FAIRY TAIL転生記~炎の魔王の冒険譚~   作:えんとつそうじ

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どうも、最近就職活動や資格習得に忙しいえんとつそうじです。


すいません、本当は一章丸々書き溜めてから書こうと思ったのですが、リアルが思いのほか忙しく、なかなか書く暇がないので、少しずつ投稿することにしました。すいません。


それで、今回の話なんですが、今回の話はタイトルどおり炎の滅悪魔法についての説明会。後はとある原作キャラが名前だけ登場します。


それでは、暇つぶしにでもお楽しみください。


第十四話 炎の滅悪魔法

【炎の滅悪魔法】。

 

 

 それは、かつてサーゼクス・ルシファーが、人間と敵対するかつての同胞たち。ゼレフ書の悪魔(エーテリアスともいうらしいが)たちを屠るために、対(ドラゴン)用魔法である「滅竜魔法」。対神用魔法である「滅神魔法」の二つの討伐(スレイヤー)系魔法を参考に編み出した、対悪魔用魔法。

 

 

 この魔法こそ、サーゼクスが俺に知識として与えてくれた魔法。

 

 

 俺は消滅の呪法の代わりに、この魔法の力を求めたのだ。

 

 

 もちろん、消滅の呪法の練習も欠かしていない。悪魔化が進むというリスクもあるが、いざという時に使えなければ、この盗族も魔法も、魔獣なんかも存在する、治安もクソもないファンタジー世界。いざという時に使えなければ、思わぬ命の危機を招いてしまうかもしれないしな。

 

 

 ちなみに、俺がこうして魔法の練習をしているのは、自分の悪魔の力を隠すためというのもあるが、他にも二つほど理由が存在する。

 

 

 一つは消滅の呪法が強力すぎるということ。

 

 

 呪法を扱うために、力を受け継ぐ際に貰った知識によれば、呪法というのは、それを使用する際に込めた力より、さらに多くの魔力を使えば、魔法でも対抗はできるらしいのだが、それは逆に、それ相応の力がなければ、問答無用で相手を消滅させるほどの威力を誇っていることが理解できる。

 

 

 つまり、魔獣や猛獣等が相手ならともかく、人間相手でも、全く手加減できないということになる。

 

 

 だからこそ、むやみに人を傷つけないために、俺は呪法とは、全く別の攻撃手段を持つ必要があった。

 

 

 そして、もう一つの理由は、力を受け継ぐ際に、サーゼクスがいっていた、かつて彼が所属していたという、人間と敵対していた悪魔の集団。もし、奴らと出会った際に対抗できる手段を持つためだ。

 

 

 サーゼクスがいうには、やつ等が活動していたのは、もう百年以上前のことなので、とっくにどこぞの魔導師に討伐でもされてもういないのかもしれないが、悪魔の寿命は人間と比べて桁違いに長い。

 

 

 もし、そいつらが生きていたら、サーゼクスと瓜二つな容姿のうえ、彼の力を使う俺を見て、なにか良からぬことを考えるかもしれない。

 

 

 だからこそ、それに対抗するためにも、この対悪魔用の魔法の習得は、現在の俺にとっての最優先事項だった。

 

 

「(本当なら、サーゼクスから、そいつらの情報も受け取れればよかったんだが、今さらだし。なら、それに備えて準備しておくしか、俺には手がないしなあ)」

 

 

 ちなみに、魔法の習得は今のところ順調だ。

 

 

 破壊魔法だけあり、力の制御が少しやっかいだが、それでも、サーゼクスの力を受け継いだおかげで適正ができたのか、思ったよりその習得自体は簡単だった。

 

 

「(まあ、さすがにまだ出力も制御も未熟だし、習得できてない技も多いけどな。それでも、この分なら、完全に習得する日も遠くないだろう)」

 

 

 そして、俺はそんなことを考えながらも、今日の分の修業を終え、店の夜の部が始まる前に、店に帰ろうとしたのだが、その途中、道の真ん中でなにやら大声で叫びながら、辺りを忙しなく見渡す、いわゆるメイド服を着た、中年の女性がいることに気づいた。

 

 

「(なんか、困っているみたいだけど、いったいどうしたんだろうか?)」

 

 

 どうやら、誰か人を探しているようだが……。

 

 

「(もしかしたら、どこぞのお嬢様でも迷子になったのか?)」

 

 

 この街は、この大陸有数の美しい浜辺として有名なコカバビーチがあり、夏場でも涼しく過ごしやすいことから、金持ちが避暑地として使用するために、いくつかの別荘がこの近くに存在する。

 

 

 そして、その持ち主である金持ちの家族が、観光のために、この街や大陸有数の歴史を持つ街、オークにやってくることがあるのだ。

 

 

 大抵は、お目付役や護衛として、メイドや執事といった使用人が一緒にいるのだが、時にお転婆な子供が、お目付役である使用人を撒いて、迷子になってしまうことがあるのだ。

 

 

 だからこそ、俺はこの女性も、そんな使用人の一人なのではと考えたのだ。

 

 

「(声をかけた方がいいかな。このまま放っておくわけにもいかないだろうし)」

 

 

 まあ、俺の手に負えないならば、警備隊の人にでも仲介すればいいだろう。

 

 

 そう、考えた俺は、その女性に近づき声をかける。

 

 

「あの、どうかしましたか?」

「え?」

「先ほどから、何か困っているようでしたから」

 

 

 女性は、はじめ俺が突然声をかけたからか、驚き、呆然とこちらを見ていたが、やがて、俺が彼女を助けるために声をかけたことに気づいたのか、先ほどの表情から一転、必死な形相を浮かべ、俺に縋りつく。

 

 

「お嬢様が!お嬢様が見つからないんです!!」

「ちょ、ちょっと、落ち着いてください!?」

 

 

 俺は、更新しながら、そう捲し立てる、その女性のあまりに必死なその表情に驚き、俺は一旦その女性を落ち着かせ、話を聞くことにする。

 

 

「それで?いったい、なにがあったんです?」

「それが……」

 

 

 そして、その女性に詳しく話を聞いてみると、その女性は、あのハートフィリア財閥でメイドとして働いているらしく、今日はそこの当主の一人娘のお嬢様を連れて、この街を散策に来たのだが、少し目を離した隙にそのお嬢様がどこかに行ってしまったようなのだ。

 

 

 俺は彼女の話を聞いて驚いた。それは、女性が連れていたという女の子が、迷子になったからではない。ハートフィリア財閥のお嬢様が迷子になったという話を聞いたからだ。

 

 

「(ハートフィリア財閥。俺も聞いたことがあるほどの有名な財閥だ。まさか、そんな大物財閥の一人娘が、この街にやってきていたとは……)」

 

 

 これは、早く見つけないと、かなりの大事になりそうだと、俺はこの女性を手伝うことにする。

 

 

「わかりました、俺も探してみましょう。この辺りの地理は、あなたよりは詳しいですしね」

 

 

 そういうと、その女性は満面の笑みを浮かべて、感謝の言葉を口にする。

 

 

「ああ、ありがとうございます!助かります!!」

「それで、その女の子の特徴は?名前も教えてもらっても?」

 

 

 俺の言葉に、「ああ、そうですね!」と、ハッとしたような表情を浮かべると、口を開く。

 

 

「お嬢様の髪は金髪。左側をリボンで結んであります。服は赤いワンピース。そして、御嬢様の名前は―――」

 

 

 

 そして、女性は告げる。

 

 

 これから出会うこととなる、後に、家族同然の仲間となる、一人の少女の名前を。

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――『ルーシイ・ハートフィリア』といいます」




どうでしたでしょうか。とりあえずまずはルーシイを登場させることにしました。(まあヒロインにするかは考え中ですが)


それでは、また時間がかかってしまうかもしれませんが、次回もよろしくおねがいします。

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