戦いの神(笑)ですが何か?   作:マスクドライダー

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寒ぅぅぅぅううううい!寒いにもほどがありませんか、今年の年末!?今書いてるシーンが夏の話だから余計に……寒むむむむむむ……。

はい、そんな訳で水着回ですね。いうほど本音と簪は出てませんが、タイトルでお察しの通り前編ですので、2人の本格始動は後編となります。

ぶっちゃけ前編は飛ばして頂いても構いません……えぇ、マジで。よろしかったら、今回も見てやってください。

それでは皆さん、今回もよろしくお願いします。


夏だ!海だ!青春だ!(前編)ですが何か?

「おっ、見ろよ真。海が見えてきたぜ」

 

 バスに揺られ、温かい日差しの中で転寝していると、隣の席に座る織斑が肩をポンポンと叩く。ったく……何でよりによってコイツと隣の席だよ。男同士だから当然なのかもしれんが……。

 

「やっぱ海を見るとテンション上がるよな」

 

「5秒以内に黙らないと殴る」

 

 こちとら気持ちよく寝ていたというのに、海が見えた程度で起こされたんじゃ割に合わん。俺が身をよじらせ再び寝る体制になると、織斑はシュン……とした様子で悪いと呟いた。

 

「かがみ~ん。向こうに付いたら一緒に遊ぼうね~」

 

「おう、そうだな。もちろん、簪も一緒にな」

 

「おい!俺も流石に不服だぞ!?」

 

 それは織斑と本音に対する態度の違いだろうか?当たり前だろ、本音に話しかけられたならいざ知らず。というより、まだ織斑は俺にちゃんとした態度を期待しているのか。

 

「お前たち、自分の席に着け。もうすぐ到着だ」

 

 織斑先生の一言で一組の面子は一斉に大人しくなる。まぁ随分と調教されていることで……いや、毒されていると言った方が良いのかもしれないな。

 

「加賀美、何か言ったか?」

 

「滅相もございません!」

 

 なんて考えてたらスッゲー睨まれた。なんでだ……やっぱりこの人のシックスセンスは異常発達しすぎだろう。感覚的に俺が皮肉を言った事を感知しているようにしか見えない。

 

 俺が織斑先生に戦々恐々している間にバスは目的地に到着。旅館の構えを見ると、単なる学生の宿泊先にはとても見えない。看板には花月荘と書いてある、確かここには毎年世話になっているのだとか。

 

 花月荘では3日間も世話になる。挨拶は大事、コレ礼儀の基本なり。という訳で俺達は織斑先生の号令の後にお願いしますと挨拶する。が、俺と織斑がいるせいで手間をかけただろうな……これでは足りないと思い俺は一歩前に出た。

 

「あの」

 

「はい、何でしょう?」

 

「加賀美 真といいます。今回は俺が居るせいでお手数かけて申し訳ありません」

 

「あらあら、コレはご丁寧にどうも。良いんですよ、貴方も大事なお客様ですから」

 

 深々とまではいかないが、斜め45度の綺麗なお辞儀でそう告げると、女将さんは俺の丁寧な対応に少し驚いているようだった。後は大人な雰囲気を漂わせる一言をいただいたおかげでかなり気が楽になる。

 

スパァン!

 

「お前も挨拶せんか」

 

「い、今しようと……」

 

 俺が挨拶したにもかかわらず、何も行動を起こさなかった弟に対して、姉の愛の鞭が轟いた。しかし、今のは素手か?素手であんな爽快な音がするのか……(困惑)

 

「まったく……目上の者に対する態度だけなら加賀美のほうがよほどマシだぞ」

 

「織斑先生、なんとなく引っかかる言い方は止めてください」

 

 何も間違った事は言ってないが、何も教師がそんな言い方しなくても良いじゃない。だが、織斑先生は俺の言葉を軽くスルーと来た。

 

「それじゃ、皆さん。お部屋の方にどうぞ」

 

 欠伸をしながら女将さんと織斑姉弟のやり取りを眺めていたが、どうやら必要な事は済んだようだ。女将さんの指示に従うように一同は旅館の中へと入って行った。

 

「かがみ~ん」

 

「どうした?本音」

 

「かがみんの部屋ってどこ~?後で遊びに行こうと思って~」

 

「ああ、なんか山田先生が別の部屋があるって言ってたが、それ以外は特に何も……」

 

「加賀美。お前の部屋はこっちだ」

 

 本音に呼び止められたので話を聞いていると、俺の部屋の話題が出てきた。どうやら「旅のしおり」的な物にも俺と織斑の部屋は記載されていないらしい。

 

 そうやって足を止めて話していると、織斑先生に一喝入れられる訳で。しばかれるのは勘弁なので、スマンと片腕を上げ本音との会話を強引に終わらせる。後でメールでもしておくことにしよう。

 

 急いで織斑先生の背中を追いかけると、織斑と目があった。そして、俺に苦笑いを見せる。どうやら、織斑も何も聞かされてい無さそうだ。一体どこに連れて行かれるというのか……。

 

「ここだ」

 

「ここっ……って、教員室?」

 

「あ~……まぁ妥当なところですね」

 

「どういう事だ?」

 

 君はどこまで察しが悪いのかね織斑君。もし君と2人で同室の一部屋を使うとしたら、必ず暴走する輩が出てくるはずだ。つまり、絶対に手出しができない織斑先生と同室という事になる。

 

「なるほど、そういう事か」

 

「なんか、アウェー感がハンパないんっすけど?」

 

「それなら床で寝るか?」

 

 なんだこの教師は?なんでそんな楽しそうな表情で生徒に向かってそんな事が言えるのか。床よりゃ遥かにましだろうが、姉弟の中に突っ込まれる気持ちを考えてみろ。

 

「安心しろ、ここでは私と織斑の関係性は教師と生徒でしかない」

 

「さいですか……」

 

 そりゃ結構ですとも、的な感じでブスッと返す。それのおかげか一瞬また睨まれたが特に気にしない。最後に今日は一日好きにしろと言われる。ならとっとと海に……と言いたいところだが、やっておかなくてはならないことがある。

 

「着替えに行こうぜ、真」

 

「先に行ってろ、確認しなきゃならんことがある」

 

「そうか、分かった。じゃ、またあとでな」

 

 一緒に行動しようとした織斑にそう告げると、非常に爽やかな様子で俺を見送る。織斑のこういった様子を見ると安心するな、これで単独行動を渋るようなら俺は織斑がホモであることを疑わざるを得ない。

 

 用事と言っても、すぐに済むものだ。終わり次第着替える場所がある別館に直行するため、着替えのみを抱えて旅館を出た。そして、俺はキョロキョロと見晴らしがよさそうな場所を見つけることに。

 

 しばらく歩くと、サスペンスドラマのラストシーンにも使えそうな場所が見つかる。そこで俺はガタックゼクターを呼びつけると、ある命令を出す。

 

「揚陸艇が各国の新武装を運んでるらしいから、ZECTのコンテナがあるかどうか調べてみてくれ」

 

『キュイイイイ』

 

 するとガタックゼクターは遥か水平線の彼方に飛んでゆく。本当は必要な事じゃないのかもしれないが、俺も心配なのだ。何がって、ガタックの追加パッケージがしっかり完成しているかどうか……。

 

 爺ちゃんの一報からまだ数日しかたっていない。岬さんたちを疑う形になってしまうかもしれないが、それでも俺はとっとと安心したんだ。

 

 しばらく待っていると、ガタックゼクターは空を切り裂きながら戻ってきた。んで、背中から記録した映像を投影して俺に見せる。確かにZECTのコンテナはあるにはあった……だが……。

 

「え……?ち、小っさ……」

 

 そう、明らかにコンテナの大きさが小さい……しかも1つだけ。他の候補生用の武装が積まれているであろうコンテナと比較すればよく分かる。…………別の意味で心配事が増えた!?

 

 確かにガタック自体は俺と似たようなサイズだが……これはちょっとどうなのだろうか?俺は思わず携帯を取出し、爺ちゃんの携帯へとコールした。

 

「もしもし爺ちゃん?!追加パッケージの件だが、ちゃんと搬出の手配をしたよな!?」

 

『済まないが、私は会長ではない』

 

「なっ……!?す、すみません!間違えまし……」

 

『ああ、いや。問題は無い、私がZECTの人間であることに変わりはないからな』

 

 捲し立てるように話し始めると、間違い電話だったらしい。急いで謝罪し電話を切ろうとするが、呼び止められた。ZECTの人間というのは嘘ではないらしいが、ならなぜ爺ちゃんの携帯に電話したのにこの人が?

 

「あ、あの~……どちら様でしょう?」

 

『こうして話すのは初めてになる。私は、三島 正人という者だ。君のお爺様の側近……と言ったところか』

 

 電話主の自己紹介に、俺の脳みそは凍りついた。…………………ラスボスktkr!?グリラスワームさんktkr!?他にも悪徳弁護士の用心棒やってたり(龍騎並の感想)フルーツ盛り沢山な喫茶店で店長してそうな人(鎧武並の感想)がこの世界にも居るんですか!?

 

「こ、ここここここれはどうも!はじっ……まして!加賀美 真ででででです!」

 

『……大丈夫か?こんな事で物怖じするような人柄ではないと聞いていたが』

 

 物怖じしますよ、怖いじゃん、グリラスワーム。たぶんこの世界にワームは居ないだろうからそんな心配もいらないのだろうけど。当時無敵だと思ってたハイパーカブトがボコボコにされるシーンは若干のトラウマなんですわ。

 

「すっ、スミマセン……。びっくりしたものでして。それで、その……何で三島さんが爺ちゃんの携帯に?」

 

『生憎会長は出張中だ。君が会長に電話をして私につながったという事は……会長は今手が離せないのだろう』

 

 それは爺ちゃんの意思次第で三島さんに繋がるように出来ているという事だろうか?ぜくとの かがくりょくって すげー!

 

『こちらに不備があったか?私が確認できそうなことなら調べよう』

 

「あっ、わざわざスミマセン。それがですね……」

 

 事情を話すと、どうやら貨物の搬出記録程度なら三島さんでもすぐ調べられるらしい。これまた電話越しにしばらく待っていると、三島さんが待たせたなと俺に声をかけた。

 

『確認したが、確かにガタックの追加パッケージは全て搬出されている』

 

「…………。ちなみにですけど、ガタックの新規武装って何種類なんですかね?」

 

『占めて4種。もう一度言うが、確かに搬出されている』

 

 大事な事なので、という奴だろうか。三島さんがこう言っているのだから多分そうなんだろうね。しかし、4種かぁ……4種もあるのにあの小さいコンテナ一つかぁ……ウフフフフ……。

 

『……今どんな物か、内容を話した方が良いか?』

 

「いえ!それは楽しみが薄れるので!」

 

『それもそうか、少々無粋だったな』

 

 新規の武装と聞いて、個人的にもワクワクしながら想像を膨らませたりしていた。確認のためとはいえ、それを今知ってしまったら、残念な気分になること請け合いだろう。

 

『用件は済んだだろうか?』

 

「はい。お手数かけました」

 

『いや、このくらいなら造作も無い。次は、直接会えるのを楽しみにしている』

 

「ええ、こちらこそ。本当、ありがとうございました」

 

『かまわない。それでは、失礼するぞ』

 

ツー……ツー……

 

 お互いまた会うことを約束すると、通話は終了した。はぁ……変に緊張したな……まさか三島さんまでこの世界にいるとは……。もしかすると、この調子で主要人物は皆いるんじゃないだろうか。

 

「それは良いとして……。着替えに行くか」

 

 これにて俺の用事は終了した。時間は限られているのだから、さっさと遊びに行くことにしよう。俺は着替えを入れた袋を抱えると、別館の方に向かって歩き出す。

**********

 海に出てみると、どうしようも無く目のやり場に困る状態だった。当たり前だけど男女比率がこうも違うと流石に参るな……本音と合流する前に織斑を探しておくことにしよう。

 

 一人だけ男だからこの状況からは必然的に浮く。簡単に織斑は見つかった。準備運動をしているようだが、これには俺も関心する。運動の前には必ず準備運動、鉄則だ。

 

「織斑」

 

「真か、用事は済んだんだな」

 

「ああ、思ってたよりも早くな」

 

 体操の手を止め、こちらへ向き直る織斑。すると、驚いたような表情を見せ俺を眺めているようだった。そのマジマジと見るのを止めい。

 

「なんだよ?何か変か?」

 

「いやぁ……鍛えてるな、真」

 

「まぁな、それなりに意識して鍛えた筋肉ではあるが……」

 

 俺の筋肉はゴリゴリのマッチョってほどでもないが、細マッチョという訳でもない。ちょっとしたボクサー体型?この表現が合っているのかどうか自分でもよく分からない。とにかく、普通の奴に比べると筋肉質であることには違いない。

 

 織斑は感心しているようだが、女子達は賛否両論と言ったところか。さっきから遠巻きに俺の体を眺めては「すごい良い筋肉」だの「ちょっとゴツすぎる」だの話しているようだ。

 

「どうりで俺を軽く持ち上げる訳だよな」

 

「この筋肉の賜物かどうかは微妙だけどな、お前って軽いし」

 

「いや……俺だって男だからそれなりに重い……」

 

「い~ち~か~!」

 

「のわっ!?」

 

 鳳が突然走り込んできて、そのまま織斑の肩に乗った。慌てて織斑はバランスを取ると、胸をなでおろしたような表情をする。うん、下手すりゃ今のは2人とも怪我するしな。

 

「高いわねー。アンタ監視塔に向いてるかもよ、一夏」

 

「人じゃなくて物だろ、それだと!?」

 

「それより、真。なんか久しぶりね、随分合って無い気がするわ」

 

「事実、鳳とのエンカウント率は異様に低いと認識してるぞ」

 

 自分の肩に乗ったまま俺との話を続ける鳳に、織斑は何かを諦めたような表情を見せる。しかし、何かを思いついたらしくハッとなった。

 

「高い方が良いんなら真の方が背が高いぞ?」

 

「馬鹿ね、真にそんな事したら、どんな報復があるか分かったもんじゃ無いでしょ」

 

 鳳の言葉に織斑はあ~……と納得。流石の俺でも女の子にそこまで酷い事はしないぞ。もし俺に乗ったのが織斑ならばパワーボム不可避だが、女の子だったら海の上で後ろに倒れ込むくらいだろう。

 

「それにしても……アンタって本当に背が高いわよね。何センチあるの?」

 

「うん……っと、確か177……いや、違う。この間測ったら1センチ伸びてたから178だな」

 

「178でまだ伸び続けてるのか!?」

 

 そうなんだよ……中学入ったあたりから一気に伸び始めて、落ち着いたかな~って思ってたんだよ。そしたら、中学後半くらいにもなって地っ味~に伸び続けてるんだよねこれが。

 

「羨ましいわね……少し分けなさいよ」

 

「分けれるくらいなら、分けたいっての」

 

「嬉しくないのか?」

 

「もうこれ以上はいらないね。目立つんだよ、嫌でもな」

 

 そりゃ、俺より大きい奴はわんさかいるだろうが、身近に居るか、となったらそうはいかない。集会のときとかでも出席番号順に並ぶと前が見えないとか後ろの奴に言われたり……適度に伸びればいいものを。

 

「ふ~ん、アンタはアンタで大変なのね」

 

「過ぎたるは及ばざるがごとしって事だよ……」

 

「それより、話してばっかでも仕方が無いしさ、泳がないか?」

 

 織斑の提案に賛成だ。いい加減海につからないと何をしに来たか分からないし、何より海につからないと肌が夏の日差しで熱い。鳳も乗り気らしく、織斑から飛び降りた。

 

「せっかくだから、あのブイのあたりまで競争しましょうか!ついでに何か賭けようじゃないの」

 

「タンマ、競泳なら俺はパス」

 

 ビシッと沖に見えるブイを指さし鳳がそう言ったとたん俺は即座に辞退を申し立てる。鳳は空気読めや……とでも言いたそうな目で見てくるが、理由はちゃんとある。

 

「どうかしたか、真」

 

「競泳は明らかに俺が不利なんだよ」

 

「リーチが長いから有利でしょ」

 

「そもそも水に浮かないんだよ、俺」

 

 人間だからそりゃ少しは浮くが、体脂肪と筋肉の比率のおかげで俺は水に沈みやすくなってる。そんな不利な状態で賭けとか言われたら辞退一択だ。

 

「そうか、それは確かに不利だな」

 

「だろ?それに鳳もお前と2人のが都合が良いだろ」

 

「あっ、アンタ!何言って……!」

 

「はいはい。スタート切ってやるから準備しろ」

 

 俺の言葉に鳳は顔を真っ赤にしながらいつでも飛び出せるように準備を始めた。織斑は「はて?」みたいな表情で鳳を眺めている。……ブレねぇなぁ、コイツ。

 

「位置について、よ~い……スタート!」

 

バシャーン!

 

 俺のスタートの合図と同時に2人は飛び出していった。すると、見る見るうちに2人の姿は遠くなってゆく、コレは参加しなくて正解だった。多分あれには勝てなかっただろう。

 

「お~……速ぇもんだな……」

 

「かがみ~ん!」

 

「うぎゃああああ!?」

 

バシャーン!

 

 ぼーっとしながら海の方を眺めていると、突然後ろから本音に抱き着かれた。あまりの驚きに俺は海に向かってヘッドスライディン!頭から飛び込む結果となった。

 

「む~……女の子に抱き着かれてぎゃ~は無いんじゃないの~?」

 

「いや、はい……そこは素直にごめんなさい。でもですよ、そんな布一枚に状態だと……」

 

 より直にそのボディが押し付けられると言いますか……。ほんの一瞬だけでも分かってしまうあの柔らかい感触は間違いなく……胸ですよねぇ?

 

「布一枚だと~?」

 

「……何でもない」

 

「そ~お?それよりかがみ~ん。水着~どうかな~、どうかな~?」

 

 そう言いつつ本音はその場でクルリラと回転して見せた。うむ、どこからどう見ても電気ネズミそのままである。ご丁寧に耳まで付いていたのか。

 

「うん……可愛いぞ」

 

「ほんと~?!えへへ~かがみんに褒められた~」

 

 俺の言葉に本音は長い袖で口元を隠しながらモジモジし始める、心なしか顔も赤い。う、う~む?どうなんだ、この反応は?俺に褒められたからこその反応なのか、それとも……

 

「かがみんは~お暇かな~?」

 

「あぁ……まぁ、うん。暇だな」

 

 チラリと沖の方を眺めると、まだ織斑と鳳が帰ってくる気配ではない。急に消えるとマズイかもしれないと思ったが、大丈夫か。一緒に遊びかけたってだけで2人で突っ走って行っちゃったし。

 

「それじゃ~一緒にかんちゃんを探しに行こうよ~」

 

「うん、そうだな。そういう約束だったしな」

 

 いまだに波打ち際で下半身を海水に浸けている俺に、本音は手を貸して引き起こしてくれた。水のせいで纏わり付いた砂利を適当に掃うと、砂浜に戻る。

 

「それじゃ~かんちゃん捜索隊しゅつど~」

 

「ちょっ、ちょっと待て!このままいくのか!?」

 

 本音はいきなり俺の背中にピョインと飛び乗り、そのわがままボディを無遠慮に押し付けてくる。赤面する俺に対してキョトンとする本音。……これはダメだ、諦めた方が早いパターンですぜ。

 

「しゅっ……出動だおらああああ!!」

 

「わ~!かがみん速~い!」

 

 ならば簪を見つけた方が早いと、俺は気恥ずかしさを紛らわすため叫びながら全力疾走する。よくよく考えれば、叫んだ方が恥ずかしいと言う事に気が付いたのは、一日目の就寝時間あたりなのであった……。

 

 

 




三島さんと真を絡ませてたらまとまらなくなっちゃった、テヘッ☆…………オエッ、自分でやってて拒否反応が……。

どうしてもここら辺りで真と三島さんに知り合いになってもらう必要があったものですから……。この世界での三島さんは良い人100%なのでご安心を、グリラスワーム?知らない子ですね、状態です。

次回は後篇に続きます。水着姿の簪と本音にドキドキさせられる真が書きたいですねぇ…………。…………もげろ(ボソッ)

それでは皆さん、次回もよろしくお願いします。

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