戦いの神(笑)ですが何か?   作:マスクドライダー

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真がISを起動させます。

なんて言うか地の文で何回も真が同じことを言ってる気がします・・・。

気を付けて書いてるつもりなのですが、まぁ相変わらずグダグダですわ。

それでもお付き合いいただける方は、今回もよろしくお願いします。

では、本編のほうをどうぞ。


男性IS操縦者(不本意)ですが何か?

親父と大暴走を繰り広げた翌日の朝。目が覚めると前日とは打って変わって、昼の12時前にようやく目が覚めた。疲れ果て風呂にも入らずに眠ったのだから、ある意味当り前ではあるが。

 

 俺は起きてすぐさまシャワーに直行した。そうでもしないと体中が昨日の汗やら何やらでベトベトだ。

 

「ふぃ~・・・」

 

 適当にシャワーを浴び、すっきりした俺はリビングに入る。そこには親父の姿はない。当然か、昨日がたまたま非番だっただけで、今日は仕事に決まってる。

 

 大丈夫かね、あの親父。疲れがたまって勤務中に居眠りとかしそうで心配だ。・・・自分の父親が居眠りしている姿が容易に想像できるのは悲しいな。

 

 ま、それはそれとして親父自身の問題だ。俺には俺で昼食をとるという使命がある。さて、どうしたものかと冷蔵庫を開けてみるが、一通り食材を見たところで手が止まった。

 

「(わざわざ何か作らなくても良いか、親父もいねーし)」

 

 別に俺は親父と違って料理ができないこともない。が、親父が居ないんだったら料理するのも面倒くさいし適当に何か食っておこう。俺は冷蔵庫をそっと閉じ、インスタント食品をしまってある棚を開く、そのうちから一つカップラーメンを取出し湯を注ぐ。

 

 あとは3分間ほど待つばかり、とは言え待てば3分も結構長いものだ。その間の暇つぶし代わりのため、俺はテレビのリモコンのスイッチを押しテレビをつけた。

 

 まず初めについたチャンネルがやっていたのはニュース。12時ごろという時間帯のせいか、どこにチャンネルを合わせてもニュース、ニュース、ニュースだった。

 

 しかし、どこの局にも違和感を感じる。どうにも慌ただしいというか、なんというか。臨時ニュースでもやっているのだろう。どこの局も同じ報道しかしていないのなら仕方が無い。俺はいい加減ニュースに耳を傾ける。

 

『え~繰り返しお伝えしていますが、男性IS操縦者が発見されたとの報道に関して・・・』

 

「何!?」

 

 俺は思わず原稿を読むニュースキャスターの言葉に反応を示す。しっかりとニュースを聞いてみると、どうやら受験に来ていた某男子中学生が誤ってISを起動させたとのこと。

 

 となると、この某男子中学生ってのがこの世界の主人公君ってことか。やはり、もうすぐ物語が始まるという俺の予想は当たってたか・・・となると俺はいつISを起動させることになる?

 

 あの男は確実にISを起動させる事になると言った。つまりは運命力?因果律?的なものが作用して俺は逃れることはできないのだろう。

 

「・・・・・・」

 

 そうだとすれば考えるだけ無駄だろう。つーか気を付けてればISを起動させなくて済むんじゃね?そうだよ、主人公君だって要するに不注意でIS動かしてしまったのなら、きっと俺は大丈夫だろ。

 

 そうと決まればラーメンラーメンっと、早くしねーと面が伸びちまう。と俺らしくもなく能天気に意気揚々とラーメンを食べ始める。

 

 今となっては本当にアホすぎる。逃れられないって言ってんだから、逃れられる訳がなかった。アホ面下げてラーメン食ってる俺には知る由も無い・・・。

**********

 目の前に並ぶ長蛇の列、俺はその列に組み込まれているわけだが、・・・どうしよう目の前の人数がどんどん減っていくたびに死刑執行を待っているかのような気分になっていく。

 

「(あ~・・・嫌だ~・・・バックレればよかったか?)」

 

 現在俺が何をしているのかと申しますと、簡単に言えば検査だ。主人公君がISを動かして数日たったある日、政府の命令でISを動かせる男性が他にいないかの一斉調査が行われることになった。

 

 とりわけ主人公君と近い年齢層の俺達は強制参加だそうな、まぁガキや老人が動かせたとしても「男性IS操縦者」とは言い難いし、IS学園に入れるってのも変な話でもある。

 

 政府的には俺達の中からISを動かせる人物が出ることを望んでるだろう。ここに確実に一人は居ますけども、それこそ俺以外にも居てくれればどれだけよかったか。

 

 はぁ・・・なんだかだんだん気分が悪くなってきた。これを利用してどうにか列から抜けることは・・・いや、止めとこ・・・どうせまた後日なんていわれるのが関の山だ。

 

 だったらもう覚悟を決めよう。俺はISを動かす。不本意極まりないが、もうどうしようもないことだ。激流に身を任せ同化するってな。

 

「はい。次の人」

 

 そうこうしているうちに俺の番らしい。っふ~・・・覚悟はできた。俺の目の前にあるISに触れれば、俺の人生は変わることになる。

 

 けど人生は長い。生きてたらきっといいこともあるだろ!うん、ポジティブに行こうぜ!ポジティブに!

 

 俺はヤケクソ気味に高らかに右腕を振り下ろした。

**********

「はぁ・・・」

 

 待合室のようなところに放置されてどれくらい経っただろうか?もはや時間間隔さえもわからなくなってきた。

 

 検査の結果は陽性、つまりISは見事に起動した。その後の検査会場は大騒ぎだった。どうせ動かせる男は現れないとでも思っていたのか、スタッフたちは対応に遅れているように見える。

 

 とにかく俺はここに押し込まれ、放置プレイというわけだ。今ごろ俺がISを動かしたっていう報道でもされてるのかね?

 

 なんて、ボーッと考えを巡らせていると待合室の扉がバァン!と大きな音を立てて開いた。何事かと思い扉のほうへ目を向けると、そこに立っていたのは・・・。

 

「・・・親父」

 

「真・・・」

 

 俺の父である加賀美 新その人だった。しかし、親父にいつもの元気は無く、意気消沈というかなんというか、息子がISを動かしてどうしていいか分からないのだろう。

 

 親父はボリボリと頭をかくと、俺の座っている正面に腰掛ける。一瞬だけ俺と目を合わせると視線を外す。・・・やっぱりなんて声をかけていいのか分からないのか?

 

「・・・仕事は良いのかよ。まだ勤務時間だろ」

 

「馬鹿言うな、真がISを動かしたって聞いて飛んできたんだぞ。・・・それに、今、真のそばにいてやれないで、何が父親だよ・・・」

 

「・・・・・・」

 

 ぼそりと呟くような親父の言葉は、確かに俺の耳まで届いていた。精神的に参ってる俺にとっては、これ以上の励ましの言葉はない。

 

「・・・サンキュー」

 

「ん?どうかしたか?」

 

「別に・・・なんでもねぇよ」

 

 思わず俺の口から出た感謝の言葉は、親父は聞こえなかったのか特に気にも留めていない様子だった。そうか、とだけ親父は言うと、話を切り出す。

 

「で、真はこれからどうなるのか聞いたか?」

 

「ああ、織・・・なんだっけ?まぁいいや、もう一人の織なんとかってのと同じでIS学園に行くことにはなると思う」

 

「そうか・・・せっかく受験勉強したのになぁ・・・」

 

 全くだぜ、今までの努力が水の泡だ。つっても俺がIS学園に行くのは俺を守るための処置でもあるし、その点に関しては納得してるけれど・・・。

 

「親父とはもう・・・会えなくなるのかもしれないな」

 

「真・・・?」

 

 なぜ急にそんな話になるのかというと、なんでも要人保護プログラムってのがあるらしい。俺がISを動かしたことによって、俺自身はもちろん俺の家族も多方面から狙われることになる。

 

 それを防ぐために政府が施行したのが要人保護プログラムである。家族が離散をしてもおかしくない話だ。と言うか普通はそうなってしまうはず。

 

「あぁ、無い無い!それは無い!」

 

「はぁ!?」

 

 あまりにあっけらかんとした親父の態度に、俺は思わず立ち上がった。それは無いって・・・なんでそんな事を言い切れる?

 

「実はもう俺達家族に、手を出せないように対策はしてあるんだ」

 

「ど、どんな!?つーか親父が政府に抵抗できる手段がある訳が・・・」

 

「まぁ落ち着けって、いったん座れよ」

 

 親父は俺を「まぁまぁ」と言った感じで制し、椅子にもう一度座るように促す。俺はいったん心を落ち着かせ腰掛ける。そして、親父が口を開くのを待った。

 

「なんというか、隠してたって事でもないんだが、実は俺にも後ろ盾って奴がな・・・」

 

「なんだよ、歯切れが悪りぃ。ハッキリしやがれ」

 

 俺の言葉に親父はう~んと唸ってみたり、あ~と呟いてみたり、本当に今の親父は歯切れが悪い。イライラしながらも親父が話を続けるのを待つ。

 

「実は俺な、御曹司なんだ」

 

「・・・はい?」

 

 え?親父が御曹司?ハッハッハ、笑えねぇ。それはアレだろ、仮面ライダーの世界での話だろ?ISの世界では普通の警察官で・・・アレ?でもそういや俺って親父の家系みたいなの知らねーな。

 

 ってことはちょっと待って、もしかしてこれはアレですか?この世界にも「あの組織」が存在しちゃうパターンのアレですか?

 

「ZECTって企業を知ってるか?そこの会長が俺の親父なんだ」

 

「知る訳ねーだろうがぁ!んな企業を俺がよぉ!!!」

 

「なんで半ギレなんだよ!?」

 

 え?え?本当にちょっと待って、マジか!?この世界にもZECTが存在しちゃう?ていうか今「企業」っつった?って事は秘密組織って訳でもなく、いたって普通に商売してるのか!?

 

  

「いや、スマン。親父が御曹司って事実に少し取り乱した。続けてくれ」

 

「・・・なんか引っかかる言い方だが、まぁいいか。えーっと、そのZECTって企業は、なんか俺も詳しくは知らないんだけど、どうにも政府にとって大事な企業らしい」

 

「つまり、そのZECTに関わりのある親父や俺に、政府は迂闊に手を出せないと?」

 

「そういう事になる。さっき親父に電話したら、俺と真の保護は約束してくれた。だから、安心していいぞ」

 

 ・・・政府に圧力かけれる企業ってどんなだよ?でも詳しく知ったら最後な気がする。

 

 とにかく、俺と親父の身の上は心配しなくてもいいらしい。俺がため息をついて安心しているのと対照的に、親父の表情は晴れない。

 

「・・・どうかしたのかよ?」

 

「親父は、俺達の保護に関しては条件付きの提案だ」

 

「その条件ってのは?」

 

「真がZECTの一員になる事、そういう条件だ」

 

 それは本当に心配だね!ぶっちゃけ俺は前世の影響でZECTにはあまり良い印象を持っていない。しかし、それを拒否するということは、同時に俺達は後ろ盾を無くす事にもつながる。

 

「何か心配する要素があるのか?あくまで名ばかりのメンバーだろ」

 

「親父は!お前の爺ちゃんはそんなに甘い人じゃないんだよ・・・!真を守るためだから仕方が無かったとはいえ、本当はお前をZECTになんか・・・!」

 

「・・・・・・」

 

 親父もZECTに対しては悪印象か、これは本格的にまずいことになるかもしれないな・・・。しかし、政府にウチをかき回されるよりよっぽどいい。

 

 ZECTが悪いことをしていると決まったわけでも無い。ならば、この話に乗ってみるしか選択肢は残されていないだろう。

 

「親父。俺は大丈夫だ。何があっても乗り越えてみせる。そういう信念を親父から学んでるつもりだしな」

 

「真・・・」

 

「それに、ほら。何かあったら親父にちゃんと話すからさ、その・・・親父の事・・・信じてるし・・・」

 

「真ぉぉぉぉおおおおお!!!」

 

「んなっ!?」

 

 親父は涙ぐんだ声色で急に俺に抱き着いてくる。痛い痛い痛い!!!背中に回っている腕が俺を締め付けてくる!天然ベアハッグになってるうううううう!!!

 

「真がそんな風に思ってくれてるなんて・・・!俺ってときどき鬱陶しがられてるんじゃ無いかって、心配で心配で・・・」

 

「現在進行形で鬱陶しいんですけどねぇ!?つーか痛てぇんだって!離せ!」

 

「おぉ!スマンスマン」

 

 俺が親父の腕をタップすると、すぐに親父は俺を解放してくれた。ったく・・・たまに本音を言ったらこれだよ、二度といわねーぞチクショウ。

 

「それでだ、真」

 

「何急に話切り替えてんの!?思いっきり今の無かったことにしようとしてないか!?」

 

「気のせいだ。明日はZECTに顔を出すことになってるから、そのつもりでいろよ」

 

「あぁ、うん・・・。分かったよ」

 

 結局その日はIS学園入学に関する資料等を渡されただけで、それ以外は特に何もなかった。帰る途中もマスコミやら何やらも見かけなかったし、すでにZECTが根回しをしたという事か?

 

 はぁ・・・しかし、まさかこっちの世界にもZECTが存在するとは思わなんだ。やっぱり少しはニュースとか新聞とか見たり読んだりするべきだったかもなぁ・・・。

 

 そうしたらもっと早くZECTの存在を知ることができたのかもしれない。知った所で何ができたのかって言われればそれまでだが・・・。

 

 しかしZECTなぁ・・・ZECTかぁ・・・嫌だなぁ・・・行きたくないなぁ・・・。明日いきなり、人体実験とかされねぇよな・・・?

 

 いやいや、ZECTだってそこまで原作で黒かったわけじゃ・・・黒かったかもしれない。裏でネイティブとゴニョゴニョしてたし。

 

「(止めとこ・・・考えるだけ自分がダメージを受けるだけだ・・・)」

 

 俺は頭の中から嫌な考えを完全に消去し、思考を再びポジティブなものに変えた。しかし、人は時としてそれを現実逃避ともいう。

 

 だが混乱している今の俺にとってはこれが限度だった。これ以降の記憶はほとんどない。後から聞いたが、この後の俺は親父がいくら話しかけても、ほとんどまともな反応はしなかったそうだ。




真はテレビをあまり見ません。ニュースなんてもっての外であり、それこそ暇つぶし程度かもしくは特撮番組を見るくらいです。

それゆえ、一般的に手に入る情報が少し欠けている部分があり、特にIS関連の事柄を詳しく知らないです。

この世界におけるZECTは、ニュースくらいを見ていれば誰でも知っている企業になってますが、真が存在を知らなかったのは、まずテレビを見ないからということになります。

ZECT関連の話は次話でするつもりですので、待っていただけると幸いです。

それでは皆さん、またお会いしましょう。

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