禁書♂「とある」御坂♀「可能性の」上嬢「禁書目録」   作:幻想大好きっ子

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今回は書くまでが長かったわりに進みませんでした


八話 優しさは時に毒になる

やっとの事で自分の寮へとたどり着いた上条と御坂妹は、不思議なものを見た。全長80センチ、直径40センチのドラム缶にタイヤと回転モップが付いたドラム缶。

 

これだけなら御坂妹も上条も不思議に思わない。その上に乗っているのが問題だった。清掃ロボットの上にメイドさんがちょこんと正座をして乗っていた。

 

御坂妹「最近の清掃ロボットにはオマケとしてメイドさんが付いてくるのですねとミサカは感心してみます。」

 

上条「何してんのよ…舞斗」

土御門 舞斗。上嬢の隣人にしてクラスメイトの土御門 春華の義理の弟で、執事学校に通っている男の子。

 

舞斗「うーい、上嬢桃麻」

呆れながら上嬢が舞斗を見つめている。

何かある度に寮を抜け出す家出少年で、記憶喪失の上嬢も顔馴染みになるくらいに出会う程の家出常習犯の少年

舞斗「今日はエアコン止まったから泊まりに来たぞ。姉貴ともども騒がしくなると思うけど堪忍なー」

 

上嬢「というか…私の記憶だと舞斗は男の子だよね?何でメイドなのよ」

かなりのミニスカで下手をするとと言うか先程からチラチラ白い布地が見えてる気がして困っていた上嬢は顔を反らして訪ね

 

舞斗「姉貴の趣味だぞ」

それを言われると黙るしかない。今日も昼から青ピーと一緒になって女装少年について語っていたし、土御門春華はそういう方面の行動力は半端ではないのだ

 

隣のミサカ妹が目を輝かせて『これが女装少年ですかとミサカは新しい世界の扉に手を掛けます』とか言い出したので純情な少女が土御門達(変態)の仲間入りをしないように上嬢は話を誤魔化そうとし

 

上嬢「あっ、舞斗ジュースいる?」

 

舞斗「緑茶があれば貰っておくぞー」

 

上嬢「抹茶ミルクで良いならあるわよ」

両手にジュースを抱えているので視線で抹茶ミルクを示して

 

舞斗「サンキューだぞ、お礼に家出少年を匿うコツそのいちー、男の子は昼は外をブラ着かせておけ。夜になったら回収という『餌付け方』が一番楽チンー。二十四時間年中無休で部屋で飼っておくと生活音でアッと言う間に周りに感づかれるかもー。ってかあのシスターは部屋んなかでドタバタしすぎだろー?」

 

正座少女をいや、正座女装少女を乗せた清掃ロボットはどこかへ行ってしまった。

 

ミサカ妹「監禁趣味があるのですかとミサカは引きながら訪ねてみます」

 

上嬢「引かないでぇ、居候を匿ってるだけだからぁ」

監禁趣味なんて無い、無実だと叫ぶが、他人にはそう見えるのかなと頭の端で悩んだ。

 

上嬢が自分の部屋のある階にたどり着くと、件の神父インデックスが知り合いの巫女さん姫神が向かい合うにしゃがみこんで三毛猫をいじり回していた。

 

上嬢「なにやってんだか?どうしたの?部屋の鍵でも無くしたの?」

 

禁書「あっ、とうまだ。スフィンクスにノミが付いてたから取ってた…とうまがまた知らない女の子を連れている!」

この少年は『禁書目録』となどと呼ばれてるらしいが、上嬢に取っては『知らない間に出来た弟分』と言うわりと大切な存在だ

 

姫神「もはや、そういう星の元に生まれたのかも…恋愛ゲームのように次々にフラグを立て…ルートを」

この少女姫神は上嬢に助けられてフラグを立てられた本人で、困った能力があるためそれを封印。無能力者になったのでクビ。寮を追い出され小萌に拾われたと言う歴史を持つ

 

上嬢「私は女の子だし、女の子にフラグなんて立たないわよ!と言うか男の子にも立ってないし」

姫神の言葉を途中で遮り事故弁護をするが、何を言ってるの?と言うか気づいてないのかよと言う二つの視線が上嬢に突き刺さるが鈍感少女は気づかない。

 

姫神「それで、その少女は何?またフラグを立てたの?」

 

禁書「きっとそうだよ…まったくとうまはワケアリ少年少女との遭遇率が高すぎなんだよ。」

 

上嬢「いやいや、フラグとか立ててないし、あっ、インデックスジュース飲む?」

ジュースをその場に置くと頷いたインデックスを見つめて、現代文化恐怖症の彼の代わりにプルタブを開けてやり

 

姫神「私的見解としては謎組織に負われる薄幸少女とみた」

 

禁書「いやいや、きっとあのクールビューティーは謎の実験の実験体の少女と見たんだよ」

 

上嬢「こら、そこのお二人上嬢さんの周りにいる人を不幸扱いするのは止めて…そう言えば、聞き捨てられない事を聞いたけど…三毛猫にノミが付いてるとか…」

それに対してインデックスは『うん』と頷き

 

禁書「朝起きたら、ノミだらけ!だから、キッと部屋中ノミだらけだよね」

素敵な笑顔で呟いた神父さんに文句を言い続けるが、インデックスが裾から葉っぱを取り出すと文句を中断をして訪ねる

 

上嬢「あのインデックスその葉は何に使うんでしょうか?」

あの葉っぱを見てから不幸センサーの警報が止まらない。止まれない。止まってくれないのですよ

 

禁書「セージって言うんだよ。」

 

上嬢「それで薬草なんて取り出してどうするの?HPでも回復するためモグモグするの?」

不幸センサーが警報どころか赤い光を出しながら周り始めた

 

禁書「とうまの言葉は難しすぎて分からないけど…セージには浄化作用があるから…燃やしてスフィンクスの周りのノミをいぶんすんだよ」

 

上嬢「……」

上嬢は思わずインデックスのトンでも発言に考えるのをやめた

 

禁書「流石に私も部屋の中で火を使うほど常識知らずじゃないんだよ」

 

姫神「黙ってないで突っ込みドコロ、このままでは三毛猫の香草蒸しが出来上がる」

 

上嬢「そうよ、インデックスの気持ちはスフィンクスも嬉しいだろうけど、火事で恐いのは煙なの!ノミだけでなくスフィンクスも死ぬからね…」

凄く疲れたが姫神はマトモで助かったと安堵をしていると姫神が巫女装束の袖から何かを取り出す

 

上嬢「あの姫神さん裾から取り出したそのドクロマークのゴキデストロイヤーと書かれた危なそうなスプレーは何でしょうか?」

今上嬢の幻想は右手で触れてないのにぶち壊された

 

姫神「ん?魔法のスプレー」

あっ、不幸センサーが耐えきれなくなって爆発して壊れた。

 

上嬢「あの姫神さんその使用方法は?」

 

姫神「魔法のスプレーは害虫に吹き掛けるだけ」

 

上嬢「だから、ノミも生き物だけど猫も生き物だからね?そんなどうみてもヤバイ試作品ですよと事故主張してる物を出さないで!どうみても人間が吸ってもイチコロになりそうだからね!」

『?』…という顔をしてお互いの顔を見る二人に、突っ込み疲れてグッタリする。本当ならもっとキツく叱っても良いのだろうが二人とも三毛猫の事を心配しての行動なのでこれ以上キツくは叱れずにいて

 


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