はなんだか悪い気はしなかったのは気のせいでないはず。
「でも、不思議な事もあるもんだよなぁ……。真がISを動かした事もそうだけど……。声について、何か手がかりは無いのか?」
「いや、何も。だからZECTに頼んで人体実験とか……」
「冗談でもそんなこと言うのは許さん!」
ゴッ!
「あだっ!?殴るこたぁねぇだろ……!」
本気で冗談のつもりだったのだが、親父にマジギレされた。思いっきりのグーだぞ、グー。痛い……さっきまでの優しさは何処へ行ったんだ。
「でもさ……爺ちゃんには話した方が良いと思うんだけど……」
「う~ん……そうだなぁ……。そうすれば何か、手がかりが掴めるかもしれないな」
これは親父に話そうと思っていた時には、考え付いていた事だ。爺ちゃんなら何か知ってるかもしれないし、もし知らなくても俺の為に動いてくれる可能性も大きい。
相変わらずの困り次第「爺ちゃん」一辺倒だが……。だけど頼る事は悪い事じゃない!利用してるんなら問題あるだろうけど、俺にそのつもりは全くないのだから。
「どうする?俺も一緒に行くか?」
「アホゥ、そこまで弱ってねぇよ。爺ちゃんに合いに行くついでに、試験運用した武装の諸々も報告するつもりだ。だから来ない方がありがたいね」
「おぉ、真がテストパイロットっぽい事を言ってる」
「ぽいじゃなくて実際にテストパイロットなんですぅ~」
若干失礼な事を言う親父に、口を尖らせて返答した。親父は俺の顔芸がよほどおかしかったのか、盛大に噴出した。ツボにでも入ったのだろうな、腹まで抱えてやがる。
「ハハハハハハ!真が変な顔をすると……ギャップで……ハハハ!」
「ええい、五月蠅いわ!」
クソ……ある意味親父の前で大泣きしたより恥ずかしいぞ……。俺が指差しそう告げると、まだ堪えている様子だが一応笑うのは止めてくれた。
「いやぁ悪い悪い。つい……」
「はぁ……親父は風呂を沸かして来てくれ……。俺はテーブルを拭くから」
テーブルは俺の涙やら鼻水やらでベタベタの状態だ。見るも無残なこのテーブルは、きっちり台拭きで拭い取らなきゃ元に戻りそうもない。
「分かった、任せろ!」
「何でそんな元気……?別にいいけども……」
本当に親父は元気な様子で、風呂場の方に消えて行った。俺はというと、我ながら汚しに汚したテーブルを眺めて憂鬱な気分になる。
(こんなに泣いてたか……)
いやはや、本当に情けない事だ……。だが親父のおかげで、俺がしっかりISの声に関して受け入れられたのもまた事実……。感謝してもしきれないほどだ……。
いつだって味方……この言葉が、どれだけ俺にとって大きなことか親父は理解出来ていないハズ。親父が味方でいてくれるのなら、それ以外は敵でも構わないって本気でそう思う。
ま、そんな事はあり得ないだろうけどな……昔の俺ならいざ知らず。俺は親父だけでなく、多くの友達に支えられて生きている。きっとあいつらも、俺の味方だ……。
ハハハ……なんつーか、そう思えたら気が楽だ。俺も簪や女狐にアレコレ言えた口じゃねぇな。でももう大丈夫だ、なぜなら俺は向き合えたのだから。
だから今は……もっと目の前の事と向き合わなくては……。そう、俺の涙と鼻水だ……。自分から出たものとはいえ結構ショッキングだなぁオイ。
キッチンから汚れても構わないような台拭きを見つけ、水に濡らしきつく絞る。その両手には、必要以上の力が込められている。
そしてそのまま鬼のような勢いでテーブルを台拭きで擦りに擦った。その様子はキチンと親父に目撃されており、何だか怖くて話しかけ辛かったのだとか……。
ISの声が聞こえてからの真が、悩んでる描写をしっかり挟んで置くべきだったと後悔……真が新に頼るみたいな話は前々から書く予定でしたので。
いや、お前臨海学校楽しんでんじゃねーか。と自分で読み返して思う作者……作者とはいったい……うごごごご。
メンタルの弱さは克服できたかな?新に依存してるだけのようにも見えますが……あー!親子愛って難しい!
最近シリアス風な話が続いてるから、明るめな話が書きたいですよ……。次回は、誰かと遊びにでも行きましょうか、せっかくの夏休みですからね!
それでは皆さん、次回もまたよろしくお願いします。