戦いの神(笑)ですが何か?   作:マスクドライダー

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どうも、マスクドライダーです。

今回より、しばらく戦闘回が続く事になろうかと。恐らくですが、八章ほどそれぞれの戦闘をピックアップする事は無いと思います。

メインとしては、真VSソルとなり……若干だけ他のメンバーを移しつつ……と言った風な展開でいこうかと。

それでもかなり長くなる予感……。そもそもVSソルだけでも長くなる気しかしないと言うのに……。

それでは皆さん、今回もよろしくお願いします。


開幕・最終決戦!(ガチ)ですが何か?

「…………」

 

 亡国が指定した時間が、迫ろうとしていた。前回とは違って、俺達の出撃場所はIS学園……。とは言っても、三島さん達ZECTの関係者が特例で来ているけど。

 

 それも前回ほどの人数では無く、あくまで俺達をサポートするくらいの人数で留まっている。恐らく皆は、それぞれ準備をし終えた頃だろう。

 

 しかし俺は、一人で黄昏ていた。奴との対決を前に、緊張しているのかもしれない。それも良い意味で半分、悪い意味で半分ってところだろう。

 

 試合とか、模擬戦の待ち時間はワクワクしたりできる性質だ。しかし……俺とアイツの間にあるのは、宿命とか運命とか……生半可では無い言葉ばかり。

 

 緊張するなと言う方が、可笑しいだろう。それこそ、奴の狙いは俺の命……負ければ死ぬ。その点については考えないようにしていたのに、だんだんと死が近づきつつあるような……そんな感覚を覚えてしまう。

 

「真……そろそろ……」

 

「簪……。もうそんな時間か、今行く」

 

 ボーッと考え事をしている間に、どうやら出撃準備が完了したらしい。小走りで俺の方にやって来た簪が、俺にそう告げた。あくまで自然体で、簪の方へと近づいて行った。

 

 しかし、そのまま簪の横を通り過ぎてしまう。つまりは、簪が足を止めたと言う事だ。俺もすぐさま歩みを止めて振り向く。すると簪は、俺を半分睨むようにして見ていた。

 

「簪?」

 

「無理……してるよね……?」

 

「……どうして、そう思うんだ?」

 

「真は……そんな穏やかな顔で笑わない……」

 

 ……キチンと見ぬいてくれて嬉しいが、散々な言われ様な気がする。と言うか、今の俺は笑ってたのか?やればできるじゃないか、俺。だが自然体を意識して、逆に不自然とか演技下手くそかよ。

 

 典型的な失敗パターンに、俺は思わず苦笑いを浮かべた。ここで観念しなくては、なるべく簪とは口論をしたくない。俺は今度こそいつも通りの様子で、肯定の意思を示した。

 

「そうだな、多分……無理してると思う。自分でも良く解かんねぇけど……」

 

「…………」

 

「ハハ……だっせぇ。簪の前で、大見得を切ったのにな」

 

「大丈夫……。きっと……当たり前の事だから……」

 

 簪は、そう言いながら俺の右手を握った。その表情は、先ほどまでとは違い慈愛に満ち溢れている。そして、簪に握られた事によってようやく気づいた。

 

 俺の手は、震えている。これもまた恐怖半分、武者震い半分って感じか。だが……どうやら半分でも臆しているらしい。まぁやっぱ……死ぬのは怖ぇよな。既になんべんか死にかけた身で言う話でも無いかもしれんが。

 

「……簪、すまん……いつもの頼めるか?」

 

「うん……。勝って……。ううん……勝とう……私達で……」

 

 簪にそう言われた途端に、体が軽くなるのを感じた。それに、手の震えも止まって……。なるほど、思っていた以上に効果があるのかもしれない。

 

 握られていた右手を離すと、俺は掌を眺めてから勢いよく閉じた。よしっ、いける!ソルの野郎がどうしたよ、クソ喰らえだあんなモン!

 

「ああ、必ず勝とう!これが終わりゃ冬休みだしな」

 

「そうだね……。楽しみ……」

 

「んじゃ、行くか。待たせてるんだよな?」

 

「そろそろ行かないと……鈴あたり……」

 

 おおふ、確かに鈴を待たせるのはイカンかもしれんな。どうせ指さしながら……遅い!と言われるに違いない。ギャーギャー騒がれるのもゴメンこうむりたい所だ。

 

 俺と簪は、集合場所へと足早に向かう。どうやら簪が呼びに来たのは、5分前集合的なアレだったらしい。全員が調度揃った瞬間に、しっかり立ち会わせる事が出来た。

 

 全員の顔付は、良い表情そのものであった。顔を合わせるなり俺達は、同時に力強く頷きお互いの健闘を祈る。そうして、亡国を迎え撃つ作戦が幕を上げた。

**********

『各々、準備はよろしいか?』

 

 ISの通信機能に、三島さんの声が響いた。返事はせずに、サムズアップで応える。他の皆も、それぞれが思う様に返事を返した。

 

 しかし……こうやって横に並んでいると、壮観だ。なんとなく戦隊モノっぽくて良い感じである。空中に佇んでいる俺達9人は、周囲を警戒しつつも前方を睨む。

 

「だけど、アイツら微妙な位置を指定してくれちゃって……」

 

「全くだ……。配慮のつもりなのか、脅しのつもりなのか……」

 

 箒と鈴が、そうぼやくのも無理はない。そう言われて俺は、思わずハイパーセンサーで遥か後方を確認した。そこにあるのは……IS学園だ。

 

 奴らが指定した空域は、IS学園が目視でも一応は確認できるこの辺り。箒の言う通り余計なエネルギーを使わないようの配慮なのか、はたまた俺達が現れなければIS学園を……と言う意味なのか。

 

「……そもそも、正々堂々かどうかも怪しい物だ」

 

「信用しろ……と言う方に無理がありますわ」

 

 ラウラは、相当に疑ってかかっているらしい。目つきがいつも以上に鋭く、俺達の中で最も前方を凝視しているに違いない。セシリアに至っては、そもそも俺達が呼び出された事が胡散臭いと感じているようだ。

 

 その言い分は、至極マトモだ。テロリストが決戦を仕掛けてくること自体が、おかしな話でもある。だけど、一つ言えるのが……ソル『は』約束を守るだろうな。

 

「時間が、長く感じるな……」

 

「そう……だね……。本当は……秒読みなはずなのに……」

 

 時間は待てば長いが、確かにこれは……焦らされている気さえするな。指定の時間までは、後1分くらいはあるのだが、それでも精神的にくるものがある。

 

 頭の中でカウントダウンでもしてみるか?……その方が落ち着かんか。さっきと違って、浮足立っている訳でも無いんだがな。う~ん……これは、どうにも落ち着かん。

 

「会長さんは、余裕そうですね?」

 

「フフ……それくらいじゃないと、代表の名が廃っちゃうわよ♪」

 

 そう言うシャルロットも、余裕そうに見えるが……。それを越して、楯無先輩は余裕綽々と言った感じだ。日ごろの態度のせいで忘れそうになるが、この人ロシア代表なんだよなぁ……。

 

 実際のところ強いし、ハイパー化しても勝たせてもらった事は無い。もはや……惜しかった事すらない。もしかすると、ソルより強いんじゃ……?

 

『三島さん、前方にジョウントの反応が!』

 

『諸君、お喋りはそこまでだ!気を引き締めてかかれ!』

 

 岬さんの慌てた様子の後……目の前に3つの歪みが現れた。そうなると俺達は、ピシャリとお喋りを止めて迎え撃つ準備を整える。

 

 そして……亡国の主力である幹部勢が姿を現す。ソル、マドカ、オータムと俺達9人は黙って睨みあいを始めた。何が開戦の合図になるか、牽制し合ってる感じか。

 

「……まさか、3機ってこたぁねぇだろう?」

 

「む……?どうだろうな、本当はもっといるのかも知れん」

 

「なら、とっとと出した方が良いぜ。3倍もあっちゃきついだろ」

 

「まぁ……そう焦るな、すぐに場は整える。やれ……オータム」

 

「黙れクソガキ!私に命令するんじゃねぇ!」

 

 オータムがそうやって叫ぶと、前方にエネルギーネットを飛ばす。するとこちらに来る途中でジョウントが開き、エネルギーネットはその中へと入って行った。

 

 何がしたいのかと思っていたら、俺、一夏、簪以外の背後にジョウントが現れる。そこからエネルギーネットが伸びて来て、専用機のあちらこちらに付着した。

 

「わっ!?」

 

「コレは……分断させるつもりかしら?」

 

「くっ……早く引きちぎらなければ……!」

 

「そうはさせるかよ!」

 

 オータムが勢いよくエネルギーネットを引っ張ると、6人はジョウントへと飲まれていった。……残ったのは、俺達3人……って事は、他の皆にはまた何か敵が割り当てられたのか……?

 

 何やらソルは、こちらの様子を伺っている様に見える。それは多分だが、存外に俺達が落ち着いているからだろう。いやぁ……まさか、こんな『上手くいく』とは思わねぇじゃん?

 

「岬さん……状態は……?」

 

『ええ、何とか成功よ!』

 

「すげぇ……ZECTって本当に頼りになるな!」

 

「……ジョウントの座標指定が正常でない……?」

 

 どうやらソルは、異変に気づいたらしい。そう……これぞラボラトリの力だ!岬さん達は、完全に防ぐ事はできないものの……ジョウントの移動地点をずらす事に成功した。

 

 こうやってぶっつけ本番でないと、成功したかどうか解らないのが問題だったが、岬さんが言うなら大成功のようだ。どうせ分断してくるのは読み通りだが、簪はどうしてここに残された?

 

「どこに連れてくつもりだったかは知らねぇが、残念だったな!」

 

「何、構わん。単にあの6人が邪魔なだけの事。こうして生身の因縁がある者同士が残った」

 

「あ゛~うざってぇ!私はもう始めっぞ!」

 

 言うや否や、オータムは簪を相手取るつもりのようだ。突っ込んで来るアラクネに、簪は冷静に対処する。俺に向かって笑顔を見せると、その場から離れる様に飛び立つ。

 

「簪、気を付けろよ!」

 

「うん……!」

 

「……私も好きにやらせてもらうぞ」

 

「別にオレはリーダーでは無い。許可はいらんから勝手にしろ」

 

 オータムが動き出したのに触発されてか、マドカも攻撃を開始した。サイレント・ゼフィルスのBT6基にて、一夏への射撃を開始する。

 

 突然であったにもかかわらず、一夏は雪羅の盾は使用せずに回避して見せた。一夏も俺にニヤッとした表情を見せると、お互いが邪魔にならない空域へと飛び去った。

 

「またな、真!」

 

「ああ、またな」

 

 その言葉には、必ず勝てという意味が込められているに等しい。……大丈夫、皆は負けねぇ。一番の問題は、俺の目の前で佇む……コイツだ!

 

「これで、見事なまでに一対一となった訳だ」

 

「そうだな、約束を果たしてくれてありがとうよ」

 

「フッ……礼など良い。むしろ感謝したいのはこちらの方だ。こうして相対しているのは、そちらの厚意でもあるようだからな」

 

 それは……言えてるな。皆はコイツを、黙って俺1人に任せてくれた。暗黙の了解と言うか……。それでも、少なからず俺を信じてくれなければ、こうはならなかったはずだ。

 

 反対意見を述べたい奴も居たかも知れない。それでも俺の我儘を通してくれた。もはや……感謝の念しか浮かばない。そしてその感謝の証に……今日ここで……終わらせる!

 

「ソル……俺達の因縁に……」

 

「ああ……。運命に……」

 

「「宿命に、決着を着けよう」」

 

『『―CAST OFF―』』

 

『―CHANGE STAGBEETLE―』

 

『―CHANGE BEETLE―』

 

 ガタックとカブトのマスクドアーマーが弾き飛び、それぞれ顎と角がせり上がる。コンパウンドアイが発光を終えると、俺とソルは近接武装を手に取った。

 

「ソルゥゥゥゥ!!!!」

 

「加賀美ぃぃぃぃ!!!!」

 

ガギン!

 

 何の考えも無しに、俺達はまるで意志の強さを示し合うように……刃と刃をぶつけた。その際に散る大きな火花が、此度の戦いの開戦の合図となる……。

**********

バチバチバチ!

 

「ここは……第一アリーナ!やった……成功したみたいだね!」

 

「そうだな。ラボラトリの人間は……恐ろしい……」

 

 シャルロットとラウラ組が現れたのは、IS学園の第一アリーナだ。こちらの方が、シールド等々の影響で危険が少ない。そうやって、千冬が提案しての事だ。

 

 岬達が狂わしたのは、ジョウントの座標指定機能で……本当にどこへ連れて行くつもりだったのかは知らないか。こうしてホームグラウンドで戦えるという訳だ。

 

バチバチバチ!

 

「来たか……!」

 

「今度は……何が出て来るんだろうね……」

 

 二人の目の前に、またしても空間の歪みが現れた。本来はIS学園側が、それぞれの足止めの元へ連れて来られる予定だったのだが……。

 

 ソルの指示を受け、むしろ向こうから現れたのだろう。さて……現れたのは、何と言うか……一言でいえば、アンドロイドだ。人工的に造られた……人型のロボ。

 

 何が出て来るとは思ったが、随分としょっぱい物だ。それに不自然なのが、ISの反応は全くしない。どういう事かとラウラが睨みを利かせると、更にジョウントが現れる。

 

バチバチバチ!

 

「コアの反応!?それに……アレは!」

 

「ゼクター……なのか!?」

 

『―HENSHIN―』

 

 アンドロイドが左腕を前に構えると、蜂型のゼクターがブレスレットへと装着された。すると、ガタックと同じように電子音を上げた後、アーマーが展開される。

 

 その印象は、まるで蜂の巣のようだ。頭部と胸部には、六角形のデザインが成されておりまさにそれだ。そして二人のハイパーセンサーに、敵対ISの名が表示される。

 

『THE―BEE』

 

「ザ・ビー……?ザビー?」

 

「どちらでも構わん、行くぞ!」

 

 ラウラは、スクラップにしてくれる!……と、言わんばかりの勢いでザビーへと向かって行った。シャルロットも慌ててそれに続く。そしてザビーは、まるでボクシングの様な構えでそれを待ち受けた。

**********

 こちらは第二アリーナ、送り込まれたのはセシリアと鈴だ。二人はかなり先……一点のみを、集中してみている。それは、第一アリーナと同じような事になっているからだ。

 

 人型のアンドロイドが、直立不動でそこに居た。手には何か、銃のグリップ部分のような物を持っている。どうした物かと、二人はジリジリと焦燥感を煽られた。

 

「あれ、何だと思う?」

 

「さぁ……?わたくしには、何とも……」

 

「……とりあえず、撃っちゃえば?」

 

「……そうですわね。では!」

 

ドン!

 

 セシリアがBTのうち1基を動かすと、アンドロイド目がけてとりあえず一発。それと同時ほどに、今度は蜻蛉が何処からか飛来した。

 

 アンドロイドがグリップを高くかざすと、蜻蛉は尻尾辺りからすっぽりとそれに収まる。すぐさま……まるで潜水士と虫を合わせたかの様なアーマーが展開された。

 

『DRAKE』

 

「ドレイク……。どうやら、蜻蛉がモチーフですわね」

 

「まんまガタックのトンボ版って感じかしらね。それにしてもアイツ……」

 

 なんで避けないのかしら?そう鈴は思った。ドレイクは、向かって来るレーザーをまるで気にしないかのようにずっと立ったままだ。

 

 それどころかドレイクは、チャッ!と銃を構えるような体制を見せる。そのまま二度ほど引き金を引くと、蜻蛉の複眼を模したツインバレルから、レーザーが発射された。

 

ドン!ドン!

 

 すると二人の目の前で、目を疑いたくなるような光景が繰り広げられた。なんと、ビットのレーザーを……攻撃して逸らしたのだ。それもたった一発……狙いが正確過ぎる。

 

 そのうえもう一発の方は、BTへと命中。爆炎を上げてBTは、見事に撃墜されてしまう。あまりに矢継ぎ早だったため、二人は顔を見合わせて身が笑いを浮かべた。

 

「……気合入れていきましょう!」

 

「ええ、そうですわね!」

 

 まるで一連の流れを無かった事にしているような……そんな気を取り直しっぷりだ。ドレイクもゼクターを構え直して、本格的に戦闘態勢へ入った。

**********

「……私は、1人か?」

 

 箒が辺りを見回してから、反応を確認する。座標指定妨害のミスか、理由は定かでないにしても孤立しているらしい。内弁慶である箒は、一抹の寂しさを感じる。

 

 ハッとなって我に返ると、首を大きく左右に振った。弱気にならずに、迎え撃つ準備をしなくては。そうやって雨月と空裂を構えると、こちらにも例のアンドロイドが現れた。

 

バチバチバチ!

 

(剣か……?)

 

 剣道娘なためか、一番に気になったのはそこだ。アンドロイドは、その手に剣を握りしめていた。サイズ的には、片手持ち両手持ち共に適している……。

 

 刃は鋭く、光輝いていた。敵が使うには惜しい代物に見える……と、箒が分析していると何やら地面がモコモコと盛り上がって、そこから紫色の蠍が飛び出てきた。

 

「これは、真の……?」

 

 やはり抱く印象は、ゼクターであると共通していた。アンドロイドが剣に蠍を装着させると、アーマーが展開される。何やらチューブが体を這ったその見た目は、どこか毒々しい。

 

 紅椿のハイパーセンサーに表示された名は『SASWORD』。名にも『ソード』……剣を冠している事に、箒はうってつけの相手だと気合が入る。

 

「面白い……機械程度の剣術で、私に勝てると思うな!」

 

『―――――――――』

 

 近接戦闘を仕掛けてくるだろうと、箒はサソード目がけて突っ込んでいく。その手に持った剣で、それを迎え撃つ……と思いきや、全身に這っているチューブ……ブラッドべセルが箒に巻き付いた。

 

 予想外の対応に、箒は完全に身動きが取れなくなる。そのままブラッドべセルを操り、サソードは紅椿を引き倒す。そのまま走って接近すると、ブラッドべセルを解除し倒れている箒を切りつけた。

 

ギャイン!

 

「っう!お、おのれ……小癪な真似を!」

 

 不意を突かれたとはいえ、いきなり胴体を切りつけられた。それすなわち、絶対防御の発動を意味する。なんとなくみっともない姿を晒してしまったのもあるのか、箒は少し頬が紅い。

 

 サソードを蹴り飛ばしながら立ち上がると、再度気を引き締めて雨月と空裂を構える。単に剣術で攻めては来ないと認識した箒は……剣を扱うものとして負けられんと……サソードを睨んだ。

**********

「岬さん、2機なのって……私だけかしら?」

 

『……そうね、貴女に対する向こうの評価の現れじゃないかしら』

 

 伊達に学園最強が相手なだけはあるのか、楯無の元へは2機のアンドロイドが出現していた。それに対して楯無は、表情を崩さずにそれを眺める。

 

 すると2機のアンドロイドの足元に、ピョンピョン跳ねるようにして何かが近づいて行く。どうやら、飛蝗をモチーフにしているらしい。

 

 あら可愛らしい……なんて思っている楯無だったが、飛蝗がアンドロイドの手元に収まった途端に顔つきが変わった。アンドロイドはそれぞれのベルトのバックル部分を倒すと、そこに飛蝗をスライド挿入させる。

 

『『―HENSHIN―』』

 

『―CHANGE KICK HOPPER―』

 

『―CHANGE PUNCH HOPPER―』

 

「ふ~ん……何が得意か、丸わかりなデザインね」

 

 こちらから見て左向きは、緑色の飛蝗。こちらから見て右向きは、茶色の飛蝗となる。一際に目を引くのは、まるで飛蝗の脚部の様なアンカージャッキだろう。

 

 緑色は脚に、茶色は腕に……そこから楯無は、それぞれどちらがキック・パンチホッパーであるかを悟った。ホッパーズは、のろぉ……とおどろおどろしいモーションを見せると、攻撃を開始した。

 

『『――――――――』』

 

 まず突っ込んで来たのは、キックホッパー。名の通りに脚力自慢なのか、地面を蹴り上げて接近してくる。一飛びで間合いを詰められた楯無だが、冷静に蒼流旋でキックホッパーのサイドキックをやり過ごす。

 

 しかしいつの間に接近したのか、キックホッパーの影から現れるようにパンチホッパーが前に出た。ズザザ!と回転しながら楯無の横へ回り込むと、強烈な右ストレートを浴びせる。

 

ガン!

 

「くっ……!」

 

 同型の機体であったために、ある程度の予想はついていたが……これだけでも解る。この2機のコンビネーションは、素晴らしい。油断をすると、危ういかも……と、楯無に思わせるほどだ。

 

 また横並びになったホッパーズは、意味も無くのらりくらりと揺れている。人間臭く、まるで嘗め回す視線を送られているような錯覚を楯無は覚えた。

 

「仲良し兄弟って感じね……。私も簪ちゃんか弟くんと一緒なら調度良かったのかしら」

 

『『――――――――』』

 

「はぁ……機械に言ってもしょうがないわ。お姉ちゃん1人でも倒しちゃうもん☆」

 

 2機くらいなら何とか……そう思っていた考えを、楯無は改める。いかんせん表向きにはふざけた態度は崩さないが、心中は『楯無』として気を引き締めた。

 

 こうして、IS学園9機と亡国機業8機のそれぞれ相手取る者が決まった。戦力差的にはお互いにフェア……決戦の行方は、まさに神のみぞ知る所だろう。

 

 

 




マスクドライダーズ、全員集合!

まぁ……ダブトと劇場版勢が出てはいませんが……。申し訳ないですが、前述の4人はもう本当に出ないと思います。

そもそもの話で、カブトだけ出そうと思ってたくらいですしね。もはや生身の人間が変身すらしてないですが、ご容赦下さい。

ちなみに、クロックアップは使いません。それと、オリジナル要素が入ったライダーが数人います。その辺りも同時に、ご報告しておきます。

それでは皆さん、次回もよろしくお願いします。

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