戦いの神(笑)ですが何か?   作:マスクドライダー

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どうも、マスクドライダーです。

IFストーリーのその2です。今回は、もしも真にモテ期が訪れたら……なお話となっています。以下、注意事項等です。

・時間軸は、本編の六章序盤
・生徒会ハーレム
・この次元の真は、初期から後期の様な性格
・この次元には、昭和ライダーのみ普通に存在
・弾涙目

以上の事に注意しつつ、やはりパラレルですから……頭を空っぽにしてよろしくどうぞ。

それでは皆さん、今回もよろしくお願いします。


IFなお話・ハーレムルート

「はぁ~……」

 

 生徒会役員として選出されて、数か月といったところか……。庶務としての仕事は慣れたし、他のメンバー達も気さくで……なら何で、こんな溜息が出るかって……?

 

 ある意味……そのメンバーが問題でもあるんだよ……うん。恐らくだが一般的男子から見れば、とてつもなく贅沢な悩みなのだろう。だけどな、実際俺と同じ体験をしてみ?きっと……悩む事になるはずだ。それで、俺の悩みが何なのかと言うと……。

 

「ま~こっとく~ん!」

 

「……ども、楯無先輩」

 

 今とてつもなく……モテ期とやらが到来しているかも知れないって事。気配も無く忍び寄ってきた楯無先輩は、椅子に座ったままの俺の首へ腕を回して……立派な胸を無遠慮に後頭部へ押し付けてくる。

 

 へ、平常心……平常心……。この先輩に至っては、いつもの事だ……。でも……あぁ……柔らかい感触が、頭に……!くそぅ!男ってなんでこう……単純に出来てるんだろうか……。

 

「いつもお仕事頑張ってるわね~。偉い偉い♪」

 

「いや……その……で、出来る事から……コツコツとっすから」

 

「謙遜しなくても良いじゃない!君が頑張ってるのは、お姉さんがちゃんと見てるもん」

 

「ど、ども……」

 

 そう言いながら楯無先輩は、俺の肩に頭を乗せるような形にシフトチェンジ。そのまま俺の頭をナデナデ……。楯無先輩の厄介なところは、これなんだよ……。

 

 こうさぁ……恥ずかしげもなく、ピンポイントでドキドキさせられる行動を取るんだよ……。ク、クソ……集中できねぇ。とにかく手元の書類に……集中するんだ。

 

「ふぅ~……」

 

「なぁーっ!?なっ、なななな……なんっすかいきなり!」

 

「だって真くん、耳まで真っ赤よ?そんな可愛い反応されたら……イタズラしたくなっちゃう♪」

 

「いや……んな事より、いちいち近いですって……」

 

 あろう事か楯無先輩は、俺の耳に息を吹きかけてきた。慌てた俺は、キャスター付きの椅子を足で動かして距離を取る。しかし楯無先輩は、俺を逃がしてはくれない。

 

 先輩の方へ振り返った頃には、既に眼前に迫っていた。あぁ……そのね、表情とか声色がどことなくエロいのも反則だよ。そんな顔でイタズラなんて言われた日には、貞操の危機な気が……。

 

「もぅ……そんなに私から言わせたい?」

 

「はぁ!?別にそんなつもりじゃ……」

 

「そうね……それじゃ!お姉さんから、ご褒美って事で……ねっ☆」

 

「いや、『ね』じゃない『ね』じゃない!人の話を聞けよ!?」

 

 ズリズリ後ずさりしてたら……あっという間に背後は壁……。それを見た楯無先輩は、まるで獲物を捕らえたのを確信したかのような表情を見せる。

 

 これが噂の肉食系女子ですか?……多分違うううう!なんだコレ、物理的に喰われそうな気がする……そりゃもういろいろと!ってか、どうなの!?仮にも生徒会長だよこの人!?

 

「お嬢様?少々……悪ふざけが過ぎますよ?」

 

「げっ……虚ちゃん。くっ……有無も言わさず真くんを襲っておけば……!」

 

「おいっ!やっぱアンタそのつもりだったんかい!」

 

「はぁ……貴女の席はあそこです。大人しく戻って下さい」

 

 ニッコリとした表情で現れたのは、虚先輩だった。助かっ……てないけど……!厄介事がまた1つ増えただけなんだけど……!まぁ……やはり礼は言わせて頂こう。

 

 虚先輩が会長席を指差すと、楯無先輩は大人しくそれに従う。この2人はよく解からない主従関係なようで……単純に苦手なんだろうかね?

 

「ごめんなさいね、真くん。貴方はいつも真面目に仕事をしてくれるのに……」

 

「良いんすよ、虚先輩が抑止力になってますから」

 

「それなら良いのだけれど……。あっ、真くん……いつもので良いかしら?」

 

「あっ、はい……お願いします」

 

 俺がそう言うと、虚先輩はかしこまりましたと首を垂れる。いつもの……ってのは、紅茶と茶菓子だな。なんか申し訳ない気もするが、仕事の時には出して貰ってる。

 

 虚先輩が茶を淹れている間に、俺はまたしても足で地面を蹴りキャスターを利用して元の位置へと戻った。机に置いていた書類に手を付けてしばらく、目の前に紅茶とケーキが並べられた……のは良いんだよ。

 

「あの……」

 

「はい。何でしょう?」

 

「……近く……ないですか?」

 

「真くんの気のせいですよ」

 

 嘘だね!ぜってー近けぇもん!ってかアンタ……キャスターをガラガラ鳴らしながら俺の席に寄せてたでしょうに。虚先輩は、俺の隣も隣……ほぼ密着状態の場所に座っている。

 

 だから言ったじゃん……助かってないって……。なぜだ……?楯無先輩ならともかく、この人に好かれるような事は何もした覚えはない。本人に聞けるはずもねぇし……。

 

「はぁ……」

 

ヒョイ……

 

「……虚先輩。なんでケーキを遠ざけるんですか……?」

 

「真くんはお気になさらず仕事を続けてください。お茶はともかく、ケーキは私が食べさせてあげますから」

 

 ……俺がケーキに手を伸ばしたらコレだ。仕方が無いが、従うしか無かろう……。俺も虚先輩だけには逆らえない。生徒会の中で、一番恐ろしいのはこの人であるという認識だ……。

 

 そう言われた俺は、試しに顔だけ虚先輩に向けてみる。すると先輩はニコッと笑って、フォークを駆使し俺にケーキを差し出した。俺が口を開くと同時に、虚先輩は口内へとケーキを運ぶ。

 

「どうでしょうか?」

 

「虚先輩が焼いたケーキですよね?はい……美味いっすよ」

 

「あら……解かるの?フフッ、嬉しいわ」

 

「ま、まぁ……一応ですけど、料理とかよくしますから……」

 

 何となくだけど味付け等は、よほど意識しないと作り手の癖みたいなのが出る……と思う。虚先輩の手作り菓子は何度か口にした。まぁ……食べさせられたと、そう言った方が正しいけど。

 

 とにかく、虚先輩の手作りだと察する事が出来た。それだけで上等にしておこう。以前に気付けなかったら……無言のプレッシャーが凄まじかったし。

 

「虚ちゃんばっかりズルい!私も真くんにあ~んしたいもん!」

 

「いえいえ、お嬢様の手を煩わせる訳には……」

 

「そう?たまには私も奉仕する側になるのも悪くないかな~って、そう思うんだけど……」

 

(……胃が痛い)

 

 楯無先輩と虚先輩は、いわゆる『女の戦い』を始める。知らんぷりして書類にペンを走らせるが、これがまだ序の口だと思うと……今度は頭が痛くなる。

 

 後は……2人か。幸いな事にあの2人の出席率は、お世辞にも高いとは言えない。片方は事情があるが、片方は単にサボり……今日も来ない事を願うしか……。

 

「やっほ~」

 

(と思ってたらこれか……)

 

「かがみ~ん。あの2人は~、どうしたの~?」

 

「さ、さぁな……」

 

 いやいや……何も来るなとか、そんな失礼な事を言うつもりは無いんだ。だが、やはり悩みの種が増えたのも事実なんだよ……。本音は2人の様子を気にしながら、楯無先輩と同様に背後から俺に抱きつく。

 

 くおぅ……また柔らかい……!つーか、なんなんすか?俺の周りの日本人の……この巨乳率の高さは。箒しかり、織斑先生しかり、山田先生しかり……(一部除く)生徒会メンバーもそうだ。

 

 日本人女性って、小さめが多いのでは無いのか?詳しい事は知らんが、そんなイメージだ。なのにこの後ろ頭を襲うこの柔らかい感覚……。ある意味……気が遠くなる。

 

「あ~、かがみ~ん。ほっぺにクリーム付いてるよ~」

 

「えっ、本当か?どこどこ?」

 

「ちょっと待ってて~、私が取ってあげる~」

 

ペロッ……

 

「ほわああああっ!?」

 

 本音、そこほっぺと違う……口元や!しかも……しかも!何の遠慮も無く舐めとりよったよこの子!おかげで出した事も無いよう声が……。

 

 ギリギリだ……キスじゃないかどうか、そのくらいの辺りを舐められた。本音は楯無先輩と違って、悪気って言うか、俺をドキドキさせようって魂胆とか関係無く……こういう事をしてくるのだ。

 

「ちょっと本音ちゃん……抜け駆け禁止でしょう?」

 

「そうよ、本音。それにあのクリームはわざと……じゃなくて、はしたないわよ」

 

「え~、だって~早い者勝ちでしょ~?」

 

 そうそう……いつもこの流れだ。だんだんと、言い争い?の人数が増えてゆく……。最後の1人が揃ったらフルハウスってところだろう。いや、そんな良いものでは無いか……。

 

 唯一の救いとしては、彼女がさほど積極的では無いという点だな。なんか知らんが、女子なのに趣味が合うし。そんな事を考えていると、肩を叩かれた。椅子ごと振り返って見ると、件の女子が……。

 

「よぉ、簪」

 

「あの……これ……」

 

「ああ、見終わったんたな。サンキュー」

 

「ダイジェストだし……そんなに時間は……」

 

 簪が差し出したのは、昭和ライダーの変身シーンや必殺技のシーンを俺が編集したDVDだ。なんでも……俺との会話で昭和ライダーに興味を持ったようで……。

 

 俺と話しを合わせる云々では無く、純粋にライダーを見てみたい……という印象を受けた。俺としては、どういう感想だったかしっかり聞いてみたい。

 

「で、どうだった?」

 

「火薬の量が……」

 

「ハハハ……まぁ、最近のライダーと比べるとどうしてもな」

 

「あと……キックに……命を賭けてる……」

 

「な~……やっぱ昭和勢のキックはさ、美麗なエフェクトこそ無いけど……気合が違うよな」

 

「きりもみ反転キック……一押し……」

 

「ああ、V3はキックが多彩で楽しいよな。俺はパワフルだったりワイルドだったりが好きだぞ」

 

「例えば……?」

 

「ん~……2号の卍キックとか、アマゾンの大切断とか、シンさんのハイバイブネイル&スパインカッターとか?」

 

「申し訳ないけど……シンさんは……NG……」

 

「あ、悪い……女の子からしちゃ、あのシーンは衝撃的だったか……」

 

 こうして俺と簪は、3人をそっちのけでライダー談義で盛り上がる。濃ゆい……のだろうか?一般的ライダーファンなら、これくらい話せるという個人的な認識だが。

 

 見せたのは俺だけど、やはりシンさんのシーンは……注意喚起をするべきだったろうか。アレ凄いからね、マジで……泣かせる気が満々だと思うよ俺は。頭ごと脊髄ぶっこ抜きだもの……粘液滴り落ちてるもの。

 

「む~……また2人しかわからない話題だ~」

 

「前にも言った……今からお勉強……」

 

「そうは言いますけれど、簪お嬢様……」

 

「こっちから聞いてると、どうもマニアックに聞こえるのよね~……」

 

 え~……マジで?今のマニアック?やはりオタクってのは、肩身が狭い生き物だねぇ。でも確かに、狭いコミュニティの中で話す事なのかもしれない。

 

 趣味の押しつけとか、良くない事だからな……。……って1人で納得してると、簪も結局は3人に巻き込まれる形か……。好きかどうかは別として、この学園で唯一話の合う人間なんだけどなぁ。

 

 つまんねー事に、一夏はガキの頃のしか解かんねぇらしいし……。だからなるべく特撮の話題は振らない。つーか、あいつの一番喜ぶ話題って……織斑先生の話なんですけど?俺はどうすりゃ良いのさ。

 

「ストップ。良いわ……この際だから、ハッキリさせましょう。真くん」

 

「なんっすか、生徒会殿~……」

 

「貴方は4人の中なら、誰が1番タイプなの?」

 

「だから……まず前提が間違いなんだって。パッと決めれりゃ、こんな事態になってないだろ」

 

 俺も口は悪いが、むやみやたらに争いを好むわけでは無い。それも自分が原因となると、更に気まずいに決まってる。はぁ……マジでなんなんだろうな、よりによって女子しか居ない環境でモテ期って。

 

 持ち前の見た目と性格から……女子には敬遠される16年間だった。男友達には、さぞかしモテるだろ……とか良く言われるがとんでもねぇ。

 

 仮に女子が俺に話しかけて来たとして、つい照れ隠しで皮肉が出るし……モテた経験なんかねーよバカヤロー。おかげで、女子に免疫がねぇんだぞ。俺が発狂せずにこの学園に居られるのは、奇跡に等しい。

 

 奴らは俺の何を見てそう思った……?顔は決して悪くないからか?それとも背が高いから?んなモン見た目は関係ねぇんだって、大切なのは話術とかであって……。

 

「真くん……考え事の最中悪いのですが」

 

「私達も~かがみんの嗜好くらいは気になるよ~?」

 

「私達4人とは……別の話……。単に……真の好み……」

 

「何言ったって拍が付くでしょうよ。無理に俺の好みに合わされたって、嬉しくねぇし」

 

 口は災いの元って言うだろ?後は言わぬが華とかな。とにかく……世の中は言わない方が賢い。この場合は隠し通せる秘密の場合だが、俺の女性に対する嗜好なんかはそれだ。

 

 逆に隠し通せなさそうなことは、さっさと言ってしまった方が良いんだ。なんで隠してたんだ……ってなるし。よって、俺は言う必要が無いと判断。とっとと書類を終わらせて、とんずらこくのが正解……。

 

スカン!

 

「真くん……今回ばっかりは、逃がさないわよ?」

 

「ねぇ……俺の意思は!?ってか、あの扇子なに製!?それともアンタが化物なの!?」

 

「じゃ、皆1人1問ずつね。4問聞けば、だいたい解るでしょう」

 

「聞けよ!いや……お願いですから聞いて下さい!」

 

 俺の頬を掠るか掠らないかで、楯無先輩の扇子が飛んできた。凄まじいスピードで通り過ぎて行った扇子は、見事に生徒会室の壁へと突き刺さる。

 

 畜生め!この4人に囲まれて、実害が無いのが唯一の救いだったのに!つまりは……全て俺次第って事か。ほら……やっぱり口は災いの元だよ。……アレ?俺まだ何も言ってないような……。

 

「生徒会長権限で私から!それじゃ……好きな髪型とか、長さとか?」

 

「無駄に凝るよりかは、シンプルな方が良いと思うぞ。長さは……まぁ、長い方が好きだ」

 

「…………」

 

「ちょっと待て、おかしい!言えって言ったのアンタじゃん!」

 

 長い方が好き……となると、この中で最も短いのは質問した本人だ。自ら地雷を踏んだんだ……俺は悪くないもんね!無言でミステリアス・レディを展開されたって、怖くもなんとも……。

 

 ……やっぱ無理……そりゃISは怖いよ。んで……布仏姉妹……髪が長いだけで勝ち誇るのは止めなさい。それは余計に楯無先輩を煽るから。

 

「では、次は私が。……年上と年下で言うなら、どちらが好みです?」

 

「……年上っす」

 

 うん……良いよね、年上。好きだよ、年上。なんつーかさぁ……リードは俺がするけど、時々隙を突いてお姉さんっぽい事をしてほしいってかさ。……俺は、誰に何を言ってるんだ。

 

 楯無先輩は先ほどまでの暗い様子は吹き飛んで、パッと明るくなった。そして本音に簪……君らはタメだ。虚先輩が言ったのは、上か下かの問題だからね?そんなシュンとされても……。

 

「じゃ~次は私~!う~ん……家事とか出来ないと~、ダメ~?」

 

「そんな事は無いな、俺が完璧だし……。もし出来ねぇんなら、手取り足とし教えるぞ。一緒に覚えてくのも楽しいんじゃねぇ?」

 

 本音……なんでこの返答にニコニコするんだ?布仏家って、代々更識の使用人なんじゃ……。ま、まぁいいや、下手に突っ込まないでおこうじゃないか。

 

 が……ダメだ……ツッコミを入れたい……!なんで簪の方が、勝ち誇ってるんだ……!更識の主従関係に、俺のツッコミ魂が……!お、落ち着け……後で一夏か鈴をからかいに行こう……そうしよう。

 

「最後……私……。えっと……その……。お、女の子の胸……とか……」

 

「よりによって、そこ……?あ~……クソッ……。俺が重点を置いてるのは、大きさじゃない……形だ!大きいと押し付けられればとんでもねぇ凶器だが……やっぱ俺は、そこまで大きいのはねぇ……」

 

 言っておくが、簪に気を使ったとかでは無いぞ……全て本心である。こうね……掌に持て余すよりは、調度収まるサイズが理想だ。身内が巨乳だらけなせいか、簪は飛び切り嬉しそうな表情に。

 

 で、やっと全部か……なんか精神的に疲れた。別にこの質問は、あくまで俺の傾向を教えただけで……ん?もしかして、俺って単に恥ずかしいだけじゃん……スゲー損しかしてない。

 

「で……誰が好み?」

 

「アホか!んな安っぽい誘導尋問に引っかかるかっての!」

 

「あら、それは残念」

 

 前に投げたボールが、地球を1周して後ろ頭にぶつかった様なもんだ。この人は……もしや最初からそれが目的じゃあるまいな……?

 

 つーかもう良いじゃん……さっさと俺を解放してくれ。ん……?そういやだけど、一夏ってどうなったんだ?警護目的で、生徒会に入れる……みたいな話じゃなかっただろうか。

 

「話は変わるが、楯無先輩。一夏って、生徒会に入れるんじゃなかったか?」

 

「「「「…………」」」」

 

「え……?なんでそんな、何言ってんだコイツみたいな目で見られてんの?」

 

 俺が質問すると、生徒会室の雰囲気は最悪になった。何も悪い事は言ってないぞ……?だって、あいつを守って強くする事が目的だろ。

 

 更識の役割を放置してて良いのか、って言いたいんだけど。責められるいわれは思い当たらない。決して一夏が居れば、この状況が緩和される……とか思ってないぞ、いや……本当に。

 

「真くん、胆力は称賛に当たりますが……この状況で、良くそんな事が言えますね?」

 

「彼が……今この場に居ても……」

 

「う~ん、なんて言うかさ~」

 

「ぶっちゃけ、邪魔?」

 

「更識の役目はああああ!?」

 

 嘘だろおい……連係プレーで、絶対に言っちゃいけない事を言ったよ……この連中!特に楯無先輩……アンタは、何か知らんが楯無を継いだんだろ?今の聞いたら、絶対に先代は泣くぞ。

 

 そんな事より……身の危険を感じるんだが、気のせいなのだろうか?人の心が読めるわけは無いが、似たような状況に陥った一夏も同じことを考えて良そうだ。

 

「ね~、やっぱり参考にしかならないよ~」

 

「私も本音の意見に賛成です」

 

「聞くだけ聞いて……恨みっこなし……」

 

「そうね、それで行きましょ」

 

「いや……だからね、俺はアンタらの中の誰が好きとかそう言うのは本当に無くて……。つーか、無言で近づいて来るの止めてもらえません?」

 

 こんな状況だったら、好きになれるモンも好きになれねぇんだってば。サシなら全員いい女だよ、心からそう思う。でもね……いい女が互いを牽制して、そのプレッシャーの矛先が俺に向いてるんですよ。

 

 そんなん……アンタらの中身に向き合う事に、集中できないんすよ。アンタら自分らで自分のチャンス潰してるだけだぜ?……と、声を大にして言えたら良いなぁ。

 

「真くん?私達の中で」

 

「誰が……」

 

「一番~」

 

「好みのタイプですか?」

 

「その、あの……えぇ~……っと……。さ……三十六計逃げるに如かず!」

 

「あっ、逃げた!真くん……待ちなさい!」

 

 間合いはまだ詰みきってはいない……俺は椅子を転ばす勢いで立ち上がって、生徒会室から逃走を図った。生徒会メンバーで厄介なのは楯無先輩のみ!なんとか逃げられるはずだ。

 

 ……と、思ってた時期が俺にもありました。楯無先輩に追い掛け回された挙句……残りの3人に回り込まれてやんの。アンタら、だったらもっと生徒会室で仲良くしてくれねぇかな。

 

 で……結局はまた振出しに戻ると……。観念して、誰もまだ好きでは無い……って事でその場は落ち着いたが……。誰か助けてくれええええ!身が持たねぇよおおおお!俺の虚しい心の叫びは、誰にも届く事は無い……。

 

 

 




女難の相が出てますねぇ(他人事)

ってな訳で、生徒会ハーレムルートでした。まぁ……あくまで誰とも付き合って無いって状況ですけれどもね。

思い切って真を鈍感な設定にして見たのですが、上手くいかず……。幾分か通常よりもマイルドにしたら、調度良くなりました。

あっ……ちなみにですが、キャラの台詞=私の考えでは無いので……。真が言っていた女性の好みは、私とは関係あったりなかったり。

次回は……番外編その1ですね。番外編ですので、あくまで本編中で起きた出来事である……と、認識して下さいませ。

それでは皆さん、次回もよろしくお願いします。

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