緋弾のアリア〜勝手に大佐復活作品〜   作:ヨルムンガン

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後悔はしないな?
なら読むんだ

前書きの変換ミス修正14/8/7


プロローグ アル晴レタ日ノコト

武偵―正式名称、武装探偵(armed detective)

 

日々、凶悪化する犯罪に対抗する為に新設された国家資格である。武偵免許を持つ者は帯銃などの武装を許可され、逮捕権を有するなど警察に準ずる活動が可能になる。しかしあくまで武偵は金で動き、金さえ貰えれば武偵法の許す限りどんな仕事でも請け負う「何でも屋」の側面がある。(Wikiより抜粋)

 

今は()()()とネットで検索すればこんな記事ができてしまう時代になった。武偵という資格ができてからしばらく経つが、一般市民の感覚からすると武偵はよく言えば「何でも屋」、悪く言えば「傭兵、用心棒」そんな感じだ。

ただ、日本の場合は諸外国に比べて警察機関がよく働いてる分、武偵の必要性が感じられないのも無理のない話だ。

日本ではせいぜい誘拐や銀行強盗などの警察組織でも解決できそうな事件しか起こらないからだ。

だから武偵への風当たりは厳しい。去年にはシージャツクで命と引き換えに乗員乗客全員を助けた優秀な武偵がマスゴミ…っと、マスコミに叩かれた。そのせいでこの仕事に誇りを持っていた友人が絶望した。

えっ?何でこんなにモノローグが多いかって?それは、現実逃避したくなる様な状況下にいるからだよ。

 

「おいっ!」

 

あー、綺麗な空だな。雲ひとつ無いや。

チャリを爆走させながら、空を見上げて感慨に耽ってた俺を声が呼び戻す。

 

「おいっ!栄介。何か助かる方法考えたか?」

「お前を囮にして俺だけ離脱、でおk?」

「おけ?じゃねぇ!ふざけんな!二人とも助かる方法考えろ!」

「あぁ、五月蝿いなぁ。そんなに叫ばなくても聞こえてるって。」

「お前なぁ。」

 

同じく隣でチャリを爆走させてる奴が青筋を立ててショルダーホルスターから銃を引き抜こうとするーが、背後から俺たちを追い立ててる存在を思い出したのか、途中でその動作を辞める。

どうしてチャリを爆走させいるのかは少し時間を遡る必要がある。

 

その日の朝は慎ましいチャイムの音で目が覚めた。いや、備え付けのチャイムの音に慎ましいも喧しいもないが、そう形容したくなる音の響き方だった。

リビングから男と少し甲高い女の声が聞こえてきた。俺に彼女は居ないし、もう一人のルームメイトにも居ないはずだからこれはキンジの幼馴染の白雪だな。

 

「あれは幼馴染というより押しかけ女房って感じだな。」

 

どうでもいいことを呟きながら寝間着から防弾制服に着替える。

パッとネクタイを締めてからリビングに顔を出す。

白雪がこっちを見て一瞬般若のような顔をした後、笑顔になる。

なにあれ、マジで怖ぇ。

 

「お、おはよう。キンジ、白雪。」

「おはようございます。篠神くん。」

「よう、栄介。今日の朝飯はお前じゃなかったか?」

「悪い、今度昼飯おごるから許せ。」

「時間が無いからお前も食えよ。」

 

そんなこと言うと白雪が睨むじゃねぇか。

ほら見ろ、物凄い舌打ちしそうな顔だぞ。

これはキンちゃんの為に用意した物だから貴様には食べさせん-って心の声が聞こえてくる顔だぞ。

 

「白雪も良いだろ?お前のは美味いんだ。」

「は、はいっ!…えへへ、美味しい家庭の味。キンちゃんと家族。明るい家族計画。」

 

白雪さんがトリップしなさった。

美味しいしか言ってないのに勝手に家庭の味を足してそこから更に妄想を膨らませれるなんて、まぁ何時ものことだけど。

その件のキンジは白雪の妄想が聞こえてないらしい。…お前は何処のラノベの主人公だよ。

キンジに褒めてもらって妄想もひとしきりして満足したのか俺の分の皿と箸をいそいそと用意しに台所へ消えた。

何で皿や箸の位置を正確に知ってるのかなんて聞くな。何度もこんな事があったんだよ。

白雪が皿を俺に届けてから暫くは平穏な朝食風景が広がった。

 

「俺はメールチェックしてから出るから白雪、お前はもう出とけ。」

「はい。」

 

白雪が部屋から出て行くのを見届けてからパソコンに向かおうとするキンジに声をかける。

 

「メールチェックか?」

「おう。お前は?」

「少し家の仕事だな。」

「…そんなに時間が無いが?」

「大丈夫、報告だけだから。出る時に声をかけてくれ。」

 

そう言って俺は部屋に戻ってく。

さて、仕事頑張りますか。

自分に喝を入れてから携帯を手に取る。

それからしばらくして慌ただしく部屋のドアが開かれる。

 

「おい、栄介!やばいぞ!バスが行っちまった!」

「てめ、ふざけんなよ!」

 

慌てて通学カバンを手に取りチャリにまたがる。

それがすべての間違いだった。

 

 

 

 

「その チャリには 爆弾が 仕掛けて やがります」

「は?」

「何?」

 

突然聞こえた声に驚いて振り返ってみると

 

「チャリを 降りやがったり 減速させやがると 爆発 しやがります」

 

自働銃座付のセグウェイが2台仲良く俺たちの後ろを並走していた。

 

「マジかよ。」

「何だよっそれ!?」

 

ハイジャック!?いや、この手口最近どこかで見たぞ?

思い出すことは後からでもできるのでまずは状況分析にかかる。

まずは爆弾の有無だ。外見でパッと見は変化がなかったからあるとしたらサドルの下だろう。

そう思いサドルの下に手を伸ばすと…あってしまった。

(タイプ)はC4っておいおい、このでかさは自働車を吹き飛ばす量だぞ。間違ってもちんけな自転車一両吹き飛ばす量じゃないな。

キンジもサドル下を触って冷や汗をかいてるから奴にも同じ感じの量があったんだろ。

いろいろ詰んだ感じがしたので空を見上げることにした。

キンジが五月蠅いので小粋なジョークで落ち着かせようとしたらホルスターから銃を抜くそぶりを見せやがった。

なんだ?短気か?

 

「まぁまぁ、ビールでも飲んでリラックスしな。」

「てめっ!」

「まぁ、冗談はさておき。俺だけなら助かるけど、お前までいると正直助かるビジョンが思い浮かばないな。少なくともキンジスーパーモードじゃないと。」

 

そこまで言うと明らかにキンジが嫌そうな顔をした。

流石に少しバツが悪くなったので言葉を続ける。

 

「まぁ、したくても今の状況じゃ出来ないしお前を見殺すのを寝覚めが悪いしな。もう少し後ろの鬼との追いかけっこでもしとこうぜ。」

「おまぇ・・・」

「状況が悪化したら即座に見捨てるけどなっ!」

「ひどっ!寝覚めが悪くなるんじゃないのかよ!?」

「んー、三日ぐらい?」

「俺の死軽っ!?」

 

と、少しの間セグウェイと楽しい追いかけっこに興じていたらビルの屋上にピンク髪のちっこい女の子が仁王立ちしていた。

あっ、飛んだ。と思ったら背中のパラグライダーが開いて滑空し始める。

何じゃありゃ、怪盗キ○ドか?

キンジもその女の子に気付いたのか声を上げる。

 

「オイッ来るな!この自転しゃ「ほら!そこのバカ二人!さっさと頭下げなさいよ!」

 

言いながらハンドガンを2丁取り出して

 

バリバリバリバリバリ

 

瞬く間に2台のセグウェイをスクラップに変える。

いい腕だ!

そしてそのまま俺たちと並走(空?)するように飛ぶ。

 

「来るな!この自転車には爆弾が仕掛けられてる!爆発したらお前も巻き込まれるぞ!」

「うっさいわね!このバカッ!武偵憲章第1条『仲間を信じ、仲間を助けよ』―――――いくわよっ!」

 

いくわよってUターンして逆さづりってそういうことか。

ならキンジだけを救助(セーブ)してくれたら!

 

「自分の面倒は自分てみれるからそっちの奴をセーブしてくれ!」

 

言いながらハンドルを切ってキンジから離れてく。

横目でキンジがセーブされるのを見ながらこの後の方針を立てる。

てかあいつ思いっきり胸に顔突っ込んでたけど大丈夫かな?なったりしなきゃ良いけど。

そんな事を考えながら足場になりそうな場所を探してゆく。

あー、街灯が使えるか?

そう思い腰のベルトから強化ワイヤーを取り出す。その状態で立ち漕ぎに移行し、街頭にワイヤーを巻きつけるタイミングをはかる。

今だっ!

ワイヤーを街頭に引っ掛けて振り子の要領で宙に舞う。その際にサドルのケツを思いっきり蹴るのを忘れない。爆風対策のため、腰からナイフを引き抜きつつ街頭の上に着地する。

最後に蹴り飛ばしたのがきいたのか自転車は少し離れた所で爆発した。

街頭から降りて自転車の爆発地点まで歩いていく。

 

「あーあ、定価一万円のシティサイクリングが。」

 

そう独りごちてキンジ達の様子を見る為に校舎の方に足を向ける。




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