沢芽喰種〜ザワメグール〜   作:神武音ミィタ

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お久の更新です。
色々とメンタルとかの問題で…(>_<)
早いですが、新アームズです。


第5話 戯言

「やぁ、待たせたね。」

 

ユグドラシルタワー内の広間。私はそこでコーヒーを飲んでくつろいでいた。

私が戦極 凌馬と契約して、早3日が経った。あらゆる身体検査をされ、シミュレーションによる模擬戦闘、ヘルヘイムの調査のサポートなどをしていた。

 

「喰種の身体の構造や、君の身体能力などは分かった。あとは…喰種とヘルヘイムの植物の関係性の調査をしたい……。」

 

そう言うと戦極は……ヘルヘイムの果実の入ったクリアケースを取り出した。

 

「ドライバーを装着し、これに触ってみてくれるかい?」

 

パソコンの前に座る戦極。私は戦極ドライバーを装着し、その果実をケースから取り出した。その果実は……クリアブルーの機械的なロックシードになった。赤黒いチェリーのロックシードのようだ。

 

「やはりね。喰種の何らかの細胞が果実の変化に刺激を与え、亜種を生み出す……か。」

 

このロックシードも亜種なのか。試してみるか。

 

『ダークチェリーエナジー‼︎』

 

頭上に赤黒いチェリーのアームズが現れた。私はドライバーにセットし、ロックした。

 

「っ⁉︎」

 

ロックシードはドライバーから飛び出すように外れた。

 

「エナジーロックシードは戦極ドライバーには使えない……これを使いたまえ。」

 

戦極は、何かのアダプターの様なものを取り出し、テーブルに置いた。私はロックシードを拾い、彼に歩み寄る。

 

「喰種がロックシードに影響を及ぼすことが分かった…いいデータが取れた。感謝するよ。」

 

「ふん………。」

 

そこへ……1人のスーツの男…ユグドラシルのプロジェクトの主任、呉島 貴虎が入ってきた。彼のことは戦極 凌馬から話を聞いた。

 

「凌馬……何をしている?」

 

「そうか、ちゃんと紹介してはいなかったね……紹介するよ貴虎。彼女は紅宮 深雪くん。亜種のロックシードの保有者だ。彼女も是非、プロジェクトアークに参加して欲しいと考えているのだが……」

 

「何……?」

 

呉島 貴虎が私を見る。戦極が彼に歩み寄る。

 

「彼女は大いに役立ってくれるだろう。データの取り甲斐があるからね。もう既に、ヘルヘイムの調査のサポートなどもしてくれている。優秀な人材だよ、彼女は。」

 

「そうか……お前が言うなら間違いはない。…紅宮、と言ったな。人類の存亡のため、力を尽くしてくれ。」

 

そう言い残し、呉島 貴虎は去っていった。

 

「……さて、次はそのロックシードのデータも取らなくては………また後でお願いしよう。」

 

私は椅子に座った。そして、戦極に問う。

 

「………あなた、あの貴虎って人の計画には乗り気じゃないでしょ?」

 

「……何故そう思うんだい?」

 

「だって、あなたの顔そんな感じがするから。我慢してる…そんな表情しているもの。」

 

我慢してる表情は喰種をやっていると分かってくるものだ。戦極は我慢しているのがよく分かる。

 

「それに、あの人に隠し事もしているみたいじゃない。」

 

そう言うと、私は1枚の写真……ボヤけた赤い人型の何かの写った写真を取り出した。

 

「それを……どこで?」

 

「物色してたら見つけた。あの人に隠しているようにしか見えないね。これは何?」

 

「ククク…ハハハハハ………君、中々鋭いねぇ…ますます興味深くなったよ……‼︎」

 

戦極は立ち上がり、私に顔を近づける。そして、腕を上げながら話す。

 

「それはオーバーロードと呼んでいる、ヘルヘイムの侵食に打ち勝ち、その環境に対応することが出来たインベスだ。彼らの力を調べれば更なる力を得ることが出来るかもしれない……禁断の果実の力をね…‼︎」

 

「禁断の果実……。」

 

あらゆる神話に現れる禁断の果実。手にしたものに世界を掴む力を与えると言われる…か。

 

「是非君も協力して欲しい……君の力のために、私の力のために、ね。」

 

「ふん………。」

 

私はアダプターを取り、部屋を出た。

 

 

 

沢芽市は変わり切ってしまった。ビートライダーズのパフォーマンスは無くなり、人が植物化するという奇病が蔓延……これもユグドラシルの計画の範疇、か……。

 

「……?」

 

先の方から激しい音が。物陰から音の方を覗くと……

 

「はっ‼︎ うぉらぁっ‼︎」

 

鎧武がインベスと交戦していた。

 

「お前らに構ってる暇はないんだよ‼︎」

 

鎧武は…クリアブルーのロックシードを取り出した。そして、アダプターを戦極ドライバーのフェイスプレートと取り替えた。

 

「あれは……」

 

『レモンエナジー‼︎』

 

鎧武の頭上にレモンが現れる。アダプターにレモンエナジーロックシードをセットし、ブレードを倒す。

 

『ソイヤッ‼︎ミックス‼︎』

『オレンジアームズ‼︎花道・オンステージ‼︎』

『ジンバーレモン‼︎ハハーッ‼︎』

 

鎧武が黒い陣羽織のようなアームズに変わる。武器のアローでインベスを一掃した。

 

「ハァ…ハァ……」

 

私は鎧武に歩み寄る。

 

「あんたも持ってたんだ、それ。」

 

鎧武は私の方を向いた。

 

「あんた……あの時の…‼︎」

 

「町の人々からは嫌われても、尚戦う…か。健気なものね。」

 

「何だと……っ‼︎」

 

鎧武は身構える。

 

「やる?丁度良かった。頼まれてることもあるし、ね。」

 

私は戦極ドライバーを装着し、ロックシードを解錠する。

 

『ワイルドストロベリー‼︎』

 

ロックシードをドライバーにセットし、ロック。ブレードを倒す。

 

『ロック、オン‼︎ソイヤッ‼︎』

『ワイルドストロベリーアームズ‼︎惨劇・バーサーク‼︎』

 

私は櫻音に変身し、鎧武に斬りかかる。鎧武は無双セイバーで受け止める。

 

「うぉらっ‼︎」

 

無双セイバーを振り払って距離を離し、ソニックアローを放つ。私は避けきれず、矢をくらう。

 

「くあっ⁉︎」

 

私は吹っ飛び、地面に叩きつけられた。エナジーロックシードの力か…かなり強い。

私は立ち上がった。

 

「今は俺たちが戦ってる場合じゃねぇ‼︎この町をインベスから守るため……手を取り合うべきだろ⁉︎」

 

「ククク……何それ。そんな綺麗事、通じると思ってるわけ?」

 

私はアダプターを取り出した。そして、戦極ドライバーに取り付ける。

 

「お、お前、何でそれを⁉︎」

 

「あんたはそうやって綺麗事ばかり並べてれば、いつかは信用してくれるとでも?」

 

ダークチェリーエナジーロックシードを取り出し、解錠。

 

『ダークチェリーエナジー‼︎』

 

頭上にダークチェリーが現れ、ワイルドストロベリーが外れ、それと融合する。エナジーロックシードをドライバーにセットしてロック。ブレードを倒す。

 

『ソイヤッ‼︎ミックス‼︎』

『ワイルドストロベリーアームズ‼︎惨劇・バーサーク‼︎』

『ジンバーダークチェリー‼︎ハハーッ‼︎』

 

陣羽織のようなアームズが装着され、ソニックアローが右手に現れる。

 

「このっ‼︎」

 

鎧武はソニックアローの矢を放つ。私は無双セイバーを引き抜き、弾き落とす。そしてすかさず、ソニックアローの矢を放った。

 

「ぐああっ‼︎」

 

鎧武は矢をくらい、跪く。私はそこへ駆け出し、ソニックアローを振るう。鎧武はソニックアローで受け止める。私はそのまま押し込む。

 

「あんたは分かっていても、他の連中が何も分かってないの。あんたらが駒にされていることなんてね。あんたらが調子に乗るから、信用されないのっ‼︎」

 

鎧武を蹴り飛ばす。

 

「ぐはっ‼︎」

 

「私はあんたらとは違う。私は私自身の力を見せつけ、頂点に立つ。存在意義のために‼︎」

 

「そんなの……ただのエゴだろ‼︎」

 

ダークチェリーエナジーロックシードを外し、ソニックアローにセットして、ロック。

鎧武もレモンエナジーロックシードをソニックアローにセットし、ロック。

 

『ロック、オン…‼︎』

 

『ワイルドストロベリースカッシュ‼︎』

『オレンジスカッシュ‼︎』

 

戦極ドライバーのブレードを一回倒し、ソニックアローを引き絞る。

 

「弱いも強いも関係ない…‼︎守りたいものがそこにあるなら…俺は守るだけだっ‼︎」

 

『レモンエナジー‼︎』

 

「セイハーッ‼︎」

 

ソニックアローから矢を放つ鎧武。

 

「戯言を……っ‼︎」

 

『ダークチェリーエナジー‼︎』

 

私はソニックアローから矢を放ち、鎧武の放った矢と相打ちになった。爆風が起きる。

 

「ぐはああああっ‼︎」

 

鎧武は吹っ飛び、変身が解除された。

 

「この……っ‼︎」

 

葛葉は立ち上がり、私を睨みつける。

 

「終わり……ね。」

 

私は葛葉の顔にソニックアローの刃を突きつける。

ソニックアローを振り上げた…その時だった。

 

『カモン‼︎ バナナスカッシュ‼︎』

 

「せいっ‼︎」

 

背後から飛びかかってきたのは……アーマードライダーバロン。生きていたか。

私は振り向き、バロンのバナスピアーをソニックアローで受け止める。

 

「いつかの借りを返しにきたぞ…‼︎」

 

「へぇ、生きてたん…だっ‼︎」

 

そのまま弾き、突き放す。バロンは怯むことなく立ちはだかる。

 

「貴様……どうやら俺のチームのメンバーにも手を出したらしいな……‼︎」

 

「……何のこと?」

 

「ふざけるなっ‼︎俺のチームのメンバーが血塗れで死んでいたのが路地裏で見つかった。路地裏で噂になっているのは貴様だ‼︎」

 

「お、おい戒斗‼︎どういうことだ⁉︎ こいつが、あの惨い死体と関係が…⁉︎」

 

やれやれ……言い逃れは無理か。やはり無駄な殺生するもんじゃないか。

私はソニックアローの弓を地面に無数に放ち、視界を眩ませる。その隙にその場から離脱した。

 

 

 

「しまった……‼︎」

 

バロンは変身を解除した。

 

「戒斗、お前の言ったこと…本当なのか……?」

 

紘汰は戒斗に問う。

 

「あぁ、間違いない……奴は強者でありながら、手を血で汚している……そんな奴の強さなど、俺は認めん。」

 

戒斗はそう言い残し、立ち去った。

 

「戒斗………。」

 

『私はあんたらとは違う。』

 

深雪の言葉が頭に浮かび上がる紘汰。

 

「今はそんなこと、言ってる場合じゃねぇってのに…。」

 

 

 

 

「やれやれ……駆紋 戒斗……やつも片付けないと………」

 

私は路地裏に入り、フラフラと歩いていた。コーヒーに例の角砂糖を入れただけじゃそろそろ限界か。

 

「肉……肉、食べなきゃ………」

 

その時だった。私の目の前にクラックが現れる。そこから……

 

「キェーッ‼︎」

 

インベスが襲いかかってきた。私は避け、戦極ドライバーを取り出す。

 

……ダァン‼︎

 

「っ⁉︎」

 

どこからともなく銃撃が飛んで来た。銃撃は私の右肩を貫く。私は戦極ドライバーを落とし、肩を抑えた。

 

「ぐああ……っ‼︎」

 

「キェーッ‼︎」

 

インベスが私に蹴りを入れた。私は地面を転がり躱す。そして、尾赫を出す。

 

「この……ゴミがっ‼︎」

 

私は尾赫をインベスに突き刺し、地面に叩きつけ、動かなくなるまでインベスに尾赫を突き刺した。

そして、インベスが動かなくなり、消滅したところで、私は力尽きた。尾赫が消える。激しい空腹が私を苦しめる。

 

「肉………っ‼︎肉ぅ…っ‼︎」

 

私は地面を這いずりながら、路地裏を進んだ。

 

 

 

インベスが消えた路地裏に現れたのは…アーマードライダー龍玄。

龍玄は変身を解除した。

 

「噂には聞いていたけど、まさかこの街にも現れるとは……喰種。」

 

光実は櫻音に銃撃を放った張本人だったのだ。彼の端末に連絡が入る。

 

『手荒な真似はやめたまえ光実くん……彼女も一応、君と同じプロジェクトのメンバーだよ?』

 

戦極 凌馬からだった。

 

「彼女は怪物だ。インベスとなんら変わりないのでは?」

 

『侮ってはいけない。もしかすると、君よりも鋭いかもしれないからね彼女は……。まぁ、喰種のデータが欲しいっていうのが本音だがね。』

 

「喰種のこと、知ってたんですか。」

 

『彼女自身から聞いて私も色々調べた。実に興味深いよ……彼女は重要な人材だ。手荒な真似は、控えめにね。』

 

「……わかりましたよ。」

 

光実は通信を切り、その場を後にした。




文字数長くなった…(>_<)
鎧武もクライマックスですね。
来週のヨモツヘグリアームズ、楽しみです。
ミッチ死んでしまうのかな…(~_~;)

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