晃助は頼隆と広忠から報告を聞いた。
「なかなか面白い体験でした。上方の風流人達と歌会ができるなんて!」
「途中から仕事だって忘れてましたね」
「……ああ、そう」
晃助が勝家と摂津に行っている間に二人には京の有力者たちと交流してもらった。これから織田家は京を拠点に天下に号令していくので、何かと都合がいいように公家や商人と仲を取り持ってもらった。
「わかっているだろうが、歌とか茶とか興味ないから、仲良くなれた有力者と最近の話を聞かせろよ」
「あなたも少しは芸を嗜んだら?」
「きょーみなーい」
頼隆は歌道に明るいため公家たちの歌会でも評判だったらしい。同席した人たちの立場や性格を聞きたいのだが彼女はその人がどんな歌を詠んだかについて講釈してくるので話があまり進まない。ウケは良かったかもしれないが晃助にとっては余計だ。
「今、将軍宣下に問題が起きているのは知っているか?」
「関白近衛前久どのが莫大な額の奉納を要求したと聞いています」
「そしてその資金を調達する為に殿の盟友良晴どのが堺に向かったとか」
織田家中でもこの話は広まっているらしい。というより盟友ってなんか気恥ずかしいな。
「まぁその通りアイツは金を調達してくるが、その原因は近衛前久の怒りが原因だ。彼の機嫌をとって金の話を無かった事に……もしくは減額を目指そうと思う」
権力とは別で影響力のあるのは交友関係だ。現代でも有名芸能人が航空会社の社長とかを友人に持っていてツテでとんでもない旅行などをすることがある。近衛の機嫌をとれる人物に頼み込めば状況が変わるかもしれないのだ。
「それなら
「おお! 知ってる」
次にあがった名前は晃助にとって聞き覚えがある名前だった。
後に、細川幽斎と名乗り武芸百般だけでなく歌道の古今伝授を継承した文化人として有名だ。晃助はゲームでの高スペックさが印象で覚えていた。だが、史実の彼は足利義昭と逃亡したのだが、何故ここにいる?
「主君であった義輝・義昭兄妹が明智どのに明行きの船に乗せられてしまった時には最早遅く。日ノ本に留まるしかなかったそうです。そこを公家の方々から歌道の研究をしようと誘われて今の立場だそうです」
「げ、あの子そんなことやったのかよ」
可愛らしい織田家の新参気鋭が裏で何をやっていたか知ってしまった。晃助や良晴に対して礼儀正しく振る舞うことを二人で鼻の下を伸ばしながら評価していたのにショックだ。
「ちょっと待て、ということは藤孝どのは織田家にいい印象を持ってない?」
「ええ、時流は織田にあるとお考えですが、やはりあまりいい思いは持っていませんでした」
「ええーー。どうすりゃいいんだよ」
「こんな事を話してましたよ」
広忠の的確な報告を聞いていると、藤孝と多く話していたという頼隆が答えを出す。
「藤孝どのの一人娘
「理由は?」
「目撃者によると野盗らしき一団が誘拐したとか」
「それを見つけられたら藤孝どのに恩を売れるということか……」
野盗は良晴と晃助の忍びが全部捕まえたはずだが、まだいたようだ。それに今の京の治安維持は晃助が担当だ。良晴との入れ替わりのどさくさに紛れられたかもしれないが、見つけねばなるまい。
「では、配下を動員して京をくまなく探させます」
「そうしてくれ。珠之介は俺に着いてこい。櫻井と京の外を探しに行く」
もしかすると京から離れた場所に連れて行かれたかもしれない。京の治安維持も兼ねて配下を外に出せないから晃助は情報収集が得意な櫻井と探しに出ようとしたのだが、頼隆が拗ねたような顔をしながら突然申し出る。
「……私も付いて行ってもよろしいでしょうか?」
「どうしてだ? 」
「野党の捕り漏らしがあったのですよ。その女の不手際かもしれませんので、一度会いたいのです」
真面目な頼隆らしい理由だ。こんな表情をしたらだいたい言う事を聞かないので、同行を許した。
「じゃあ、京は長頼に任せるか」
消去法で残る指揮官格の長頼が留守居役になった。かなり心配だが、やることを書いた指示書を十枚くらい書いて小平に渡しておけば大丈夫だろう。全て平仮名だけどな!
京での櫻井との待ち合わせ場所に着いて暫くすると待ち人が現れた。
「あら今日はお一人ではないのですね?」
「初めましてあなたが櫻井という忍びですか?」
「ええ、そうですよ頼隆どの。ただ本業は鍛冶師の手伝いです。そこのところはお間違いのないように」
会って早々に頼隆が櫻井に喧嘩腰で話し始める。何もそんなに険悪にならなくてもいいだろうに。
「櫻井、今回は人探しをしたいんだがその案内を……」
「事情は存じております。細川どののご息女を探してほしいのですね?」
相変わらず説明要らずで手間が省けるが、どうして知っているかが毎回不思議だ。忍者とはそう言うものなのか?
「細川どののご息女に限らず我々の網から逃れた賊が若い娘を攫ったことが判明しています。本職でないにせよ任された仕事をこなせずに申し訳なく思っております」
「む、わかっているならいいです。その代りなにか情報はありますか?」
「京の外、恐らく大和に向かった可能性があります」
「大和だと?」
櫻井の調査は意外であった。暗い仕事をする輩は人気あるところで身を隠す者かと思っていたからだ。
「賊は織田家から追われていることは自分で分かっているでしょうから織田家の警備が及ばない近場へ向かうでしょう。堺は自由貿易都市として武家の軍を拒みますが、会合衆なる組織が独自に警備の兵を雇っています」
「しかし、大和の松永久秀は真意の掴めない人物とはいえ一応織田家に降伏している状態、織田家の支配地域ではないでしょうか?」
「広忠どのが仰る通りです。しかし、松永久秀は天下の大悪人でもあります。悪人が悪人を匿うことは自然では?」
彼女の推理を聞いていて晃助は納得した。ゲームでも度々山賊・海賊に襲撃されるが悪名が高いようにプレイしていると彼らは悪者同士のよしみで見逃してくれることがあるからだ。最終的に晃助の判断で一行は大和へ向かった。
「で、具体的な場所までは流石にわからんよな?」
「いえ、怪しそうな場所は二、三か所程絞っています」
早い! 仕事が早すぎる! こんな事なら任せておいて報告を待っておけばよかった。
そうして奈良の町にある家屋や焼け落ちた東大寺の周辺など怪しい場所へ回ったが、見つからず空が黄昏に染まる頃に最後の候補地に着いた。
「次はどんなところに潜んでいるんだ?」
「小さな狩り小屋です」
狩り小屋とは狩人が獲物を捌いたり、休んだりする小屋だ。時には朝動く獣を待つために夜を小屋の中で過ごすこともありムシロ等の備えもあるので、旅人が使うこともある。今回はそれに目をつけた賊が利用しているのであろう。
「あれか?」
やがて森の奥に進むと件の小屋が見えた。
「どうする踏み込むのか?」
「いいえ中にいる者が一週間も動かないということで怪しいというだけです。踏み込むのはこちらに任せて下さい」
櫻井がそう告げると何処からともかく櫻井の配下が五人現れてゆっくり静かに小屋に近づいて行く。やがてそのうちの一人が自然に小屋に入って行った。
「ごめんくだせぇ……うお!」
反応が無かったため小屋の奥へ進んだところ突然騒々しくなった。仲間の危機と判断して櫻井の配下たちは一斉に小屋に押し込んだ。
「おい、おい俺達も突っ込むべきか!?」
「お待ちを、何かが――危ない!?」
「お、おお!?」
突然櫻井が晃助に抱き付いた。いや庇ったが正しい。櫻井に押しやられて木の陰に押し付けられたのだが、それまで晃助がいた場所に何かが飛んできた。何かはわかっている鉄砲の弾だ。
「なんだよ!? ハメられたのか!?」
「わかりませんが、今は伏せて下さい!」
櫻井の大きな声を初めて聞いた気がするが、そんな事よりも彼女の判断は正しい。敵の位置・数が不明なのに無暗に動くのは危険だ。一斉射というわけではないが晃助が隠れている木や小屋に向けて複数の方向から矢玉が飛ぶ。
「ちょっとあまり押さない出よ」
「しょうがないだろ、遮蔽物がこの木しかないんだから」
どんな状況かと言うと、
[木]頼隆←晃助←櫻井
といった風に晃助は美女二人にサンドイッチにされている。すぐ目の前には頼隆の顔があり美しい黒目が晃助の顔を映している。賊を捕まえに来たのに待ち伏せにあって、危機的な状況だが素直に綺麗だなと思った。やがて矢玉が飛んでこなくなり、櫻井が顔を上げて周囲を確認した。
「退いたようですね。あら、頼隆どのお顔が赤いのですがどうかしましたか?」
「こ、晃助が! そ、その……おかしなことを言うから」
顔を赤くしている頼隆が言うには晃助が原因らしい当人は身に覚えが無いので首を傾げる。
「俺なんか言った?」
「お、覚えてないの!」
頼隆が顔を真っ赤にしながら般若を召還するという今までにない行動をとるので晃助は焦るが、それまで小柄な体躯を活かして小さな茂みに隠れていた広忠が呆れたように出て来た。
「ありえない。それはありえませんよ殿」
「何が? 俺なんかした?」
「ええ、あんな命がけの状況で女性に対して『綺麗だ』なんて口説いたんですよ。それなのに何もしていないなんて……殿は日常的に女性を口説いているのですか?」
「えっ口に出てた!?」
思わず口を押えるが、俯いて震えている頼隆の様子からやっちまったらしい。なんとも気まずい空気になったがソレをぶち壊すわめき声が周囲を支配する。
「なんなのじゃ貴様ら! 触るでない!」
櫻井の配下が小屋から少女を抱えて連れて来たが、足をジタバタと暴れて抵抗されている。晃助は始末の付け方がわからなかった所に救いの手が来たと安堵したが、同時に少し不安になった。恐らく探していた細川忠興かもしれないが、一瞬違ってくれと思った。なぜなら――
「我こそは夜の人食い鬼! 細川忠興であるぞ! フッフッフ……どうだもうすぐ夜になり我が真の力を発揮できるぞ! 今、我を放し逃げ去るなら命ばかりは助けてやろう! さぁ逃げろ!」
名乗られたが細川忠興の髪はなぜか白色、漆黒の南蛮合羽を身にまといその上からマントを着けているチンチクリンな少女だった。しかも言動からしてかなり゛痛い゛子であると察せられる。
「さぁ逃げるなら早くせよ。我が本気を出せばお前たちの首からガブッと血を吸い上げるぞ! 骨になるまで、死ぬまでだぞ! さぁ怖かろう?」
「何? あのおかしな格好?」
頼隆が疑問に思うのは無理もない。現代の中学二年生あたりの年代が好きそうなカッコいい服装や言動がこの時代にある訳がないのだから、だがそう考えるとどうして忠興があんなに酔っているのだろう? 犬千代はかつて「自分探しをして自分を見失った」と言って南蛮渡来の短パンと虎の被り物を身に着けているが、それと似たようなものだろうか? ただ髪を白く染めているあたり――
「無理してない?」
「む、無理なんてしとらんわ!!」
どうやらまた口に出ていたようで聞かれてしまい、少し涙目になりなが怒鳴られた。うん、全然怖くない。
「小屋の中に見張りと思わしき男が二人いました」
忠興を抱えている櫻井の配下によると小屋に入った所を切られたが、仲間の加勢により賊を二人共倒し、小屋の奥で縄で縛られ目隠しされた忠興を見つけたとのこと、しかし、拘束を解いたらこのようになったとさ。いつまでも騒がれても敵わないので晃助は声をかける。
「えーと……忠興姫、我らは御父君の依頼であなたを探していた織田家の家臣です」
「何、父上が?」
「はい大層心配しておられます(会ったこと無いから……たぶんだけど)」
「……」
まだ少し警戒しているようだが、落ち着いてくれた。あっさり引いたとはいえさっき襲撃にあったのだから、このままここに留まるのは危険だ。混乱しているところを悪いが京まで護衛することにした。馬は人数分しか用意していなかったので、忠興は広忠と二人乗りさせている。最初は頼隆が二人乗りさせようとしたが忠興本人の希望でこうなった。広忠の顔は整っているから、ませているのだろう。広忠は後ろで騒がしくされてウンザリした表情をしている。
「いらぬいらぬ! 人食い鬼は孤独じゃ。人間などに守られる必要は無い!」
「いやそうは言っても……誘拐されていたし、つか人食い鬼って何?」
「堺の南蛮寺にいるフロイスが語る南蛮の゛びいすと゛じゃ。日の光と人々に嫌われ、人間共を串刺しにしてその生き血を啜るという化け物じゃ。フフフ……恐れるがいい、我はその生まれ変わりなのだ!」
「あー、串刺公かな?」
この時代の西洋にもうあるかわからないが、忠興が
「日の光は苦手なんだよな? じゃあ昼はどうやって過ごしているんだ?」
「フフフ……我は同族の中でも上位にある存在ぞ、多少苦しくはあるが日の下を歩くことなぞ大したことではないわ」
「吸血鬼がどうして教会に通うんだよ? 敵じゃないのか?」
「あそこには我等に屈服した地ぞ、今はフロイスから同族に関しての情報を聞きだしておるのじゃ」
どうやら忠興なりに設定を作っているようで得意げに語っている。こういう厨二病をやらかした子供に正論をぶつけ過ぎるとイジケたりするので面倒なので適当に話を合わせてやる。
途中で出て来たフロイスとは堺南蛮寺の司祭をやっているシスターらしい。興味本位で立ち寄った所、異国のカッチョいい話を聞いてどっぷりはまったようだ。
「いつものように南蛮寺に行きフロイスの話を聞こうとしたところ。不埒者どもが我を襲ったのだが、生憎昼で力が出せずに負けてしまっての……だが、人間に捕まるのも面白いと思ってな、気を見て奴らを串刺しにしてやろうと思っておったのに余計な事をしてくれたの♪」
「それは余計な事をしてしまって悪かったな」
捕まった経緯を聞いていたらこんな事を言いやがった。どうせ子供の強がりなので流した。
「我はいずれ盟友゛黙示録のびいすと゛と共にこの国に滅びをもたらすのだ!!
怒りの日 終末の時 天地万物は灰燼と化し
ダビデとシビラの予言のごとくに砕け散る
たとえどれほどの戦慄が待ち受けようとも 審判者が来たり ―――」
「お頭! 大変です! 大和で……」
忠興がたぶん聖書の気に入った節を読んでいると櫻井の配下が偵察から戻り、まず櫻井に内容を伝える。
「……なんですって!? ちっ、くだらん茶番をしている場合では……」
「どうした櫻井? 珍しく怖い顔してるぞ」
報告を聞くなり整った顔を歪めて悪態をつく彼女の様子から悪い事が起きたと察せられる。櫻井がその場で膝をつき深々と頭を下げた。
「申し訳ありません。今回の件で人を割きすぎたために事態の発覚が遅れました!」
「あ、頭を上げてくれよ。何があった?」
「……ッ、大和にて織田家に服従していた松永久秀が謀反! 一万の兵を率いて京へ向かっております」
「…………は、はぁ!?」
晃助は一瞬何を言われたかわからなかったが、ゆっくりと頭の中で整理した。
松永久秀が謀反、ゲームでめっちゃ義理が低くてギリワンと呼んでいたから、あり得そうだ。一万の兵、えっ!? そんなに? 目的地は京へ? 守備兵一千程でロクな城塞の無い京へ?
「…………」
「……と、殿? いかがします?」
あまりの出来事に全員が沈黙する中で広忠が正気を取り戻し主に判断を仰ぐ。打てる手が極端に限られているなんて事は彼もわかっていた。だが、周囲が敵だらけの美濃動乱で千早家の舵取りをした晃助なら何か妙案が浮かぶのでは? そんな淡い期待を込めて返事を待つ。
「申し訳ありませんっ! 我らがいたらぬばかりに……」
広忠に促されても宙の一点を見つめて動かない晃助に櫻井は涙声で謝り続ける。高度な諜報訓練を受けた本職の間者ではなくても自分の腕を買い。家業の鉱石採掘をする傍らで構わないと言いながら自分たちに破格な禄を与えて信頼してくれるにも関わらず、松永久秀の動きを察知できず天下布武の要となる将軍候補:今川義元が狙われている。取り返しのつかない失敗をしてしまった。櫻井は叫び出したいほど自責した。
「あ、えっと……」
主将が判断に窮したら副将が自分の判断を提示するものだ。だが頼隆は何も案が浮かばない。
一万対一千、野戦で勝負にならない。京には城塞なども無いので長期の防衛戦はできない。これまで攻略してきた南近江・摂津の兵はまだ織田家に心服していないので防衛に力を貸してくれないだろう。一番近い援軍は北近江の浅井家だが今から伝令を送った所で間に合わない。
ならば逃げるか? 今川義元を京から逃がすと「新将軍も前の将軍と同じで逃げ出した」なんて風評が広まり「やはりこの世に救いは無い」と民は落胆し、「京から逃げ出すとは将軍宣下を受ける気が無いのか」と公家衆に伝わるだろう。戦うことも逃げることもどちらを選んでも織田家の未来は大きな影が落ちる。いったいどうすればいい?
「晃助……」
無茶だとは思うが、それでも何か答えが欲しかった。頼隆はすがるように白い袖を引っ張る。すると晃助は頼隆に引っ張られた方とは逆の手で頬を掻きながら一同を見渡す。
「いや、櫻井達はしょうがないよ。むしろよく知らせてくれたよ。ありがとう」
「……そんなっ――」
櫻井がまだ自分を責めようとしているので、それを控えさせる。今必要なのは反省ではないのだから。
「引き続き松永勢の動きを見ること、いいな?」
「……はい」
新たな指令を受けて櫻井は配下と共に森の中へ消える。それを見送ると晃助は家臣に命じる。
「松永勢よりも早く京へ辿りつくぞ。まずそこからだ」
「着いてからどうするの?」
「戦う」
「一万ですよ! 殿は正気ですか!?」
数も戦場も悪いのにどうやって勝つというのだろう。二人の疑問は当然だ。だが晃助は正気だし勝機もある。絶対とはいえなくても賭けるだけの価値のある策だ。
「兎に角、松永勢より早く京に戻らなきゃ始められん。急げ」
「わ、我はどうなるのだ!?」
半ば状況が呑み込めない忠興が慌てるので、晃助は一瞬考える。
「珠之介、遅れても構わないからその厨二病の安全を最優先しろ。最悪戦いに参加しなくていい」
「忠荷平? 忠興姫のことですか? ……わかりました。では、二人乗り故に遅れるかもしれませんが、どうぞお急ぎを」
「ひ、姫!?」
この時代の人間に馴染のない厨二病なんて言葉を使ってしまったが、通じたようだ。救出対象に怪我されては困るので広忠には護衛を任せた。忠興は姫と呼ばれて顔を赤くしているが、アレがイケメン効果か? 晃助が言ったときは大して気にしなかったのに、あらゆる事象が゛ただしイケメンに限る゛とはよく言った物だが身近で起きるとムカつくので晃助は馬足を上げる。
「ちょっと! 早い。貴方そんなに飛ばせたの!?」
「うるせえ! 悔しくなんかねぇぞ!」
目元が僅かに潤んでいたのを隠すため。ではなく真面目に急ぐ晃助は先頭を駆ける。
信長の野望:創造pkが出たので買ったが、地形がスゲエ。小説に少し反映できるかも。