禁書♂「とある」御坂♀「可能性の」上嬢「禁書目録」   作:幻想大好きっ子

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七話記憶を奪うは涙に濡れた刃と力無き炎

上嬢『あの後スーパーから帰ってきた

小萌先生は何の事情も聞かずに

アパートに泊めてくれた。

本当に買い物に夢中で忘れたのか、

忘れたことにしてくれたのかは聞いていない』

 

禁書「お風呂♪お風呂♪お風呂♪

えへへっ、とうま…とうま…」

 

上嬢「どうしたの?」

 

禁書「何でもない…用が無いのに、

名前が呼べるて…なんか幸せかも♪」

 

禁書「ねぇ?とうま…

聞きたいことがあるんだよ?

小萌が言っていたコーヒー牛乳て、

何?カプチーノみたいなもの?」

 

上嬢「そんなエレガントなものは銭湯には無い…

んーでもあなたには大きなお風呂は衝撃的かも

イギリスて、狭いユニットバスが、

主流なんでしょう?」

 

禁書「その辺はよく分からないかも…

僕は気がついたら

日本にいたからね…

向こうのことは少し分からないんだよ」

 

上嬢「道理で日本語がペラペラなはずね」

 

禁書「ううん、そういう意味じゃないんだよ…

僕生まれはロンドンで

セントジョージ大聖堂の中で、

育ってきたらしいんだよ。

日本に来たのは1年前くらいらしいんだよ」

 

上嬢「らしい?」

 

禁書「うん、日本に来たときくらいから

記憶が無いからね…

最初に目を覚ましたときは、

自分のことも分からなかった

とにかく逃げなくちゃっと思った

昨日の晩御飯も思い出せないのに

難しい知識ばっかり

グルグル回って、本当に怖かった…」

 

上嬢「もしかして、何で記憶を

なくしたのかも分からないの?」

 

禁書「うん…ん…とうま…何か怒ってる?」

 

上嬢「…怒ってないから」

 

私は慌てて笑顔を向けた

 

禁書「なら、良かったんだよ…でも、先のは、

本当に怒ってるように見えたんだよ…

もしかして、僕を困らせて楽しんでる?

とうまのそういう所嫌いかも!」プゥ

 

上嬢「元から好きじゃないのに、

そういう台詞子供には早いかも…

いくらなんでもあなたには、ラブコメめいた

素敵イベントは期待してないから」

 

禁書「……」

 

上嬢「で、なんで、上目遣いで

黙ってしまわられるんでしょうか、王子?」

 

禁書「とうま…大嫌い」

 

そのあと、以外に痛いグルグルパンチを受けた

 

 

--

上嬢「殴るだけ殴ったら先に行って…

迷子になってないといいけど…

あれ?人が…いない?」

 

神崎「ルーン」

 

上嬢「はっ!」

 

神崎「人払いのルーンを刻んでるだけですよ」

 

上嬢「あんたは?」

 

神崎「神浄の討魔ですかーー良い真名です。

神崎焔と申します

出来ればもう一つ名前はかたりたくないのですが」

 

上嬢「もう一つの名前?」

 

神崎「魔法名ですよ」

 

上嬢「ステイルと同じ魔法結社という人たち?」

 

神崎「率直に言います。

魔法名を名乗る前に彼を保護したいのですが…」

 

上嬢「…嫌よ」

 

神崎「仕方ありません!

女性に危害を加えたくないのですが…

名乗ってから、保護しましょう」

 

刀が抜かれると同時に風が走り、

風力発電の羽が切り裂かれ地面へ落下した

 

神崎「もう一度問います。

魔法名を名乗る前に彼を保護したいのですが…」

 

上嬢「何言ってるの?あなたを相手に降参する理由なんか…」

震える拳。自分が怯えてると感じなかがらも

それを圧し殺し相手を睨む

 

神崎「何度でも問います…」シュバッザザン

 

上嬢「くっ…」

 

神崎「私の七点七刀が織り成す『七閃』は、

一瞬と呼ばれる間に7度殺すレベルです…

必殺といっても

間違いではありません」

 

上嬢『私には一発も見えなかった…でも…

この右手なら…』

 

神崎「ステイルからの報告は聞いてます

何故かあなたの右手は、魔術を無効化すると…

ですが、それはあなたの右手で触れていなければ

不可能ではありませんか?」

 

上嬢『服が破れて下着が見えてるけど…

気にせずに…自分から飛び込むしかない』シュバン

 

神崎「幾度でも問います…

何があなたをそこまで駆り立てるか、

分かりませんが…七閃」シュバン

 

上嬢「このぉ」

 

上嬢『消えない?…極細のワイヤー…

この人刀を動かす仕草に隠して…』

 

上嬢「あなた魔術師じゃないの?」

 

神崎「言ったはずです…

ステイルから話を聞いていたと…」

 

上嬢「なら、その長い刀は?」

 

神崎「この七天七刀は飾りではありませんよ…

七閃を潜り抜けた

先には唯閃が、待っています…それになりより…

私は魔法名すら名乗っていませんよ」

 

神崎「名乗らせないでください少女…

私は二度とあれを名乗りたくない」

 

上嬢「…出来るはず無いでしょう」

 

神崎「何ですか?聞こえなかったのですが」

 

上嬢「…うるさい…うるさいて言ったのよ…

この無感情野郎…」

 

神崎「…七閃」

 

何とか私は、彼に近づくが鞘で腹を突かれ

蹴り飛ばされた

 

神崎「もう良いでしょう?

貴女が彼にそこまでする

理由は無いはずです?」ゲシッ

 

上嬢「…なんでなの?なんで…私を殺さない…

その気になればいつだって殺せたはずなのに…

あなたはそこでためらってくれるだけの

常識のある人間なんでしょう?」

 

上嬢「…なら分かるはず…小さな子供を

よってたかって追い掛け回して

刀で背中を切って…そんな事間違えてるて…

知ってる?

あの子はあなた達のせいで、

記憶がなくなってるのよ…大事な思い出も…

何処まで追い詰めたら

そんな酷い事になるのよ?」

 

 

上嬢「私は…必死でがんばっても

たった一人の子供も守れない

負け犬よ…あなたたちに連れ去られるのを

指をくわえてみてるしかない…弱者よ…

だけど…あなたは違うでしょう?

それだけの力があれば誰だって、

何だって守れて…

何だって、誰だって救えるのに…

何で、そんな事しかできないの?」

 

神崎「私だって…私だって…

好きでこんな事してるんじゃありません…

私の所属する組織の名前はネセサリウス…」

 

上嬢「…はっ!それて、インデックスと同じ

イギリス聖教の?」

 

神崎「彼は私の同僚にして大切な親友なんですよ…」

 

上嬢「えっ?」

 

神崎「私だって彼の背中を

切るつもりは無かった…あれは…

歩く教会が破壊されたと知らず…

彼は絶対に傷つくはずが無いから切っただけ…

なのに…」

 

上嬢「ま…待って…親友の背中にどうして?」

 

神崎「彼はそうやって保護しないと

生きていけないのです…

完全記憶能力…」

 

上嬢「…完全記憶能力…」

 

神崎「…それが全ての現況です」

 

上嬢「それて…十万三千冊のこと?

全部あの子の頭の中に入ってるのよね?」

 

神崎「人間の頭の容量は意外に少ない…

ですが必要の無い記憶を忘れることで、

脳を整理している

だから、人間は生きていける…だけど…

彼にはそれが出来ない」

 

上嬢「……」

 

神崎「雨粒一滴一滴の形…すれ違う人の顔…

彼の脳はそんな同でもいい記憶に

あっという間に埋め尽くされしまう」

 

上嬢「待って…あなた達は同じ組織に

所属していながらあの子に

悪い魔術師なんて呼ばれているの?」

 

上嬢「それともあの子が嘘ついているというの?」

 

神崎「彼は嘘をついていませんよ…

私達が同じネセサリウスの人間だということも…

彼が追われている本当の理由も…

何も覚えてないんです…

だから、自分で判断するしかなかった…

自分を追う魔術師は十万三千冊を

狙う魔術師だと疑うのが妥当だと」

 

上嬢「けどあの子には…

完全記憶能力があるのよね?

そもそもなんで…あの子は記憶を失っているの?」

 

神崎「失ったのではありません…

正確には私達が消しました…」

 

上嬢「消したって…魔術で?…でも、どうして?

…あなたはインデックスの仲間なんでしょう?

あなたにしても、

インデックスは大切な仲間じゃないの?

なら、どうして?」

 

神崎「そうしなければならなかったからです…

そうしなければ彼は死んでしまうからです

彼の頭の85%は十万三千冊の記憶に使われています…

そのため彼は常人の15%しか脳を使えません

その15%に記憶をし続ければ彼の脳は…」

 

上嬢「記憶を消す以外に方法は?」

 

神崎「…ありません」

 

上嬢「…いつまで?」

 

 

神崎「記憶を消去するのはきっかり

1年後でないと出来ないんです

その周期で無いと記憶の消去は出来ません…

後三日…」

 

上嬢「…三日」

 

神崎「私達に彼を傷つける意思はありません…

むしろ私達でないと彼を救うことは出来ない

引き渡してくれませんか?

私が魔法名を名乗る前に…

それに記憶を消してしまえば、

彼は覚えてませんよ…

貴女が彼をどれだけ思ったところで…」

 

上嬢「くっ…」

 

神崎「そんな彼を助けたところで、

あなたには何の益もありませんよ」

 

上嬢「ふざけないで…

あの子が覚えてるとか関係ない…

分からないなら一つだけ教えてあげる…

わたしはあの子の仲間よ…今からもこれからも…

あの子の仲間であり続けると決めたの…」ググッ

 

上嬢「聖書に書かれてなくても絶対にそうなの…

おかしいと思ったのよ…

単にあの子が忘れてるだけなら、

全部話をして、誤解を解けばいいだけのこと…

何で誤解したままにしてるの?

敵として追い回してるの?

あなたたち何勝手に見限っての?

あの子の気持ちを何だと…」

 

神崎「うっせんだよぉ…ド素人が…

知ったような口を利くな…

私達がどんな気持ちで、

あの子の気持ちを奪ってきたと思う?

ステイルがどんな気持ちで

敵を名乗ったと思いますか?

あなたは何も知らないくせに」

 

そう言うと走り出す神崎。上嬢を殴りつけようとした瞬間

光が彼に迫る。それを慌てて、回避すると、

誰も来ないはずの空間に第三者の声が響く

 

?「話は聞いてたけど、そんな事知らないわよ」

 


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