沢芽喰種〜ザワメグール〜   作:神武音ミィタ

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初変身です。
至らないところだらけかと思いますが、温かい目で見てやってください(^^;;


第2話 変身

「亜種のロックシード?」

 

ユグドラシルタワーの研究室。錠前ディーラー・シドは、戦極ドライバーの設計者…戦極 凌馬を訪ねていた。

 

「形はイチゴのロックシードと同じなんだが……ロックシードのナンバーが記されていなかった。血みたいに赤黒かったな。」

 

「なるほど興味深い……その持ち主に接触したのかい?」

 

凌馬はパソコンにイチゴロックシードのデータを映し出し、分析を始める。

 

「あぁ、戦極ドライバーを渡しておいた。少し様子見でな。」

 

「いい判断だよシド。亜種のロックシードがどれほどのものか素晴らしいデータが取れるかもしれないからね…。」

 

シドは戦極ドライバー所有者のファイルを開く。

 

「紅宮 深雪………出身不明のビートライダー。他のチームのインベスゲームに乱入を繰り返す……。」

 

「ひとまず、彼女がどれほどの力を引き出すか……そこにあるね。シド、彼女の監視も頼むよ。」

 

「あらら…任されちゃってますか、俺。」

 

シドはラボを後にした。

 

 

 

『You Win‼︎』

 

私の手元にロックシードが飛んでくる。

イチジクのロックシードか……とっておこう。

 

「お、覚えてろよー‼︎」

 

男たちは去っていった。先ほどまでインベスゲームをしていた私…紅宮 深雪はロックシードを懐にしまい、近くのベンチに座った。

 

「……あんなバトルで勝っても、強者とは証明出来ないな。」

 

背後から声。私は振り返る。

 

「チームバロンの…駆紋 戒斗…」

 

チームバロン。ランキング上位のビートライダーズチームだ。彼はそのリーダー。彼もアーマードライダーだったか。

 

「あんな弱者に勝っても、そんなのは意味が無い。自分より強い者に挑む奴こそが強者だ。」

 

「………なるほど。それがあなたが鎧武にこだわる理由というわけね……分かった。」

 

私は駆紋に歩み寄り、言い放った。

 

「……あなたにバトルを申し込む。」

 

 

 

「……ん?」

 

「どうしたの?紘汰。」

 

葛葉 紘汰は、チーム鎧武の高司 舞、呉島 光実とともに歩いていた。

 

「あそこ…何か群がってるけど。」

 

「他のチームのインベスゲームですかね?」

 

そんな3人の耳に、観衆のこの一言が飛び込んできた。

 

「アーマードライダーバロンに挑戦者だってよ‼︎」

 

「マジかよ⁉︎ その挑戦者ハンパねぇな‼︎」

 

「バロンって…戒斗⁉︎」

 

舞は紘汰と光実に目を向ける。それに応じるように頷く2人。

3人は観衆の中に紛れた。

 

 

 

「フン……俺に戦いを挑むとは…返り討ちにしてやる。」

 

観衆から囲まれる中、私と駆紋 戒斗はお互いに向き合っていた。

 

「貴様がどんなロックシードを使ってインベスを呼ぼうが……俺の敵では無い‼︎」

 

駆紋は戦極ドライバーを装着。ロックシードを取り出し、解錠。

 

「変身‼︎」

 

『バナナ‼︎』

 

上空にバナナが現れる。駆紋はロックシードをドライバーにセットし、ブレードを倒す。

 

『ロック、オン‼︎』

『カモン‼︎ バナナアームズ‼︎ ナイトオブスピアー‼︎』

 

駆紋はアーマードライダーバロンへと変身した。

 

「うおおおお‼︎バロンだー‼︎」

 

「戒斗ー‼︎いけーっ‼︎」

 

観衆とチームバロンのメンバーの歓声が響く。

バロンは身構える。

 

「さぁ、どうした?かかってこい。」

 

「…………」

 

私は戦極ドライバーを取り出し、装着した。

 

 

 

 

それを見ていたチーム鎧武のメンバーは驚愕した。

 

「⁉︎ そんな⁉︎」

 

紘汰が目を見開く。

 

「また新しいアーマードライダー⁉︎」

 

「はぐれビートライダーがアーマードライダーに……」

 

 

 

「何……っ⁉︎」

 

バロンは驚いたような声を上げる。

周りの観衆も驚愕したような表情を浮かべる。

 

私は戦極ドライバーを装着し、ロックシードを取り出した。

 

「……変身。」

 

ロックシードを解錠。

 

『ワイルドストロベリー‼︎』

 

私の頭上に血のような赤黒さをもったイチゴが現れた。ドライバーにロックシードをセットし、ロック。

 

『ロック、オン‼︎』

 

法螺貝の音が鳴り響く。私はブレードを倒す。

 

『ソイヤッ‼︎ ワイルドストロベリーアームズ‼︎ 惨劇・バーサーク‼︎』

 

私の頭にイチゴが被さり、鎧に展開する。

右手に専用の刀が現れる。イチゴを模した、血のような赤さをした刀……乱丸とでも名付けようか。

 

「アーマードライダーだったのか……だが、俺の敵では無い‼︎」

 

バロンはこちらに、スピアーを突き出して突進してきた。私は左手でスピアーを受け止めた。

 

「何っ⁉︎」

 

「……はっ‼︎」

 

私は乱丸でバロンを斬りつける。

 

「ぐあああっ⁉︎」

 

バロンはその場に崩れ落ちた。

 

「な、何だ、この力は……っ⁉︎」

 

「凄い……これがアーマードライダー…」

 

喰種の力が元から備わっているのもあるが、この力は凄い。身体の底から力が漲る。

 

私は腰の無双セイバーを引き抜く。

 

「ナメる…なっ‼︎」

 

バロンは立ち上がり、スピアーを振るう。私は乱丸で受け止め、無双セイバーのガンモードを放った。

 

「ぐああああああああっ‼︎」

 

「はぁっ‼︎」

 

蹴りを入れ、バロンを突き放す。バロンは倒れるが、すぐ様起き上がり、ドライバーのブレードを2回倒した。

 

『カモン‼︎ バナナオーレ‼︎』

 

「せいっ‼︎」

 

スピアーを高く上げ、バナナのオーラを纏い、振り下ろす。

私はそれを、乱丸と無双セイバーで受け止め、弾く。

 

「この程度か……」

 

ブレードを1回倒す。

 

『ソイヤッ‼︎ ワイルドストロベリースカッシュ‼︎』

 

無双セイバーを腰に戻し、乱丸を両手で構え、エネルギーを集中させる。

 

「はっ‼︎」

 

駆け出し、乱丸でバロンに横一文字の斬撃を浴びせる。

 

「ぐあああっ‼︎」

 

バロンは吹っ飛び倒れる。

 

「凄い……気持ちいい………っ‼︎」

 

戦いたい……もっと……もっと………っ‼︎

 

「もっと………もっと…‼︎」

 

私は本能の赴くまま、バロンに斬撃を浴びせる。倒れては起き上がらせ、斬る。倒れては起き上がらせ、斬る……その繰り返しだ。

 

「ぐ…………なんて力だ……‼︎」

 

「もっと…………もっと……戦いたい……ッ‼︎」

 

私はブレードを2回倒した。

 

『ソイヤッ‼︎ワイルドストロベリーオーレ‼︎』

 

私は足に力を溜め……倒れているバロンに足を振り下ろした。

 

「が…………ッ」

 

バロンは強制的に変身解除された。駆紋は気絶してしまった。

 

「かっ、戒斗ーっ‼︎」

 

チームバロンのメンバーが彼に駆け寄る。

 

「おい戒斗⁉︎ 戒斗ー‼︎」

 

私は変身を解除し、その場を去ろうと振り返る。すると、私の目の前に……チーム鎧武の葛葉 紘汰がいた。

 

「あんた……いくらなんでも、あの戦い方は無いだろ⁉︎ 残酷すぎる‼︎ 戒斗が死んだらどうするんだ⁉︎」

 

彼は私に言い放った。

私は彼に歩み寄る。

 

「戦いに死は付き物じゃないの?生き残りを賭けて戦っているんなら尚更、命のやりとりは必要じゃないの?」

 

「これはゲームだろ⁉︎ 確かに危険なことだが、命まで奪うのはやり過ぎだろ‼︎」

 

私は呆れまじりに、彼の横を通り過ぎる。

 

「……甘いんだよ、そんなのじゃ。」

 

 

 

「あー……つまんねぇ。」

 

夜の路地裏。1人の男がフラフラと歩く。

その男は、チームバロンの服を身に纏っていた。

 

「戒斗さんはやられちまうし…最近俺ら不調だし……チーム移ろっかな……ん……何だこの臭い……血生臭ぇ…」

 

男は手を口に当てながら路地裏を進む。

 

……ビチャッ……グチュッ……

 

「?」

 

向こうから生々しい音。男は物陰から音のする方を覗き込んだ。そこには………

 

「っ⁉︎」

 

女が……男の身体を引き裂きながら口にしていた。

 

「…っ。うぶっ…‼︎」

 

……カランッ。

男の足に空き缶が当たり、倒れた。

 

「ひっ⁉︎」

 

「誰っ⁉︎」

 

男はその場に尻餅をついた。女は……黒い仮面から右目と口だけを露出させ、男を見下す。

 

「あら…見ちゃったんだ。じゃあ……あなたも、私の食糧決定ね……‼︎」

 

女の右目が赤くなり、尾てい骨辺りが怪しく蠢き……赤黒いサソリのような尾が現れた。

 

「あ…………あぁっ……‼︎」

 

「いただきまぁす……‼︎」

 

尾が男の心臓部を貫いた。

 

「っ……ゲポ…ッ。」

 

男は声もなく口から血を吐き出し、息絶えた。

男の懐から落ちたロックシードに、血がかかった。

 

女……深雪は仮面を外し、二つの死体を喰らった……。




ライダーの二次創作って中々難しいですね……(⌒-⌒; )
書きながら慣れていきたいです。

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