この2人の名前は特に決まってません(笑)
モブ白鳩A、Bとでもいったところです(笑)
「喰種対策局……白鳩が⁉︎」
戦極に呼ばれるや否や、とんでもない報告を聞いてしまった。
「2人しか来ていないところを見ると、現地調査がメインのようだ。何とかはぐらかしておいたが、バレてしまうのは時間の問題だねぇ…。」
白鳩……私達喰種は、対策局のことをそう呼んでいる。通報を受けた白鳩は喰種を駆逐すべく出動する。白鳩に捕まれば、生きて帰るのは非常に厳しい。
「ここで君たちを匿っても構わないが、君たちの食糧が問題だ……だからと言って外に逃がすのも………危険だ。あぁ、どうしよう…どうしよう湊くん。」
「ふざけてる場合じゃない‼︎何かないの⁉︎奴らがこの町から出て行くまで、何とか凌ぎ切る方法は‼︎」
私は声を張り上げる。戦極は肩を竦める。
「無いことは無いが………一つだけ、その場凌ぎなら何とかなる方法がある。」
そして、人差し指を立てた。
「この二人だな。この町に迷い込んだ喰種ってのは。」
シドはスーツの男に写真を見せる。深雪と春奈の写真だ。
「ふん、顔さえ分かれば朝飯前だ。行くぞ。」
スーツの男はその場を後にした。それと入れ違いに、呉島 光実がそこにやってくる。
「まさか、シドさんが通報するとはね。」
「プロフェッサーが気に入っているが、いつ殺られるか心配でね。禁断の果実を手に入れるにしても、あの喰種の嬢ちゃんは邪魔にしかならないしなぁ…。」
「一応、ビートライダースの皆にも伝えたよ。喰種を発見次第殲滅……ってさ。」
「流石は、皆のミッチくんだな…。さて、あとはあの喰種対策局とやらに任せますか。」
シドはスーツケースを引きながら歩き出した。
「喰種が舞さんに襲いかかることだってあり得る。そんな危険な存在……野放しにするわけにはいかない。」
「………ホントに安全なのかな…?」
私と春奈はヘルヘイムの森に隠れることにした。ここなら通常の人間が入ることは不可能。やりすごせるだろう。仮に外のクラックから白鳩が入り込んでも、ロックビークルで逃げ出すことが可能らしい。
「大丈夫。何かあっても、私が守ってあげるから、安心して。」
「う、うん……。」
辺りは静かだ。この辺りはインベスが少ないのだろうか?
「………‼︎」
クラックが現れた。私達は木陰に隠れた。私は戦極にトランシーバーで通信を送る。
「戦極、クラックが現れた。」
『あぁ、分かっているよ。今場所を特定している……といきたいところだが申し訳ない…招かれざる客だ。』
「⁉︎」
クラックから出て来たのは……トランクケースに胸のあの胸章……‼︎
「白鳩…………‼︎」
ユグドラシルタワーのモニター室。そこに戦極はいた。
「マズイな……トルーパー隊に伝達。現在出現しているクラックから侵入者を確認。早急に送還させよ。」
トルーパー隊に伝達したあと、再び深雪に通信を送る。
「紅宮くん、たった今トルーパー隊を向かわせた。彼らが到着し、あの2人の男と交戦になり次第、ロックビークルでヘルヘイムから脱出したまえ。」
『分かった。』
木の陰で白鳩の2人が通り過ぎるのを待ちながら、右手のロックビークル…ヴァイオレットチェイサーを握りしめる。
春奈は私の肩を掴み、震えている。私は安心させるように、その手を握る。
「止まれ‼︎」
黒影トルーパーの部隊が到着した。十数人のトルーパーが白鳩の2人を囲む。
「ここから先は進入禁止だ。早急に立ち去れば、命の保障はする。」
「やはり匿っていたか、ユグドラシル。」
「ならば…力尽くで‼︎」
2人がアタッシュケースを展開…クインケを展開した。
「突撃‼︎」
トルーパー隊と白鳩が交戦になる。私はすかさずロックビークルを展開する。
「春奈‼︎」
春奈を後ろに乗せ、アクセルを踏む。そして、スミレの花弁に包まれ、私達はヘルヘイムから脱出した。
脱出すると、そこは廃工場だった。私はヴァイオレットチェイサーから降り、ロックモードに戻した。
「これからどうするの、深雪…。」
「奴らが私達の情報を握っているのは確かだ…ビートライダースも信用できない…とにかく逃げるよ‼︎」
私達は駆け出した。
「ぐあああああっ‼︎」
トルーパー隊は圧倒された。2人のクインケがアーマーに損傷を負わせ、再起不能にまで追いやったのだ。2人はユグドラシルタワーの人工クラックを潜った。そこには戦極 凌馬がいた。
「まさか…トルーパーをいとも簡単に、しかも生身で倒すとは……その武器、喰種の赫子に近い構造のようですね。」
「やけに詳しいな?」
「喰種を研究してみたものでね……?」
戦極は両手を上げ、降参のサインをした。白鳩の2人は写真を見せる。
「貴様が匿ったのはこの2人か?」
「えぇ、しかしここにはいませんよ?逃げてしまいましてね、ハハ……」
一人の男が、クインケを戦極に突きつける。
「申し訳ない申し訳ない……何でも言うことを聞きましょう、命だけはどうか……。」
もう片方の男は戦極に問う。
「あの兵士のシステム…喰種にも対応できるか?」
「あのシステムでは少し無理かと……あぁ、そうだ。対喰種用にチューニングした別のシステムならありますよ、えぇ、あります……湊くん?」
戦極が呼ぶと、湊は二つのアタッシュケースを手にやってきた。そして、アタッシュケースが開かれる。
「これは……」
そこにあったのは、ゲネシスドライバーとマツボックリエナジーロックシードだった。
「本来は量産型の力ですが、喰種相手なら効率良く駆逐出来ますでしょう……」
「……ふん、まぁいい。貰っておく。」
クインケを収納し、男2人はそれぞれ、ドライバーとロックシードを手に、タワーを後にした。
「プロフェッサー、よろしかったのですか?」
湊は戦極に問う。
「問題無いさ。あの状況は従うしかなかったからね、命が第一だ…私が死んだら元も子もない。」
戦極はコーヒーを口にする。
「興味深いデータを手放すのはやはり、私にしては出来ない事だ……。」
辺りが暗くなる。私達は海岸の砂浜で火を焚いていた。路地裏は危険だ。人目のつかない場所が1番と判断し、今晩は野宿することにした。
「ごめんね春奈……こんなことになっちゃって…。」
「うぅん、大丈夫。深雪……ありがと。」
「礼なんていいよ。当然だし。」
深雪は砂浜に座り込み、火に当たる。私は自販機で買った缶コーヒーを深雪に手渡す。
「ありがと。」
2人でコーヒーを飲む。
「あんた……‼︎」
横から声。私は立ち上がる。そこにいたのは……葛葉 紘汰。
「……何の用⁉︎」
私はドライバーを取り出した。
「わああ、ちょっと待てって‼︎今日は戦うつもりはない。あんたと、話がしたい。」
「話……?」
葛葉は頷く。
「他の仲間から喰種のことを聞いた……あんたは、その、喰種ってやつなのか?」
「……だったら何?」
「戒斗の仲間を殺したのもお前なのか?」
「……人の肉食べてるとこ見られたら、噂になっちゃ困るしね。」
葛葉の表情は……悲しげだった。
「……あんた、存在意義を探してるんだよな?」
「………見つかったよ。私の存在意義。」
「え?」
私はドライバーを収める。
「私は……この子の夢を守ることにした。人間と喰種が分かり合える世界を作る……その夢を守る。それが今の私の存在意義。」
「深雪……‼︎」
春奈が微笑む。
「……あんた、変わったな。」
「半分はあんたのお陰かも。葛葉 紘汰。」
「俺の?」
「強いも弱いも関係なく、守りたいものは守る……だったっけ?」
葛葉は笑顔を見せた。
「……あぁ‼︎」
葛葉が握手を求める。私はそれに応じた。
「…よし。ビートライダースの皆に知らせないとな。あんたらが悪者じゃないこと。あと、戒斗には俺が大事にはならないように説得しとくよ。」
「助かる。」
「じゃ、気をつけろよ‼︎」
葛葉はその場を後にした。
「いい人だね。」
「……そうかも。」
久々に、まともな人間に、信じられる奴に出会えた気がするかも。
「葛葉 紘汰……。」
恐らく、次の次くらいで新アームズ出します。
かなり悩んだ結果、思いつきました‼︎www
ただ、やっちまった感ありそうな感じ…構うもんかやったれ‼︎www