遊戯王GX~Ritual Story   作:ゼクスユイ

14 / 25
第14話 vs遊戯デッキ

「寝過ごした~!」

 十代は目覚まし時計を2つセットしたにもかかわらず寝坊してしまった。慌てて身支度をすました十代は武藤遊戯のデッキが展示される会場へと走り向かう。今日は武藤遊戯が使用している本物のデッキをデュエルアカデミアにて特別に展示される日だ。遊戯が所有している神のカードである『オシリスの天空竜』、『ラーの翼神竜』、『オベリスクの巨神兵』を見たがっていた生徒もいたが、残念ながら展示されていない。一部の関係者しか知らないが、神のカードがアテムとの闘いの儀で既に存在していないのだから仕方がないだろう。

「会場の中は写真撮影禁止だよ。今日の出来事は自分の目に焼き付けようね」

 十代が展示会場に入ると既に大勢の学生が遊戯デッキを見ようとずらりと並んでおり、行列の整備をしているとめさんが持っているプラカードには『最後尾4時間待ち』と書かれている。

「よ、4時間~!? 勘弁してくれよ。そんなに待っていたら日が暮れるぜ」

「最後尾にいるってことは寝坊でもしたか」

 ちょうど展示を見終わった夜光が十代に話しかける。

「ぎくっ、なんで分かったんだ?」

「そりゃあ翔から『昨日は遠足を待ちきれない小学生みたい』だっって聞いたからな。そんな様子だった十代がわざわざ遅れてくるはずがないだろう」

「当たり前だろ。伝説のデュエリスト武藤遊戯のデッキを見ることができるんだ。デュエリストなら絶対見逃すことはできないぜ!きっとスゲーデッキだと思うんだ」

(さすがに奪われた研究用のデッキが展示されることがなかったとはいえ、好きなカードでも引かない限りあのデッキで勝てる気がしないな)

 十代が遊戯デッキをみることにわくわくしている一方で夜光が心の中で遊戯デッキを批評する。すると展示を見終え、十代を見つけた翔がやってくる。

「アニキ居たんだ」

「翔!! なんで起こしてくれなかったんだぁ!」

「だって、ブラック・マジシャン・ガールをこの目で見れるのは今日だけなんだよ。織姫と彦星みたいにたった1日限りの恋なんだ!アニキを起こすよりもブラック・マジシャン・ガールを見る。誰だってそうする。僕もそうする」

 翔が十代を切り捨てる珍しい場面が見れるのであった。涙目になっている十代を励まそうと夜光は一つの提案をする。

「じゃあ、遊戯デッキの体験会でも見に行くか」

「体験会……? ってことは遊戯さんのデッキでデュエルできるのか!?」

「アニキ、違うッス。成績優秀者のみが決めれた時間に遊戯さんのデッキとデュエルできる体験会のことッス」

「十代のことだから、展示会の説明の時寝ていたんだろ」

「うっ……そういや大徳寺先生がそんなことを言っていたような言ってなかったような……」

「「言ってた。言ってた」」

 説明を聞いていなかった十代のために翔たちが再度説明する。これまでの成績でオベリスクブルーの上位30%、ラーイエローの上位10%内に入っていた者だけが遊戯デッキのレプリカを装備したデュエルマシーンとデュエルできるというものだ。かつて海馬瀬人がオベリスクの巨神兵の力を試すため使用されたデュエルマシーンもコストダウンやAIの強化、強度の向上が図られ、今やゲームセンター内でも見かけることがあるくらいだ。だがデュエルマシーンのAIが発達しすぎたせいか、あまりの鬼畜さにネットでは『デュエルマシーンが倒せない』という曲が流行るほどだ。しかも、この展示会にむけてKC社は次世代AIを装着し、遊戯のデュエルを完璧に再現したデュエルマシーンを送り込むほどの気合の入れようだ。

 なお、海馬瀬人が言うには『偽物を打ち破れぬ者にデュエルする資格なし』だそうだ。そのため、オーナーの考えに共感した鮫島校長らは『デュエルマシーンとのデュエルに負けたらレポート課題』というペナルティを与えることにした。それを聞いた十代は遊戯さんのデッキとデュエルしたいけど、レポート課題は勘弁と思うのであった。

 十代たちが体験会の会場となっているデュエル場につくと、オベリスクブルーの男子生徒が暗黒騎士ガイアの攻撃によって敗北し、レポート課題の提出が確定する光景が見られた。そして、次の対戦相手はやや緊張した顔つきの神楽坂であった。冬休み前ではデュエルの腕は高いが、ややメンタルに難ありの評価だった神楽坂が冬休みを終え、どう変わったか見ものの一戦といえよう。

「デュエル!」

 

神楽坂LP4000

デュエルマシーン LP4000

 

-神楽坂のターン-

「俺はモンスターを裏守備で召喚。

カードを2枚伏せてターンエンドだ」

 神楽坂はこれといった特徴がない一手を打ち、自分のターンを終える。マシーン相手に

 

手札:3枚

場:裏守備モンスター

魔法・罠:伏せ2枚

 

-デュエルマシーンのターン-

「私のターン、ドロー!

私は手札断札を発動。互いに手札を2枚捨て、2枚ドロー!レスキューラビットを召喚」

 ヘルメットとゴーグルをかぶった兎がデュエルマシーンの場に現れる。遊戯デッキには絶版や入手困難となっている何枚かのカードが存在していたため、その代わりとして最新のカードが何枚か投入されている。そのため、遊戯が使用していないカードもデュエルマシーンは使用してくるのだ。

「レスキューラビットを除外し、2体のクィーンズ・ナイトを召喚。馬の骨の対価を発動。クィーンズナイト1体を墓地に送り、2枚ドロー!

クィーンズナイト(ATK1500)で攻撃。クィーンズ・セイバー・クラッシュ!」

「俺のモンスターは剣闘獣ホプロムス(DEF2100)。反射ダメージを受けてもらう」

 クィーンズ・ナイトが剣を振りかざすが、ホプロムスの鋼鉄の身体によって剣が折れてしまう。そして折れた剣先がデュエルマシーンの方に飛び、突き刺さる。

 

デュエルマシーン LP4000→3400

 

「ホプロムスの更なる効果が発動。戦闘を行ったバトルフェイズ終了時にこのカードをデッキに戻すことで他の剣闘獣を召喚することができる。俺は剣闘獣ラクエルを特殊召喚する。

さらにさらにぃ、ラクエルが剣闘獣の効果で特殊召喚したとき、攻撃力は2100になる」

 虎とイノシシを足して2で割ったような人型の獣が神楽坂の場に現れ、フラフープ上の武装に轟々と炎が燃え盛る。

「相手のデッキ【剣闘獣】と判断。被害微小。処理可能レベル……OK。誤差修正完了。

私はカードを2枚伏せてターンエンド。この瞬間、クィーンズナイトは破壊される」

 

手札:3枚

場:なし

魔法・罠:2枚

 

-神楽坂のターン-

「俺のターン、ドロー!

俺は剣闘獣ラニスタを召喚」

 赤茶色の槍を持ち、緑色の鎧を身に着けた人型の鳥が神楽坂の場に現れる。ラニスタとラクエルの攻撃力の合計は3900。デュエルマシーンの残りライフ3400を削り切れる値だ。

「ラニスタ(ATK1800)でダイレクトアタック!」

「罠発動、攻撃の無力化」

「この勝機を逃すわけにはいかない。リバースカード、盗賊の七つ道具。ライフを1000払い、攻撃の無力化を無効にする」

 

神楽坂LP4000→3000

 

「罠発動、カウンターカウンター。相手のカウンター罠を無効。そしてカウンター罠によってカード効果を無効にしたことで冥王竜ヴァンダルギオンを特殊召喚。さらに罠カードを無効にしたことでヴァンダルギオンのさらなる効果が発動。罠を無効にしたとき、相手フィールド上のカードを破壊する。私は伏せカードを破壊」

「くっ……ミラーフォースが!」

 神楽坂の伏せカードから黒い炎が吹き出て、その中からヴァンダルギオンが現れ、デュエルマシーンの場に移動する。神楽坂は攻撃を防がれたばかりか、ライフを減らしてしまった上に最強の攻撃反応型罠であるミラフォまでも失ってしまう。そのため、心なしか神楽坂は動揺しているようにも見える。

「…………カードを1枚伏せてターンエンド」

 

手札:2枚

場:ラニスタ

  ラクエル

魔法・罠:伏せ1枚

 

-CPUのターン-

「私のターン。ドロー!

ヴァンダルギオン(ATK2800)でラニスタ(ATK1800)に攻撃。冥王葬送!」

 ヴァンダルギオンによってラニスタが黒い炎によって燃やし尽くされる。

 

神楽坂LP3000→2000

 

「凡骨の意地を発動。カードを1枚ターンエンド」

 

手札:1枚

場:ヴァンダルギオン

魔法・罠:伏せ1枚

     凡骨の意地

 

-神楽坂のターン-

「俺のターン、ドロー!

俺はE・HEROプリズマーを召喚。プリズマーの効果発動。融合デッキにある剣闘獣ガイザレスを見せ、デッキから剣闘獣ベストロウリィを墓地に送ることで、プリズマーをベストロウリィとして扱う」

 効果を発動したプリズマーが光り輝き、ベストロウリィの姿へと形を変えていく。

「剣闘獣が自分の場にいるとき、スレイブタイガーは特殊召喚できる。スレイブタイガーの効果発動。このカードを生贄にささげ、場のラクエルをデッキに戻し、デッキから剣闘獣ダリウスを剣闘獣の効果扱いで特殊召喚する。そして剣闘獣の効果で特殊召喚された剣闘獣ダリウスの効果発動。墓地の剣闘獣ベストロウリィを効果を無効にして特殊召喚する」

 2足歩行する馬面の獣が神楽坂の場に現れる。ダリウスが鞭をふるうと、墓地からベストロウリィが現れる。

「剣闘獣ダリウスと剣闘獣ベストロウリィをデッキに戻し、剣闘獣ガイザレスを特殊召喚する。剣闘獣ガイザレスの効果発動。このカードが特殊召喚に成功したとき、フィールドのカードを2枚まで破壊することができる」

 緑色の巨大な鎧を身に着けたベストロウリィ似た怪鳥が神楽坂の場に現れる。

(次の反撃の芽をつぶすために凡骨の意地を破壊するかそれとも攻撃を確実に通すために伏せカードを破壊するか……)

「このターンで決着をつける。俺はヴァンダルギオンと伏せカードを破壊する」

 神楽坂は勝機を逃さんと決意する。ガイザレスが放った竜巻がヴァンダルギオンと伏せカードに向かっていく。

「チェーンして罠発動、威嚇する咆哮。このターン、相手は攻撃宣言できない」

「フリーチェーンの防御罠……ターンエンドだ」

 またもや勝機を逃した神楽坂はうつむきながら、エンド宣言する。

 

手札:1枚

場:ガイザレス

  プリズマー

魔法・罠:伏せ1枚

 

-デュエルマシーンのターン-

「私のターン、ドロー!

凡骨の意地の効果発動。手札の磁石の戦士αを見せて1枚ドロー!磁石の戦士βを見せて1枚ドロー!磁石の戦士γを見せて1枚ドロー!カース・オブ・ドラゴンを見せて1枚ドロー!ブラック・マジシャンを見せて1枚ドロー!」

「たった1ターンで3体の磁石の戦士が揃った……!? まさか……」

 神楽坂はありえないと思った。だが、もし対戦相手が武藤遊戯ならばあのカードを既に手札に持っているはず。遊戯デッキの中では3番目の攻撃力を誇るモンスターを……

「α、β、γを墓地に送り、手札から磁石の戦士マグネット・バルキリオンを特殊召喚。さらに古のルールを発動。手札からブラック・マジシャンを特殊召喚」

「切り札級のカードがいとも簡単に……!?」

 神楽坂、いやこの場にいる全員が目の前に広がる光景が信じられなかった。凡骨の意地が発動していたとはいえ、効果モンスターも多い遊戯デッキでは追加ドローはせいぜい1~2枚程度が関の山だと思っていたからだ。何人かは中に本人が入っているのではないかと思うほどの驚異的なドロー力……さすがはKC社が総力を挙げて作り上げた最新のAIといったところか。

「ブラック・マジシャン(ATK2500)でプリズマー(ATK1700)に攻撃!黒・魔・導」

 ブラック・マジシャンがプリズマーに向かって無数の紫色の魔力弾を放ち、破壊する。

 

神楽坂LP2000→1200

 

「マグネット・バルキリオン(ATK3500)でガイザレス(ATK2400)に攻撃!電磁剣」

バルキリオンが巨大なマグネット・ソードでガイザレスを一刀両断する。

 

神楽坂LP1200→100

 

「これ以上の行動不可。ターンエンド」

 

手札:1枚

場:バルキリオン(ATK3500)

  ブラマジ(ATK2500)

魔法・罠:凡骨の意地

 

-神楽坂のターン-

「俺のターン、ドロー!」

(よし!もうデュエルマシーンには伏せカードがない。3度目の正直……このターンで勝てる!!)

 神楽坂はドローしたカードを見て、心の中でガッツポーズをする。

「俺は死者蘇生を発動。ガイザレスを復活させる。そしてガイザレスの効果により、ブラック・マジシャンとバルキリオンを破壊」

 ガイザレスの効果はこの手の効果にありがちな融合召喚時のみに発動する効果ではなく特殊召喚時に発動する効果だ。そのため、蘇生カードを使えば2枚のカードを破壊することが可能になる。

「そして剣闘獣サムニテを召喚。

ガイザレスでダイレクトアタック!」

「墓地のネクロ・ガードナーを除外して攻撃を無効」

 2度あることは3度ある。半透明のネクロ・ガードナーがガイザレスの攻撃を防ぐ。またまた勝機を逃した神楽坂は気を取り直して攻撃を続ける。

「それならサムニテ(ATK1600)でダイレクトアタックだ!」

 

デュエルマシーン LP3400→1800

 

「さらにサムニテをデッキに戻して、剣闘獣ベストロウリィを特殊召喚する。そしてベストロウリィの効果で凡骨の意地を破壊。ターンエンド」

 

手札:0枚

場:ガイザレス

  ベストロウリィ

魔法・罠:伏せ1枚

 

-デュエルマシーンのターン-

「私のターン、ドロー!

私は光の護封剣を発動。相手の攻撃を3ターン封じます」

「このタイミングで護封剣だと!?」

(まずい……本当なら2体目のガイザレスを召喚したいところだけど、俺のデッキにはガイザレスが1枚しかない)

 神楽坂は心の中で少し焦る。サイクロンなどの除去カードを引かない限り、攻撃できないうえにモンスター効果も使うことができない。

「ターンエンド」

 デュエルマシーンがエンド宣言する。ターンが回ってきた神楽坂は除去カードを引くことを祈りながら、デッキの上に手を載せる。

「俺のターン、ドロー!カードを1枚伏せてターンエンド」

「私のターン、ドロー!ターンエンド」

「俺のターン、ドロー!カードを1枚伏せてターンエンド」

「私のターン、ドロー!ターンエンド」

「俺のターン、ドロー!サイクロンは来なかったけど、このターンで光の護封剣の効果は消える」

 結局、神楽坂は光の護封剣を破壊することができなかった。だが、伏せカードを合計3枚伏せることができ、どのような状況にも対応できると思っていた。

 

-デュエルマシーンのターン-

「私のターン、ドロー!

私は闇の誘惑を発動。2枚ドローし、カース・オブ・ドラゴンを除外。黙する死者を発動。墓地のクィーンズナイトを特殊召喚。キングスナイトを召喚。キングスナイトの効果により、デッキからジャックス・ナイトを特殊召喚。

そして手札から沼地の魔人王の効果により、デッキから融合を手札に加える。融合を発動。3体の絵札の三銃士を融合。アルカナ ナイトジョーカーを特殊召喚」

「しまった!? アルカナナイトジョーカーなら手札次第で罠やガイザレスの効果を防ぐことができる」

 アルカナ ナイトジョーカーは対応する手札1枚を捨てることで対象となった魔法・罠・モンスター効果を無効にすることができる。しかも攻撃力は3800と高く、元々の攻撃力で上回るモンスターはほとんどいない。

「さらに貪欲な壺を発動。墓地の三銃士とヴァンダルギオン、クィーンズナイトをデッキに戻し、2枚ドロー!竜の鏡を発動。墓地のカオス・ソルジャーと沼地の魔人王を除外し、究極竜騎士を融合召喚」

「ま、究極竜騎士だって!?」

 海馬瀬人と武藤遊戯の友情の証(瀬人本人は認めていない)として知られている究極竜騎士が神楽坂の前に立ち塞がる。その攻撃力はデュエルモンスターズ最大攻撃力である5000。あのオベリスクの巨神兵の攻撃力4000をはるかに上回る値である。

「アルカナナイトジョーカー(ATK3800)でベストロウリィ(ATK1500)に攻撃!ジョーカー・ブレード」

「チェーンしてリバースカード、神秘の中華鍋。ガイザレスをリリースし、ライフを2400ポイント回復する」

 

神楽坂LP100→2500→200

 

「究極竜騎士(ATK5000)でダイレクトアタック!ギャラクシー・クラッシャー」

「ガードブロックを発動。戦闘ダメージを0にし、1枚ドロー!」

 

手札:1枚

場:究極竜騎士

  アルカナナイトジョーカー

魔法・罠:なし

 

-神楽坂のターン-

「こんなの勝てるはずがない……」

 神楽坂は自分の手札をみるが、そこにあるのは二重召喚とラクエルだけだった。この圧倒的な光景を覆すような逆転の手はなかった。もう諦めてサレンダーしようとデッキに手を伸ばしたとき、神楽坂を応援する言葉が聞こえる。

「神楽坂、気合入れろー!」

「そうだ、俺だって遊戯さんのデッキとデュエルしたかったんだ。こんな良いデュエルで諦めるなんてもったいないぜ」

「そうっす。諦めるなぁ!」

「みんな……」

 みんなの声援を受け、神楽坂の消えかけていた闘志に再び火がつく。

「俺は……俺は……もう諦めない。俺のデッキよ、答えてくれ!俺のターン、ドロー!」

 神楽坂は恐る恐るドローしたカードを見る。そこにあったのは希望へとつながるカードだった。

「リバースカード、突進を発動。究極竜騎士の攻撃力を700ポイントアップさせる」

「相手に攻撃力上昇効果? 意味不明。理解不能」

「このカードにすべてを賭けるためさ。ヒーローアライブを発動。ライフを半分支払い、デッキからE・HEROバブルマン(アニメ効果)を特殊召喚。バブルマンの効果により、2枚ドロー!」

 

神楽坂LP200→100

 

「貪欲な壺を発動。墓地の剣闘獣ベストロウリィ、剣闘獣アンダル、剣闘獣レティアリィ、E・HEROプリズマー、スレイブタイガーをデッキに戻し、2枚ドロー!

手札からE-エマージェンシーコールを発動。デッキからE・HEROプリズマーを手札に加える。プリズマーを召喚。プリズマーの効果発動。融合デッキにある剣闘獣ガイザレスを見せ、デッキから剣闘獣ベストロウリィを墓地に送る」

 再びプリズマーはベストロウリィの姿へと変わる。そしてドロー前に手札にあったカードがようやく活きる。

「二重召喚を発動。このターン、もう一度通常召喚を行うことができる。剣闘獣ラクエルを召喚。

プリズマーとラクエルをデッキに戻し、剣闘獣ガイザレスを特殊召喚!ガイザレスの効果でアルカナナイトジョーカーと究極竜騎士を破壊」

「アルカナナイトジョーカーの効果発動。手札からブラック・マジシャン・ガールを捨てて、ガイザレスの効果を無効」

「手札から速攻魔法、禁じられた聖杯を発動。アルカナナイトジョーカーの効果を無効にする」

 デュエルマシーンの最後のあがきも神楽坂の聖杯によって無効となった。神楽坂の攻撃を阻むものはもう何もない。

「これで終わりだ!ガイザレスでダイレクトアタック!」

「ぴがぁぁあああ!?」

 

デュエルマシーン LP1800→0

 

「神楽坂が勝ったぞー!!」

「あの伝説のデッキに……勝った……?」

 何人者の生徒を打ち破ったデュエルマシーンが初敗北を喫したことに会場が大いに盛り上がる。当の本人も信じられない様子で呆然と立っていた。しかし、勝利したのは事実だ。そしてそのことをようやく理解することができた神楽坂は勝利の雄叫びをあげた。神楽坂にとってこの勝利こそが真のデュエリストとして成長する大きな一歩となるのであった。

 

-?????-

 展示会が終わった深夜、明日本土へと返す物品を射れた倉庫の中で一人の男性がPCをカタカタと操作していた。

「ふん。この時代《せかい》にしては上出来なAIだ。ありがたく使わせてもらおう」

 男はPCに100%の文字が映し出された後、自分が何らかの痕跡を残していないか確認してから倉庫の中から出る。

「これで必要な物は揃った。あとは三幻魔のカードを手に入れ、追手と創造主を倒すだけだ。それが達成したとき……俺は永遠に君臨する神となるのだ。フハハハハハ」

 男は高笑いした後、持っていた剣をふるうとワームホールが生成され別の場所へと移動するのであった。

 




神楽坂のデッキはアラ剣でした。
ガイザレスがないころの剣闘獣しか使ったことがなかったので、ガイザレスの強さに驚きました。
なんで蘇生しただけで2枚破壊できるんだ…
アブZeroやダンセルホーネットといった環境のインフレには追い付いていないようですが。
あとこの回での反省点はBMGがでなかったことくらい。手札が足りなかったので仕方がない。

さてと恋する乙女を飛ばして空気回に移るかどうか考えなければ…
それでは1~2カ月後にお会いしましょう。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。