沢芽喰種〜ザワメグール〜   作:神武音ミィタ

12 / 17
かなり間が空いてしまった…T^T
申し訳ないです。


第12話 卑怯

 

 

 

「不味い……‼︎」

 

白鳩がゆっくり近づいてくる。

 

「とどめだ‼︎」

 

クインケを振り上げる。私は目を瞑った。

 

『ジンバーレモン‼︎ハハーッ‼︎』

 

「⁉︎」

 

クインケが弾かれ、地面に突き刺さる。鎧武がソニックアローの矢を放ち、クインケを弾いたのだ。

 

「大丈夫か⁉︎」

 

「わ、私は大丈夫……なんとか。」

 

「アーマードライダー……やはり喰種の味方だったか…‼︎」

 

白鳩の男はクインケを収め、その場から走り去った。

 

「あいつ……新しい捜査官か…。」

 

ナックルが起き上がり、こちらに歩み寄る。二人は変身を解除。

 

「アーマードライダーと互角に戦うとは……かなりヤバいかもしれないな。」

 

「……それより、あの銃撃……。」

 

どこからともなく飛来してきた銃撃。あれは一体どこから………。

 

「とにかく、またいつ襲ってくるかわからねぇ。警戒しておこう。」

 

紘汰の言葉に、私とザックは頷いた。

 

 

 

 

「まさか、あそこまで仲間をつけていたとはな……。」

 

ビルの影に潜む亜門。そこへ……アーマードライダーが変身を解除し、彼に歩み寄る。その正体は……碧神 千秋。

 

「次は必ず仕留めましょう。次も罠を張って、奴らをおびき出します。」

 

「あぁ。」

 

二人はその場から移動した。

 

 

 

 

「遠くの音が聞こえるようになるロックシード?」

 

私は戦極 凌馬の元を訪ねていた。ロックシードをもらうためだ。

 

「うん。そういうのってない?」

 

「うーむ……ゲネシスコアにピーチエナジーを装着すればそれらしい能力にはなるかな?」

 

そう言うと戦極はクリアケースからピーチエナジーロックシードを取り出し、私に差し出した。

 

「ま、君の役に立てば嬉しいよ。」

 

私はそれを受け取る。

 

「どーも。」

 

私はその場を後にした。

 

「……彼女も葛葉 紘汰のようになるか…?いや、考え過ぎか………。」

 

 

 

 

「さて………」

 

ドルーパーズに1人やって来た私は考えていた。あの捜査官は明らかに援護を付けている。その援護の正体と捜査官をどう突き放すか……。

 

「あれ、深雪。」

 

店にやって来たのは……紘汰と舞、ザックとペコだった。

 

「紘汰……。」

 

「どうしたんだよ、考え事か?」

 

「あぁ、うん。捜査官のやつ。どうやってこっから追い払おうかなって。」

 

「あいつらもしつこいからな……アーマードライダーも敵と見なしただろうし、俺たちにも襲い掛かってくるだろうからな。」

 

ザックが頭を掻きながら言う。

 

「メインの狙いは私だからね。あいつら、私さえ殺しておけば、ここには用無し……とでもいった感じだろうね。」

 

私は立ち上がり、レジにお金を置いた。

 

「お、おい、何処行くんだよ?」

 

ザックが問う。

 

「ちょっとね。」

 

私は店を出た。

 

 

 

 

「ここにもいないな………。」

 

路地裏を歩き、通りに出てきた亜門と千秋。

 

「死体なども無かったですね……。他のビートライダースが匿っているのでしょうか?」

 

「可能性はあるな…。」

 

ドルーパーズの前にやってくる2人。そこから出てきたのは……一人の少女。

 

「‼︎」

 

「? あれは……」

 

少女は足早にその場を去った。

 

「追うぞ、碧神。」

 

「は、はい‼︎」

 

二人はその少女……深雪の尾行を開始した。

 

 

 

「不味いな……。」

 

門を曲がりに曲がって何とか撒き、物陰に隠れる。最悪な状況かもしれない。ここでバレたら……

 

「………ここで何をしている?」

 

「⁉︎」

 

嘘………いつ背後に……⁉︎

白鳩の男が背後に立っていた。

 

「君は……喰種だな?」

 

「………何のこと?」

 

背中を向いたまま立ち上がる。

 

「あくまでシラをきるか……っ‼︎」

 

クインケを展開した。私は壁を蹴って飛び上がり、クインケを躱した。

 

「危ないわね……一般人にもそうするわけ⁉︎」

 

「お前が喰種という事実は分かっている。だから躊躇い無く行動したまでだ。」

 

「腐ったマネして……恥ずかしく無いわけ⁉︎」

 

「黙っていろ、化け物っ‼︎」

 

クインケを振るう。私は後ろに跳んで躱す。

 

「あんたのような奴がいるから……罪のない人が死ぬ‼︎ いい加減それを分かれ‼︎変身‼︎」

 

『ワイルドストロベリー‼︎』

『ロック、オン‼︎ ソイヤッ‼︎』

『ワイルドストロベリーアームズ‼︎惨劇・バーサーク‼︎』

 

私は櫻音に変身。

 

「私は理想を叶える……死ぬわけにはいかない‼︎」

 

「ほざけぇっ‼︎」

 

白鳩がクインケを振るう。やはりモーションがデカイ……所詮パワーだけ‼︎

 

「はっ‼︎」

 

私はクインケを弾き落とす。

 

「しまっ……‼︎」

 

「悪いけど…眠ってもら……っ⁉︎」

 

背後に銃撃。私はその場に跪く。その間に白鳩がクインケを拾う。

 

「はぁっ‼︎」

 

クインケを喰らい、私は吹っ飛び地面に叩きつけられる。

 

「またか……だけど‼︎」

 

私はピーチエナジーロックシードとゲネシスコアを取り出した。ロックシードを解錠。

 

『ピーチエナジー‼︎』

 

ゲネシスコアをドライバーに装着し、ロックシードをセットし、ロック。

 

『ロック、オン…‼︎』

『ソイヤッ‼︎ ミックス‼︎』

『ワイルドストロベリーアームズ‼︎惨劇・バーサーク‼︎』

『ジンバーピーチ‼︎ハハーッ‼︎』

 

私は集中する。辺りの音がよく聞こえる。集中しろ、もっとだ。遠くから私を狙っている。だとすれば……かなり変わった呼吸が聞こえるはず。

 

「…………‼︎」

 

『スゥー………ハァー………っ‼︎』

 

4時方向‼︎

 

「そこかっ‼︎」

 

ソニックアローを放つ。矢は……物陰に隠れていた何かに命中した。

 

「きゃあっ‼︎」

 

足場から地面に叩きつけられたのは……アーマードライダーだった。

 

「‼︎ 白鳩もアーマードライダーを……⁉︎」

 

「あ、碧神っ‼︎」

 

男の白鳩がクインケを振るう。私は即座に躱し、男の腹部に拳を叩き込み、気絶させた。

 

「よくもまぁ……汚い戦いしてくれたじゃん、ん?」

 

「ひっ⁉︎ いっ、嫌ぁああああっ‼︎」

 

アーマードライダーはライフルを乱射する。私はソニックアローで弾く。

 

「あんたらがいるから……あんたらがいるから私はァッ‼︎」

 

『アボカドスカッシュ‼︎』

 

エネルギー弾が放たれる。私は避け、アーマードライダーに接近し、その首元にソニックアローを突きつける。

 

「ひぃっ⁉︎」

 

「………私さぁ…あんたみたいにコソコソしながら卑怯に生き延びるやつって、許せないのよね…‼︎」

 

「……あんたに、何がわかるっ‼︎」

 

アーマードライダーは私を蹴りで突き放す。

 

「あんたらみたいなやつがいたから……喰種なんてやつが出て来たから……対策局なんてあったから、私はっ‼︎」

 

ライフルを放つ。私は後ろに跳んで躱し、ロックシードを解錠。

 

『赫子‼︎』

『ロック、オン‼︎』

『ソイヤッ‼︎』

『赫子アームズ‼︎血華乱舞・オン・サヴァイバル‼︎』

 

赫子アームズにチェンジ。ちょっと黙らせないといけないみたいね、こいつは。

 

「さぁ、宴を始めましょうか‼︎」

 

『鱗赫‼︎』

 

腰から鱗赫を展開。アーマードライダーに叩きつける。

 

「きゃあっ‼︎」

 

アーマードライダーは地面に叩きつけられる。

 

『赫子オーレ‼︎』

 

鱗赫をアーマードライダーに巻きつかせ拘束し、こちらに引き寄せる。私は同時に駆け出し、キックの体制をとる。

 

「サァアアアアアイッ‼︎」

 

キックはアーマードライダーに炸裂。アーマードライダーは吹っ飛び、強制的に変身解除。

 

「きゃああああっ‼︎」

 

ドラム缶の山に突っ込む。その正体は…眼鏡の少女。

 

「っ‼︎ ひぃ……っ‼︎」

 

私はゆっくり彼女に歩み寄る。

 

「やだ……っ‼︎やだやだっ‼︎ 死にたくないっ‼︎」

 

「……同じ言葉を、あんたらが葬った喰種も言ったはずなんじゃ?」

 

『甲赫‼︎』

 

「ぐ……っ⁉︎」

 

男の白鳩が目覚めた。

 

「逃げろ、碧神っ‼︎」

 

「ふんっ‼︎」

 

私は甲赫を突き刺した………倒れている眼鏡の白鳩の、顔の真横の地面に。

 

「……っ。」

 

少女は気を失った。私は甲赫を地面から引き抜き、変身解除。

 

「……何故、殺さない……?」

 

男の白鳩が立ち上がる。私は彼の方を向いた。

 

「………私は、人殺しはしない。」

 

そして、彼に歩み寄る。腕から血が出ていた。止血の手当てを施す。

 

「そして、あんたらを恨んだりもしない。それが、私の……大切な友達だったやつの願いだから。」

 

「……………」

 

疑いの眼差し。まぁ、無理もないか。

 

「……別に、信じたくないなら信じなくていい。ただ、その疑いが、命を奪うことになる。」

 

手当てを終え、私は彼に背を向け歩き出した。

 

「それだけは……覚えておいて。」

 

 

 

 

「おい、碧神。」

 

亜門は千秋に駆け寄り、彼女を揺さぶる。その瞼が開く。

 

「亜門さん……ごめんなさい……。」

 

「気にするな。それより、怪我は?」

 

「大丈夫、です。」

 

二人は立ち上がる。

 

「……あのアーマードライダー…櫻音は何故私を殺さなかったのでしょうか…?」

 

「……奴は人殺しはしないと言っていた。人を恨むことも、な。」

 

「え?」

 

その言葉に、千秋は目を見開く。

 

「………碧神。この件は手を引こう。本部には、逃げられた上に、沢芽市に対策局が無い以上、追跡は不可能と報告しよう。」

 

「そんな⁉︎ 」

 

「……とりあえず、この街を出よう。」

 

「嫌です‼︎ 私は認めませんっ‼︎」

 

千秋は首を横に振る。そして、走り去った。

 

「…………」

 

亜門は何も言わず、沢芽市を出た。

 

 




車校が終わればペース上がると思いますが、今はまだ…orz
とりま、頑張りますよ、えぇ。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。