戦いの神(笑)ですが何か?   作:マスクドライダー

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どうも、マスクドライダーです。

いやぁ……熱いっすね……。こんな所で話す事じゃぁないんでしょうが……スミマセン、ちょっとばかり愚痴らせてください。

職場がね……とある理由で外より熱いんっすよ。温度計確認したら40度ってどう言うこっちゃねんと……。何もしてなくても汗がダラダラ……っす。

今日も休日出勤のおかげで投稿遅れますし……散々ですわ。小説書くから休ませて下さいとも言えんしね……。

まぁ……皆さん、水分補給を小まめにね。夏休み中の学生の皆さんも、私と同じく社畜の皆さんもお兄さんとの約束です。

それでは皆さん、今回もよろしくお願いします。


神の剣と地獄兄弟(難敵)ですが何か?

『――――――――』

 

ガギン!ガギィ!

 

「くっ……!」

 

 両者ともISでやる必要があるのか、そう質問したくなるように地上での斬り合いを続けていた。サソードヤイバーと、雨月や空裂がぶつかり合い火花を散らす。

 

 箒は防戦一方と言う事は無いが、どこか攻め辛いく歯痒いような表情を浮かべている。剣士はお互いに交えた剣で語り合う……などと言うが、サソードからは全く何も感じ取れない。

 

 もちろんそれは、あくまで機械だからだろう。しかし箒は、それが歯痒いくてならないのだ。剣の道とは誇り高きもので、ましてや機械などが理解できるはずも無い……と。

 

 事実サソードの動きは、あくまでインプットされた動きそのもの……箒の思う『剣の道』とは程遠い。それだけに、箒としては決して負けられない戦いであると認識していた。

 

「そこだっ!」

 

『――――――――』

 

ピッ!

 

 何とか隙を見出し空裂を振るう。するとガードが不可だったらしく、ブラッドべセルの内一本を切り裂いた。しかし……それはワンステップ回避されたからだ。

 

 もしもう少し反応が遅ければ、胴体付近の三本は全て貰っていた事だろう。だが惜しかったのもまた事実だ……この調子を崩さずと箒は更に気合を込める。

 

『――――――――』

 

「たあっ!」

 

 ブラットべセルが傷ついたのを皮切りに、サソードはまた攻撃へと入った。なにやら、気に障ったかのように感じられるが、所詮は機械……そんなはずも無かろう。

 

 サソードヤイバーを華麗に受ける箒だが、やはり心に『しこり』が残ったかのような感覚が胸を過った。自分のこの感じている違和感は何だ……?と、問い掛ける。

 

(もしや、コイツの剣技か……?)

 

 そう……サソードの剣技は何処か独特で、精神論の話では無く『剣道』とはまた違う。我流と言うか、特別な流派と言うか……。大胆さと繊細さを併せ持ったような……。

 

 そうなると、箒の頭にはある推測が浮かんだ。東洋剣術と、西洋剣術のハイブリット……?まるで探りを入れるかのように、箒は剣を交えはじめた。

 

ガン!

 

(今のは……面か?)

 

 箒は頭上から襲って来るサソードヤイバーに、そんな印象を抱いた。日本式の剣術とは、例えるならば刹那と言った所か。面、胴、小手……などなど、一瞬の隙を突き攻め入るのが大体だろう。

 

 今のサソードの剣の振りは、素早く鋭い。箒の良く知る日本式と近い型であった。しかし……それはすぐさま一転した。サソードは防がれた剣を少し上げると、全体重をかけるような重い斬撃を繰り出す。

 

ガィン!

 

「くっ……!」

 

 西洋剣術にも色々と分類はあるが、サソードのコレは戦場において騎士が用いるような型に見える。巨大な刃で、骨ごと砕いてやろうか……とでも言いたげな一撃だ。

 

(どうりで……やり辛い訳だ……)

 

 箒が相手取るのは、基本的に『コレ』といってある程度の法則性のある剣術だ。一夏で言えば、昔の名残があるのか篠ノ之流を用いている。

 

 真で言えば……アレを剣術にカウントして良いのかは微妙だが、双剣にてあらゆる近接攻撃を切り崩すような感じだ。しかしサソードは、東西洋の複合型と来た。

 

 いい意味でも悪い意味でも『型に嵌っている』箒には、少しばかり戦いにくい相手かも知れない。もちろんそれは、純粋に剣のみで相手取った場合での話ではあるが……。

 

 箒は、一つだけある致命的な勘違いをしていた。それに気付けるかどうかが、この戦いの鍵となろう。サソードは、刃を滑らしながら後方へと大きく退いた。

 

ギャリリリリリリ!

 

 刃と刃がこすれ合う事によって、尋常でない火花が飛び散る。そんな事は気にしない様子で、サソードは蠍型ゼクターの尻尾部分を、サソードヤイバーへと押し込んだ。

 

『―CAST OFF―』

 

『―CHANGE SCORPION―』

 

 電子音と共に、チューブだらけのマスクドアーマーが弾け飛んだ。中から出てきたのは、紫一色で更に毒々しいライダーフォームである。

 

 髷の様に伸びた蠍の尻尾……それが爪のデザインのコンパウンドアイと一体となり蠍を模しているらしい。そしてよく見ると、肩も爪の様なデザインだ。

 

 胸部には蠍そのものが張り付いた様なデザインで、こちらも一体となり蠍に見えるようになっているらしい。あまりに蠍という虫を推し過ぎなデザインのせいか、箒は少しばかり悪趣味だと感じた。

 

「そうは言っていられんか……」

 

『――――――――』

 

「いざ!」

 

 ライダーフォームに移行して、構えすら見せなかったサソードだったが、箒が突っ込んで来たのと同時にサソードヤイバーをその場で素振りした。

 

 ヒュオン!と文字通り空を裂く音が響いたのち、サソードも箒へと向かって駆け出す。そうして両者自慢の刀同士が、激しくぶつかり合った。

 

ギャアン!

 

(!? これは……!?)

 

 刃を合わせた途端に分かった。先ほどまでと、まるで重さが違う。当然ながらマスクドフォームとライダーフォームでは重さは歴然だ。むしろ軽くなるのが一般論である

 

 だとすれば、何故……?答えは簡単なもので、さっきまでは手加減でしかなかったからだ。箒は機械にそういった概念が存在しないと思い込んでいるため、何が何だかわからない。

 

『――――――――』

 

 一方サソードは、怒涛という表現がふさわしい攻めようだ。小手調べを止めたとなると、認識的に箒はさほどの脅威として映っていないのか……。

 

 もし本気で攻めているのなら、サソードと箒の対決は既に決着している可能性もある。なぜなら……サソードはまだ『とっておき』を使っていない。

 

「このっ……!」

 

『――――――――』

 

「何ッ!?ぐっ……!」

 

 箒はサソードを切りつけようとしたが、前転のようにして躱される。それは回避と同時に、紅椿の懐へ潜り込むと言う事だ。サソードは、しゃがんだままの状態で紅椿の脚部を切りつけた。

 

プスプスプス……

 

「こっ、コレは!?」

 

 紅椿の脚部は、プスプスと音を立てて黒く変色する。見てわかるとおりに、溶けていた。高温で?否、それは違う。箒は、この現象に見覚えがあった。

 

 以前に戦った……グラディウスと同じだ。となると、毒である。蠍がモチーフな時点で、何かしら毒関連の事は頭に入れておくべきだったのかも知れない。

 

(マズイ!)

 

 何でもいいから箒は離脱を最優先とする。急いでサソードとの距離を離して、グルリと振り返った。その際に、箒は目にする。サソードヤイバーから……紫色のドロリとした液体が滴っているのを……。

 

 液体は、地面へと落ちる。それと同時に、ジュウ!という大きな音が響き地面を溶かした。箒は思わずゾッとするしかない。これではマトモに、斬り合いをする訳にもいかなくなった。

 

「意に反するが……なにより私は勝たなくてはならん!」

 

 相手が剣士となると、なるべく自分も剣で挑みたかった。しかし……アレは実体剣である紅椿の近接ブレードでは文字通りに太刀打ちできない。

 

 ならばと、箒は両腕を前方へと突き出す。すると紅椿の背部にあるウィングパーツが、穿千へと変形する。すぐさまサソードをロックオンし、それと同時ほどに撃った。

 

「喰らえ!」

 

『――――――――』

 

 サソードはすさまじい勢いで迫るエネルギーに対して、ゼクターの尻尾を一度手前に引いたのちに再び押し込む。すると、イオンエネルギーがサソードヤイバーへと流れていく。

 

『―RIDER SLASH―』

 

ドジュウウウウ!

 

「!?」

 

 サソードが思い切り刃を振りぬくと、エネルギーの斬撃のようなものが放たれる。しかし……単にイオンエネルギーではないと、箒は目を見開く。

 

 そう……この斬撃は、イオンエネルギーと毒液の混合したもので、ポイズンブラッドと呼ばれる。空中でぶつかり合う二つのエネルギー……軍配が上がったのは……。

 

バチィ!

 

「なっ……!?」

 

 ライダースラッシュにより放たれたポイズンブラッドは、穿千のエネルギーをかき消した。勢いは覚める事無く、一直線に箒へと向かっていく。

 

 箒は避けようとするが、モード変形の弊害かマトモな移動が行えない。何とか直撃だけは免れたものの……ポイズンブラッドは、右腕部の穿千を溶かし切り裂いた。

 

ブジャアアアア!

 

「っ!?」

 

 切り口はスッパリといっているのに、その縁はドロドロに解けてしまっている。斬撃と毒とは、なかなかに厄介な組み合わせらしい。

 

『――――――――』

 

『―RIDER SLASH―』

 

 穿千に打ち勝つ自信でもあったのか、サソードは一度目のライダースラッシュと同時に走り込んでいた。既にサソードは、間合い……その辺りは、箒が一番分かっているはずだ。

 

 ライダースラッシュには、二通りのタイプがある。その一つが、斬撃を飛ばすタイプであるが……こちらは、直接ポイズンブラッドをサソードヤイバーに乗せ、切り裂くのである。

 

ザン!ザン!ザァン!

 

「ぐああああああああ!!」

 

 斜めに二度斬りこみ、最後の一太刀は振り返るようにして真横にサソードヤイバーを振りぬいた。その剣の描いた軌道は美しく……それでいて、荒々しい。

 

 そして、全てが終わった事を告げるかのように……サソードヤイバーからドクドクと紫の液体が流れ出る。その様子は、どこか毒では無く……血に見えてしまうような……そんな気さえしてしまう……。

**********

(はぁ……厄介ね)

 

 楯無にそう言わせる要因は、諸々とあるが……一番はホッパーズに搭載されている機能だろう。ミステリアス・レディは空中に浮いているが、ホッパーズは……。

 

『『――――――――』』

 

 空中に、悠然と『立って』いた。比喩表現でも何でもなく、物理的にである。良く見るとホッパーズの足元には、昆虫の複眼の様に連なる六角形の足場が存在していた。

 

 これは恐らく、ホッパーズの足底の真裏に起因すると楯無は読んだ。単に飛ぶ事も出来るのだろうが、楯無が厄介と言ったのは主にソコである。何がどう厄介なのかと言うと……。

 

『『――――――――』』

 

ズダァン!

 

「来なさい!」

 

 ホッパーズは、ジャンプの前の予備動作を見せると、空中に生成した足場を蹴りつけ楯無に向かって突っ込む。それも単純な動きでは無く、空中を跳ねまわりながらだ。

 

 飛蝗がモチーフなだけに、ホッパーズの脚力は他のISと比べても群を抜いている。その特性を十分に生かした戦法と言えよう。これが中々に、厄介だと楯無は言ったのだ。

 

『――――――――』

 

『――――――――』

 

「あら、随分古典的じゃないかしら」

 

 ホッパーズは左右に分かれて、楯無を挟み打つ。それならばと、アクア・ナノマシンを操作して左右に水の壁を張る。それを察知したホッパーズは、クルリと反転して足場を作った。

 

 するとどうだ……二人の動きはピタリと止まる。本来ならば、勢いが止まらずに水へと突っ込んでしまう……と思ったらこれだ。ここまで急ブレーキの効くISも珍しいはず。

 

『『――――――――』』

 

 更に2機は、それでは留まらない。足場をいったん消失させると、キックホッパーは水の壁をけりつけパンチホッパーは思い切り殴った。

 

 その際に両者のアンカージャッキがガシャン!と大きな音をたて、バネのように稼働した。すると、まるで蹴りと殴りの衝撃のみが水の壁を貫き楯無へと伝わる。

 

ズドン!

 

「キャッ!今のは……?」

 

 どうやらアンカージャッキは、各々のキック力やパンチ力を増大させるためだけの物でないらしい。甲龍の衝撃砲と似たような性能を持ち合わせているらしい。

 

 そうなると、水の盾は意味を成さない事となりそうだ。分析するのも良いが、とにかく張り付かれたままでは色々とマズイ。楯無は蒼流旋の出力を高め薙ぎ払うように振り回す。

 

『――――――――』

 

『―――――――!』

 

 キックホッパーは、アンカージャッキが降りた際の勢いを利用しそのまま楯無から離れた。しかしパンチホッパーの方は躱しきれずに、胸部へ蒼流旋の先端が当たる。すると……キックホッパーの様子がおかしい。

 

『――――――!!』

 

「!? 何……?」

 

ズダン!

 

「ぐぅ……!!」

 

 離れたと思ったら、すぐさま反転して空を蹴った。キックホッパーは勢いよく楯無向かって飛んで行き、前突き蹴りを放つ。あまりに突然の事で驚いたのか、蹴りはクリーンヒット。

 

 しかもそこから楯無の身体を駆け上がるようにして、二度ほどストンプを浴びせる。2撃目に頭を踏みつけられた楯無は、大きく体勢を崩した。

 

 その間に、ホッパーズは楯無の射程から離脱に成功。グラついた機体を元に戻した頃には、仲良く並んで立っている。まるで、そのポジショニングが定位置だと言いたげだ。

 

(今の……怒ったみたいに見えるけど……)

 

 そう……パンチホッパーに不可抗力ながらもダメージを与えた途端の事だ。キックホッパーは、まるで計画性も感じられない様子で突っ込んで来た。

 

 楯無にはそれが、まるで怒りから来る行動のように思えた。この2機を兄弟だと置き換えると、楯無はなんとなく共感できる部分がある。

 

 とはいえ、どちらかが危うい状況になれば助けに入るようプログラミングされているのだろう。楯無はそうやって自己完結すると、キッとホッパーズを見据えた。

 

『『――――――――』』

 

ズダダダダダダ!

 

「メチャクチャね……」

 

 ホッパーズは再び動き出したが、どうやら攻め方を変えて来たらしい。連続で生成した足場を蹴りつけ、楯無を包囲するかのように縦横無尽に跳ね回る。

 

 規則性があるように見えなくもないが、それはホッパーズの息が合っているからかも知れない。とりあえず楯無は、蒼流旋に内蔵されているガトリングをホッパーズ目がけて撃つ。

 

ガガガガガガ!

 

『『――――――――』』

 

 分かっていた事だが、ロクに当たりはしない。こうも跳ね回られれば、流石の楯無とは言えども直撃は難しいようだ。それならば、こちらから仕掛けるのはもはや無意味に等しい。

 

 向かってきたところを、何とが迎撃するしかない。それも先ほどの様な守りの姿勢では無く、もっと前衛的にならなくては……この2機は落とせないだろう。

 

ズダン!

 

『――――――――』

 

「ハイ、残念♪」

 

 まず先に仕掛けたのは、パンチホッパーだった。毎度の様に全力の拳をぶつけようとするために、動きが多少は読みやすいのかもしれない。

 

 楯無は、蒼流旋を上手く使ってパンチホッパーを受け流す。そのまま背を一突き……とはいかず。すんでの所でキックホッパーが介入し、踵落しで蒼流旋の軌道を変えた。

 

 そうすれば、またパンチホッパーが攻めに入る。何とか躱すと、また次はキックホッパー。それをしのぐと次はパンチホッパー……と言う風に、この攻防が何度も何度も繰り返される。

 

 相手は機械で、楯無は人間……。ホッパーズは、集中力を乱す事が目的なのだろうか。どちらにせよ、このままではジリ貧も良い所である。

 

(何とか打開策を見出さないと……!)

 

 やはり楯無の焦りは、大きかったらしい。ミステリアス・レディの持ち味を最大限に生かすために、アクア・ナノマシンの出力を高める。

 

 先ほどは対策を取られたが、やりようはまだまだ沢山あるはずだ。白式に零落白夜があるように、ガタックにクロックアップがあるように、やはりミステリアス・レディにはコレなのだ。

 

 しかし……楯無は知らない。ホッパーズは、楯無がそれを使うのを待っていたのだ。それまで包囲網を作るように跳ねていたホッパーズだったが、先んじてキックホッパーが楯無の一直線上……かなり遠くまで跳ねた。

 

「何のつもりか知らないけど、お姉ちゃんは負けないわよ!」

 

 ミステリアス・レディは、ますます水を纏う。そんな事は関係ないと言わんばかりに、今度はパンチホッパーがキックホッパーの方に跳ねて行った。

 

 そして途中で体を反転させると、2機はそれぞれの足が互い違いになるように合わせる。二人とも膝を曲げて、準備が完了。ホッパーズは飛蝗型ゼクターの脚に当たる部分を反対の方向へ倒した。

 

『『―RIDER JUMP―』』

 

 その瞬間キックホッパーは脚に、パンチホッパーは腕にイオンエネルギーが流れていく。そして……ホッパーズは互いの足底を足場に、思い切り飛び跳ねた。

 

「!?」

 

 その速度たるや、瞬時加速など目ではないほどのスピードだ。これにはさすがに対処できないと、楯無は多少の反撃は覚悟で先ほどよりかなり分厚い水の盾を造った。

 

バシャア!

 

 しかし……虚しくも簡単に体ごと突破されてしまう。それほどのスピードだったと言う事だ。そしてパンチホッパーは、先ほど逆にした飛蝗の脚を正位置へと戻す。

 

『―RIDER PUNCH―』

 

ズドン!

 

「ぐふぅっ……!?」

 

ガション!

 

「キャアアアア!?」

 

 スピードのせいか、拳が入ったと同時に楯無は吹き飛ばない。メリメリと音を立てるような勢いで、拳は深くめり込んだのだ。しかしそれは、ほんの数瞬の事だった。

 

 殴りつけると同時に、パンチホッパーの右腕のアンカージャッキが音を立てて動いた。やはりイオンエネルギーの関係か、威力は絶大である。

 

 まるでソニックブームのような波紋が、パンチホッパーの拳を中心に広がった。その衝撃が物語るように、楯無は後方へ勢いよく吹き飛ばされる。

 

『――――――――』

 

 それを逃がさないと言うように、キックホッパーは既に楯無へと迫っていた。こちらも同じくゼクターの脚を正位置へと戻すと、イオンエネルギーが流動を始める。

 

『―RIDER KICK―』

 

ズドン!ガション!

 

「ぐう……かはっ……!」

 

 再度腹部に攻撃を受け、楯無はもはや叫ぶことすらままならない。アンカージャッキの作動によって、またしても楯無は吹き飛ぶ。

 

 その勢いはとどまる事を知らず、アリーナの壁に激突する事でようやく収まった。ホッパーズのコンビネーション必殺技を完璧に受けた楯無の意識は、朦朧とし始める。

 

(こんな……私が負ける訳には、いかないのよ……!)

 

 学園最強の敗北となると、それはIS学園そのものの敗北を意味するようなものだ。そう言う訳には、行かない。そう思わせるのは楯無のプライドか、それとも責任感か……。

 

 こういう時には、強がってみせるのだ。そうやって楯無は、まだまだいけると自分に言い聞かせつつ蒼流旋を構えた。それを見据えるホッパーズは、相も変わらず並び立つ。そしてまた、軽快に飛び跳ねるのだった……。

 

 

 




地獄三兄弟(仮)ってところでしょうか?

今回で変わった点と言えば……必殺技以外で毒を出しちゃう所です。これ……特に何も浮かばなくて、それ以外はほとんど原作のサソードと変わりないかと。

地獄兄弟は、私の脳内にて……。飛蝗→飛び跳ねる→そこを生かしたい→だったら空中に足場作れば良いじゃん。ってな感じで採用しました。

この設定……ガタックの時に想いつきゃ良い物を……。一応ですが、ホッパーズは飛べないって事は無いですよ。ガタックとかと同じ原理で飛べます。

さて、次回は……簪VSオータム 一夏VSマドカをお送りしようかと。ようやく敵が生身の人間だよ……。

それでは皆さん、次回もよろしくお願いします。

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