遊戯王GX~Ritual Story   作:ゼクスユイ

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第22話 勝負はガチガチ? アンデットの猛攻

「ねぇ、生涯無敗のデュエリストが居たら夜行君ならどうする?」

 ある日の昼下がりに食堂でドローパン(と言う名の焼きそばパン)を食べていた夜光に星奈が話しかける。

「なんだ藪から棒に」

「ほら、今日の錬金術の講義で話があったでしょう。生涯無敗の王、アビドス3世のこと」

「あれね。どうせ相手が王だから、手抜き・八百長の試合ばかりで無敗ってのが真実なんだろうけどな」

「なんでそういう夢のないことを言うのかな」

「わりぃ、わりぃ。だけど、そいつが本当に無敗かどうかはともかく、その名に相応しいくらいの実力を持っているなら、是非ともお手合わせしてほしいね」

「ちなみに勝算は?」

「こればかりはやってみないとわからない。たとえ弱いカードであろうと使い方次第で神のカードも倒せる。それがデュエルモンスターズだからな」

「なるほどね。私はデュエルの強さの秘密とか今まで一番手ごわかった相手はとか色んなことをインタビューしたいな」

 夜光はジャーナリスト志望の彼女らしい答えだと思いながら、焼きそばパンをかじる。からしマヨネーズがピリッと利いて中々美味しいのだが、さすがに何回も食べると飽きる。次こそはと思ってもどうせ焼きそばパンしか当たらないのだから、ドローパンを買わないのも賢い選択なのかもしれないと思い始める。そんなとき、翔が慌てて食堂に入ってくる。

「大変っす!ゾンビが現れてリアルバイオハザードッス!」

「落ち着け、翔。とりあえず購買部に行ってハーブを買ってから、エイダにロケットランチャーでも貰いに行け」

「分かったっス。って、そういうボケはいらないッてば!外を見て!」

 夜光が食堂の窓から外を見ると、ゾンビというよりかはミイラが生徒や教師たちをデュエルで襲っていた。その奥の方には元凶と思わしきツタンカーメンマスクをかぶった人物が立っている。間もなくして異変に気付いた十代たちが到着すると、ミイラは十代たちを目標に変える。どうやら、生徒たちを襲ったのは七星門の鍵を持つ十代たちをあぶりだすためのようだ。

「きっとセブンスターズの仕業だろうな。星奈、おとなしくここで……」

「もういっちゃったッスよ。夜行君がぼけている間に」

「あの馬鹿!七星門の鍵とは関係ないんだから大人しくしろよ!翔、絶対についてくるなよ。絶対にだ」

「それ、付いてこいって言ってるっスよね」

 翔の返答を聞かず、夜行は急いでセブンスターズがいる校舎の外へと向かう。

 

「セブンスターズに突撃インタビュー!ずばり、貴方のお名前は?」

「うわ!そなた、どうやってここまでたどり着いた?」

 ひょっこり現れた星奈に驚くファラオ。先ほどまでの威厳が台無しである。

「そこまで驚くことないのに。ゾンビ(?)が急に七星門の鍵を持っている人しか狙わなくなったから、持っていない私は素通り出来たんだよね」

「むぅ。余のしもべは簡単な命しか聞けん。精進しよう。余の質問に答えた礼だ。余の名はアビドス三世。セブンスターズの1人だ」

「アビドス三世? デュエルモンスターズ生涯無敗の!? それでは生涯、冥界があるなら冥界も含んで一番手ごわかった相手は?」

「それは……待て。なぜ、余がただの一般人のそなたの質問に答えなければならないのだ」

「ジャーナリストだから。よし、私がデュエルで勝ったら、質問に答えてね」

「まるで意味が分からんが、挑まれた勝負は受けてやろう」

 アビドスが慣れない手つきでデュエルディスクを起動させる。やはり、大昔の人から見れば、子供でも簡単に扱えるデュエルディスクも複雑怪奇な機械ということだろうか。王がデュエルするせいか家来のミイラも十代たちとのデュエルを中断し、王を静かに見守る。そんなとき、夜光が遅れてやってくるが時すでに遅しであった。

「「デュエル!」」

 

アビドスLP4000

星奈LP4000

 

-アビドスのターン-

「余のターン、ドロー!

余はクリバンテッドを召喚。ターンエンド」

「モンスターを召喚しただけ?」

「甘いな。この瞬間、クリバンテッドをリリースすることで、デッキからカードを5枚墓地に送ることができる。そして、その中に魔法・罠があった場合、そのうち1枚を手札に加えることができる」

 

落ちたカード

馬頭鬼

ブレイクスルー・スキル

ゾンビキャリア

生者の書-禁断の呪術-

エフェクト・ヴェーラー

 

「私は生者の書-禁断の呪術-を手札に加える」

 神と呼ばれたアビドス三世のデッキはアンデット族の使い手のようだ。現代の研究では不明だった彼のデッキが最初のターンで分かったのは星奈にとって大きい情報アドバンテージだ。

 

手札:6枚

場:なし

魔法・罠:なし

 

-星奈のターン-

「私のターン、ドロー!

魔法族の里を発動。そして、クルセイダー・オブ・エンディミオンを召喚。

伏せカードもモンスターも居ないし、一気に畳みかけるよ!クルセイダー・オブ・エンディミオンで王様に攻撃!マジック・ブレード!」

 

アビドスLP4000→2100

 

「そして、手札から速……」

「待て。余がダメージを受けたことにより、手札から冥府の使者ゴーズを守備表示で特殊召喚する。さらにカイエントークンも守備表示で特殊召喚だ」

(このカード使えば、ゴーズを倒せるけど……

相手ターンで干渉できる罠が1枚もない)

 お触れを投入している彼女にとって罠の枚数は少ない。だが、アンデット族の肝といえる馬頭鬼が墓地に落ちている可能性を考えれば、ノーガードでターンを明け渡すのも嫌なところ。ましてや相手は生涯無敗だ。ここは慎重にデュエルを進めるべきだと考えた星奈はバトルフェイズを終了させる。

「カードを1枚伏せてターンエンド」

 

手札:3枚

場:クルセイダー

魔法・罠:伏せ1枚

フィールド:里

 

-アビドス-

「余のターン、ドロー!

余はゾンビマスターを召喚。ゾンビマスターの効果発動。手札のゴブリンゾンビを捨て、墓地のチューナーモンスター、ゾンビキャリアを特殊召喚する。

レベル4ゾンビマスターにレベル2ゾンビキャリアをチューニング!

シンクロ召喚!甦りし魔王ハ・デス!」

 悪魔族の中でも高い知名度を誇るハ・デスがアンデット化した姿が現れる。だが、攻撃力はアンデットになっても2450のままだ。ここでバトルフェイズに入るのであれば、対処は可能だと心の中で思う星奈。

「さらに墓地の馬頭鬼を除外し、ゾンビマスターを特殊召喚する。ゾンビマスターの効果により、手札のゾンビキャリアを捨て、ゾンビキャリアを特殊召喚する。レベル7カイエントークンにレベル2ゾンビキャリアをチューニング!

シンクロ召喚!鬼岩城!

鬼岩城の攻撃力は非チューナーの数×200ポイント上昇する(ATK2900→3100)」

「攻撃力3100!?」

 あの青眼の攻撃力を超える巨大な城、いや巨人が現れたことに度肝を抜かされる星奈。魔法カードを一切使わずに上級モンスターを大量に展開するアビドスはまさに神と言っても差支えない実力の持ち主だ。

「行け、ハ・デスでクルセイダー・オブ・エンディミオンに攻撃!」

「速攻魔法、ディメンション・マジックを発動するよ。クルセイダー・オブ・エンディミオンを生贄にささげて、鬼岩城を破壊。そして、手札から魔導法士ジュノンを特殊召喚!」

「攻撃力2500……ならば、ハ・デスの攻撃を中断する。ゴーズでジュノンに攻撃だ」

 ゴーズは身の丈はありそうな大剣でジュノンを一刀両断にする。

 

星奈LP4000→3800

 

「ゾンビマスターでダイレクトアタック!」

 ゾンビマスターが近くに落ちていた屍の骨を投げつけ、星奈にダメージを与える。

 

星奈LP3800→2000

 

「余はカードを1枚伏せてターンを終了する」

 

手札:2枚

場:ゴーズ

  ハデス

  ゾンマス

魔法・罠:伏せ1枚

 

-星奈のターン-

「私のターン、ドロー!

私はマジカル・コンダクターを召喚。

ヒュグロの魔導書を発動。マジカル・コンダクターの攻撃力を1000ポイントアップする。そして、マジカル・コンダクターに魔力カウンターが2つ乗る。マジカル・コンダクターでゾンビマスターに攻撃!」

 マジカル・コンダクターが魔力弾を放ち、ゾンビマスターを跡形もなく消滅させる。

 

アビドスLP2100→1200

 

「戦闘破壊に成功したことでヒュグロの魔導書のさらなる効果が発動。デッキから別の魔導書を手札に加えることができる。私はグリモの魔導書を手札に加える。

グリモの魔導書を発動。デッキからトーラの魔導書を手札に加える。この瞬間、マジカル・コンダクターに魔力カウンターが2つ乗る。トーラの魔導書を発動。マジカル・コンダクターは罠の効果を受けない」

「意味のないことをして何になる?」

「もちろん。逆転への布石だよ。ワンダー・ワンドをマジカル・コンダクターに装備。

マジカル・コンダクターの効果で魔力カウンターを7つ取り除いて、ジュノンを復活させる。ジュノンの効果発動!墓地のヒュグロの魔導書を除外して、ゴーズを破壊する」

 ジュノンが魔法剣を振りかざし、放たれた衝撃波でゴーズを破壊する。

「よし、これでアビドスの場にはジュノンよりも攻撃力が低いハ・デスだけだ」

「モンスターだけの壁で攻撃を防ぎきれるとは思えない。なら、マジカル・コンダクターを生贄にささげて、2枚ドロー!

カードを2枚伏せてターンエンド」

 

手札:0枚

場:ジュノン

魔法・罠:伏せ2枚

フィールド:里

 

-アビドスのターン-

「余のターン、ドロー!

余は手札1枚をデッキトップに戻し、ゾンビキャリアを特殊召喚する。レベル6甦りし魔王ハ・デスにレベル2ゾンビキャリアをチューニング!

シンクロ召喚!スクラップ・ドラゴン!」

 スクラップで身体が構成されているドラゴンがアビドスの場に現れる。一見、機械族に見えるがこれでもドラゴン族である。

「ゴブリンゾンビを召喚。そして、スクラップ・ドラゴンの効果発動。ゴブリンゾンビを破壊し、ジュノンを破壊する。さらにゴブリンゾンビの効果で馬頭鬼を手札に加える」

 スクラップ・ドラゴンが口からバーナーを吐きだし、2体のモンスターを焼き尽くす。これで星奈の場に魔法使い族が居なくなり、アビドスは魔法カードを使えるようになる。

「これで邪魔者はなくなった。異次元からの埋葬を発動。除外されているゾンビキャリア、馬頭鬼を墓地に戻す。馬頭鬼を除外し、ゾンビマスターを特殊召喚する。

ゾンビマスターの効果で馬頭鬼を捨て、ゾンビキャリアを特殊召喚する。そして、アンデットワールドを発動。

レベル4ゾンビマスターにレベル2ゾンビキャリアをチューニング!

シンクロ召喚!デスカイザー・ドラゴン!

デスカイザー・ドラゴンが特殊召喚に成功したとき、相手の墓地のアンデット族を特殊召喚することができる」

「墓地どころか私のデッキにアンデなんていない」

「愚かな。アンデットワールドの効果でフィールド・墓地のカードはアンデット族になっている。さらにアンデット族以外の生贄召喚を封じる。余はジュノンを特殊召喚する」

「そんな!」

 星奈のデッキには魔法使い族サポートが多く、種族変更を最も苦手とする。しかも星奈の新しい切り札であるジュノンを奪われてしまう。アビドスのデッキではジュノンの効果が使えないのが幸いか。

「さらに墓地の馬頭鬼を除外し、ゾンビキャリアを特殊召喚。レベル8スクラップ・ドラゴンにレベル2ゾンビキャリアをチューニング!

シンクロ召喚!神樹の守護獣-牙王!対象をとるカードが効かない牙王でダイレクトアタックだ」

 牙王が勢いよく突進し、星奈に体当たりをしようとする。だが、星奈の前に現れた薄ピンク色のバリアにはじかれてしまう。

「罠発動、攻撃の無敵化!このターン、受けるダメージは0になる」

「凌いだか。だが、手札もモンスターもないそなたに勝ち目はない。ターンを終了する」

 

手札:0枚

場:デスカイザー

  ジュノン

  牙王

魔法・罠:なし

 

-星奈のターン-

「私のターン、ドロー!

私は強欲な壺を発動。2枚ドロー!ポップルアップを発動。相手がフィールド魔法を発動しているとき、デッキからフィールド魔法を発動することができる。私はエンディミオンを発動する。グリモの魔導書を発動。ゲーテの魔導書を手札に加える。無謀な欲張りを発動。デッキからカードを2枚ドローする。

このカードは夜光君からもらった……黒魔族のカーテンを召喚」

「勝負はついたな」

「ああ。弱小カードしか出せなかった彼女の負けだ。彼女の様子から闇のデュエルでないのが不幸中の幸いか」

「それは違うぜ、三沢。あいつがあのカードを引いていれば勝ちだ」

 この状況下で逆転する方法など三沢には思いつかない。だが、夜光の表情を見る限り、星奈の勝利を確信しているようだ。

「私はこのカードにすべてを賭ける。魔法カード、時の魔術師!タイム・ルーレット!!」

 時の魔術師の杖にあるルーレットの針が回転する。そして、しばらくすると針の動きがゆっくりと止まり、当たりを示す。

「よし、千年の時を超えて、アンデットの肉体を風化させる。タイム・マジック!」

 タイム・マジックの影響でジュノンたちの肉体が朽ち果て、砂となって消える。一気に逆転だと思われたとき、魂だけの存在になったデスカイザー・ドラゴンがアビドスの場に現れる。

「ふははははは。どうやら、元々の種族がアンデット族のモンスターは千年の時を経ち、身体が朽ち果てようとも恨みが消えることなく、怨念として現世に漂い続けるようだな」

「そ、そんな……」

「それはどうかな?」

「「えっ?」」

 夜光の言葉に星奈とアビドスは素っ頓狂な声を出す。星奈からすれば、時の魔術師を使うために黒魔族のカーテンを召喚しただけである。それを防がれた今、星奈に残された策はなかった。だが、夜光はこの状況においてまだ何らかの策があると言うのだ。

「黒魔族のカーテン……悪魔によって呪われたカーテンは持ち主を転々と変え、数多くの命を吸い取っていった」

 星奈の場に髑髏の装飾が付いたカーテンが現れる。

「ただの布きれであったカーテンが姿を変えた?」

「長き年月を経て、一人の高名な魔術師が解呪を行い、自らの奇術道具として扱うようになった。その際、黒魔族のカーテンは黒魔術のカーテンへと姿と名を変えるようになった。その高名な魔術師の名は……ブラック・マジシャン!」

「ブラマジキター!」

 カーテンの中からデュエルモンスターズで最も有名な魔法使いであるブラック・マジシャンが星奈の場に現れる。伝説のモンスターを見た十代たちは興奮を隠しきれない様子だ。それは星奈も同じく、持っていたカメラでパシャパシャとフィルムが無くなるまで写真を撮りまくる。

「ブラック・マジシャンでデスカイザー・ドラゴンに攻撃!黒・魔・導!!」

 ブラック・マジシャンが杖から、紫色の無数の魔力弾を放ちデスカイザー・ドラゴンを粉砕する。

 

アビドスLP1200→1100

 

「ブラック・マジシャン……だが、まだライフは残っている」

「でも、デッキトップは生者の書だってことはわかっているよ。カードを1枚伏せてターンエンド」

「私のターン、ドロー!生者の書を発動。そなたのジュノンを除外し、牙王を特殊召喚する」

 再び現れる牙王。攻撃力も高く、メインフェイズ2以外では対象をとる効果を受けない厄介なモンスターだが、星奈にはそれに対処する方法がある。

「私はゲーテの魔導書を発動。墓地のヒュグロ、グリモ、トーラの魔導書を除外して、牙王を除外する」

「だが、牙王に対象をとる効果は通用しない!」

「残念。ゲーテの除外効果は対象をとらないんだよ」

「なん……だと……」

 アビドスの墓地・手札・フィールドにブラック・マジシャンの攻撃を防ぐカードはない。つまり、アビドスの敗北が決まった瞬間だ。

「行け、ブラック・マジシャン!黒・魔・導!!」

 ブラック・マジシャンが魔導波を放ち、アビドスのツタンカーメンマスクを破壊し、ライフを0にした。

 

アビドスLP1100→0

 

「ま、負けた……」

 負けてショックを受けるアビドス。勝利まであと一歩のところでひっくり返されたのだから、仕方がないと言えよう。

「そんなに落ち込まなくても良いじゃない。ギリギリの勝負だったんだし。もう一度、デュエルしたらもう一度勝てるとは思えないもの」

「そ、そうか……

確か質問に答える約束だったな。余が一番苦戦したというより敗北した相手はそなたと冥界であったヒトデ頭の見知らぬ男性だ」

「ヒトデ頭? よく分かんないけど、生涯無敗のアビドス三世に初めて泥をつけるなんて凄腕のデュエリストなんだね」

「うっ、そ、その。言いにくいのだが、その伝説は家来が……」

「はいはい。王様。次は俺とデュエルしねぇ。伝説の話を聞いた時から、王様とデュエルしてみたかったんだ」

「別に構わないが。その伝説は……」

「大昔の伝説が正しいかどうかなんて関係ないさ。大切なのは『今』だろ。それに先のデュエルをみたけど、スゲー強かったじゃん。俺は今のお前とデュエルしたいんだ」

「今の自分か……偽りの伝説を持った余でも構わないのであれば、デュエルをしよう。闇のデュエルではない。普通のデュエルでだ」

「おう。楽しいデュエルをしようぜ」

 二人が互いにデュエルディスクを構え、デュエルを始める。そして、一進一退の攻防を繰り返した後、勝ったのは十代だった。そして、互いに健闘を称え、アビドスが乗ってきた黄金の船に帰ろうと踵を返した時、星奈が呼び止める。

「最後にシンクロモンスターはどうやって手に入れたの? まだ研究段階って聞いたけど」

「余を長年の眠りから目覚めさせた男性から、デュエルディスクとやらと一緒に貰った。恐らく他の者たちも同じだろう。なぜそのものがシンクロモンスターを持っているかまでは知らん」

「どうやらセブンスターズの他に親玉がいるってわけだな」

「そいつがこの戦いを引き起こした元凶というわけか」

(吹雪を失踪させて明日香を悲しませただけでなく、操り、俺と戦わせた元凶。もし、そいつが俺の前に現れたら……)

 カイザーの心の中に小さな黒いシミができていく。だが、アビドス三世を見送る十代たちがそれに気づくことはなかった。そして、アビドスが乗った黄金の船が上空へと舞い上がり、その姿を消すのであった。

 




闇遊戯「良かれと思って」

色々と伏線を張らせてもらいました。
今回の時の魔術師もゲーム内にあった「時の魔術師+魔法使い族=ブラマジ」を一部変更したものです。(ゲーム内だと攻撃力が低すぎるとホーリー・ドールになる)
アンデットの方は骨塚戦と矛盾しないようにしています。

感想お待ちしております

追記:ゲーテの発動条件を見落としていたので修正。
禁止カードを使ってしまいました。すみません。

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