戦いの神(笑)ですが何か?   作:マスクドライダー

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タイトル通り本当になんてことないですよこの話……。

どうにも思った通りの文章が書けないんですよね……。

いわゆるスランプって奴なんでしょうか?

まぁ別にスランプだろうとなかろうと駄文なことには違いないですけどね、ハハハ(乾いた笑み)

それでは、今回もよろしくお願いします!


なんてことの無い学園風景(不穏な空気あり)ですが何か?

「真。飯食いに行こうぜ、鈴もちゃんと紹介するからさ」

 

「は?」

 

 ようやく昼休みかと背伸びをしていると、織斑がいきなりそんな事を言い出した。俺だって別に本音としか飯を食いに行くわけでも無いし、織斑とだって何度か一緒に食事をしたことだってあるさ。何度かっていうよりはむしろしょっちゅうだけど。

 

 だけど俺に鳳をキチンと紹介しておきたいという織斑の意図が分からなかった。それ故に俺は今みたいな質問口調の返事をしてしまう。

 

「……別に俺はどーでもいいんだが?後ろのお二人さんと違って」

 

「後ろ?うわっ、箒とセシリアか……びっくりさせるなよ」

 

「お前のせいだ!」

 

「あなたのせいですわ!」

 

「なっ、なんだよいきなり……」

 

 あ~……篠ノ之もオルコットも授業中に叩かれまくってたが……まさかそれを織斑のせいと言いたいのか?はっ……呆れた、それに関しちゃてめぇらのせいだろうに、やっぱ遠目で観察が一番だな。近場でケンカに巻き込まれるのもゴメンだし。

 

「ま、俺はお前と鳳の関係なんて微塵も興味ねぇからパスで。本音、飯にしようぜ」

 

「ん~……今日はおりむ~たちに付いて行こうよ~」

 

「なん……だと……!?」

 

「いや、そんなに驚く所じゃないだろソレ」

 

 さっきも言った通り、俺と織斑が一緒に食事をするのは決して珍しい事ではない。同じくして俺、本音、織斑の組み合わせもよくある話だ。しかし、本音みずから織斑と一緒が良いってのはレアなパターンだ。

 

「どうして今日なんだ……?」

 

「うん~、りんりんと~お友達になるチャンスなのだ~」

 

 なるほど「なんだって良い!鳳と仲良くなるチャンスだ!」って事か……このネタ分かる奴いるのかね?まぁいいや……ってよくない!

 

 織斑に付いて行けば、それはもうどろっどろな修羅場を見せつけられ、逆に付いて行かなければ一人での食事になる。一人であの視線にさらされるのはもう勘弁だぞ……。

 

「分かった。それで行こう」

 

「わ~い!やった~!」

 

 修羅場と一人の食事を天秤にかけた結果、修羅場の方がまだマシと判断した。本音もいるし何とかなるだろ、特有の癒しパワーで。

 

「よし、決まりだな。あっ……と、その前にのほほんさん」

 

「ど~したの~?」

 

「アイツの事を「りんりん」って呼ぶのは勘弁してやってくれないか?昔そのあだ名のせいでいろいろあってさ……」

 

「そ~なんだ~。うん~気を付けるよ~」

 

 ふ~ん、トラウマってかコンプレックス?みたいなものでもあるのかね。「リンリン」だけにパンダって言われたとかだったりしてな、ははっ。

 

「おい。そろそろ行かないか?」

 

「そうですわ!早くあのお方と一夏さんの関係をお聞きしませんと」

 

「急かすなって、んじゃ行くか」

 

 織斑が歩き出すのに合わせて、篠ノ之、オルコットと続く。俺はため息をつきながら織斑について歩くのを渋る。すると、本音がグイグイと俺の背中を押す。

 

「分かった、分かったから……押すなよ本音」

 

「かがみんは~もうちょっと率先して~、お友達を増やさなきゃだよ~」

 

「別に俺は友達なんか……」

 

 そう、別に友達なんてたくさん必要ない。きっと作ろうと思えば俺だってやればできるはず、だが俺はそれをしない。

 

 俺には友達の必要性を感じることができないでいる。相手に会わせるなんてのはまっぴらゴメンだし、なにより言いたいことをはっきりと言う俺の性格上、もし相手が俺と友人関係を築こうとしても無駄に終わるのが関の山だ。

 

 ……ふと思う。なんで目の前のコイツらは、俺の事をほっておいてくれないんだ?今まで織斑、篠ノ之、オルコットにはかなりの憎まれ口を叩いだつもりだ。

 

 それなのにコイツらは俺に話しかけてくるし、こうやって飯にだって誘って来る。

 

(……思えば、今までいなかったな……こういう奴ら)

 

 どいつもこいつも、中学までだったら思ったことをそのまま口に出せば次から話しかけてくる奴は大抵いなかった。

 

(止め止め……こいつらが単にアホなだけだろ)

 

 我ながら随分とくだらない模索をしてしまった。いかんね、考え過ぎが悪癖と化してきているな。こいつらが俺をどう思っていたって、関係のない話だ。

**********

「来たわね、一夏!」

 

「まぁとりあえずそこをどいてくれ、普通に通行の邪魔だからな」

 

 たまには織斑と意見が合うものだ。というのも、鳳の奴は立ちふさがってる。どこからどう見ても邪魔だ。鳳は織斑にそういわれたためか、一瞬で大人しくなった。

 

 これが俺の発言だとすれば、それはまたうるさい反論が返ってきたことだろう。ま、織斑をはじめとしたこのメンバーに口喧嘩で負けるって事はまずないだろうけど。

 

 織斑と鳳が仲良さそうにしているのを見て、小競り合いが始まりそうになるが、どうにかこうにかスムーズにそれぞれ食券を買うことに成功する。

 

 そのまま都合よく開いていたテーブルについた。……お前ら織斑の方に寄りすぎだろ、織斑の所せまっ。普通に考えればうらやましいシチュエーションなのかもしんない。

 

「それにしても久しぶりだな、元気してたか?」

 

「あ~……タンマだ。積もる話があるのは分かる、だが先にソイツの紹介をしろ。でないとそこの二人が面倒臭いからな」

 

 篠ノ之とオルコットを若干睨みながらそういうと、二人ともギクリ!と言った風なリアクションを見せ顔を逸らす。

 

「こいつは鳳 鈴音って言ってな、俺の幼馴染なんだ」

 

 織斑の言葉に怪訝な表情を見せる人物が一人。「幼馴染」である篠ノ之だ。おおかた織斑と最も親密な関係にあるのは自分だと思っていたのだろう。

 

「幼馴染……?幼馴染は私だろう」

 

「箒と鈴は入れ違いだったんだよ。箒がファースト幼馴染で、鈴がセカンドな」

 

「そう……だったらアンタが篠ノ之って子ね。よろしくファーストさん?」

 

「あぁ、よろしくセカンド」

 

 そう言いながら二人は握手を交わすが、なんかこう……違うくね?握手ってもっとこうさぁ……友好の証なわけじゃん。なんで二人の後ろに燃え盛る業火が見えるのだろうか。

 

「んんっ!わたくしの存在を忘れてもらっては困りますわ。中国代表候補生、鳳 鈴音さん」

 

「誰……?」

 

 鳳の「誰?」発言にオルコットは顔を真っ赤にして抗議している。なんか焦ってるようにも見えるが、まぁ自分だけ幼馴染じゃないし、焦るのも当然か。

 

 なんて、ギャーギャー騒ぐ鳳とオルコットを眺める。ふと隣を見ると、そんな様子も楽しそうに眺める本音が居た。ときどき思うけど、なんか本音って大物なんじゃないか?俺はこの状況を間近で見て楽しめる余裕はない。

 

 とはいえ、若干俺と本音が空気と化してきている。別に俺は良いが、本音は鳳と仲良くなりたくてここにいるのだから、このままほっとくのは少し酷だろ。

 

「織斑、鳳に本音を紹介してやれ」

 

「おっと、そうだな。鈴、そっちの女子はのほほんさんって言って、その子も俺のクラスメイトだ」

 

「布仏 本音だよ~。よろしくね~、りんちゃん~」

 

「あ、えっと、うん。よ、よろしく……」

 

 どんな状況でも全くブレない本音の「のほほん」とした様子に、鳳は一瞬だけ戸惑ったような対応になった。そして、どうやら本音を恋敵ではないと判断したのか、幾分かぎこちなさが消えた。

 

「ところで、そっちの二人は分かるけど本音と真は何しに来たの?」

 

「食事」

 

「いや、そういう意味じゃないわよ!」

 

「鈴、真はそういう奴だから」

 

 鳳の質問に答えると、コンマ数秒ほどでツッコミが帰ってくる。今回の限ってはいつもの憎まれ口でなく、本気で言ったつもりなんだけどな。それと織斑、なんだその聞き捨てならない発言は。

 

「りんちゃんと~お友達になりたくて~」

 

「あ、あたしと?そっか……。うん、ありがとう」

 

「えへへ~」

 

 やはり本音が居て正解だったな、だいぶ場も和んできた気がする。まぁいつでも発火しそうな火種はそこらに転がってるんだけども。

 

「ありがとうと言えばだけど、真。昨日は本当にありがとうね、おかげで助かったわ」

 

「だから、俺は何もしてねぇ。ガタックゼクターのおかげだって言ったろ」

 

 俺はいたっていつもと同じ対応で鳳に返す。織斑の言った事もあながち間違いじゃなかっとかもしれない。俺は「そういう奴」なのだ。

 

「りんちゃん~。かがみんはね~、素直じゃないんだよ~」

 

「本音。余計なことは言わなくていい」

 

「いや、のほほんさんの言う通りだろ」

 

「は?どういう意味だよ?」

 

 織斑の言葉に鳳以外の全員が頷いた。いったいなんだっていうんだ。あまりにも理解不能な状況に俺は眉間のしわを寄せる。

 

「口ではなんだかんだ言って、いつも誰かが困ってると助けてるじゃないか」

 

「何の話だ?」

 

「加賀美。見ている奴はしっかり見ているものだぞ」

 

  織斑の言葉にも、篠ノ之言葉にも全く身に覚えがなかった。さらに顔をしかめる俺を見てか、篠ノ之は少し顔をニヤつかせながら続けた。

 

「この間、重そうな荷物を運んでいる女子を手助けしてやってただろう?」

 

「わたくしは図書室で高い場所の本に手が届かなかった方の代わりに、本を取って差し上げていたのを見ましたわ」

 

「あぁ?んなもん、たまたま気が向いただけだっての」

 

「その割にはいつも気が向いてんだな」

 

 余計なことを言った織斑を殺意を乗せた視線で睨む。気が付けばこの場の全員が俺の方をニヤニヤしながら見てやがる。

 

「かがみんは~「しゃーねぇな」が口癖だもんね~」

 

「どなたかを助けるときは、決まってそのセリフをおっしゃっていますものね」

 

「へぇ~……いけ好かないって思ってたけど、案外いい所あるじゃん」

 

「お前ら……俺が良い奴に見えるんなら今すぐ眼科に行くことをオススメするぜ」

 

 なんだこれ?いや、本当になんだこの状況は?本音までもがこぞって俺をイジり始める。勘弁してくれよ……マジで俺は良い奴なんかじゃないんだって。

 

 その後はもう俺にとっては地獄そのものだった。クソが……覚えていやがれ、この恨み必ず晴らして見せる。そう心に誓いを立てる俺であった。

**********

「……ん?」

 

 自室での勉強中に隣の部屋が妙にやかましい事に気が付く。何を言っているかはわからないが、声は俺の部屋の方まで響いている。

 

「ったく……放課後くらいは大人しくできねぇのかよ」

 

 うんざりした表情を浮かべながら、ノソリと立ち上がる。文句の一つも言ってやらんと、このままでは集中できそうもなかった。

 

「最っっっ低!」

 

 俺が廊下に出た瞬間。今度はハッキリ聞こえるくらいの大声が耳に届いた。次の瞬間、織斑の部屋から鳳が飛び出してきて、俺には目もくれず走り去っていった。

 

「なんだあれ……?」

 

 何かまた織斑を巡ってトラブルでもあったのだろうか?とにかくとして、織斑たちの様子はうかがっておいた方がよさそうだ。

 

「織斑、聞こえてるか?」

 

「真……?ああ、今出る!」

 

 ドア越しに織斑を呼んでやると、すぐさま顔を見せる。だがその表情は困った顔そのもので「やっちまった」みたいな感じがにじみ出ているのが傍目からでも伝わった。

 

「はぁ……言いたいことはいくつかあるが……まずは、うるせぇもうちょっと静かにしてろ、迷惑だ」

 

「悪い……」

 

「後……今のはなんだったんだ?」

 

「あぁ、それがさ」

 

 聞くと、織斑は昔鳳と約束をしたそうな。その内容は「料理ができるようになったら、毎日酢豚を食べてくれ」というもの。

 

 その約束を覚えているかと問われ、織斑は「毎日酢豚を奢ってくれるって話か?」と答え鳳を怒らせたと言う事か。

 

「もうさ、お前いい加減に死ねば?」

 

「そ、そんなに酷いこと言ったのか、俺!?」

 

 そりゃ酷いだろうよ、鳳のした約束は「毎日お前の作った味噌汁を飲ませてくれ」的な奴の逆パターンだろ。半分プロポーズじゃん。

 

 それをお前……奢ってくれるって、なんでそういう風に解釈するんだ。都合がいいのか悪いのかよく分からない頭をしている織斑に、呆れを通り越して感心すら覚えてしまう。

 

「はぁ……約束はちゃんと覚えてたはずなんだけどな」

 

「はぁああああ!?お前それマジで言ってんの!?ダメだ、こいつもうここで殺そう。その方が世界の女性のためにもなるだろ」

 

「こっちがはぁ?だよ!?ちょっ、ちょっと待て真!げふっ……首は……首はダメだって……!」

 

 間髪言わずに織斑の背後に回り込み、チョークスリーパーをかける。文字通り息の根を止める勢いで技をかけてるから、かなり苦しいはずだ。

 

「一夏?加賀美の用事はまだ済まないのか?」

 

「ああ、安心しろ篠ノ之。もうすぐ全てに決着がつく」

 

「それを見てどう安心しろと言うんだ!?お、落ち着け加賀美!」

 

「離せ篠ノ之!あれだぞ、お前のためでもあるんだぞ!」

 

「言いたいことは分かるが堪えてくれ!私はいったい何年我慢したと思っている!」

 

 篠ノ之の言葉に水を打ったようにハッとなる。そうか……篠ノ之は数年間もこの男の鈍感っぷりに耐えてきたのか……。……アレ?日ごろの行動を見ると耐えれてなくね?

 

 まぁアレか、とにかく殺そうとしている俺よりマシなことには違いない。ここは篠ノ之の数年間に敬意を表して、殺すのだけは勘弁しておいてやろう。

 

 首からパッと手を放すと織斑はグッタリと膝を床に付けた。あっ、落ちてんなこれ、まぁ気絶で済んでありがたいと思ってほしいところだ。

 

「大丈夫か、一夏!?」

 

「まだ死んじゃいねぇよ。……よっと」

 

「何をする気だ……」

 

 気絶した織斑を背負うと、篠ノ之は俺に警戒の視線を送る。まぁあれだけの事をしたのだから、そういう目で見られても仕方が無いが……それにしても篠ノ之……普通に怖いな。

 

「安心しろよ、こいつを部屋に運ぶだけだ」

 

「そうか……悪いな、私には少々荷が重い」

 

「別に、気絶させたのは俺だし」

 

 ってか織斑……男にしては華奢な見た目してるくせに結構重い。着やせするタイプか?ずいぶん嬉しくもなんともない着やせなことで。

 

「あらよっと」

 

 ベッドに織斑を投げ捨ててやる。どっちにしろこれで静かになったな、結果オーライ。よしよし、それならさっさと自室に戻るとするか。

 

「じゃ、俺は帰るから。邪魔したな」

 

「あぁ、またな加賀美」

 

「それと……織斑には悪かったって伝えといてくれ、それじゃ」

 

「分かった、伝えておこう(やはり素直じゃない奴だ)」

 

 なんか篠ノ之にロクでもないことを考えられてる気がするが、まぁいいや。もうやるべきことは終わった。俺はすぐさま振り返り、廊下に出た。

 

「…………」

 

 そして、無意識に鳳が走り去っていった方向に目がいった。……こればっかりは本人たちに委ねるしかないか、他人の俺が口出しして良い了見ではない。

 

「……あんなんで折れるタマでもねぇだろ」

 

 そうとうショックであったことには違いないだろうが、鳳のことだ、そっとしておいたらそのうち元気になるはず、出会ってまだ二日だけどなんとなくそう思う。

 

 

「っと他人の事より自分の事だな」

 

 そもそも俺は勉強の邪魔だったから織斑たちに注意を促そうと思ってたんだし、そんな俺が油売っててどうするよ。

 

「さて、何をどこまでやったかな……?今日の授業でやったところは……もうまとめてあるな、大丈夫。え~…っと、だったら……」

 

 なんて呟きながら部屋に戻る俺。我ながらかなり不審だ。とにかく俺は中途半端な状態で中断させてしまった勉強を、どこまでやったか思い出しながら部屋に帰って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 




ついに真の「素直じゃ無い奴」が共通認識に。

でも実は一部から真は評判が良かったりします。

顔も割とよく、口は悪いけど実は優しいってところがウケがいいそうな。

それでも口や態度の悪さの方が目立ってまだまだ勘違いしてる女子が大半って感じでしょうか?

次回はもう冒頭からクラス対抗戦でしょうね、ようやく無人機との戦いが書けそうです……。

それでは皆さん、また次回でお会いしましょう。

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