禁書♂「とある」御坂♀「可能性の」上嬢「禁書目録」   作:幻想大好きっ子

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六話嘗ては脇役されど、今は主人公であり英雄そんな男の物語

三沢塾近くの公園

 

上嬢「ここは?」

なぜか二人は公園のブランコに乗っていた

 

ステイル「君がいるということは、

日本に違いは無いだろう?

何か重要なことを忘れてるような違うかい?」

ブランコから立ち上がり歩き出すステイル

 

ステイル「まぁ、思い出す必要も無い

程度のことなんだろうからさ」

 

上嬢「そうかしら…」

私が何気なく右手で頭を欠いた

瞬間記憶が濁流のようによみがえる

 

上嬢「貴方の疑問をあっさりと

解消させるおまじないを

教えてあげる」

 

ステイル「東洋の呪いは、

神崎の専門なんだ。彼に聞くよ」

 

上嬢「良いから目を瞑って歯を噛み締めて」

素直に従う彼に私は近づきジャンプして

右拳を頭にたたき下ろした

 

上嬢「わたしが囮になるといったのに、

格好付けてんじゃない!」

 

ステイル「全て思い出したよ!だが、あれは、

格好つけたわけではない。

君は戦闘に関して素人といって言い

特別なのは右手だ。君はただの少女だ。

だから、僕が囮をしただけだ

紳士的にね!」

 

男は考えないようにしていた魔力の充満する場所で

魔力を消す右手を持つ彼女は囮以外にならない。

彼女以外が囮になることには意味が無い。

 

なのに、何故それをしたか。彼は考えない。

考えたら彼女への思いの強さに気づかされるから

だから、考えない。

 

戦闘に関しては素人。

その言葉は新しい物語を作り出す。

だが、まだその物語は始まらない

 

‐‐

 

三沢塾内

 

禁書「うちに入り込んだ敵を

外に出さないための結界が張られてる」

 

アレア「ふむ、久しいな」

 

禁書「誰?」

 

アレア「必然。覚えておらんか?

アレア=イザードという名前にも

聞き覚えはあるまい。それでこそ行幸と

いわねばならないな。眠れ」

 

‐‐

 

上嬢「三沢塾が崩れていく!

まだあそこには関係の無い人たちや、

姫神もいるのに」

 

ローマ正教がグレゴリオの聖歌隊の力で

三沢塾を破壊するさまを見つめる二人

だが、破壊は止まりフィルムを

逆再生するように建物が戻っていく

 

ステイル「アレスマギア!」

 

上嬢「アレスマギア?」

 

ステイル「あれが僕達の敵アレア=イザ‐ドの

本当の実力」

 

再生されるさまを見ながらも走る

二人の前に見慣れた十字架が。

 

上嬢「これはインデックスの?もしかして…」

 

ステイル「安心しろ。彼女がここに

紛れ込んでいたとしても、

僕らみたいに危害を加えられることは無い」

十字架を拾い上げると二人は三沢塾の中を

アレアを探しさ迷い歩く

 

ステイル「なぜならば、チッ、そういうことか!」

すっていたタバコを床に忌々しそうに投げ捨て

 

ステイル「三年も潜伏していれば世情にも

疎くなるというものだ」

 

‐‐ 

 

最上階

 

上嬢「インデックス!」

ステイルが囮になり塾内を見て回れなかったので、

しらみつぶしに探しここにたどり着いた上嬢は、

インデックスを

見つけ駆け寄ろうとするが、

ステイルにとめられる

 

ステイル「残念だが、

君が目的を成し遂げることはできないよ。

ショタコン」

アレアに倒された恨みをぶつける様に

彼女の性癖を叫ぶステイル

 

アレア「ふん、今更ながら、わが真意に気づいたか?

ならば、その大成を前に己が無力に嘆き

嫉妬に身を焦がすがいい。ホモよ」

 

ステイル「僕はホモではない!

あくまでインデックスは弟のように大切なだけだ。

たまに成長記録として、

裸の写真などを撮ったことあるが、

あくまで弟の成長を願う兄としての行動だ。

この子供しか愛せない変態が!」

 

アレア「驚愕。そういうのをホモというんだ。

後あくまで私は、

彼の心の美しさに心を動かされただけで、

ショタコンではない!

お得意の炎より貴様の嫉妬の炎の方が熱そうだな」

 

ステイル「まぁいいさ。

変態がどちらかなんてのは小さいことだ。

巧くいくなら焦がし害もあるんだがね。

もう一度言うが君にインデックスを

救う事はできない」

 

上嬢『インデックスを?』

 

アレア「貴様はしくじっただけということだ。

だが、私はこの子を

私は…己の不幸を受け入れ、

なお他人の幸福を祈る彼を」

愛しそうにに眠るインデックスをなでるアレア

 

上嬢『あの人はインデックスを知っている?』

 

ステイル「そう彼女もインデックスの

パートナーだったのさ

今年は君。去年は僕。そして、

三年前は彼女アレア=イザードだったということさ」

タバコを大きく吸いこの茶番劇を

早く終わらせようと

煙を吐き上嬢に呟く

 

ステイル「ホラ言ってやれよ今代のパートナー

目の前の残骸が抱えている致命的な欠陥て奴をさ」

 

上嬢「あなたいったいいつの話をしてるの?」

 

アレア「何!」

 

ステイル「そういうことさ。

インデックはとっくに救われてるんだ。

君ではなくここにいる上嬢桃摩の手によってね。

君にはできなかったことをこの子は

とっくにやり遂げてしまったのさ」

 

ステイル「ローマ正教を裏切り三年も

地下にもぐっていた君には知る由も

無かったようだがね」

 

アレア「そんなバカなあり得ん。

人の身で!それも魔術師でもなければ、

錬金術師でもない人間に!

いったい何ができるというのだ?」

 

ステイル「イギリス正教の沽券に関わるから

他言は控えるが

そうだね。この子の右手は、

イマジンブレイカーという。

すなわち人のみにあらざる能力の

持ち主ということだ」

 

アレア「待て、ならば」

 

ステイル「そう、君の努力はまったくの

無駄骨だったということだ

だが、気にするな!

インデックスは君が望んだとおり

今のパートナーといて、

とても幸せそうだ。羨ましいぐらいにね」

 

禁書「とうま…とうま」

 

アレア「うっ!」

 

上嬢「インデックス!」

 

禁書「とうま…ギュルルルルおなか減った」

 

上嬢「あらら」コケッ

 

禁書「ミルクは…とうま産のが一番」

 

上嬢「出ないし、飲んだこと無いでしょう!」

 

ステイル「それは羨ましいぞ!インデックス」

部屋の端で笑っていたステイルが真剣な顔で、

叫びだす

 

アレア「はははは倒れ伏せ!侵入者ども」

勢いよく地面へと倒れる二人

 

アレア「わが思いを踏みにじった屈辱

貴様らの死で購って貰う」

 

姫神「待って。分かる。私あなたの気持ち」

体の動けない二人の前に立つ姫神

 

上嬢「やめて、その人は…もう」

 

姫神「でも、違う。今の貴女は!

知ってる。あたし本当は。

本当の貴女は」

 

上嬢は己の右手を使い戒めから解き放たれ走り出す

 

アレア「死ね」

 

上嬢「姫神!」

 

アレア「ディープブラッドなどもはや不要。

悠然。約束は守った。

これで、その女も己が血の因果から

解き放たれたであろう。はははは」

笑い声が響く中上嬢が抱きかかえた姫神が

息を吹き返す

 

アレア「バカな!我が力を打ち消しただと!

あり得ん!

確かに姫神の死は確定した。

その右手聖域の秘術の力を内包するか!」

 

上嬢「ゴチャゴチャうるさいのよ。

そんな事はどうでもいいのよ!

あなたが、なんでも思い通りできるというなら、

そのふざけた幻想守りきって見せなさい!

ぶち壊してやるから!」

走り出す上嬢アレアは、

自分の首筋に針を突き刺す

 

アレア「窒息死」

 

上嬢「うあうぅ」

しかし、上嬢は右手でその幻想を砕く

 

アレア「感電死、圧殺」

次々に迫る幻想を右手で砕いていく

 

アレア「なるほど、その右手我が

力も打ち消すらしい

ならば!銃をこの手に弾丸は魔弾用途は射出。

数は一発で十二分」

現れた銃をアレアが、構える

アレア「人間の動体視力を超える速度で、

射出せよ」

銃弾が、発射されようとした瞬間

部屋を揺るがすような音が起きた

 

アレア「な!」

 

ステイル「何を驚いてるんだい?」

弾は確かに上嬢に向かって射出された。

だが、それは上嬢に届くことは無かった

 

なぜなら、全身を炎に包み込み

低温火傷を負いながらも、己の魔術で、

体を支え戒めから立ち上がり

上嬢の盾になったステイルによって

燃やされ溶かされたからだ

 

アレア「驚愕。だが関係ない。

心臓が止まって死ネ」

 

上嬢「魔術師!」

魔法を消そうと近づく上嬢を手で制するステイル

 

ステイル「君が僕に主人公になれると

教えてくれた。」

自分の魔力で無理やり心臓を動かし

男は死からよみがえる

 

ステイル「君が、僕に主人公になれと

手を伸ばした」

そして、自分が守るべきものを

傷つけようとした女に向かい歩き出す

 

アレア「先の手順を量産。十の暗記銃にて射出」

 

ステイル「君が脇役(僕)を主人公(僕)に

変えてくれた」

発射された弾丸全てを炎剣で切り捨て男は歩く

 

ステイル「その君が、何故そんな目で僕を見る?

まるで、

ピンチの主人公を心配するヒロインじゃないか?」

アレアは殺しても死なないこの男に恐れを抱く

 

アレア「圧殺圧殺圧殺」

 

上嬢「ステイルさん…」

 

ステイル「主人公とは、

どんな絶望的な戦力無さがあろうと

信じるものために立ち上がる。」

 

次々に降る大量の車。そして、爆発。

その中を全身に怪我を負いながらも炎剣で、

車を切り裂き

アレアに迫る男

 

ステイル「主人公とは死のうが

守るべきもののためなら立ち上がる。」

 

アレア「刀身による斬激にに変更」

 

ステイル「だから、君はそんな目で僕を見ず

前を見ろ。そいていつもどおり

助けたいものに手を伸ばせ

そんな君を僕が守る」

上嬢桃摩が、彼に向けた言葉は魂を燃やし

彼の力となっていた

 

上嬢「はい!」

その時わたしは御坂と歌ったあの曲が、

なぜか頭に流れた

 

アレア「十の暗記銃から、回転射出」

 

迫る刃を次々に弾くステイル。

だが、その一つを弾きそこない

上嬢のほうへと飛びあわてて振り返る

 

この物語嘗て脇役立った男が、

主人公であり英雄となる物語。

だが、彼を変えた少女と

愛しい少年の手により物語りは変化する

 

上嬢「キャッ」

上嬢に刃は当たりはしなかったが、

足元に刺さった衝撃で、

スカートがめくれあがっていた

 

ステイル「は!肌色!」

死すらも覆した男は鼻血を噴水のように

噴出し倒れた

 

上嬢「ステイルさぁん」

 

‐‐

カラオケ店にて

土御門「罰ゲームは下着を

今日一日履かないことにゃー」

 

上嬢・御坂「そんなのイヤー」

 

青ピー「惜しい!僕のなら、今日一日男装、

下着姿、ミニスカポリス

エトセトラで、一日撮影会だったんやけど」

 

黒子「私の場合ですと、

私を交えてピーやピーなどに

ピーやピーを使い3ピーするはずでしたのに!

まぁ、上嬢さんはおまけなので早めに

気絶していただきますが」

 

上嬢「最後のピーの使い方おかしいでしょう!」

 

禁書「ちなみに、僕の罰ゲームなんだよ。

とうま裸にひん剥かれた

お返しなんだよ」

 

上嬢・御坂「不幸よぉ」

 

‐‐

 

上嬢「ステイルさんをよくも」

 

アレア「関係ないと思うのだが!まぁいい。

貴様の自身の源である

その右手を切断しょうではないか?

暗記銃その刀身を回転射出」

勢いよく飛び出した刀身が、

上嬢の右腕を切り落とす

 

アレア「ははははは」

 

上嬢「ふふふふふふ」

 

アレア「何!」

 

上嬢「ふははははは」

 

アレア「何だ?」

 

上嬢「ふはははは」

右腕を切り落とされながらも笑いながら

近づく上嬢

恐怖するアレア=イザード

 

アレア「暗記銃先の手順をもう一度。

獲物の首を切断射出せよ」

しかし、その攻撃は当たらない

 

アレア「手順を量産。各々一斉射出、

無数の断頭台よ!

その首を刈れ」

生み出す凶器は彼女に当たる前に次々消えていき

 

上嬢「おい、錬金術師!この程度で

わたしのイマジンブレイカーを

潰せるとか考えてない?」

 

アレア「ヒッ!」

慌ててしまい落とした針をかき集めるアレア

 

上嬢「そいつが無ければ、ハイにもなれないよね?

雑音をかき消せないよね」

 

アレア「はぁはぁ」

 

上嬢「どうしたの?言葉にして見ろよ」

 

アレア「来るな来るな」

 

上嬢「言葉のままに歪めて見せてよ!」

 

アレア「くるなぁ!ありえん!

我が魔術がその効力を失うなどと」

無様に逃げ回るアレア

 

アレア『考えるな!そんなことを考える!』

アレアが、顔を上げたとき想像と

まったく変わらずに

復活したステイルがインデックスを

お姫様抱っこしてる光景があった

 

アレア『止めろ!考えるな!

私の力を持ってすればこんな奴らには』

 

上嬢「適わないよね?何故なら

貴女の魔術は言葉のままに

現実を書き換えることじゃなく」

 

アレア『悪魔…』

 

上嬢「考えたことを現実にしちまう

力なんだからな!」

最後にアレアが、見たのは

竜のアギトと化した右腕と

大きな翼を持ち悪魔と化した上嬢の姿。

その悪魔の美しさと恐怖により

アレアは気を失った

 

‐‐

病院にて

 

冥土返し「よくくっ付いたね?

君の体て、ファンタジー?」

 

上嬢「というか、くっ付けたのは先生でしょう?」

 

冥土返し「十日のうちにまたも入院するなんて、

もしかして、ナース服着てみたい?」

 

上嬢「そんなもんの為に

わざわざ腕きりませんから!」

 

冥土返し「残念だ。じつに君なら似合うと

ナース好きとして萌えたんだがね…ツマラン」

 

上嬢「おい!まさか、ナース目当てで

医者になったとかじゃぁ?」

 

ステイル「ふーん、見かけによらず

名医なんだね?あの医者」

 

上嬢「まぁね。えっ!」

 

ステイル「別に君と仲良くなりたいと

いうわけではないんだがね」

りんごを女である私のためにか、

ウサギにカットしながら

ステイルさんは呟く

 

ステイル「一応様子を見に来てやったよ」

 

上嬢「あら、そう…アレアはどうなったんだ?」

 

ステイル「魔術はまだ使えるようだが、

記憶を失っていてね。

止めを刺すのも目覚めが悪いし。

顔形を変えて野に放ってやったさ

十三騎士団の目を盗むのには少々手を焼いたがね」

 

上嬢「そう…」

 

ステイル「三沢塾も閉鎖されることに

なったそうだ

一応礼を言うつもりだったが、

なんだか馬鹿馬鹿しいんだよね

君がやったことは結局アレアを

自滅させただけなんだから」

 

上嬢「この上嬢桃摩の素敵演技力に

感謝することね?

何せ、腕1本ぶった切られながら、

あの人を震え上がらせるにたる

十分なハッタリかましたんだからね」

 

ステイル「ショックでハイになってただけだろう?

アレアが針を使ってそうしてたようにね」

切ったりんごを差し出し

 

上嬢「あんな人と一緒にしないで、

男の子一人救うとか言っておいて

おかしな魔術を身に着けて!」

りんごを食べながら反論し

 

上嬢「いるかもどうか分からない

吸血鬼なんかに…望みを…

三年前のパートナーか…」

 

禁書「とうまぁ!」

禁書の声が響くと同時にステイルは

窓から逃げ出していた

 

禁書「とうま聞いたよ!

今度はあいさのために戦ったんだて?」

 

禁書「あいさ?あの巫女さんね?」

 

上嬢「誰に聞いたのよ?それ」

 

禁書「決まってるんだよ」

 

姫神「巫女さんじゃない魔法使い」

 

上嬢「姫神?何であなたがここに?」

 

禁書「別に一緒にお見舞いに

来たかったわけじゃないんだよ

ただあいさが、お礼を言いたいて言うから」

 

姫神「どうして、私を?

どうして、私のために?

たった一度会っただけなのに…」

 

上嬢「助けるのに理由なんか要らないでしょう?」

 

禁書「ムッ。それで、

いろいろ話した結果あいさは

教会で預かることになったみたい」

 

上嬢「ステイルさん達もいるし、まぁ、安心かな?」


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